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登録販売者の管理者要件が「実務経験1年以上」に引き下げへ。現場はどうなる?

登録販売者の管理者要件が「実務経験1年以上」に引き下げへ。現場はどうなる?

登録販売者の管理者要件が「実務経験1年以上」に引き下げへ。現場はどうなる?

こんにちは、登録販売者転職のアポプラス登販ナビライターチームです。

登録販売者の管理者要件が引き下げられる可能性があるという、2022年6月に出た報道をご存知でしょうか。編集部では登録販売者の管理者要件緩和に対する本音を調べるため、アンケートを実施しました。
これから登録販売者になろうと考えている方、管理者要件取得に向けたスケジュールを立てている方、こうした方たちと一緒に働く方の参考になれば幸いです。

【目次】

登録販売者の管理者要件が緩和されるかも

登録販売者の管理者要件が緩和されるかも

アンケート結果に進む前に、2022年9月現在で登録販売者に求められる実務経験の詳細について確認しましょう。

現行の制度

登録販売者の受験資格は、2015年に実施された登録販売者制度改正によって緩和され、代わりに実務経験が必須となりました。
登録販売者が自立して活躍するには、直近5年間で2年以上(かつ直近5年で累計1,920時間以上)の実務経験が必要です。要件を満たさない者は、登録販売者でも「研修中」もしくは「実習中」等と呼び、区別して扱われることになりました。研修中の登録販売者は、薬剤師もしくは要件を満たした登録販売者による管理および指導下で医薬品販売を行うこととなり、また店舗管理者や管理代行者になれないのです。
登録販売者が実務経験を積むためのポイントは、薬剤師もしくは登録販売者による管理および指導下での勤務経験の有無です。「直近5年間で2年以上(かつ直近5年で累計1,920時間以上)の実務経験」は、試験合格以降だけでなく受験以前の経歴もカウントされます。つまり、実務経験として認められる経験を積むには、

  • 一般従事者として、薬剤師・登録販売者の管理下で医薬品販売の実務に従事
  • 登録販売者として、薬剤師・登録販売者の管理下で医薬品販売の業務に従事
  • 登録販売者として、店舗管理者または区域管理者の医薬品販売の業務に従事

の3パターンがあると言えるでしょう。

▼「登録販売者の実務経験」関連記事はコチラ

『登録販売者には実務経験が必要!』

2022年度中に緩和の方向で調整中との情報が

厚生労働省は、店舗管理者要件取得条件を現行の実務経験2年以上から1年以上に緩和することを2022年6月に公表しました。
実務経験として認められる1,920時間の壁について、正社員であれば1年でクリア可能なことと、規制緩和を求める声が業界から上がっていたことを受けた対応です。特に少人数での店舗経営をせざるを得ないコンビニエンスストアでは、実務経験1,920時間に達していない登録販売者はOTC医薬品の販売を単独で行えないことが悩みのタネとされていた事情もあります。

22年9月現在は管理者要件引き下げが優勢か

規制改革推進会議「医療・介護・感染症対策ワーキンググループ」は同ワーキンググループに関する規制改革ホットラインの内容を公表しました。日本経済団体連合から寄せられた、1920時間の実務経験を満たした場合2年間を経過せずとも店舗管理者への資格適用を求める提案に対して、厚生労働省は疾病の季節変動への対応など多様な業務を登録販売者は経験する必要があるなどの理由から退けたとのことです。上記回答は2022年8月末日に公表されました。

ただし、内閣府として規制改革による要件引き下げを実行前提としており、期間短縮に伴う経験値が減るおそれがあるとの指摘に対しては、保管可能な研修体制を作ることを想定しているとのことです。
2022年9月13日現在、登録販売者の管理者要件緩和は1年化が優勢のようですが判断は保留のため、今後の動向が注視されています。

医薬品販売と登録販売者に関するアンケート

医薬品販売と登録販売者に関するアンケート

当事者である登録販売者は管理者要件取得の引き下げをどのように受け止めているのか把握するため、編集部ではアンケートを実施しました。前半では今回アンケートにお答えいただいた登録販売者の皆さまの働き方に関すること、後半で登録販売者の資格要件緩和に関する内容をご紹介します。

【アンケート実施詳細】
調査期間:2022/8/26〜8/29
対象者:登録販売者の資格を保持する方
対象者数:36人
調査方法:ウェブ上での募集

①あなたは登録販売者として働いていますか。もしくは過去に勤務経験がありますか。

データ・登録販売者勤務経験

  • 登録販売者として働いている(50.0%)
  • 登録販売者として過去に働いていたことがある(16.7%)
  • 登録販売者の資格を有しているが現在は別の職業に就いている(22.2%)

今回アンケートに参加いただいた方のうち、なんと半数が現役の登録販売者でした。

②現在お勤めの業種を教えてください。複数の場所で勤務されている場合は、勤務時間が最も長い勤務先についてお答えください。

データ・登録販売者の現在の勤め先

  • ドラッグストア(22.2%)
  • 調剤薬局(22.2%)
  • 大型スーパーの薬局コーナー(16.7%)
  • コンビニエンスストア(5.6%)
  • ECサイト(0.0%)
  • その他(33.3%)

現在の勤務先で最も多かったのは、ドラッグストアと調剤薬局。登録販売者の主な勤め先として依然人気があることと需要の多さを反映した結果と言えるでしょう。
ここで注目したいのが、ドラッグストア。全体に占める数は少ないものの、2分の1ルール撤廃による規制緩和で医薬品販売に乗り出した経緯を考えると、今後の成長に注目したいところです。

▼登録販売者の2分の1ルール関連記事はコチラ

『登録販売者はなくなる?需要や将来性を聞いてみた』

③現在の勤務形態を教えてください。複数の場所で勤務されている場合は、勤務時間が最も長い勤務先についてお答えください。

データ・登録販売者の勤務形態

  • 正社員(91.7%)
  • パート・アルバイト(8.3%)
  • その他(0.0%)

登録販売者はOTC医薬品の案内や販売など責任を伴う仕事を任されることから、正社員の方が約9割を占める結果となりました。

④「登録販売者が店舗管理者となるための要件について、実務経験期間が現行の2年以上から1年以上に引き下げられる」というニュースがありました。あなたはこのニュースをご存知ですか?

データ・登録販売者の実務経験のニュースについて知っている

  • はい(55.6%)
  • いいえ(44.4%)

同ニュースを知っている方は、半数をやや超える結果となりました。自身での情報収集、職場内での情報共有などでキャッチアップしたものと思われます。
出典:(株)医薬経済社 RISFAX 第8517号 登録販売者の管理者要件、年度内に緩和へ

⑤あなたは、店舗管理者の実務経験が1年以上に引き下げられることについて【賛成・反対・どちらともいえない】のどれにあたりますか?

データ・店舗管理者の実務経験が1年以上に引き下げられることについての意見

  • 賛成(47.2%)
  • 反対(16.7%)
  • どちらともいえない(36.1%)

賛成と答えた方が多数です。ただし、どちらともいえないと回答した方も全体の3割を超えていて、今後の動向を見守りたいと考えている方の存在も見逃せないでしょう。

⑥「賛成」もしくは「反対」と回答した方のみお答えください。その理由はなぜでしょうか?

【賛成派のご意見】
  • なりやすくなるため
  • とても働きやすくなるから
  • 素晴らしいから賛成
  • 周りに賛成意見が多いから
【反対派のご意見】
  • 実務経験は長いほうがいい

管理者要件引き下げについて、さまざまなご意見をいただきました。「実務経験は長いほうがいい」とするものもある一方、全体的に前向きな感想が多い結果となりました。

⑦店舗管理者の実務経験が1年以上に引き下げられることは、あなたの仕事内容にどのような影響を与えると思いますか。

【主なご意見】
  • 特に大きな影響はなさそうであるが、知識不足、経験不足により不安が残るかもしれない
  • 管理者不足に陥る
  • 特にない
  • 変わらない

先程の質問では好意的な意見が多かったのに対して、この質問では懸念事項を指摘する内容が目立ったのが特徴的でした。全体的には歓迎するものの、制度変化に伴う懸念点を洗い出す当事者意識が見られます。

登録販売者の管理者要件緩和に対する企業の動向

登録販売者の管理者要件緩和に対する企業の動向

登録販売者の管理者要件緩和について、ドラッグストアチェーンの採用部の見解を伺いました。第一報後すぐに伺った内容のため、現状では変化している可能性があることをご了承ください。
企業Aでは、新卒の社員が順調に定着している状況下のため管理者要件取得条件引き下げを好意的に受け止めていました。
企業Bは引き下げを好意的に見る一方で、未経験者時代の働き方との比較から退職者は引き続き出るとも予測しています。また、資格者不在時間帯が突発的に生じた場合には勤務時間が延長することもあり得るため、試験合格以前に一般従事者として薬剤師・登録販売者の管理下で医薬品販売の実務に従事した経験がない場合には実務負担が増えたと感じるはずとの指摘もありました。

まとめ|登録販売者の管理者要件の動向は今後も要チェック

登録販売者の管理者要件の動向は今後も要チェック

登録販売者の店舗管理者要件を2年から1年に引き下げする案について、業界からの申し入れはあったものの、登録販売者は多様な業務を相当期間にわたって経験する必要性を考慮されたことにより、2022年9月13日現在保留となっています。
登録販売者を取り巻く環境は常に変化しています。社会とニーズが変化すれば、登録販売者に求める働きや制度そのものが変わらざるを得ないこともあるでしょう。世の中の変化について今後もアンテナを張り、最新の動向をキャッチできるようにしましょう。

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