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【専門家インタビュー】登録販売者はなくなる?需要や将来性を聞いてみた

【専門家インタビュー】登録販売者はなくなる?需要や将来性を聞いてみた

日本医薬品登録販売者協会会長 樋口俊一氏

登録販売者に興味がある方、すでに登録販売者として第一線で働いている方は、「登録販売者はなくなる」という噂を耳にしたことがあるかもしれません。2分の1ルール撤廃を受けて、ますます不安を強めている方もいらっしゃるでしょう。

そこで今回は、登録販売者制度立ち上げに尽力され、現在は日本医薬品登録販売者協会会長として活躍されている樋口俊一様にインタビューを実施。登録販売者制度の将来性についてじっくり話を伺いました。

【目次】

2分の1ルールが撤廃されても登録販売者がなくなることはない

本日は宜しくお願いいたします。さっそくですが、ネット上には「登録販売者はそのうちなくなる」という意見があります。このように言われてしまうのはなぜでしょうか?

インタビュー1 樋口俊一氏

登録販売者という職業の認知度が高くないことが、まず挙げられます。これには、資格名を見ただけでは何の専門家なのかわかりにくいことと、「薬の専門家」と言われると薬剤師を思い浮かべる方が多いことが関係しているでしょう。

また、店頭をはじめさまざまなシーンでの有資格者による対応に疑問を持たれている方もいらっしゃいます。2分の1ルールが撤廃されたことで、「登録販売者は店頭にいなくてもいい」という話になり、「登録販売者は将来なくなる」という憶測を招いているものと考えています。

2分の1ルール撤廃に対する、率直なご感想をお聞かせください。

経営者の観点からすると、ルール撤廃によって、登録販売者がいなくても店舗販売業の許可が受けられるとなれば、経営上のメリットはあると思います。

しかし、そもそも2分の1ルールとは、「1日の営業時間のうち少なくとも半分は登録販売者を置こう」という厚生労働省の考えに基づいて作られたもので、ルールが撤廃されたことで登録販売者の位置づけが弱体化する恐れがあること、企業によっては登録販売者の資格を有するアルバイト・パートのスタッフを短時間勤務させることで対応させようとする動きが予測されるためです。

そのため、日本医薬品登録販売者協会は2分の1ルール撤廃に対し、意見が出た当初から反対していました。

登録販売者の働き方に影響を与えるような動きは、以前にもあったのでしょうか?

規制緩和という観点では、医薬品のインターネット販売解禁もターニングポイントと言えるでしょう。

医薬品のインターネット販売解禁は、薬事法における医薬品販売制度が改正・施行されたことにより、2014年6月から開始しました。

一般用医薬品のネット販売について、第三類医薬品のみ以前から認められていたのですが、同法改正によって、医薬品の取り扱いと消費者の安全性を確保の観点から、体調や医薬品使用時の注意点など相互間の情報交換をする目的で、第1類医薬品に限っては最低2往復半のやりとりを経るなどの条件がついていますが、全ての一般用医薬品がネット販売可能になったのです。スイッチ直後のOTC医薬品および劇薬は、その他一般用医薬品とは性質が異なることから、新たに設けた「要指導医薬品」に位置づけ、薬剤師による対面での情報提供・指導をするものと義務付けました。

「登録販売者がなくなる」という意見は、行政改革の渦中で一般用医薬品をどのように扱い販売するかという現状の問題点が露出した結果であり、このまま行くとアメリカのように登録販売者がいなくても一般用医薬品を購入可能になることを懸念した故のものだと考えています。日本医薬品登録販売者協会として、この事態と意見を真摯に受け止め、地域にお住まいのお客さまの健康維持に貢献するため全国の登録販売者が各地で活躍できるよう、資格と体制の維持に努めてまいりたいと考えています。

2021年度に実施した登録販売者試験は30,000人が合格

2021年度に実施された登録販売者試験は、受験者数61,070人に対して合格者は30,082人でした。登録販売者に求められる役割は変化すると考えられるのですが、樋口会長のお考えをお聞かせください。

インタビュー2 樋口俊一氏

登録販売者が誕生した経緯と責務、日本が抱えている高齢化と健康寿命延伸という課題を考えると、「健康の専門家」としての貢献がより一層求められるようになるでしょう。

2016年時点での日本人の平均寿命は、男性80.98歳、女性87.14歳ですが、健康寿命となると男性72.14歳、女性74.79歳で、男女ともに大きな開きがあります。平均寿命と健康寿命の乖離は、病気や老衰などで介護が必要な期間があることを意味しています。本人および家族の生活の質を維持するためにも、健康寿命の延伸は社会全体で考え取り組む必要がある課題であるということを、改めて多くの方に認識していただきたいです。

健康寿命を延ばすには、今まで健康だった方がこれからも健康な状態を維持できるようにするための取り組みも、より重視されます。そこでカギとなるのが、日常的に利用するドラッグストアと登録販売者なのです。

微熱や頭痛など医療機関を受診するほどではない軽微な不調を市販薬で手当てしたい方にとって、自分の困りごとにあった市販薬を提案してくれる登録販売者の存在は、非常に心強いといえるでしょう。

ですが残念なことに、現行の地域医療構想では薬剤関連のサポートは薬剤師が担うものと位置づけられています。日本医薬品登録販売者協会としては、登録販売者も薬剤の取り扱いやセルフメディケーションを介した地域医療構想の担い手であることを発信していきたいと考えています。

そうすると登録販売者は、薬剤師よりももっと日常生活に近い立場からセルフメディケーションのサポートを行う存在になるということでしょうか。

そうですね。登録販売者の大切な役目には、お客さまの話に耳を傾けてお困りごとを把握し一般用医薬品のご提案する以外に、必要に応じて医療機関の受診を促すことも含まれています。

その際も、「近いうちに医療機関を受診してくださいね」と曖昧な回答をするのではなく、症状やお困りごとなどから対応可能な診療科を推測しお伝えすることで、お客さまが必要と判断したら迷うことなく医療機関にアクセスするサポートも登録販売者に担っていただきたい役割です。

薬剤師との関係性については、登録販売者は薬剤師の調剤補助業務も可能なことから、今後はより緊密な連携体制を整備したいと考えています。日本薬剤師会や日本保険薬局協会など関連団体と意見交換を重ね、これからのあり方を模索しているところです。

登録販売者として活躍するため、特に欠かせないとお考えのスキルはありますか。

対面式の接客業ですので、コミュニケーション能力は欠かせないです。話し方や身振り雰囲気など非言語の情報をキャッチしつつ、お客さまが抱えている本当のニーズを引き出し見極めることができるよう、話術とコミュニケーションは意識して身につけていただきたいです。

あとは、お薬を中心としてあらゆる知識を身につける姿勢と努力も必要です。一般用医薬品のご相談でいらしたお客さまが要指導医薬品や処方薬などを使用している可能性もあります。ですので、「登録販売者だから一般用医薬品について知っていればいい」と考えるのではなく、降圧剤や高脂血症の治療薬などもある程度勉強していただきたいです。

知識の習得に関連して、医薬品以外の商品について広く知ることも大切です。登録販売者の主戦場であるドラッグストアでは、日用品や化粧品、食品まで幅広く取り扱っています。化粧品によっては医薬部外品のものもあり、皮膚そのものや成分による作用を理解していないと、お客さまに対して正確な情報提供ができません。試験で得た知識というのは、あくまでもスタートラインに立つため必要最低限のものであり、登録販売者として活躍するには現場での体験や職場の先輩や上司によるOJTでさらに知識を深める必要があることを再認識してください。

登録販売者は「健康の専門家」としての活躍が求められるように

今回お話をお聞かせいただいたことで、登録販売者はなくならないことと、むしろ将来は今以上の活躍が期待されていることがわかりました。

インタビュー3 樋口俊一氏

日本における最大かつ最重要課題に、医療費高騰と高齢化があります。日本の医療費は、2021年度の段階で42.2兆円に到達しました。2025年になって団塊の世代が後期高齢者となると、医療資源枯渇と社会保障費増大などの問題はさらに深刻化することが予測されています。

医療費削減は非常に難しく、単純に薬価を下げれば医療費も比例して下がるというものでもないです。むしろいたずらに薬価を下げることで製薬メーカーの体力が削られ、国内の産業の弱体化を招きかねません。

この難題を打破するための秘策が、セルフメディケーションの啓発と推進なのです。健康の重要性を理解しセルフメディケーションを実践することで健康な国民が一人でも多く増えれば、医療費は抑制され、限られた医療資源の有効活用にもつながるでしょう。

登録販売者はお客さまにとって身近な「健康の専門家」として重視され、今後ますますの活躍が期待されています。

最後に読者の皆様にメッセージをお願いいたします。

「登録販売者はなくなるのではないか」という意見は、たしかにあります。ですが、登録販売者がお客さまと直接向き合い、情報提供などをつうじて役立つことができれば、こうした意見はやがて減ってくるでしょう。

毎日働くなかで、目にしたもの、お客さまや同僚とのやり取りから学べることはたくさんあります。お薬のことはもちろんそれ以外のことも貪欲に学んで、知識と経験を自分の引き出しにストックし、別の機会に接客や提案というかたちで還元してください。みなさまのご活躍を期待しています。

ありがとうございました!

プロフィール 樋口俊一氏

樋口俊一氏

昭和26年10月5日大阪に生まれる。北里大学卒薬剤師・大阪大学薬学博士・薬ヒグチ社長を経てヒグチ株式会社代表取締役会長に就任。
地方議員/東京都議会議員から参議院議員に、参議院予算員会で薬剤師常駐問題とセルフメディケーションの重要性を取り上げ登録販売者の誕生と一般用医薬品リスク分類の薬事法改正につなげる。
衆議院議員としてセルフメディケーションを国策化するため予算化。
一般用医薬品所得税控除制度創設に尽力。
平成25年、一般社団法人日本医薬品登録販売者協会会長に就任。

    

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