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登録販売者に迫る新たな改革!医薬品業界で求められているDXとは?

登録販売者に迫る新たな改革!医薬品業界で求められているDXとは?

登録販売者に迫る新たな改革!医薬品業界で求められているDXとは?

こんにちは、登録販売者転職のアポプラス登販ナビライターチームです。

デジタル技術の開発と発展により、従来では見られなかったビジネスモデルが次々と誕生しています。こうしたなか、各業界と企業では競争力を身につけるためにもDX化推進が課題であると言えるでしょう。登録販売者が身を置く医薬品業界も例外ではありません。

本記事では、DX化の概要、登録販売者の働き方にDX化が求められている具体的な理由、DX化によるメリットと導入事例などをご紹介します。

【目次】

ビジネスにおけるDX化とIT化の違い

ビジネスにおけるDX化とIT化

DX化とは、デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略称です。経済産業省が2018年12月に公開したガイドライン上で、その定義が公開されています。
DX化が求められる理由と具体例をご紹介する前に、ここで一度DX化の意味について確認しましょう。

DX化とは

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタルの技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること

引用:

経済産業省『デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)Ver.1.0』

ここからDX化とは、データとデジタル技術を既存の技術や産業構造に取り入れ、企業における業務とビジネスの在り方をより良い方向へ導き、結果としてビジネスを有利にすることを指していると読み取れます。

日本では企業ごとにDX化の重要性は認識されていたものの、実用化には至っていません。実践に即したかたちでDX化を推進するには、経営面からの関与と現場を含めた企業全体での導入体制づくりが課題と認識されています。

また、現行のITシステムは老朽化や複雑化を極めています。度重なる改修によりシステムそのもののブラックボックス化が進んだケースも見受けられ、現状のままDX化を進めても、完全に活かしきれない可能性が指摘されている状態です。

先にご紹介したガイドラインは、こうした現状を考慮し、DX化とITシステム時に経営者が抑えるべきポイントなどがまとめられています。

▼ガイドラインについて詳しくはコチラ

経済産業省『デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)Ver.1.0』

IT化との違い

ところで、DX化と似た用語にIT化があります。

DX化は、ビジネスそのものを変革させることを指すのに対して、IT化はデータの洗練と技術革新によるテクノロジーを用いて業務の効率化を意味しています。DX化は目的、IT化は手段であると考えるとイメージしやすいでしょう。

登録販売者の働き方にDX化が求められている理由

登録販売者の働き方

以下の理由から、医薬品業界と登録販売者の働き方はDX化が求められています。

業界内での競争激化

2020年以前はインバウンド需要を受けて医薬品業界は拡大の一途をたどっていました。2020年は新型コロナウイルス感染症の影響により、インバウンド需要と入れ替わるかたちで医薬品販売と巣ごもり需要や買いだめが進み、医薬品業界の売上は依然好調に推移しました。ところが、翌年度はコロナ特需が落ち着きを見せたことを受け成長は鈍化しています。

医薬品業界では、同業他社以外にもスーパーなど他業種との競争も激化しています。ネット通販の活発化と、2分の1ルールが撤廃されコンビニエンスストア業界が医薬品販売に参入開始したことで、競争は更に激化するでしょう。

▼登録販売者の2分の1ルール関連記事はコチラ

『登録販売者はなくなる?需要や将来性を聞いてみた』

このような動向を考慮すると、DX化によるビジネス活性化は重要課題であることがわかります。

労働人口減少により登録販売者の業務効率化が求められるように

経済産業省が発表した『商業動態統計』によると、2020年の店舗数は前年から578店舗増加しました。ところが薬剤師の数は不足しており、条件の良い求人を出しても薬剤師が集まらない状態です。そのため、市販薬の大半を販売可能な登録販売者がカバーする必要性が生じ、結果業務量も多くなるでしょう。

2025年問題に代表されるように、高齢化の急激な進行と労働者人口の減少も危惧されています。DX化による業務効率化は、業界全体が抱える共通課題でもあるのです。

▼商業動態統計について詳しくはコチラ

経済産業省『商業動態統計』

消費者ニーズへのより効率的なアプローチ

消費者ニーズ

現在登録販売者として売り場に立つ方のなかには、消費者ニーズの動向を肌で感じている方もいらっしゃると思います。

以前は堅調だった化粧品売上高はコロナ禍で減少し、家庭用雑貨や日用品が売上を伸ばしました。医薬品の通信販売市場も順調に成長しています。

通信販売は以前よりも身近になりました。この背景には、新型コロナウイルス感染症の影響により、感染と衛生面を懸念して非接触型決済を希望する方や、不特定多数が触った商品を購入したくないと思う方の存在を考える必要があります。

こうした変化を早々に把握し仕入れや売場構成に反映するには、DX化により顧客行動分析を実施し消費者の動向理解と予測を深める必要があります。

コロナ禍により顕在化した課題

オンライン診療が急速に普及し、また厚生労働省からの0410通知によりオンライン服薬指導が時限的に解禁され現在も継続中です。特に後者について、2022年4月に施行された改正薬機法において薬剤師の判断と責任に基づき初回利用時からオンライン服薬指導が可能になりました。

人材不足が深刻な薬剤師の業務量のさらなる増加が明白なため、薬剤師はもちろん一緒に働く登録販売者の業務効率化は想像以上に重要な課題であると言えるでしょう。

DX化によるメリットとドラッグストアにおける導入事例

ドラッグストアにおける導入事例

すでにDX化を推進している企業もあります。ここでは事例の一部をご紹介します。

ビッグデータ化と分析

限られた売場面積で売上を出すには、店舗を利用する消費者の来店目的を汲み取った戦略と棚割りが重要です。

各分野の販売実績内訳、混み合う日時などをデータ化することで、店舗運営と戦略立案のヒントとして役立てることができます。アイディア実践後は振り返り検証を実施することでブラッシュアップも可能です。分析対象店舗が増えれば、地域ごとの傾向などよりマクロな視点からの評価も可能になるでしょう。

近年では紙やプラスチック製のポイントカードからアプリに移行する企業も多いです。調剤薬局を併設する店舗では、さらに処方箋による情報も所有しています。店舗を利用する顧客データを収集し分析すれば、顧客軸を意識した店舗運営という戦略も実現化する可能性があります。

登録販売者による商品在庫管理の適正化

在庫管理もDX化が可能な業務の一つです。業務効率化により人的・時間的コストの削減が進めば、効率的な店舗運営が期待できます。

在庫状況をリアルタイムで確認可能になることに加え、人力対応による過剰発注や欠品などのトラブル防止にも貢献するでしょう。

アプリ導入による関連サービスへの誘導

関連サービスへの誘導

岩手県を基盤とし東北6県でドラッグストアを展開する薬王堂ホールディングスでは、顧客の購買および健康データを、データサイエンスチーム・AI開発チーム・API連携チームが分析評価したのち実装フィールド(リアル店舗)に落とし込むスキームを構築しました。

また、分析評価後のデータを基に生体情報を扱うバイオベンチャーと共同で、画像から皮膚のコンデイションを分析し数値化する肌診断アプリを、公式アプリに連携するかたちで実装しました。ほかにも、血液などから健康状態の把握共有サービスなど、ユニークなアプリもローンチしています。

こうしたツールを使用することで、企業側はさらに新たなデータを取得でき、利用者側は自身の身体を客観視することができ、新たに認識した課題解消に向けた消費活動も期待できます。

スマートフォンからのオーダーサービス

愛知県に本社を置くスギ薬局グループでは、「スギスマホオーダー」を小売チェーン向けECプラットフォームを提供する企業と共同でローンチしました。

アプリ内に表示されている商品を選択し、受取店舗の指定と事前決済をすることで、最短2時間で指定の店舗店頭もしくは駐車場で乗車したまま商品授受が可能です。実施店舗は2022年6月時点では1店舗のみですが、利用状況等を鑑みて順次拡大予定とのことです。

さらなるDX化に向けた今後の展望と課題

DX化に向けた今後の展望と課題

今後DX化が加速すると予測されるなかで、今後の展望と課題はどのように認識されているのでしょうか。

登録販売者にはDXリテラシーの取得と向上が求められるように

経済産業省が発表した『DXリテラシー標準』では、従来から「社会人の常識」とされていた内容とは異なる知識や技術がDX化により実現可能になったことから、働き手一人一人がDX化の内容を正しく理解し、DX化そのものとDX化に伴う変化を自分ごととしてとらえるようになることで、変革に向けた行動変容が期待できると説明しています。

同資料内で、DXリテラシーを習得した人材の増加はDX化のさらなる加速要因になることと、現時点でDX化とDXリテラシー取得に取り組んでいない組織・個人もDXリテラシーの習得が望ましいと言及しています。

DX化によるビジネス活性化を推進するには、現場で活躍する登録販売者もDX化の目的と方向性を理解する必要性が読み取れるでしょう。

▼DXリテラシー標準について詳しくはコチラ

経済産業省が発表した『DXリテラシー標準 ver.1.0』

ビッグデータの活用促進を担う人材育成

DX化が現状抱える課題に、戦略仮説とコンセプト検証工程の繰り返しが多いことと、データ活用と連携先が限定的になりやすいことがあります。

城西大学経営学部では、ビッグデータマーケティングを実施しています。セキ薬品グループが提供するデータを、ビッグデータプラットフォーム運営企業と協働でビッグデータ化・分析し店舗販促施策を企画提案することで、DX化に必要な技術的・職業的スキルの涵養を目指すものです。

医薬品業界は医薬品販売に携わる特性上高い専門性が要求されることから、DX化が遅れていると言われています。DXリテラシーを習得し専門教育を受けた人材創出が、課題解決策として期待されています。

顧客軸を意識したデータマーケティングへ

データマーケティング

特定の商品を決め打ちで購入する消費者が増加するなか、実物を見られるリアル店舗では「こんなのが欲しかった!」と消費者の潜在ニーズを引き出せるような商品展開も期待されています。

また、例えばPVA洗濯のりは関西では当たり前に販売されているものの関東では珍しい商品です。このように売れ筋商品は地域性に左右される部分があり、特に全国展開するドラッグストアでは地域ごとの傾向を把握しにくいという課題を抱えているのです。

企業軸ではなく顧客軸で求められる商品を仕入れ棚割りをするには、顧客である消費者のことをよく知る必要があります。

DX化は医薬品業界と登録販売者の働き方を大きく変える可能性がある

コロナ禍を機にDX化が進んだ業界や企業は多いです。しかし、日本はDX化後進国であり、特に医薬品業界の遅れは顕著です。医薬品業界を対象にした官民によるDX化の勢いは、今後さらに加速するでしょう。

現状と将来予測される動向を考えると、登録販売者もDXリテラシーの習得が必須になるでしょう。DX化による効率化が推進し業務全体の比重が変わることも予想されますので、今後のキャリアパスを意識しながらDX化による変化に柔軟に対応する姿勢を身につけましょう。

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