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薬機法改正省令の施行~管理者要件の緩和と外部研修(継続研修)の義務化について~

登録販売者の講師を行っている株式会社東京マキア代表・村松早織先生が解説するOTC医薬品別の接客・対応方法をご紹介。よくある具体的な事例を交えながら、お客様の症状別での接客・対応方法を学べるコンテンツを特集します。

2022年1月13日

薬機法改正省令の施行~管理者要件の緩和と外部研修(継続研修)の義務化について~

2021年8月1日より、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)の改正省令が施行され、これにより管理者要件が緩和されました。管理者要件は、店舗の運営や転職先の募集要項にも関わりますので、ぜひ一緒に確認していきましょう。

1.管理者要件を知っておくべき理由

なぜ、登録販売者にとって管理者要件の把握が大事なのでしょうか?それは、1人で医薬品を販売できるかどうかに関わるからです。管理者要件を満たすということは、医薬品を1人で販売できるということです。つまり、管理者要件を満たさない者は医薬品を1人で販売できず、薬剤師や登録販売者(管理者要件を満たさない者を除く)の管理・指導の下でのみ、医薬品を販売できます。つまり、必ず他の資格者とシフトに入ることになります。 なお、管理者要件を満たさない登録販売者は、研修中である旨をネームプレートに表記する必要があります。

【管理者要件を満たさない登録販売者】
1人で医薬品を販売することができません。

医薬品登録販売者

2.管理者要件に関わる制度の変化

次の表は、これまでの登録販売者の管理者要件に関わる制度の流れをまとめたものです。結論から申し上げますと、現在は、すべての登録販売者の足並みが揃い、共通の管理者要件になっています

実務経験:登録販売者販売従事登録
 業務経験:登録販売者販売従事登録

2008年
  • 初の登録販売者試験
  • 受験資格:高卒以上、1年の実務経験
2015年
  • 受験資格の撤廃
  • 店舗管理者要件の追加:直近5年の間に2年分、月に80時間以上の実務・業務経験
  • 2014年以前の合格者については、2020年3月末が経過措置の期日となる
2020年3月
  • 経過措置の期日が2020年3月末から2021年8月1日に変更となる
2021年8月
  • 経過措置終了
  • 管理者要件の緩和

【補足】※こちらの補足は2014年以前の合格者向けです
2014年以前の合格者に関しては、合格後の経験要件がなかったため、自動的に管理者要件を満たす登録販売者として勤務可能でした。しかし2015年に受験資格の撤廃と管理者要件の追加があり、2014年以前の合格者の管理者要件に関しては、2020年3月末が経過措置の期日とされました。その後、経過措置期間がさらに2021年8月1日まで延長されましたが、とうとう期日を迎えました。これにより、現在は、登録販売者全員の管理者要件が統一されています。

3.管理者要件

さて、現在の管理者要件は次の通りです

【第2類医薬品又は第3類医薬品を販売し、又は授与する店舗等】
販売従事登録後、店舗販売業における管理者・管理代行者あるいは、配置販売業における区域管理者となるには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。

  • 1. 過去5年間のうち2年(1920時間)以上の実務・業務経験
  • 2. 2009年6月1日以降に通算2年(1920時間)以上の実務・業務経験 + 店舗管理者または区域管理者としての業務経験
  • 3. 2009年6月1日以降に通算5年(4800時間)以上の実務・業務経験 + 通算5年以上の研修の受講

【補足】

  • 1 : 旧制度では「月80時間以上」の制限がありましたが、現在はありません

  • 2 : 過去に管理者としての業務経験がある人では、1の要件を満たさなかったとしても、従事期間が2年以上あれば管理者要件を満たすことができます。この場合、1の要件のように「過去5年間のうち」という制限はありません。
    なお、管理者要件を満たす登録販売者で、店舗の管理者ではない方は、「管理代行者」と呼ばれることがあります。2の要件で「管理者」ではなく「管理代行者」でもよいかという点について、2021年11月に東京都福祉保健局に確認したところ、通知では「管理代行者」ではなく「管理者」であると解釈できるが、個々の事例については最寄りの保健所に確認してほしいとのことでした。

  • 3 : 2のように管理者としての経験がない人であっても、従事期間が5年以上あり、加えて5年以上研修を受講していれば、管理者要件を満たすことができます。研修については、外部研修を受講していることが適当であるとされています。

【第1類医薬品を販売する店舗等で薬剤師を管理者とすることができない場合】
過去5年間のうち次の1及び2に掲げる期間が通算して3年以上である者とされています。
1. 次のアからウまでに掲げる薬局、店舗又は区域において、登録販売者として業務に従事した期間

  • ア 要指導医薬品若しくは第1類医薬品を販売し、又は授与する薬局
  • イ 薬剤師が店舗管理者である要指導医薬品若しくは第1類医薬品を販売し、又は授与する店舗
  • ウ 薬剤師が区域管理者である第1類医薬品を配置販売する区域

2. 次のア又はイに掲げる管理者として業務に従事した期間

  • ア 第1類医薬品を販売し、又は授与する店舗の店舗管理者
  • イ 第1類医薬品を配置販売する区域の区域管理者

4.外部研修(継続研修)について

管理者要件の緩和に伴い、店舗販売業者等は、その店舗等において業務に従事する登録販売者に研修を毎年度受講させなければならないことを、店舗販売業者等の遵守事項として明確化しました。この改正省令は、2022年4月1日から施行されます。外部研修(継続研修)に関してはこれまでにも研修通知等で詳細が示されていましたが、研修省令により義務化される形です。

研修は次に掲げる事項について講義により行うものとし、総時間数が12時間以上であることとされています。

  • ① 医薬品に共通する特性と基本的な知識
  • ② 人体の働きと医薬品との関係
  • ③ 主な一般用医薬品とその作用
  • ④ 薬事に関する法規と制度
  • ⑤ 一般用医薬品の適正使用と安全対策
  • ⑥ リスク区分等の変更があつた医薬品
  • ⑦ 店舗及び区域の管理に関する事項(店舗販売業及び配置販売業の場合)
  • ⑧ その他登録販売者として求められる理念、倫理、関連法規等

⑦が新たに追加され、登録販売者の管理者(管理代行者)としての資質向上を目的とする研修内容が加わったと言えます。

このように、管理者要件の緩和に伴い登録販売者の働き方が広がりました。それと同時に、今後は管理者としての資質向上も求められるようになります。外部研修(継続研修)を受講することで、一般用医薬品の販売業務や管理業務に関する知識を身に付けていきましょう。

アポプラスキャリアでは、登録販売者の外部研修(継続研修)も行っております。
https://touhan.ap-c.co.jp/

参考:

厚生労働省 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則の一部を改正する省令の施行等について
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T210803I0060.pdf

東京都福祉保健局 登録販売者制度の改正について
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kenkou/iyaku/tourokushiken/seidokaisei.html

執筆者:村松 早織(薬剤師・登録販売者講師)

執筆者:村松 早織(薬剤師・登録販売者講師)
株式会社東京マキア 代表取締役
登録販売者や受験生向けの講義を中心に事業を展開

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