【2026年最新】登録販売者の将来性は? 10年のキャリア戦略
登録販売者は、受験資格の緩和などもありここ10年で、年度ごとの受験者数・合格者数ともに全体で約1.7倍にも増加しています。登録販売者が増えていくことで、自身の就職や勤務環境に影響を及ぼすのではないかと不安に感じる方もいるかもしれません。
しかし、現在も医薬品販売の現状にあうよう法令の改正も頻繁に行われるなど、登録販売者の仕事がなくなる心配はなく、依然として将来性が高い魅力的な資格であると言えるでしょう。この記事では、登録販売者を取り巻く現状と市場の動向、必要とされる登録販売者として今準備しておくべきことをお伝えします。
目次
- 1. 登録販売者の仕事はなくなるって本当?「増えすぎ」と言われる現状の裏側
- 2. 登録販売者の将来性が高い根拠4つ【市場動向から解説】
- 3. 登録販売者の活躍フィールドと将来の選択はどこまで広がる?
- 4. 登録販売者として10年後も生き残る!資格を「一生モノ」にする3つの戦略
- まとめ|登録販売者の将来性は十分にあるといえる理由&キャリアの広げ方
- 監修者
1. 登録販売者の仕事はなくなるって本当?「増えすぎ」と言われる現状の裏側
医薬品販売店舗の多様化や後述するセルフメディケーションの推進、また2015年に受験資格が緩和されて以降、挑戦しやすくなったこともあり、登録販売者総数は増加しています。厚生労働省の報告によると、近年の合格者数は、2022年(令和4年):24,707人、2023年(令和5年):22,814人、2024年(令和6年):25,459人となっており、毎年多くの合格者を出しています。
出典:厚生労働省「これまでの登録販売者試験実施状況等について」
そのため「登録販売者が供給過多になるのでは?」心配になるかもしれませんが、実際は需要のほうが上回っていると言えるのが現状です。
医薬品の販売はホームセンターやコンビニエンスストアでも可能になっており、食品や日用品も手がける大手ドラッグストアチェーンは次々に新店舗展開をしているため、登録販売者が活躍できる場は広がり続けています。
しかし、キャリアアップを目指していても、実際に店舗責任者の枠は店舗に2名程度と狭き門ですし、オンライン販売制度も整ってきている中、まだ不安を払拭できないかもしれません。
一方で、薬局やドラッグストアなどの既存店舗では、どのレジでも医薬品の購入・相談に対応できる体制が理想とされているため、登録販売者の仕事がなくなることは考えにくく、むしろ需要はますます高くなり、将来性のある資格だと言えるでしょう。
とはいえ、ただ登録販売者の試験に合格すれば、将来は安心・安定が約束されているわけではありません。ここからは、必要とされる登録販売者に求められる要素を解説していきます。
1-1.試験の難化と質の向上が求められる時代へ
登録販売者試験では、実際に登録販売者として接客する際に必要となる内容が出題されます。たとえば、医薬品を販売する際には、用法用量を守って服用することや副作用などで健康被害にあわないように必要な説明や確認などを行います。そのとき、まさに試験で勉強した注意すべき成分や、救済制度についての詳細情報を伝えなければなりません。
しかし、試験勉強で得た知識だけでは登録販売者としてやっていけません。確かに求人を見ると、法定研修期間を終えた登録販売者は即戦力として求められています。とはいえ、一人前の登録販売者として自信をもつには、日々の接客からの復習や薬効確認、振り返りといった実践的な行動が欠かせません。医薬品のリスク区分変更などの情報についても、継続研修でしっかり確認しておきましょう。
1-2.AIには代替できない「カウンセリング接客」の価値
たとえば、「風邪薬はどこですか」と聞かれて「こちらです」と案内するだけでは、AIがするような一律的な接客と変わりません。そのようなときこそ、「鼻声か」「顔色はどうか」と、五感をフル活用して話に耳を傾けつつ、「一番気になる症状はなんですか」「おつらいですね」などとお声をかけるような、共感型接客が必要です。知識と経験を身につけた登録販売者だからこそできるカウンセリング型の接客こそが、信頼性を高め、リピートにもつながります。
また、お客様が医薬品の小さな箱に記載された説明書が見づらい、似たようなお薬の違いがわかりにくいと感じている場合は、登録販売者が相談を受けるケースもあります。その場合も、説明書をただ読み上げるのではなく、わかりやすい表現を使いながら、コミュニケーションを図るとよいでしょう。こうした丁寧なカウンセリングをしてこそ得られる情報もあり、受診勧奨すべき案件にも敏感に気づけるようになります。
こうした高い意識をもった登録販売者は、これからますます必要とされます。次項からは、登録販売者が将来性のある仕事だと言える根拠を解説していきます。
2. 登録販売者の将来性が高い根拠4つ【市場動向から解説】
ここからは、登録販売者を取り巻く環境や働き方・社会における役割など、販売接客だけに留まらない、登録販売者の未来が明るいと言える根拠を4つ解説していきます。
登録販売者が必要されている背景やこれから先の役割が明確になれば、「将来仕事なくなるかもしれない」という不安を払拭し、キャリアアップへの意欲を高めることができるでしょう。
2-1.根拠1:セルフメディケーションの推進
「自身の健康を自分で守る」という社会機運の高まりが、医薬品の適切な選択をサポートできる登録販売者の専門性を不可欠なものにしています。
特に、2017年に導入されたセルフメディケーション税制は、登録販売者の需要を高めます。WHO(世界保健機構)では、セルフメディケーションが「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当すること」と定義されています。
「自分で手当」するために、ドラッグストアなどで適切な医薬品を選ぶアドバイスができる登録販売者は今後ますます必要とされるでしょう。常備薬や軽い風邪症状で手に取りやすい大容量の総合感冒薬について違いが説明できると、時間がないお客様にも喜ばれますので、自店での取り扱いメーカーなど確認し、しっかり把握しておきましょう。
2-2.根拠2:医薬品販売の「ラストワンマイル」を担う専門性
医薬品の販路が生活圏全域へと拡大し続けているため、場所や時間を問わず販売を可能にする登録販売者の有資格者は、社会インフラを維持する上で欠かせない存在となっています。
近年、医薬品はスーパーやホームセンター、さらにはコンビニエンスストアでも取り扱えるようになりました。それに伴い、第2類及び第3類医薬品の販売ができる登録販売者の就業先は今後ますます広がっていくでしょう。
特に、医療機関が開いていない時間帯をカバーできる24時間営業の店舗や過疎地で活躍する登録販売者ともなると、まさに地域インフラの「要」と言えます。高齢化社会における課題を解決する存在として、将来的にさらなる活躍が期待されるでしょう。
2-3.根拠3:高齢化社会における「地域コミュニティの健康相談窓口」としての役割
登録販売者は、病院よりも身近で気軽に相談できる「街の専門家」であるからこそ、予防医学や生活習慣の改善が重視される超高齢社会において、その需要はますます高まっています。
医薬品だけでなく、健康食品や冷蔵食品などを扱う店舗で働く登録販売者であれば、腸活のためにヨーグルトを購入される方や、歯周病予防としてオーラルケアを意識しているお客様と接する機会もあるでしょう。そのような方々は、病院に行くほどではないけどちょっとした相談ができる相手を必要としていることがあります。
登録販売者は、こうした日常的な健康意識をもつ方にとっても、病院ほど敷居が高くなく、気軽に相談できる専門家として心強い存在です。大手ドラッグストアなどではほとんどありませんが、個人調剤薬局では医療提携している施設のケアマネージャーと連携し、包括的な立場で活躍することもできるため、登録販売者の資格は社会的に価値が高まっていくでしょう。
2-4.根拠4:ライフスタイルが変わっても活かせる資格
登録販売者の資格は、実務経験に裏打ちされているからこそ、一度取得すれば市場価値が落ちにくく、ライフステージの変化に合わせた柔軟な再就職やキャリア形成が可能です。
登録販売者としてキャリアを積む中で、出産や育児、介護などライフスタイルや人生のステージの変化によって働き方を見直さなければならないケースもあるでしょう。特に、登録販売者が活躍する職場は主に小売業のため、閉店時間が遅くなりがちです。正社員や店舗管理者として働いていた登録販売者が、時短勤務や時間帯固定勤務を希望する場合は、離職や雇用切り替えが必要になるケースも考えられます。
しかし、管理者要件を満たしていれば短時間勤務でも収入の面で有利ですし、一度店舗管理者になったことがある登録販売者は、枠に限りがあるものの指定されれば再び店舗管理者として働くことも可能です。こうした面でも、登録販売者は求人需要も高いため非常に魅力的な資格であると言えるでしょう。
次項では、さまざまな働き方や選択肢について、さらにどのような活躍の場面があるかお伝えしていきます。
3. 登録販売者の活躍フィールドと将来の選択はどこまで広がる?
登録販売者として活躍できる場所や働き方は多様化していますが、店舗管理者の要件を満たす頃になると、次のステージを見据えて自分と向き合うのもよいでしょう。それまでの努力の結果、美容や漢方など自分の得意な分野がわかれば、そこに特化した道に進むのもよいかもしれません。ここからは、将来的にも活躍が見込まれる以下の職場について解説していきましょう。
- 漢方相談員
- 美容カウンセラー
- 配置販売業(置き薬)
- コールセンター
- ECサイト運営
- オンライン服薬指導
3-1.漢方薬局やエステサロン、配置販売業など専門特化の道
登録販売者試験勉強の際や接客を通じて、漢方薬や漢方医学の奥深さに強く惹かれてきた方は「漢方相談員」として活躍する道もあります。が、チェーン店などでは漢方専門の登録販売者といった働き方ができないこともあるので注意が必要です。
また、大手ドラッグストアでは「ビューティーアドバイザー」や「美容カウンセラー」として活躍する登録販売者もいます。美容分野に特化したスキルを磨けば、キャリアアップ転職などでも十分にアピールポイントになるでしょう。
さらに、顧客宅を直接訪問する「配置販売業」(置き薬)では、個人向けのアドバイスをしたり、健康相談に乗ったりする機会が多くあります。対話を通じて健康維持を支えられるため、高いやりがいを感じられるでしょう。
このように専門性に特化した道へ進むには、経験の積み重ねや転職が必要な場合も多くハードルは高いですが、必要があれば早いうちから求人情報などをチェックしておくとよいでしょう。
3-2.オンライン診療・服薬指導に伴う「店舗販売」の新たな形
製薬会社や販売会社に併設されている「コールセンター」も、勤務登録販売者が活躍できる場所です。こうしたコールセンターは、オンラインでの医薬品購入に不安を抱える方にとって気軽な相談先であり、安心して医薬品を購入する助けになります。また、コールセンターはデスクワークになるため、体力がなくドラッグストアで働く自信がない方でも、無理なく登録販売者としての資格が活かせるでしょう。
また、海外向け「EC運営会社」では、日本の医薬品の出荷確認のため登録販売者が裏方として活躍していることもあります。資格を活かしつつ、いずれは運営側で、「新たなオンラインサイト構築の際の監修者」として携わるような働き方も可能でしょう。
さまざまな活躍の場面がある登録販売者ですが、多くのライバルがいる中で生き残るための戦略について以下でお伝えします。
4. 登録販売者として10年後も生き残る!資格を「一生モノ」にする3つの戦略
セルフメディケーションの推進や医薬品販売店舗の増加もあり、登録販売者の求人需要は高まっています。とはいえ、市場で登録販売者が競合しあっているのも事実です。ここからは、10年後も登録販売者として生き残るために、今なにをすればよいかを3つ解説します。
4-1.「接客×専門知識」でリピーターをつくるカウンセリング力
小売業界では「お客様は人に付く」との格言があります。これは、単なる商品の売買ではなく接客の態度や人柄に惹かれて再来店するといった意味です。医薬品販売店舗で働く登録販売者も、単なる薬の成分説明にとどまらず、「お客様の生活の質(QOL)をどう上げるか」という視点でアドバイスをするなら、他者との差別化を図れます。丁寧なカウンセリングを心がけるなら、いずれはお客様のほうから指名で相談をしてくださるようになるでしょう。
たとえば、「健康に気を遣ってらっしゃるのは素晴らしいですね」と褒めたり、「大変でしたね」と共感したりする一言を添えるだけで、信頼関係を構築できます。
また、気遣いのあるクレーム応対や、デリケートなお悩みへの配慮など、マニュアル化の難しい対応能力を身につければ、現場になくてはならない登録販売者として重宝されるようになるでしょう。
4-2.店舗管理者から「エリアマネージャー・バイヤー」へのキャリアアップ
登録販売者は医薬品販売の現場での研鑽を経て、店舗運営や本部業務へと職域を広げることで、市場価値をさらに高められます。法令上の店舗管理者は区域管理者を含み、いわゆる店長や副店長などを指しますが、一定期間経験を積んだあとは、複数の店舗の長を束ねるエリアマネージャーへのキャリアアップも可能です。
店舗運営側の仕事は、在庫管理や販売管理費などの数値管理などに加え、売り上げアップのための販売促進方法を検討するなど、運営管理の手腕が問われます。また、本部での専門業務として、商品の仕入れトレンド創出を担う「バイヤー」になるなど、現場経験を活かした戦略的なポストへの転換も可能です。
上を目指すなら、今の仕事をこなしつつ、まずはその日の出勤者全員が今どこでどの作業を行っているか把握できるように意識してみましょう。先輩や店長がどのような目線で働いているか、わかってくると思います。
【明日から意識する】
- 店舗全体の動きを把握する:自分の作業だけでなく「今、誰がどこで何をしているか」を常に確認し、店舗全体の稼働状況を把握する癖をつける。
- 数字の背景を考える:「なぜこの商品が売れているか」「欠品による損失はいくらか」など、売上や在庫の数字を経営的な視点で分析してみる。
- 店長の視点をトレースする:トラブルや判断に迷う場面で「店長ならどう動くか」を予測し、自分の考えと照らし合わせる訓練をする。
4-3.ダブルライセンスで希少性を高める(管理栄養士、ビューティーアドバイザー等)
登録販売者の資格に他の専門領域を組み合わせることで、代えのきかない「ダブルライセンス」の強みを発揮できます。なお、ダブルライセンスとして組み合わせる資格は、難易度が決して高いものばかりではなく、自身の許容リソース(時間や金銭面)に合わせて無理なく選ぶことが可能です。
たとえば、「栄養士」や「管理栄養士」の資格をもっている登録販売者であれば、自社製品を使用した「おすすめレシピ」の発信ができるでしょう。大手ドラッグストアチェーンでも公式アプリでレシピ公開するなどして活躍されています。
また、元化粧品販売会社の美容部員が登録販売者資格を取得し、その方面の知識や高い説得力でビューティーアドバイザーとして、右に出るものがいない程の活躍をされている方もいます。
さらに英語や中国語、韓国語などの外国語が話せる方であれば、インバウンド集客が強い地域や免税店で重宝されるでしょう。外国人観光客からも、日本の医薬品や健康食品、化粧品は非常に高く評価されていますので、誇りをもって登録販売者としての知識を伝えることができます。
このように、異なる領域を横断してアドバイスできると、「専門性の掛け算」により自身の登録販売者としての価値を高めることができると言えるでしょう。
まとめ|登録販売者の将来性は十分にあるといえる理由&キャリアの広げ方
これまで見てきたように、登録販売者の人数は増え続けています。しかし、医薬品を取り扱う店舗の多様化や浸透してきたセルフメディケーションへの意識の高まりなどの背景により、登録販売者の需要はますます増加していくことでしょう。
多くの登録販売者の中から求められる人材となるためには、常にスキルアップを意識しなければいけません。そうしてこそ、ワンランク上の登録販売者として自身の価値を高めることができ、企業やお客様から必要とされるのです。
今回ご紹介したアイデアを参考に、新たな試みにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。アポプラス登販ナビでは、なりたい自分が活かせるさまざまな職場をご紹介できますので、ぜひ活用してみてください。
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監修者

執筆者:當房 清香(とうぼう さやか)
登録販売者・薬機法管理者・調理師(ハラール認証)・国際中医薬膳師など
登録販売者として健康や薬に関するWEBライターとして活動。 裁判所書記官としての経験や、オーガニックマスターコーディネーター・食品添加物に関する資格などの資格を活かし、「自分や子どもの未来は、現在カラダに取り入れているものでつくられていく」 ことを幅広い視点でお伝えしている。
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