登録販売者試験の合格点・合格ラインについて
公開日:2017年06月30日
更新日:2023年06月15日
登録販売者試験の合格点・合格ラインについて
こんにちは、登録販売者転職のアポプラス登販ナビライターチームです。
登録販売者試験は早いところでは8月から始まります。試験勉強中の方にとって、気になるのは登録販売者試験の合格ラインではないでしょうか。今回は、登録販売者試験の合格基準について詳しく解説します。
目次
- ・登録販売者試験の概要
- ・登販試験の合格基準は都道府県ごとに異なる
- ・登録販売者試験の都道府県別合格ライン
- ・登録販売者の合格点・合格ラインに関するよくある質問
- ・登録販売者試験合格後はぜひ、アポプラスキャリアへ
登録販売者試験の概要
登録販売者試験は厚生労働省の「登録販売者試験実施要項」に基づいて、各都道府県で実施をされます。試験内容は地域ブロックごとに作成されますが、問題の出題形式や出題範囲に関しては全国で同じです。都道府県で異なるのは合格基準となる各試験項目の正答率です。試験日が地域ブロックで異なるため、人によっては、「受かりやすい県で実施した方がいいのか?」と不安に思う人もいるでしょう。合格基準について次章以降で詳しく解説します。
登販試験の合格基準は都道府県ごとに異なる
登録販売者試験の合格基準は2つあり、まず1つは「総出題数に対する正答率が7割以上であること」、これは全国共通です。
もう1つの合格基準が「各試験項目の正答率」です。後者の条件は各都道府県によって定められており、「各試験項目の正答率は3割5分以上」のように都道府県ごとに変わります。各試験項目の正答率に関しては、このページの「登録販売者試験の都道府県別合格ライン」に一部掲載しておりますが、掲載していない都道府県や年度によって変わる可能性があるので、基本的には各都道府県のホームページを確認しましょう。
この2つの基準があるため、総合で7割以上正解していても、例えば第1章が0点だったりすると、合格はできないことになります。
各試験項目の正答率が「3割5分以上」もしくは「4割以上」と公表している都道府県が多いため、ここでは各試験項目の正答率が「3割5分」と「4割」で例を挙げご説明します。
「3割5分」と「4割」の場合、項目ごとの最低合格点がどの程度になるのかは以下の表の通りです。
問題数 | 3割5分 | 4割 | |
---|---|---|---|
第1章 | 20 | 7 | 8 |
第2章 | 20 | 7 | 8 |
第3章 | 40 | 14 | 16 |
第4章 | 20 | 7 | 8 |
第5章 | 20 | 7 | 8 |
3割5分が合格ラインであれば、7点もしくは14点。4割であれば8点、もしくは16点を、各試験項目で取る必要があります。また全体数は120問ですので、全体では84点以上取ることで合格となります。
試験合格のための第3章の覚え方
登録販売者試験の各章の問題数を見てわかるように、第3章は40問と他の章に比べて問題数が多いです。第3章は現場でお客さま対応をする際に必要な知識である「医薬品の成分」に関する章です。そのため覚える単語も多く、生薬・漢方薬も含むので範囲が広いという特徴があります。生薬・漢方薬に関する問題は年度によって問題数にばらつきがあるため、余裕をもって対策時間をあてるようにすることと、西洋薬を一通り覚えた後に漢方を勉強するようにすると混乱しにくいでしょう。
また、成分名も語尾に着目してグループごとにまとめると覚えやすいです。
語尾 | 成分群 | 成分の例 |
---|---|---|
○○アミン・スチン | 抗ヒスタミン成分 | ジフェンヒドラミン、クレマスチン |
○○アーゼ | 消化酵素 | ジアスターゼ、リパーゼ |
○○ゾン・ゾロン | ステロイド性抗炎症成分 | デキサメタゾン、プレドニゾロン |
詳しい第3章の勉強の順番や覚え方については以下のページで、実際に登録販売者試験の対策講義をおこなっている講師が解説をしているので参考にしてください。
登録販売者試験の都道府県別合格ライン
各項目の合格ライン(足切り基準)は、都道府県ごとによってさまざまです。 「試験実施後に公表すること」となっているため、今年度試験についての基準は公表されておりません。 参考に、前年度の合格基準一覧を記載いたします。おおよその目安になるかと思われます。
※この一覧表を作成した2023年4月18日時点では情報公開されていない都道府県がありましたので、空欄の都道府県につきましては、各都道府県のホームページをご確認ください。
都道府県 | 合格基準 |
---|---|
北海道 | 4割 |
青森県 | 4割 |
岩手県 | 4割 |
宮城県 | 4割 |
秋田県 | 4割 |
山形県 | 4割 |
福島県 | - |
茨城県 | - |
栃木県 | - |
群馬県 | - |
新潟県 | 4割5分 |
山梨県 | - |
長野県 | - |
神奈川県 | 3割5分 |
千葉県 | 3割5分 |
埼玉県 | 3割5分 |
東京都 | 3割5分 |
都道府県 | 合格基準 |
---|---|
富山県 | 3割5分 |
石川県 | - |
岐阜県 | 3割5分 |
静岡県 | 3割5分 |
愛知県 | 3割5分 |
三重県 | 3割5分 |
福井県 | - |
滋賀県 | 3割5分 |
京都府 | 3割5分 |
兵庫県 | 3割5分 |
和歌山県 | 3割5分 |
奈良県 | 3割5分 |
大阪府 | 3割5分 |
鳥取県 | 4割 |
島根県 | 3割5分 |
岡山県 | 4割 |
広島県 | 4割 |
都道府県 | 合格基準 |
---|---|
徳島県 | 4割 |
香川県 | 4割 |
愛媛県 | 4割 |
高知県 | 4割 |
佐賀県 | 3割5分 |
長崎県 | 3割5分 |
熊本県 | 3割5分 |
大分府 | 3割5分 |
宮崎県 | 3割5分 |
鹿児島県 | 3割5分 |
沖縄県 | 3割5分 |
(参照:各都道府県のホームページ)
つまり、第1~5章まで満遍なく取りつつ、得意なところを作っておくと合格ができます。過去問については 各都道府県のホームページから確認できるので、事前に傾向の確認と対策をしておきましょう。
過去問の勉強法については以下のページを参考にしてください。
登録販売者の合格が難しい県は?
各都道府県によって試験項目ごとの合格基準が異なる登録販売者試験。そのため、「合格が難しい県があるのでは?」と疑問に思うでしょう。
結論からいうと、合格が難しい県はありません。
地域ブロックでは北海道・東北ブロックの合格率が高い傾向はありますが、近年は地域ブロックごとの合格率の差は縮まっている傾向にあります。2019年~2022年の合格率を見ると高知県の合格率が低く、難しい県に思えますが、地域ブロックが同じ山口県や香川県は合格率が43%以上と高いです。
合格に向けての対策は、受験をする地域ブロックの過去問3年分を解くのに加えて、他の地域ブロックの問題も過去1年分はやるようにすると傾向の変化にも対応がしやすくなるのでおすすめです。以下のような地域ブロックによって試験問題は同じなため、過去問を解く際は重複しないように注意しましょう。
- 北海道・東北ブロック
- 北海道 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県
- 関東・甲信越ブロック
- 茨城県 栃木県 群馬県 新潟県 山梨県 長野県
- 首都圏ブロック
- 東京都 神奈川県 千葉県 埼玉県
- 北陸・東海ブロック
- 富山県 石川県 静岡県 愛知県 岐阜県 三重県
- 関西広域連合ブロック
- 大阪府 京都府 兵庫県 滋賀県 和歌山県 徳島県 福井県
- 奈良ブロック
- 奈良県
- 中国・四国ブロック
- 鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県 香川県 高知県 愛媛県
- 九州・沖縄ブロック
- 福岡県 大分県 宮崎県 佐賀県 長崎県 熊本県 鹿児島県 沖縄県
都道府県 | 2022年(令和4年) | ||
---|---|---|---|
受験者数(名) | 格者数(名) | 合格率 | |
北海道 | 2,005 | 1,043 | 52.0% |
青森県 | 672 | 328 | 48.8% |
岩手県 | 687 | 286 | 41.6% |
宮城県 | 1,491 | 736 | 49.4% |
秋田県 | 460 | 187 | 40.7% |
山形県 | 526 | 228 | 43.3% |
福島県 | 1,343 | 564 | 42.0% |
茨城県 | 1,316 | 636 | 48.3% |
栃木県 | 853 | 370 | 43.4% |
群馬県 | 1,808 | 1,033 | 57.1% |
埼玉県 | 2,579 | 1,034 | 40.1% |
千葉県 | 2,910 | 1,158 | 39.8% |
東京都 | 4,570 | 1,898 | 41.5% |
神奈川県 | 3,216 | 1,433 | 44.6% |
新潟県 | 920 | 464 | 50.4% |
富山県 | 613 | 250 | 40.8% |
石川県 | 734 | 297 | 40.5% |
福井県 | 444 | 136 | 30.6% |
山梨県 | 510 | 286 | 56.1% |
長野県 | 948 | 474 | 50.0% |
岐阜県 | 999 | 405 | 40.5% |
静岡県 | 1,652 | 761 | 46.1% |
愛知県 | 3,171 | 1,380 | 43.5% |
三重県 | 672 | 301 | 44.8% |
奈良県 | 601 | 287 | 47.8% |
鳥取県 | 220 | 82 | 37.3% |
島根県 | 373 | 126 | 33.8% |
岡山県 | 858 | 337 | 39.3% |
広島県 | 1,054 | 450 | 42.7% |
山口県 | 512 | 225 | 43.9% |
香川県 | 467 | 204 | 43.7% |
愛媛県 | 623 | 241 | 38.7% |
高知県 | 362 | 108 | 29.8% |
福岡県 | 2,426 | 1,415 | 58.3% |
佐賀県 | 1,328 | 787 | 59.3% |
長崎県 | 558 | 308 | 55.2% |
熊本県 | 780 | 423 | 54.2% |
大分県 | 571 | 332 | 58.1% |
宮崎県 | 433 | 231 | 53.3% |
鹿児島県 | 829 | 420 | 50.7% |
沖縄県 | 619 | 276 | 44.6% |
関西広域連合 | 7,893 | 2,767 | 35.1% |
年度計 | 55,606 | 24,707 | 44.4% |
都道府県 | 2020年(令和2年) | ||
---|---|---|---|
受験者数(名) | 格者数(名) | 合格率 | |
北海道 | 1,815 | 861 | 47.4% |
青森県 | 689 | 297 | 43.1% |
岩手県 | 691 | 346 | 50.1% |
宮城県 | 1,665 | 736 | 44.2% |
秋田県 | 414 | 162 | 39.1% |
山形県 | 403 | 179 | 44.4% |
福島県 | 692 | 236 | 34.1% |
茨城県 | 1,240 | 545 | 44.0% |
栃木県 | 893 | 385 | 43.1% |
群馬県 | 1,009 | 470 | 46.6% |
埼玉県 | 2,490 | 749 | 30.1% |
千葉県 | 2,140 | 737 | 34.4% |
東京都 | 4,437 | 1,464 | 33.0% |
神奈川県 | 2,671 | 1,033 | 38.7% |
新潟県 | 883 | 332 | 37.6% |
富山県 | 549 | 239 | 43.5% |
石川県 | 765 | 330 | 43.1% |
福井県 | 477 | 166 | 34.8% |
山梨県 | 287 | 92 | 32.1% |
長野県 | 1,318 | 419 | 31.8% |
岐阜県 | 1,262 | 583 | 46.2% |
静岡県 | 1,263 | 636 | 50.4% |
愛知県 | 2,786 | 1,561 | 56.0% |
三重県 | 735 | 390 | 53.1% |
奈良県 | 1,726 | 612 | 35.5% |
鳥取県 | 200 | 77 | 38.5% |
島根県 | 280 | 140 | 50.0% |
岡山県 | 869 | 429 | 49.4% |
広島県 | 1,039 | 604 | 58.1% |
山口県 | 517 | 279 | 54.0% |
香川県 | 518 | 262 | 50.6% |
愛媛県 | 622 | 300 | 48.2% |
高知県 | 383 | 152 | 39.7% |
福岡県 | 2,655 | 1,154 | 43.5% |
佐賀県 | 398 | 158 | 39.7% |
長崎県 | 529 | 221 | 41.8% |
熊本県 | 821 | 355 | 43.2% |
大分県 | 566 | 265 | 46.8% |
宮崎県 | 485 | 171 | 35.3% |
鹿児島県 | 849 | 310 | 36.5% |
沖縄県 | 796 | 286 | 35.9% |
関西広域連合 | 8,132 | 3,230 | 39.7% |
年度計 | 52,959 | 21,953 | 41.5% |
都道府県 | 2019年(令和元年) | ||
---|---|---|---|
受験者数(名) | 格者数(名) | 合格率 | |
北海道 | 2,085 | 1,340 | 64.3% |
青森県 | 710 | 433 | 61.0% |
岩手県 | 603 | 343 | 56.9% |
宮城県 | 1,292 | 800 | 61.9% |
秋田県 | 542 | 309 | 57.0% |
山形県 | 543 | 326 | 60.0% |
福島県 | 2,487 | 1,473 | 59.2% |
茨城県 | 1,644 | 584 | 35.5% |
栃木県 | 1,147 | 368 | 32.1% |
群馬県 | 1,421 | 491 | 34.6% |
埼玉県 | 3,138 | 734 | 23.4% |
千葉県 | 2,749 | 683 | 24.8% |
東京都 | 5,126 | 1,334 | 26.0% |
神奈川県 | 3,396 | 956 | 28.2% |
新潟県 | 1,034 | 370 | 35.8% |
富山県 | 710 | 310 | 43.7% |
石川県 | 790 | 293 | 37.1% |
福井県 | 846 | 344 | 40.7% |
山梨県 | 469 | 180 | 38.4% |
長野県 | 997 | 318 | 31.9% |
岐阜県 | 1,351 | 571 | 42.3% |
静岡県 | 2,081 | 1,107 | 53.2% |
愛知県 | 2,874 | 1,392 | 48.4% |
三重県 | 1,020 | 484 | 47.5% |
奈良県 | 2,637 | 1,516 | 57.5% |
鳥取県 | 213 | 63 | 29.6% |
島根県 | 245 | 97 | 39.6% |
岡山県 | 1,225 | 420 | 34.3% |
広島県 | 920 | 429 | 46.6% |
山口県 | 754 | 280 | 37.1% |
香川県 | 602 | 191 | 31.7% |
愛媛県 | 473 | 161 | 34.0% |
高知県 | 312 | 78 | 25.0% |
福岡県 | 4,459 | 1,970 | 44.2% |
佐賀県 | 786 | 331 | 42.1% |
長崎県 | 519 | 250 | 48.2% |
熊本県 | 751 | 307 | 40.9% |
大分県 | 643 | 297 | 46.2% |
宮崎県 | 433 | 170 | 39.3% |
鹿児島県 | 796 | 282 | 35.4% |
沖縄県 | 752 | 232 | 30.9% |
関西広域連合 | 9,713 | 5,711 | 58.8% |
年度計 | 65,288 | 28,328 | 43.4% |
参考:厚生労働省HP これまでの登録販売者試験実施状況等について
※この表を作成した2023年4月18日時点で公開されている直近3年の情報です。
登録販売者の合格点・合格ラインに関するよくある質問
最後に、登録販売者試験の合格点・合格ラインに関するよくある質問にお答えしていきます。
合格するには何時間勉強が必要?
登録販売者試験に合格するために必要な勉強時間は一般的に250時間~350時間程度が目安といわれています。登録販売者試験は受験資格に実務経験を問われないため、実務経験がある人なら目安とされる時間よりも短い時間で合格できる人もいるでしょう。
登録販売者試験は出題範囲が広かったり、他の地域ブロックの過去問をしたりするため勉強へのとりかかりは余裕を持つようにしましょう。
試験日は8月下旬から12月中旬です。各地域ブロックによって異なりますが例年と試験日が大きく変わることはないため、事前にスケジュールを調整しておきましょう。
登録販売者は独学でも合格できる?
登録販売者試験の合格率は全国平均で40~45%です。受験資格を問わない試験としては低い合格率のように見えますが、独学でも合格可能な合格率です。受験条件に学歴や実務経験が無い他の民間資格の2級と同様な合格率です。独学での合格のために勉強スケジュールの確認や出題範囲の確認をして、しっかりと対策するようにしましょう。
登録販売者の合格率が低い理由は?
登録販売試験の合格率が低い理由は受験条件に学歴や実務経験が無いからと言えます。大学で薬学を専攻していない人や、一般医薬品の販売に関する実務経験が無い人も受験をすることができます。そのため、試験に向けて勉強をしてこなかった人もいるため合格率が低いです。
登録販売者試験合格後はぜひ、アポプラスキャリアへ
登録販売者の資格を取得することで転職に有利になることはもちろん、資格を持たない方に比べて時給が高めに設定されていたり、資格手当として給与にプラスされるケースが多く見られます。 また、昇進・昇進の機会が得られることもできます。 これからの将来が期待される「登録販売者」の資格を取得され、お仕事を探される際にはぜひ、当社にご相談ください。
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