登録販売者試験は難しいってホント?難易度からおすすめの勉強方法までを解説

こんにちは、登録販売者転職のアポプラス登販ナビライターチームです。
登録販売者は、ドラッグストアをはじめ、スーパーやコンビニなどで、第2類医薬品と第3類医薬品を販売できる資格です。
一般用医薬品のなかで第2類医薬品と第3類医薬品が占める割合は9割以上であるため、登録販売者試験に向けて覚えなければならない知識は多岐にわたります。そのため、これから試験を受ける皆さんが不安に感じるのは当然です。その不安を少しでも解消し、試験に向けた効果的な準備をお手伝いします。
本記事では、登録販売者試験の合格率や、難しいといわれる理由、試験に合格するための効果的な勉強法、注意点と対策などを解説します。登録販売者試験を受ける方や、難易度に不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
- ・登録販売者試験の合格率は高め?他の医療資格と比較
- ・登録販売者試験が「難しい」といわれる理由
- ・登録販売者試験に合格するための効果的な勉強法
- ・登録販売者試験で失敗しないための注意点と対策
- ・まとめ|登録販売者試験は自分にあった勉強法で合格を目指そう
登録販売者試験の合格率は高め?他の医療資格と比較

登録販売者試験の合格率が気になる方も多いでしょう。ここでは、登録販売者試験と薬剤師国家試験、看護師国家試験の合格率を比較し、登録販売者試験の難易度を具体的に解説します。
試験の難易度を正しく理解すれば、効率的な学習計画を立てるためのヒントを得られ、自信をもって試験に臨めるはずです。
登録販売者試験の合格率
厚生労働省によると、一番高い登録販売者試験の合格率(全国平均)は、試験がスタートした2008年度の64.5%でした。2008年度を除き、2009年度から2023年度の合格率(全国平均)は、いずれの年も40%台です。
以下は、過去5年間の合格率(全国平均)です。
実施 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率(全国平均) |
---|---|---|---|
2019年度 | 65,288名 | 28,328名 | 43.4% |
2020年度 | 52,959名 | 21,953名 | 41.5% |
2021年度 | 61,070名 | 30,082名 | 49.3% |
2022年度 | 55,606名 | 24,707名 | 44.4% |
2023年度 | 52,214名 | 22,814名 | 43.7% |
参考:厚生労働省「これまでの登録販売者試験実施状況等について」
近年、登録販売者試験は、1年に1回実施されています。(2008年度から2014年度は、一部の都道府県で年に2回実施されていました)申し込み期間や、試験がおこなわれる日は、都道府県ごとに異なります。2024年度の試験は、早いところは8月、遅いところでは12月に実施されました。
薬剤師国家試験の合格率
厚生労働省によると、過去5年間の薬剤師国家試験合格率(全体)は68.0%〜69.6%です。
各年度の合格率(全体)は以下の通りです。
実施 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率(全体) |
---|---|---|---|
2019年度 | 14,311名 | 9,958名 | 69.6% |
2020年度 | 14,031名 | 9,634名 | 68.7% |
2021年度 | 14,124名 | 9,607名 | 68.0% |
2022年度 | 13,915名 | 9,602名 | 69.0% |
2023年度 | 13,585名 | 9,296名 | 68.4% |
※合格率は小数第二位を四捨五入
なお、6年制新卒者に限ると、過去5年間の合格率はいずれも80%台であり、全体と比べると、高い数値で推移しています。薬剤師国家試験は、1年に1回、2月に全国9都道府県で実施されています。
参考:厚生労働省「第109回薬剤師国家試験の結果について」
看護師国家試験の合格率
厚生労働省によると、過去5年間の看護師国家試験の合格率は89.2%〜91.3%です。
各年度の合格率は、以下の通りです。
実施 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率(全体) |
---|---|---|---|
2019年度 | 65,568名 | 58,513名 | 89.2% |
2020年度 | 66,124名 | 59,769名 | 90.4% |
2021年度 | 65,025名 | 59,344名 | 91.3% |
2022年度 | 64,051名 | 58,152名 | 90.8% |
2023年度 | 63,301名 | 55,557名 | 87.8% |
参考:厚生労働省「第109回・第110回・第111回・第112回・第113回看護師国家試験の合格発表」
なお、新卒者に限ると、過去5年間の合格率は93.2.%〜96.5%であり、いずれも90%を超えています。看護師国家試験は、1年に1回、2月に全国12都道府県で実施されます。
登録販売者試験が「難しい」といわれる理由

登録販売者試験は、出題範囲をしっかり学習すると、合格を目指せる資格です。しかし、先ほど紹介したように、合格率は40%台であり、難易度が高いと思われることがあります。ここでは、登録販売者試験が難しいと思われる理由を紹介します。
難しいといわれる理由を知ることで、つまずきやすいポイントを把握でき、適切な対策がおこなえるようになるでしょう。
出題範囲が広い
登録販売者試験の難易度が高いといわれる理由に、出題範囲が広い点があげられます。
登録販売者が販売できる医薬品は、第2類医薬品と第3類医薬品に限られていますが、お客さまから取り扱う医薬品以外の質問を受けることも珍しくありません。正しい情報を提供できるよう、試験問題には第1類医薬品のような、取り扱えない医薬品の知識も含まれるため、広い範囲を学習する必要があるのです。
登録販売者試験は5つの章で構成されており、1点の問題が120問出題されます。厚生労働省が公表している「試験問題の作成に関する手引き」を元に作成された、マークシート形式の問題です。
午前120分と午後120分で実施され、合格の条件は以下の2つです。
- 全体の問題で70%以上正答
- 各章すべて35%(都道府県によっては40%)以上正答
広い範囲の知識を、偏りなく習得することが求められています。
最新の情報を把握する必要がある
登録販売者試験に合格するためには、最新の情報を把握しておく必要があります。なぜなら、「試験問題の作成に関する手引き」が改訂されることがあり、それによって試験範囲が変わる可能性があるためです。
手引きが改訂されると、過去の傾向や対策が通用しなくなってしまうこともあります。前年に不合格となり再受験をする場合でも、それに対応して対策を見直す必要が出てきます。
一方で、改訂された内容を把握していないと、十分な準備ができず、変更された部分が試験における弱点となってしまう可能性があります。こうした点が、登録販売者試験が難しいといわれる理由の1つです。
受験資格がないため
登録販売者試験の受験資格は定められておらず、誰でも受験が可能です。
薬剤師試験の場合、受験資格を得るには6年制の薬学課程を修了する必要があり、看護師試験も、看護大学や専門学校などで3年以上のカリキュラムを修了する必要があります。そのため、十分な知識や技術を学び、準備を整えた状態で試験に臨む人が多いでしょう。
一方、登録販売者試験は誰でも受験できるため、勉強が不十分な人が試験を受けるケースもあります。受験資格が定められていないことで、合格率が下がり、難易度が高いと思われるのです。
地域によって合格率が異なる
地域によって合格率に差がある点も、難易度が高いといわれる理由の1つです。
以下は、過去5年間の、合格率が1番高い都道府県と、1番低い都道府県です。
実施 | 合格率が1番高い都道府県 | 合格率が1番低い都道府県 |
---|---|---|
2019年度 | 北海道(64.3%) | 埼玉県(23.4%) |
2020年度 | 広島県(58.1%) | 埼玉県(30.1%) |
2021年度 | 山口県(68.8%) | 秋田県(32.7%) |
2022年度 | 佐賀県(59.3%) | 高知県(29.8%) |
2023年度 | 群馬県(55.2%) | 高知県(21.4%) |
参考:厚生労働省「これまでの登録販売者試験実施状況等について」
このように、上位と下位で合格率に差があることがわかります。登録販売者試験は都道府県ごとにおこなわれており、試験日だけではなく、問題や合格条件の一部も都道府県ごとで異なるのです。そのため、地域によって合格率にも差が生じ、難しいといわれています。
登録販売者試験に合格するための効果的な勉強法

登録販売者試験は、次の5章で構成されています。
- 第1章:医薬品に共通する特性と基本的な知識(20問)
- 第2章:人体の働きと医薬品(20問)
- 第3章:主な医薬品とその作用(40問)
- 第4章:薬事関係法規・制度(20問)
- 第5章:医薬品の適正使用・安全対策(20問)
独学で合格するために必要な学習時間の目安は、400時間程度とされています。平日と休日の勉強に充てられる時間を確認し、余裕をもたせた計画を立てましょう。ここでは、効果的な学習方法を解説します。学習計画を立てる際はぜひ参考にしてみてください。
過去問を繰り返し解く
試験の効果的な学習方法は、過去の問題を繰り返し解くことです。出題傾向をつかめるため、必要な内容を重点的に学習できます。
なお、次の手順で学習すると効果的です。
- テキスト全体を2~3回読む(全体像を把握する)
- 章ごとに過去問を解く
- 繰り返し過去問を解く
過去問を解く際は、以下の順番でおこなうと効率的でしょう。
- 第2章
- 第3章
- 第4章
- 第1章
- 第5章
第1章と第5章は、一般的な知識で解答できる問題もあり、学習時間が少なくなった場合でも、影響が少ないためです。
一方、第3章は40問出題され、暗記する内容も多いため、学習時間を十分確保する必要があります。十分な学習時間を確保できる時期に学習しておくとよいでしょう。
初めて過去問を解く際は、テキストを見ながら解いていきます。1つの章につき問題を何回か繰り返し、自力で60〜70%正解できるようになった段階で、次の章に移りましょう。5章を終えたら、過去問を繰り返します。
誤った問題については、問題集の解説やテキストを読み、内容を理解することが大切です。そして、過去問を繰り返し解き、確実に覚えます。過去3年間分の問題を解くとよいでしょう。試験前には、制限時間内に解き終わるよう、時間を計りながらおこなうことも必要です。
最新情報にアップデートされたテキストを利用する
登録販売者試験の学習には、最新情報にアップデートされたテキストを利用しましょう。試験問題の元である、厚生労働省が公表している「試験問題の作成に関する手引き」は改訂されることがあります。
新しい情報が盛り込まれたテキストは、試験が実施される年の5月末頃に販売されます。試験対策の学習をはじめる際には、最新のテキストを準備しましょう。
受ける地域の出題パターンをチェックする
登録販売者試験は、厚生労働省が公表している「試験問題の作成に関する手引き」を元に、都道府県ごとに作成されます。試験日や、問題、章の順番が、試験を受ける都道府県によって異なるのです。過去問を解いて、地域の出題傾向や、5つの章がどの順番で出題されるのか把握しておくとよいでしょう。
ただし、出題傾向は変わる可能性もあります。そのため、受験する地域の過去問だけに絞らず、全国版の過去問集を解き、全体的な出題傾向をつかんでおきましょう。
登録販売者試験で失敗しないための注意点と対策

ここからは、試験の失敗パターンとそれを避けるための対策、試験前日と当日における注意点を解説します。
これらのポイントを知っておくことで、無駄な焦りや不安を減らし、自信をもって本番に臨めるようになります。登録販売者試験に向けた適切な準備方法を確認し、試験当日はこれまでの学習の成果を惜しみなく発揮できるようにしましょう。
勉強しない日を作らない
試験勉強は、毎日おこないましょう。試験対策と、学業や仕事などの両立は、疲れたり、時間がなかったり大変なものです。週末にまとめて勉強しようと思うかもしれません。
しかし、週末にまとめて学習するよりも、毎日おこなう方が記憶しやすいといわれています。まったく勉強しない日を作らず、数分だけでも学習を継続することが大切です。
やりきらないうちに新しいテキストを買わない
テキストは、1冊に絞ることが大切です。独学で試験対策をする方のために、さまざまな教材が販売されています。1冊に決められなかったり、1冊では不安に感じてしまったりして、いくつも教材を購入する方もいるでしょう。
しかし、1冊に絞ることで、内容を取りこぼさず学習できます。テキストは、重要な内容が端的にまとまっているものがおすすめです。カラーで図や表、イラストが入ったものが利用しやすいでしょう。過去の問題や模擬テスト、解説動画がついているものも販売されています。自分が利用しやすいテキストを1冊選びましょう。
試験前日は普段通り過ごしてよく寝る
試験前日は、普段通りに過ごしましょう。当日に必要な受験票や筆記用具などの持ち物を準備し、試験開始時間や会場の場所を確認することは大切です。
しかし、不安があるからといって徹夜で勉強すると、当日の体調に影響します。また、意気込んで豪華な食事をしたり、睡眠を意識しすぎたりすると、体に負担がかかる場合や、寝付けなくなる場合があります。前日は普段通りに過ごして、十分な睡眠をとりましょう。
試験当日は朝食を必ず摂って時間に余裕をもつ
試験の当日は、時間に余裕をもつことが大切です。まず、早めに起床し、朝食を摂ることで、集中して試験を受けるための体調を整えましょう。そして、試験開始30分前までには会場へ到着するようにし、トイレを済ませておきます。
緊張している場合は、深呼吸をしてリラックスしましょう。口から息をゆっくりと吐いて、鼻から吸うことを何回か繰り返します。試験当日は、何事も時間に余裕をもって行動し、リラックスした状態で力を発揮しましょう。
まとめ|登録販売者試験は自分にあった勉強法で合格を目指そう
登録販売者試験は、出題範囲が広く、受験資格が設定されていないなどの理由から、合格率が40%台であり、難易度が高いといわれることがあります。しかし、出題範囲をしっかりと学習することで、合格を目指せる資格です。
試験勉強を効率よく進めるには、過去問を繰り返す、最新情報にアップデートされたテキストを利用する、出題パターンを把握するなどの学習方法が効果的です。当日は、時間に余裕をもって行動し、リラックスした状態で力を発揮することで、合格を目指しましょう。
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