【最新】登録販売者の管理者要件とは?実務経験や実務従事証明書の提出が必要

こんにちは、登録販売者転職のアポプラス登販ナビライターチームです。
登録販売者として店舗のOTC(一般用医薬品)販売を担う中で、「管理者」としての役割を果たすには、いくつかの条件を満たす必要があります。2023年の制度改正により、管理者要件における業務経験の年数は緩和されました。一方で、追加的研修が新たに義務化されています。
本記事では、2023年の制度改正を踏まえながら、登録販売者が管理者になるための条件や申請手続きについてわかりやすく解説します。安全なOTC(一般用医薬品)販売の実現に向けて、正しい知識を身につけておきましょう。
目次
- ・登録販売者の管理者要件とは?業務内容などを解説
- ・管理者要件を満たすための条件
- ・登録販売者が店舗管理者になるメリット
- ・【実務(業務)従事証明書の提出など】申請手順
- ・まとめ|登録販売者は管理者要件を満たそう
登録販売者の管理者要件とは?業務内容などを解説

登録販売者の管理者要件とは、登録販売者が職場で管理者として責任をもって業務をおこなうために必要な条件を指します。とくに実務経験や実務従事証明書の提出は管理者要件を満たすうえで重要なポイントです。
2023年の制度改正により、実務経験の年数要件は緩和されましたが、その一方で「追加的研修」の修了が新たに必須となるなど、要件がより明確化・制度的に整理されました。管理者としてふさわしい知識と経験をもち、安全かつ適切にOTC(一般用医薬品)の販売管理をおこなうことが求められます。
登録販売者の管理者要件とは?
登録販売者の管理者要件とは、店舗管理者になるための条件を指します。2023年4月の制度改正により、管理者要件はより柔軟な運用が可能になった一方で、研修修了など新たな要件も加わりました。
現在、店舗管理者になるには、以下いずれかの要件を満たす必要があります。
- 過去5年以内に通算2年以上かつ1920時間以上の実務経験がある者
- 過去5年以内に通算1年以上かつ1920時間以上の実務経験があり、継続的研修および追加的研修を修了した者
- 過去に店舗管理者または区域管理者としての業務経験があり、実務経験が通算1年以上かつ1920時間以上ある者
この実務経験はOTC(一般用医薬品)販売に直接かかわるものであることが求められ、管理者として適切な判断力と知識を備えるための条件とされています。
そもそも登録販売者とは?
登録販売者とは、OTC(一般用医薬品)の販売に関して専門知識を有し、一定の試験に合格した者に与えられる資格です。ドラッグストアや薬局などでOTC(一般用医薬品)の販売をおこなう役割を担い、医薬品の安全使用に関する相談対応や適切な説明をおこないます。
薬剤師とは異なり、主に第2類・第3類医薬品の販売が主な業務ですが、その責任は重大であり、法律に基づいて厳しい基準が設けられています。
具体的な業務内容
登録販売者の業務内容には、医薬品の販売だけでなく、適切な保管管理や購入者への使用方法の説明も含まれます。とくに、OTC(一般用医薬品)のリスク区分に応じた対応をおこない、消費者が安全に使用できるよう指導することが重要です。
また、販売記録の管理や法令遵守の徹底も業務の一部です。管理者はこれらの業務を統括し、店舗全体の医薬品販売に関する責任を負っています。
管理者要件改正の歴史
登録販売者の管理者要件はこれまで複数回改正されており、2023年の改正では、管理者として認められるための実務経験要件が「緩和」される一方で、「追加的研修の修了」が新たに義務付けられるなど、制度がより明確化・制度的に整備されました。
改正以前は原則2年以上の実務経験を積まなければ管理者になれませんでしたが、最新のルールでは1年以上かつ1,920時間以上の実務経験と実務(業務)従事証明書の提出、追加的研修の修了が不可欠なパターンも追加されています。
管理者要件を満たすための条件

登録販売者が管理者として認められるには、いくつかの条件をクリアしなければなりません。これらの条件を満たし、医薬品販売の安全管理を適切におこなう体制を整えましょう。ここでは、管理者要件を満たすための条件について詳しく解説します。
1年以上の実務経験が必須
管理者になるためには、最低でも1年以上の実務経験を積まなくてはなりません。ここでいう実務経験とは、登録販売者として実際に医薬品の販売に携わった期間を指し、法律で明確に定められています。
経験年数が短いと、医薬品の安全管理に必要な知識や判断力が不足すると判断されるため、管理者要件の1つとして必須事項です。経験内容は店舗での販売業務全般にかかわるものが該当します。
継続研修を受講している
登録販売者の管理者は、医薬品販売に関する最新の知識を維持するために継続的な研修の受講が義務付けられています。これは制度改正で新たに強化された部分であり、研修を通じて法令の改正点や安全管理の新しい手法を学ばなくてはなりません。
継続研修は年1回以上受ける必要があり、受講の記録が管理者要件の証明として重要な役割を果たしています。
追加的な研修を修了している
基本の継続研修に加えて、1年以上2年未満の実務経験しかない場合は、管理者として必要な専門的スキルを磨くための追加的な研修を修了していることも管理者要件の1つです。
2023年の制度改正により、登録販売者が管理者として認められるには、1年以上の実務経験に加えて、厚生労働省が定める追加的な研修を修了していなくてはなりません。この研修は、継続研修とは別に位置づけられており、実務に関する理解や、販売におけるリスク管理、店舗運営に関する知識を深める内容となっています。
オンラインや集合形式など、実施方法は研修機関によって異なりますが、所定のカリキュラムをすべて修了することが条件となります。研修修了は自己申告ではなく、証明書の提出が求められるため、実務経験とあわせて計画的に受講しておきましょう。
登録販売者の資格が必要
登録販売者の資格を取得していることは、管理者要件を満たすためのもっとも基本的な条件です。資格は国が定めた試験に合格することで得られ、医薬品の知識や法律に関する知識を有する証明になります。
資格がなければ管理者としての職務をおこなえないため、管理者になるには必ずこの資格を所有してください。
【過去5年間の登録販売者試験の合格率とその平均値】
過去5年間の登録販売者試験の合格率は、資格取得の難易度や受験者の動向を把握するうえで重要です。平均合格率は40〜50%前後で推移しており、試験対策がしっかりしていれば十分に合格を目指せます。
合格率の動向を理解し、登録販売者の資格取得に向けて計画的に準備を進めましょう。
実務(業務)従事証明書が必要
管理者要件を証明するうえで実務(業務)従事証明書の提出が義務付けられています。この証明書は、登録販売者が一定期間実際に医薬品販売に携わってきたことを証明するものです。そのため、管理者としての適格性を示す重要な書類なのです。
証明書の内容は実務経験の期間や業務内容が明記されており、これがないと管理者としての登録ができません。
登録販売者が店舗管理者になるメリット

登録販売者が管理者になるとさまざまなメリットがあります。管理者になるのは険しい道のりですが、それ以上に得られるメリットが多い資格なのです。ここでは、登録販売者が店舗管理者になるメリットを3つ解説します。
管理者としての店舗マネジメントについて詳しく知りたい方は、以下のコラムをぜひ参考にしてください。
ドラッグストアでの店舗マネジメントはどうやる?登録販売者に聞く店舗管理者業務第2類・第3類医薬品の販売をできるようになる
管理者になることで、登録販売者として第2類・第3類医薬品を取り扱える体制を整えられます。法律上、店舗でこれらの医薬品を販売するには管理者が必要であるため、不在では販売が認められません。
そのため、管理者の資格をもつことでさらなる活躍が見込めるのです。
【一般用医薬品の種類と危険度】
OTC(一般用医薬品)は第1類から第3類まで分類されており、それぞれに応じてリスクの度合いが異なります。そのため、正しい服用方法や注意事項の説明が欠かせません。それぞれのリスクは以下の表を参考にしてください。
医薬品名 | 種類 | 危険度 |
第1類医薬品 | 約120個 | とくにリスクが高い |
第2類医薬品 | 約8,610個 | 比較的リスクが高い |
第3類医薬品 | 約2,594個 | 比較的リスクが低い |
管理者はこれらの販売責任を負う立場として、消費者に安全を届ける役割を担っています。
条件(年収など)のよい求人に応募しやすくなる
管理者資格を取得している登録販売者は、企業側から高く評価されやすいため、年収や待遇が優遇される求人に応募しやすくなるメリットがあります。
管理者は店舗運営を任せられる人材として期待されるため、昇給やキャリアの幅が広がり、結果として安定した働き方を実現しやすくなるのです。
【求める人物像で年収が変わる例】
管理者を目指すうえで重要なのは、企業が求める人物像を理解し、それに近づく努力をすることです。責任感や指導力がある人材はとくに評価されやすく、年収面でも好条件を提示される機会が増えます。
自身の強みを活かしながらスキルアップを図れば、より高い評価につながるでしょう。
キャリアアップの選択肢が広がる
登録販売者が店舗管理者として経験を積むと、将来的なキャリアの幅が大きく広がります。店舗運営を通してリーダーシップやマネジメント能力が磨かれるため、店舗管理者としての経験は評価制度の中でも有利に働くことが多いです。
店舗運営の実務経験が評価されると、スーパーバイザーや本部職など、より上位の職種への道が開けます。また多店舗展開企業では、エリア担当や教育担当といった専門的な職務にキャリアを展開するケースも見られます。
【実務(業務)従事証明書の提出など】申請手順

登録販売者が管理者として申請する際は、実務(業務)従事証明書の提出が必須になります。しかし、提出方法がわからない方も多いのではないでしょうか。ここでは、実務(業務)従事証明書の提出などの申し込み手順について詳しく解説します。
1.各都道府県のホームページより実務(業務)従事証明書を入手する
管理者申請に必要な実務(業務)従事証明書は、申請者の居住地を管轄する都道府県のホームページからダウンロードできます。証明書の様式や申請方法は都道府県によって異なるため、事前に確認してから入手しましょう。
インターネットが利用できない場合は、管轄窓口での直接受け取りも可能です。
現居住地の例 | 実務(業務)従事証明書のダウンロード場所 |
---|---|
函館 | 店舗管理者等の要件および業務(実務)従事の証明について | 函館市 |
宮城 | 登録販売者の店舗管理者等の要件と実務又は業務従事の証明について - 宮城県公式ウェブサイト |
東京 | 登録販売者制度の改正について 東京都福祉保健局 |
大阪 | 大阪市:医薬品販売業(店舗販売業)に係る各種申請・届出等について |
福岡 | 登録販売者の業務経験(従事期間)について - 福岡県庁ホームページ |
2.所属企業にて1年もしくは2年(1920時間)勤務していた旨を従事証明書に記載してもらう
証明書には、登録販売者として所属企業で1年もしくは2年以上、かつ通算1920時間以上の勤務実績があることを記載してもらいます。
この記録は勤務実態を示す重要な部分であるため、勤務先の責任者が正式に証明しなくてはなりません。勤務時間の計算は正確におこない、虚偽の記載がないよう注意してください。
3.所属企業に勤務状況報告書を記入してもらう
実務従事証明書とあわせて、勤務状況報告書も準備します。この書類には勤務態度や業務内容、実務経験の詳細が記載され、申請の審査に用いられます。
勤務先に依頼し、内容が正確かつ漏れのないよう記入してもらいましょう。
4.注意!提出窓口は居住地によって変化する
実務従事証明書の提出先は、申請者の居住地の都道府県によって異なります。居住地以外の管轄に提出すると申請が受理されないおそれがあるため、事前に窓口の所在地を確認してください。
さらに、提出期限や受付時間の制限もあるため、余裕をもって準備を進めることをおすすめします。
まとめ|登録販売者は管理者要件を満たそう
登録販売者が管理者として認められるには、実務経験や資格保有、継続的な研修受講、そして実務従事証明書の提出が不可欠です。これらの要件を満たすことで、医薬品販売における安全管理の責任を適切に果たせます。
2023年の改正により、業務経験年数は緩和されましたが、継続的研修や追加的研修の受講が必要となり、管理者の質はより重視されています。そのため、日頃から知識と技術の向上に努めることが大切です。管理者要件を確実にクリアし、消費者の安心につながる販売体制を目指しましょう。
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