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2021年に行われた登録販売者試験の合格率と出題傾向(2022年2月更新)

2021年に行われた登録販売者試験の合格率と出題傾向について、まとめた内容をご紹介します。2020年度との傾向・難易度・合格率の比較など、エリア別にまとめていますので、ご参考にしてください。

2021年に行われた登録販売者試験の合格率と出題傾向(2022年2月更新)

1.登録販売者試験のブロックについて

登録販売者試験は、毎年、全国を数ブロックに分けて行われ、ブロックごとに試験問題が異なります。つまり、同ブロック内の試験問題は同じです。ただし昨年から、新型コロナウイルス感染拡大の影響により試験が延期される都道府県も出ており、別の日程のブロックに統合されるケースも生じています。このように少し例外があるものの、現在のところ、ブロックの構成は次のようになっています。

  • 北海道・東北ブロック:北海道 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県
  • 関東・甲信越ブロック:茨城県 栃木県 群馬県 新潟県 山梨県 長野県
  • 首都圏ブロック   :東京都 神奈川県 千葉県 埼玉県
  • 北陸・東海ブロック :富山県 石川県 静岡県 愛知県 岐阜県 三重県
  • 関西広域連合ブロック:大阪府 京都府 兵庫県 滋賀県 和歌山県 徳島県 福井県
  • 奈良ブロック    :奈良県
  • 中国・四国ブロック :鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県 香川県 高知県 愛媛県
  • 九州・沖縄ブロック :福岡県 大分県 宮崎県 佐賀県 長崎県 熊本県 鹿児島県 沖縄県

2.2021年の登録販売者試験【ブロックごとの合格率】

2021年の登録販売者試験は、北海道・東北ブロックを除くすべてのブロックで合格率が上昇しました。全国で見ると、今年の受験者数は去年よりも8,111人増え、合格者数も8,129人増えました。試験の難易度も全体的に少し下がり、基本的な知識を問う出題が増えている傾向があります。例外的に北海道・東北ブロックは合格率が下がっていますが、こちらの理由については後述します。

【2020年と2021年の受験者数、合格者数、合格率】



受験者数 合格者数 合格率
2021年 61,070人 30,082人 49.3%(7.8ポイント上昇上昇
2020年 52,959人 21,953人 41.5%

【ブロック別 合格率ランキング】



順位 ブロック 2021年の合格率 2020年の合格率 2020年との合格率の比較
1位 四国・中国ブロック
※2021年は中国ブロックと四国ブロックが統合
63.9% 50.7%
(四国ブロック:46.9%
中国ブロック:52.6%)
13.2ポイント上昇上昇
2位 北陸・東海ブロック
※三重県は延期のため除外
56.3% 50.8% 5.5ポイント上昇上昇
3位 関西広域連合ブロック 55.9% 39.5%
※福井県はほぼ同じ問題だったため合算
16.4ポイント上昇上昇
4位 奈良ブロック 48.9% 35.5% 13.4ポイント上昇上昇
5位 関東・甲信越ブロック
※2021年は関東ブロックと甲信越ブロックが統合
46.9% 39.8%
(関東ブロック:44.6%
甲信越ブロック:33.9%)
7.1ポイント上昇上昇
6位 九州・沖縄ブロック
※三重県を含む
44.4% 41.1% 3.3ポイント上昇上昇
7位 首都圏ブロック外 43.6% 33.9% 9.7ポイント上昇上昇
8位 北海道・東北ブロック 40.4% 43.0%
※北海道ブロックは別日程のため除外
2.6ポイント減少下昇

3.2021年の登録販売者試験【ブロックごとの出題傾向(日程順)】

・①北海道・東北ブロック(試験日:2021年8月25日)

北海道・東北ブロックでは、特に第4章の問題に難化傾向が見られました。たとえば問85は実在する商品の成分表を見ながら答える問題ですが、「濫用等の恐れのある医薬品」や「店舗における掲示」、「指定第二類医薬品の陳列」など、複合的な知識を一度に問う良問でした。このほかにも、少し立ち止まって考えさせるような問題がいくつか出題されています。
「想定外の問題」や「難しい問題」は、必ず毎年、どのブロックでも出題されます。このような問題に出くわしたときに一番もったいないことは、その問題で心を挫いてしまい、その後の「いつもなら落とさない問題」をも落としてしまうことです。これを防ぐためにも普段の勉強で過去問を解くときに心がけてほしいことは、どのような問題が出ても「ほほう、そう来ましたか...」といった具合に軽く受け流す力を付けることです。もしくは、そのような問題に出くわしてしまったときに、どのように心を落ち着かせるか(いったん鉛筆を置いて深呼吸するなど)を前もって決めておくことが大切です。

・②関西広域連合ブロック(試験日:2021年8月25日)

2020年の関西広域連合ブロックの試験では、第3章で接客の様子を取り入れた新傾向の漢方薬の問題が出題され、合格に一歩届かなかったという人が続出しました。2021年の第3章の問題では、このような新傾向の問題は姿を消し、漢方薬の問題も非常にスタンダードなものに戻りました。他の章に関しても素直な問題が多く、全体的に解きやすい傾向となりました。

・③北陸・東海ブロック(試験日:2021年9月1日)

例年、比較的安定した合格率を誇る北陸・東海ブロックですが、2021年も同じような傾向が続いています。第2章では細かな知識を問う問題も散見されましたが、全体的に素直な問題が多く、例年通り基礎力があれば合格しやすい傾向となりました。

・④関東・甲信越ブロック(試験日:2021年9月9日)

例年、特に第4章にクセのある問題が含まれている傾向がありますが、2021年の試験ではそのような問題はほとんどありませんでした。また、関東・甲信越ブロックだけでなく全国的な傾向となりますが、第3章と第5章において、商品の配合成分表を見ながら答えていく問題が増えています。実際に登録販売者として医薬品の接客をする際には、パッケージに書いてある成分名を見ながらどのような商品かを説明するため、このような形式の問題は接客の予行練習ともいえる出題です。ぜひこの形式の問題にも慣れておきましょう。

【成分表形式の出題の例】
問1 次の表は、ある一般用医薬品のアレルギー用薬に含まれている成分の一覧である。このアレルギー用薬に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

(2錠中)

  • メキタジン 4mg
  • リボフラビン 12mg
  • ピリドキシン塩酸塩 30mg
  • ニコチン酸アミド 60mg
  • a. ○○である
  • b. △△である
  • c. □□である。
  • d. ✕✕である

1( a , b ) 2( a , c ) 3( b , c ) 4( b , d ) 5( c , d)

・⑤首都圏ブロック(試験日:2021年9月23日)

首都圏ブロックは、ここ数年合格率の低い状態が続いていましたが、今年は合格率が上がりました。首都圏ブロックは全国の中でも生薬・漢方薬の記述が含まれた問題が最も多く出題され、一時期は、このまま行くと第3章の全40問のうちの半数が生薬・漢方薬の記述が含まれた問題になってしまうのでは?と懸念されるぐらいの量でした。ところが今年は生薬・漢方薬の問題が、近年の試験に比べて3~4問ほど減りました
また、首都圏の生薬・漢方薬の問題は、他県と比較して少々独特な出題形式になっています。首都圏以外のブロックでは、「1問の中の全ての記述が漢方薬・生薬に関するもの」という形式が多いのですが、首都圏の場合、「1問の中に1つだけ漢方薬・生薬の記述が含まれる」という出題形式が多く見られます。「分散式」とでも呼べばよいでしょうか。

cが分からないだけなのに消去法が効かない...

【首都圏の出題形式の例】
→分散式である
問1 次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか

  • a. 西洋薬の記述
  • b. 西洋薬の記述
  • c. 漢方薬の記述
  • d. 西洋薬の記述
aとbの記述が逆になっている!解けた!

【その他のブロックの出題形式の例】
→まとめて出題される
問1 次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか

  • a. 漢方薬の記述
  • b. 漢方薬の記述
  • c. 漢方薬の記述
  • d. 漢方薬の記述

「分散式」の問題では頭を漢方薬モードに切り替えるのが難しい上に、他の記述をヒントにすることもできません。これにより、たった1つ混ざっている生薬・漢方薬に関する記述の正誤が分からないだけで、結果として1問まるまる落としてしまう状況が発生し、精神的ダメージが大きくなります。「分散式」の問題は、近年、他のブロックでもちらほら見かけるようになりましたので、首都圏以外のブロックを受験する予定の人も、首都圏の過去問題を解いて慣れておくとよいでしょう。

・⑥奈良ブロック(試験日:2021年9月26日)

関西の登録販売者試験は、現在は「関西広域連合ブロック」として共通の試験を行っていますが、今年も奈良ブロックのみ統合されずに別日程での試験となっています。2020年は例年に比べて合格率がかなりダウンし、心配していた受験生も多かったかと思いますが、2021年の試験ではひねった問題は少なく、合格率も持ち直しました。特に2020年の試験では第2章の難易度が高く、細かな知識を問う問題もありましたが、2021年の試験では平年並みに戻りました。

・⑦中国・四国ブロック(試験日:2021年11月9日)

2020年までは、中国ブロックと四国ブロックで別の試験日程でしたが、今年は共通の日程・共通の試験問題となりました。例年、四国ブロックの問題は全体として一文一文が長い傾向があり、問題文を読むのが大変でした。また、中国ブロックは近年、かなりの勢いで合格率が上がっている傾向がありました。
今年はこれら2ブロックが統合され、初の試みだったこともあってか、問題は易しめでさらに合格率が上がりました。試験問題は、例年の中国ブロックの出題順(午前中:第1章、第2章、第4章、午後:第3章、第5章)と同じで、試験問題の形式やパターンも中国ブロックの傾向が強く出ています。消去法が使いやすい問題が多く、ブロックごとの合格率では2021年の全ブロックの中で1位という結果になりました。

・⑧九州・沖縄ブロック(試験日:2021年12月12日)

2021年の合格率は例年とほぼ同じですが、少し上昇しました。消去法の効かない問題も散見されたものの、全体として内容はオーソドックスなものが多く、過去問を解いていればクリアできる問題が多かったです。第3章の生薬・漢方薬の問題も、ほとんど頻出のものでした。なお、2021年の九州・沖縄ブロックの試験問題でも出題されていますが、近年、第5章の「使用上の注意」の問題でも、漢方薬に関する問題が出題される傾向があります。しかし出題されるものは決まっています。それは、芍薬甘草湯と、ダイオウが含まれる漢方薬です。従って、以下の内容を押さえておきましょう。

  • 芍薬甘草湯の「してはいけないこと」:連用、心臓病の診断を受けている人
  • ダイオウが含まれる漢方薬の「してはいけないこと」:他の瀉下薬(下剤)との併用

以上が2021年に行われた登録販売者試験の合格率と出題傾向のまとめとなります。ご参考にして頂ければと思います。

執筆者:村松 早織(薬剤師・登録販売者講師)

執筆者:村松 早織(薬剤師・登録販売者講師)
株式会社東京マキア 代表取締役
登録販売者や受験生向けの講義を中心に事業を展開

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