登録販売者がコンビニで働くメリット・デメリット
こんにちは、登録販売者転職のアポプラス登販ナビライターチームです。
昨今、登録販売者のニーズが高まり、さまざまな場所で雇用が生まれています。その一つに、コンビニエンスストアがあります。登録販売者の中には、実際にコンビニエンスストアでの就職を考えている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、コンビニエンスストアで働くメリットとデメリットを紹介します。
【目次】
- ・コンビニにおける一般用医薬品販売の現状
- ・実際の求人を見てみよう
- ・登録販売者がコンビニで働くメリット
- ・登録販売者がコンビニで働くデメリット
- ・コンビニ業界もキャリアップは可能?
- ・今後、コンビニにおける医薬品販売事業はどう変化する?
- ・まとめ|登録販売者はコンビニでも活躍できる!キャリアアップを目指すなら正社員という手段も
コンビニにおける一般用医薬品販売の現状
まずは、コンビニ業界における一般用医薬品販売の現状を見ていきましょう。
一般用医薬品はドラッグストアや薬局などで販売されることが一般的ですが、「2分の1ルール」が撤廃されたことにより、コンビニで一般用医薬品を販売するケースが増えてきました。これは、ドラッグストアが開いていない深夜や早朝等に体調を崩して薬が必要な場合や、災害時のライフラインとしてのニーズに応えるという目的などが背景にあります。一部ではコンビニ販売に特化した商品を開発している製薬メーカーもあります。
さらに、ローソンでは医薬品販売店舗を拡⼤するために、「一般用医薬品の遠隔販売」や「登録販売者の管理者要件の緩和」の提唱もおこなっています。
ちなみに、大手コンビニチェーンの医薬品取り扱い店舗数は、ローソンで267店舗(※2022年1月末時点)、ファミリーマートで78店舗(※2022年8月末時点)となっています。医薬品を取り扱うコンビニは年々増えており、またドラッグストアと一体型した新業態の店舗が登場するなど、今後さらに多様化していくと予想されます。
実際の求人を見てみよう
次に、実際にコンビニで募集されている求人を見ていきましょう。
求人例A
業種 | コンビニエンスストア |
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雇用形態 | 正社員 |
求められる人物像 | 小売業経験者 |
給与 | 年収250万円~350万円まで 月収18万円~ |
休日 | 慶弔休暇、育児休暇、年次有給休暇、介護休暇 年間休日 108日 |
手当 | 時間外手当、通勤手当 |
福利厚生 | 教育研修 ・インフルエンザ予防接種補助 ・産業医・健康管理室(保健師)による健康チェック ・育児短時間勤務(小学1年生まで) ・育児休暇(3歳まで) ・従業員持株会制度 ・EAP(カウンセリングによる社員支援プログラム) ・カフェテリアプラン ・薬代補助金制度 ・福利厚生倶楽部法人会員制度(リロクラブ) ・レクリエーション補助金制度 ・会費補助制度 ・技能資格取得料補助金制度 |
保険 | 健康保険、雇用保険、労災保険、厚生年金 |
この求人は福利厚生が充実しています。育児短時間勤務や育児休暇・介護休暇などがあり、小さいお子さんや介護を必要とされる家族をお持ちの方には環境が整った職場といえるでしょう。
さらに、技能資格取得料補助金制度や教育研修といった制度もあり、働きながらスキルアップができる職場だといえます。
求人例B
業種 | コンビニエンスストア |
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雇用形態 | 正社員、紹介予定派遣 |
求められる人物像 | 小売業経験者 |
給与 | 年収230万円~350万円まで 月収19万円~ |
休日 | 年末年始、夏期休暇、年次有給休暇 、シフト表による(年末年始、夏季休暇3日) |
手当 | 通勤手当 |
福利厚生 | 教育研修 |
保険 | 健康保険、雇用保険、労災保険、厚生年金 |
この求人の特徴は、休日が詳しく書かれている点です。店舗勤務では繁忙期にあたる年末年始や夏季休暇について明記されており、適切に休日を取得できることがうかがえます。正社員希望でワークライフバランスを重視したい方にはおすすめの求人といえます。
求人例C
業種 | コンビニエンスストア |
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雇用形態 | パート |
求められる人物像 | 実務経験が2年以上ある方 |
給与 | 時給 1,100円~1,500円 |
休日 | シフト制 |
手当 | 通勤手当 |
福利厚生 | 教育研修 |
保険 | 健康保険、雇用保険、労災保険、厚生年金 |
パートの求人票ですが、実務経験2年以上の経験者が即戦力として求められています。
また、パートでありながら保険や手当が充実していて、通勤手当が支給されることもポイントです。
このように、コンビニ勤務でも正社員からパートまでさまざまな働き方があり、それぞれ福利厚生や研修制度が整っていることが分かります。
登録販売者がコンビニで働くメリット
実際に働き始めても、メリットがなければ長続きしない可能性もありますよね。ここでは、コンビニで働くことで得られる主なメリットを4つ解説します。
生活圏内で勤務できる
まず一つ目が、自分の生活圏内で勤務できることです。職場が近いと通勤時間がかからず、その分プライベートの時間に充てることができます。家族に何かあった場合もすぐに駆けつけることができ、育児や介護をしている方には優先順位の高いメリットだといえます。
また、コンビニには、主に近隣住民の方が多く来店します。何度も顔を合わせるうちに顔なじみになるため、より親身な相談・アドバイスができるのが特徴です。
高時給の求人が多い
コンビニは、登録販売者を配置することで一般用医薬品を取り扱えるというメリットがあるため、登録販売者への時給が高めに設定されていることが多くあります。また、基本的にコンビニではほとんどが一般スタッフのため、資格保有者との差別化という意味合いもあるでしょう。
責任のある仕事ができる
基本的に、コンビニでは一人ですべての業務をおこなうため、登録販売者一人にかかる裁量が大きくなります。「どの薬を販売すればいいのか」「どのようなアドバイスをおこなうべきか」など、すべて自分で考える必要があるため、ドラッグストアなどで働く場合よりも責任ある仕事ができるといえます。コンビニは、責任感がやりがいにつながるという方に最適な職場でしょう。
転勤族におすすめ
一度でもコンビニで登録販売者として働いた経験者は、同じ業界で就職する際に優遇されるため、コンビニは転勤族におすすめです。
また、全国展開しているコンビニでは、同じチェーン店での再就職をする場合、前の店舗での評価がそのまま反映されるケースもあります。例えば、ファミリーマートでは、一定のスキルを習得すると評価が上昇し、評価された実績は、別の店舗で働くときにも引き継ぐことができる「ストアスタッフトータルシステム」という評価制度を導入しています。
大手チェーンのコンビニであれば基本的に全国に店舗があるため、どの場所にいても同じように働けるというのは大きなメリットといえます。
登録販売者がコンビニで働くデメリット
登録販売者がコンビニで働くデメリットには、主に以下の2つが挙げられます。
スキルアップしにくい
コンビニの場合、他の登録販売者と仕事を共にすることがほとんどありません。情報交換したりスキルを発揮したりするケースが少ないことから、スキルアップが難しい職場といえるでしょう。
しかし、大手コンビニチェーンのローソンでは、登録販売者に対し「eラーニング」による無料研修をおこなうなど、少しずつではありますがスキルアップが可能な環境に変化しています。
やりがいが感じられないこともあるかもしれない
コンビニで扱っている医薬品の数は、ドラッグストアに比べて圧倒的に少ないです。そのため、医薬品販売にかかわる時間よりも一般業務(レジ・品出し・清掃・ホットスナックなど)をおこなう時間が多く、登録販売者としてのやりがいを感じられないことがあるかもしれません。
さらに、まだコンビニで医薬品が販売されているということがそれほど周知されていないのが現状です。登録販売者として医薬品販売の仕事にやりがいを感じる方にとっては、物足りないと感じる場面が多いでしょう。しかし、未開拓な環境だからこそ、自分なりの方法でやりがいを作り出すことができるとも一方ではいえるでしょう。
コンビニ業界もキャリアアップは可能?
「コンビニで働くことに魅力を感じるけど、キャリアアップができるのか不安」という方もいるのではないでしょうか。コンビニの登録販売者求人には、パートやアルバイトも多いですが、実は正社員の求人も同じくらい多くあります。
正社員であれば、店舗で実績を残すことで、本部への異動やスーパーバイザー・バイヤーなどの昇進をすることができます。収入アップはもちろん、店舗の売り上げ向上のためのアドバイスや薬の仕入れ、そのルートの確保など、それまで以上に責任ある業務をおこなうことができます。
ただし、これらの仕事は、店頭勤務とは違ったスキルや知識が必要となります。新しいことを覚えるために、勉強は必須です。キャリアアップできる反面、大変な部分も多いでしょう。
今後、コンビニにおける医薬品販売事業はどう変化する?
大手コンビニチェーンのローソンでは、2023年中に医薬品取り扱い店舗を450店まで増やすという目標を掲げています。それに追随する形で、他のコンビニチェーン店でも医薬品を置く店舗が増えていくでしょう。さらにローソンでは、2021年2月から日本で初めてウーバーイーツでの医薬品の配達をスタートさせました。コロナ禍によって需要が高まっている医薬品の配達にも、注目が集まっています。
また、コンビニだけでなくスーパーや家電量販店でもより身近に医薬品が購入できる場所として、需要が高まっています。今後はコンビニだけでなく、さまざまな店舗が競合となり、医薬品販売事業を推し進めていくことでしょう。
まとめ|登録販売者はコンビニでも活躍できる!キャリアアップを目指すなら正社員という手段も
この記事では、登録販売者がコンビニで働くメリット・デメリットについて解説してきました。
登録販売者のニーズが高まる中、コンビニにおける求人数も年々増えています。登録販売者がコンビニで働くことにはメリットが多く、正社員としてキャリアアップを目指すことも可能です。
登録販売者の就職先として、今後はコンビニがより定着していくでしょう。
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