サポートを受ける

お電話でのご登録・ご相談も承っております。

フリーコール 0120-959-755

月~金曜(祝・祭日を除く) 9:00~18:00

  1. 登録販売者 求人・転職TOP
  2. お役立ち情報
  3. 業界コラム
  4. 著名人コラム・対談
  5. 熱中症と脱水症状の違いとは?登録販売者が押さえる店頭対応と水分補給指導【現役店長解説】
業界コラム 著名人コラム・対談

熱中症と脱水症状の違いとは?登録販売者が押さえる店頭対応と水分補給指導【現役店長解説】

熱中症と脱水症状の違いとは?登録販売者が押さえる店頭対応と水分補給指導【現役店長解説】

まだまだ残暑が続き、店頭では経口補水液やスポーツドリンクを手に取るお客さまが増えているのではないでしょうか。

一方で「熱中症と脱水症状の違い」を正しく理解しているお客さまは多くありません。
実際に、「水分補給をしていたが熱中症になった」というニュースが多いのがその証拠です。
熱中症と脱水症状を混同したままだと、正しい対策がとれずに重症化してしまうおそれがあります。

確かに熱中症と脱水症状は密接に関係していますが、同じ状態ではありません。
脱水症状は、暑さだけでなくさまざまな原因で起こります。たとえば、下痢や嘔吐でも脱水は起こりますし、冬の感染性胃腸炎で脱水になることもあります。

一方の熱中症は暑さによって起こりますが、脱水だけが原因ではありません。
水分をとっていれば熱中症は防げると思われがちですが、実際にはそれだけではないのです。

そしてこの違いは、登録販売者なら必ず押さえておきたいポイントです。
なぜなら、

  • 水やお茶、スポーツドリンク、経口補水液のどれを案内するのか
  • セルフケアで対応できるのか、それとも受診や救急対応を勧めるべきなのか

といった判断に、熱中症と脱水症状の理解が大きく関わってくるからです。

今回は、熱中症と脱水症状の違い、水分補給商品の使い分け、店頭で確認したいポイントなどを整理していきます。

こうした季節性の相談にしっかり対応できると、お客さまからの信頼も高まり、登録販売者としての評価ややりがいも大きく変わってきます。

「もっと専門性を活かせる職場で働きたい」「接客スキルを評価してもらえるドラッグストアや調剤併設店を探したい」という方は、当サイトの
▶ 【登録販売者向け求人一覧を見る】
▶ 【無料エントリー登録をして非公開求人をチェックする】
もあわせてご覧ください。

目次

熱中症と脱水症状の違いと見分け方を押さえよう

熱中症と脱水症状の違いと見分け方を押さえよう

まず混同しやすい「熱中症と脱水症状の違い」から確認しておきましょう。
それぞれの定義と関係性を整理しておくことで、水分補給の商品選びや受診の目安が判断しやすくなります。

脱水症状とは|体内の水分・電解質が不足した状態

脱水とは、体内の水分量が正常よりも少なくなった状態のことです。
汗、下痢、嘔吐などで体液そのものを失うときには、水分だけでなくナトリウムなどの電解質も一緒に出ていきます。

何がどれくらい失われるかは、失われ方によって変わってきます。
そして脱水を起こす原因は、暑さや発汗だけではありません。
脱水を起こす原因には、次のようなものがあります。

  • ・下痢
  • ・嘔吐
  • ・発熱
  • ・水分摂取不足
  • ・過度の発汗

いずれも脱水につながります。
真冬の感染性胃腸炎(胃腸風邪)でも起こりますし、高齢の方が食事量や水分量を減らしただけでも起こります。

つまり脱水症状は、何かが原因で起こる病気の名前ではありません。
さまざまな原因の結果として、体液が足りなくなっている状態だと考えると分かりやすいでしょう。

熱中症とは|暑さが原因で起こる代表的な健康障害

一方の熱中症は、高温多湿などの暑熱環境が引き金となって起こる健康障害の総称です。

体にこもった熱を外へ逃がす仕組みや、体液のバランスが崩れることで発症します。
症状の幅も広く、めまい、立ちくらみ、筋肉のこむら返り、頭痛、吐き気、倦怠感、意識障害などが含まれます。

重症化すれば生命に関わる状態です。

なお2024年には熱中症診療ガイドラインが改訂され、重症度分類も更新されています。
暑さが原因で起きている健康障害をまとめた呼び方、という理解はしておきましょう。

脱水と熱中症の関係性|違いを踏まえた声かけのポイント

では熱中症と脱水症状は、どんな形でつながっているのでしょうか。
暑さによって脱水が進み、熱中症の発症・悪化につながる一般的な流れは、次のように整理できます。

  1. ①暑い環境に置かれる
  2. ②大量に汗をかく
  3. ③水分や電解質を失う
  4. ④脱水になる
  5. ⑤体温調節がさらに難しくなる
  6. ⑥熱中症の発症・悪化につながる

汗をかいて体液が失われると、体温を下げる仕組みそのものがうまく働かなくなります。
このように脱水症状は熱中症の発症や悪化に関わる大きな要因なのです。

では、下痢や嘔吐から脱水になったケースはどうでしょうか。
そこに暑熱環境が原因の熱中症は関係していません。

つまり脱水は熱中症の重要な要因のひとつですが、脱水症状のすべてが熱中症というわけではないのです。

こう考えると、熱中症対策として水分補給の商品のみをおすすめすることは不充分ということが見えてきます。

熱中症・脱水症状別の水分補給と商品の使い分け

熱中症・脱水症状別の水分補給と商品の使い分け

ドラッグストアの売場には、ミネラルウォーター、お茶、スポーツドリンク、経口補水液など、さまざまな水分補給商品があります。接客の際は、これらをどのように使い分けて案内すればよいのでしょうか。

普段の水分補給と大量に汗をかいたときの補給は違う

冒頭でも触れたとおり、水分をとっていれば熱中症を防げるわけではありません。
暑い時間帯の外出を避ける、風通しや冷房で暑さから離れる時間をつくるなど、暑さそのものへの対策とセットで考える必要があります。

そのうえで、水分補給の中身を場面に合わせていくことになります。
水分補給の基本は以下の通りです。

  • ・日常生活での水分補給...水やお茶など
  • ・大量に汗をかく場面...水分に加えて塩分などの補給も意識する
  • ・軽度~中等度の脱水症...経口補水液を検討する

大切なのは、「何がどれくらい失われているのか」「今どんな状態なのか」を確認し、シチュエーション別に水分補給をおこなうことです。
例えば「どんな時に飲まれますか?」と用途を聞いてみるだけでお客さまに向いている商品を提案できます。

屋内ならミネラルウォーターや麦茶などを適宜飲めば対応できますし、屋外での長時間の作業なら水分だけでなく塩分の補給をおこなうなど意識するようお伝えしましょう。

経口補水液は軽度~中等度の脱水症状に使う

経口補水液は、熱中症予防のために夏場ずっと飲み続ける飲料ではありません。
軽度から中等度の脱水症で、水と電解質を補ったり維持したりするためのものです。

ここで、登録販売者が知っておきたい知識をひとつあげておきます。

経口補水液には許可基準型と個別評価型という区分があり、製品によって許可されている表示内容が異なります。
熱中症による脱水への使用を表示できるのは、その用途について許可を受けた「個別評価型」の経口補水液です。

経口補水液という名称だけで一括りにせず、商品ごとの許可表示を確認しておきましょう。
ドラッグストアで広く扱われているのは、ペットボトルタイプの個別評価型の経口補水液です。

  • ・下痢
  • ・嘔吐
  • ・発熱
  • ・高齢者の経口摂取不足
  • ・過度の発汗

などによる軽度〜中等度の脱水症、そして脱水を伴う熱中症における水・電解質の補給・維持に利用できるとされています。

しかし「汗をかいたから経口補水液」ではありません。
経口補水液を使うのは、汗などによって脱水症状になっている、あるいは脱水症状から回復していく途中、という状態が前提になります。

脱水症ではない方が、日常の水分補給として飲み続ける必要はありません。
高齢者を中心に「夏は経口補水液を飲むもの」と思っていらっしゃる方も多いので、用途を聞いたうえで案内してください。

経口補水液を販売するときに確認したいこと

では、実際に接客をするときは何を聞けばよいのでしょうか。
接客時には、次の点を確認しておくと安心です。

  • ・なぜ飲もうとしているのか
  • ・下痢、嘔吐、発熱はあるか
  • ・大量に汗をかいたのか
  • ・普段の水分補給として飲もうとしていないか
  • ・水分や塩分の摂取について、医師から指示を受けていないか

腎疾患や心疾患などで治療中の方の中には、水分や塩分の摂取量について医師から個別の指示を受けている場合があります。
こうした方については、自己判断での多量の水分・塩分摂取が危険な場合もあります。
厚生労働省も、熱中症時の水分補給に関して同様の注意喚起を行っています。

「水分や塩分の摂取について、お医者さまから何か言われていませんか?」

こう聞くだけで、お客さまのQOLを守ることができるのです。

登録販売者が店頭で確認すべき熱中症・脱水症状のチェックポイント

登録販売者が店頭で確認すべき熱中症・脱水症状のチェックポイント

時には熱中症や脱水症状の方やそのご家族が来店されることもありますが、登録販売者が熱中症や脱水症状を診断するわけではありません。
店頭で確認したいのは、このままセルフケアでよさそうなのか、それとも病院や救急につなぐべき状態なのか、という点です。

暑熱環境・水分を失った原因・現在の症状を確認する

まず確認したいのは、次の3点です。

  • ①暑熱環境
    「暑い場所に長時間いらっしゃいましたか?」
  • ②水分を失った原因
    「汗をかなりかかれましたか?」
    「下痢や嘔吐はありませんか?」
  • ③現在の状態
    「水分はご自分で飲めていますか?」
    「めまいや吐き気などはありませんか?」

お客さまの状況に応じて聞き取りをしてください。
会話の中で、この3点を確認できれば十分です。

熱中症が疑われたら、涼しい場所・冷却・水分補給

脱水症と熱中症では、対応の方向性が変わります。
脱水症であれば、失われた水分や電解質を補うことが中心になります。

熱中症が疑われる場合は、暑い環境から離れて涼しい場所へ移動し、衣服をゆるめるなどして身体を冷やします。
ここで注意が必要なのが「熱中症対策冷却商品」です。

スプレータイプやジェルシートなど、実際に冷却するのではなく「メントールの力で冷感を出している商品」のため熱中症対策効果はありません。
これらの商品は、使うと気持ちいいだけのものであり、脳がメントールの力で冷たいと錯覚を起こしているだけなのです。

このため、むしろ熱中症対策商品を使うことにより本来の意味での冷却が遅れてしまう場合があります。
熱中症対策になる冷却とは、実際に冷やすもの、注意書きに凍傷の恐れがあると注意されているような商品です。

メントールの熱中症対策商品も、例えば通勤中に使ったり、屋内で気分転換に使ったりする分には有効です。
しかし、屋外での運動や労働には逆効果の場合もありますので、接客の際はお客さまにお伝えしてください。

そして意識が明瞭で自力で飲めるようであれば水分と塩分を補給します。
ここで注意したいのは、飲ませることだけに意識が向いてしまうケースです。

暑い車内や炎天下にいたまま水分をとっても、体内に熱がこもった状態は変わりません。
水分補給と同じくらい、暑熱環境から離れることと身体を冷やすことが重要になります。

ご家族の付き添いで来店された方には、「涼しい場所に移動して、首や脇の下を冷やしてあげてくださいね」と一言添えるのも一つです。

自力で飲めない・意識がおかしい場合は医療対応を優先

一方で、こんな場合は経口補水液に頼る段階ではありません。

  • ・呼びかけへの反応がおかしい、または意識がない
  • ・自力で水分を摂取できない
  • ・応急処置を行っても症状が改善しない、または悪化している

このうち意識の異常がみられる場合は、緊急性が高い状態です。
意識障害や自力で飲めない状態は、救急搬送が必要となることも少なくありません。
厚生労働省も、自力で水が飲めない場合や意識がない場合は、すぐに救急車を手配するよう呼びかけています。

自力で水分を摂取できない場合や、応急処置をしても改善しない場合も、その場で様子を見続けるのではなく、速やかに医療機関につなぐ必要があります。

お客さまがこうした状況の方のために購入しようとしている可能性もあります。
特に冷えている経口補水液を購入するお客さまには状況をお聞きください。

何を販売するかだけでなく、医療につなぐべき状態を知っておくことも、登録販売者の大切な役割です。

熱中症や脱水症状への初期対応は、お客さまの命に関わることもある重要な役割です。
こうした判断・声かけがきちんと評価される職場かどうかで、登録販売者としてのやりがいも大きく変わります。

「今の職場では登録販売者としての専門性が活かしきれていないかも」と感じている方は、一度、他店・他社の求人情報も見比べてみませんか?
▶ 【登録販売者の求人を条件から検索する】
▶ 【キャリアアドバイザーに相談してみる】

まとめ|熱中症と脱水症状の違いを理解して店頭対応とキャリアに活かそう

最後に、今回の内容をまとめておきます。

・脱水症状とは
体内の水分量が正常より少なくなった状態。
汗や下痢、嘔吐などで体液を失う場合は、水分だけでなくナトリウムなどの電解質も失われる。原因は暑さだけではない。

・熱中症とは
暑熱環境によって起こる健康障害の総称。
脱水を伴うことは多いものの、脱水と同じものではない。

・水分補給商品の使い分けのポイント
日常の水分補給は水やお茶、発汗の多い場面は塩分などの補給も意識する。
軽度~中等度の脱水症には経口補水液を検討するが、製品ごとに許可されている表示内容が異なるため確認が必要。

・登録販売者が店頭での確認したいポイント
暑熱環境、水分を失った原因、現在の状態の3点を確認する。
意識の異常、自力で飲めない、応急処置をしても改善しないといった場合は、商品の案内より受診勧奨をおこなう。

経口補水液や熱中症対策商品をなぜ必要としているのかを一言確認しその方に合った使い方を添える、そして医療につなぐべき状態を見逃さないことが重要です。

熱中症と脱水症状の違いが分かっていれば、お客さまの健康に大きく寄与することができるはずです。

こうした知識を活かしてお客さまの健康を支えたい方、店頭での対応力をもっと伸ばしていきたい方は、ぜひ職場環境にも目を向けてみてください。

当サイトでは、

  • 登録販売者の資格・経験を活かせる求人
  • シフトや勤務地の希望に合わせた求人

を多数掲載しています。

少しでも「今より良い環境で働きたい」と思われた方は、【無料エントリー登録】からキャリアの選択肢を広げてみてください。

ケイタ店長(登録販売者)

執筆者:ケイタ店長(登録販売者)
ドラッグストア勤務歴20年、一部上場企業2社で合計15年の店長経験を活かし、X(旧Twitter)などで登録販売者へのアドバイスや一般の方への生活改善情報の発信を行っている。X(旧Twitter)フォロワー数約5,000人。

過去の記事 2025年改正薬機法の「一般用医薬品・遠隔管理・受渡制度」とは|登録販売者の仕事・雇用はどう変わる?今からできる対策ガイド