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事例から学ぶOTC医薬品〜胃薬編〜

登録販売者の講師を行っている株式会社東京マキア代表・村松早織先生が解説するOTC医薬品別の接客・対応方法をご紹介。よくある具体的な事例を交えながら、お客様の症状別での接客・対応方法を学べるコンテンツを特集します。

 

2021年05月25日

事例から学ぶOTC医薬品〜胃薬編〜

  • 【お客様の背景】
  • 20代女性、吐き気止めがほしくて来店された。上司と反りが合わず、吐き気の原因はストレスだと考えられる。

お客さま: ここ最近、気持ち悪くて吐き気があるんです。病院でもらうような「吐き気止め」はありますか?

処方薬の吐き気止めには、「ナウゼリン」や「プリンペラン」などがありますが、OTC医薬品で同じような成分のお薬はありません。

登録販売者: 吐き気止めはドラッグストアでは販売していませんが、症状を詳しくお伺いしてもよろしいでしょうか?

お客さま: はい、お願いします。

受診勧奨すべき吐き気かどうかを確認していきます。

登録販売者: 吐き気以外にも症状はありますか?

お客さま: 胃もたれと食欲不振があります。

登録販売者: 「胃の症状以外に症状はありますか?たとえば、めまいや頭痛、下痢などです。

お客さま: 特にありません。胃の不調だけですね。

つわりの可能性がないかどうかを確認します。本人がつわりの可能性に気づいていなかった場合、産婦人科の受診を優先します。

登録販売者: 承知いたしました。それと念のためのご確認ですが、妊娠中、もしくは妊娠の可能性はございませんか?

お客さま: それもないですね。たぶんストレスが原因じゃないかなと思います。最近職場の上司が厳しい人に替わってしまって...。

登録販売者: そうでしたか、それは大変ですよね...。治療中の病気や、今飲んでいるお薬はありますか?

お客さま: 特にありません。

【パンシロン ソフトベールの成分】
テプレノン、ソウジュツ乾燥エキス、コウボク乾燥エキス、銅クロロフィリンナトリウム

登録販売者: ストレスや疲れからくる吐き気や胃もたれでしたら、「パンシロン ソフトベール」を試してみてはいかがでしょうか。こちらは胃粘膜を修復する成分が2種類と、健胃生薬が2種類入っていて、弱った胃の働きを整えてくれますよ。

お客さま: よさそうですね。このお薬はしばらく飲み続けても大丈夫でしょうか?今の環境に慣れるまで、少し時間がかかりそうなので...

商品の使い方について説明します。

登録販売者: 添付文書には、2週間くらい服用しても症状が良くならない場合は服用を中止して再度専門家に相談するように記載がございます。ただ、その間、症状が悪化したり、日常生活に支障が出たりするようでしたら、2週間を待たずに医療機関を受診してください。

お客さま: 分かりました。ありがとうございます。

登録販売者: お大事になさってください。

吐き気があると言われた時の接客の流れ

  • 1.受診勧奨すべき吐き気かどうかを判断する
  • 2.症状に合った薬を選択する

1.頭痛の種類を確認する

吐き気には、危険な病気が隠れていることもあります。以下の症状がある時は、受診勧奨をします。

  • ● めまいに吐き気が伴う → メニエール病などの病気が考えられます。
  • ● 頭痛に吐き気が伴う  → 脳の病気などが考えられます。
  • ● 原因不明の吐き気   → 他にこれといった症状のない吐き気の場合も、受診を促します。

一方で、ドラッグストアで対応できる可能性のある吐き気は、胃もたれやむかつきなどの胃の不調に伴う吐き気や、二日酔いによる吐き気です。ただしこの場合も、日常生活に支障が出るほど胃の症状が強い、もしくはOTC医薬品を服用しても改善しないなどの場合は、受診勧奨をします。

2.症状に合った薬を選択する

吐き気には、危険な病気が隠れていることもあります。以下の症状がある時は、受診勧奨をします。

  • ● 吐き気に「胃痛」が伴う場合    → H2ブロッカー、胃粘膜保護薬(スクラルファートなど)
  • ● 吐き気に「強い胸焼け」が伴う場合 → H2ブロッカー
  • ● 吐き気に「胸焼け」が伴う場合   → 制酸薬、ピレンゼピン塩酸塩
  • ● 吐き気に「消化不良」が伴う場合  → 消化酵素
  • ● 吐き気に「胃もたれ」が伴う場合  → 健胃生薬

今回の事例では、吐き気以外の症状が「胃もたれと食欲不振」ですので、「パンシロン ソフトベール」を選びました。テプレノンと銅クロロフィリンナトリウムは胃粘膜修復成分であり、ソウジュツ乾燥エキスには水分代謝を整えて胃の機能を整える作用があり、コウボク乾燥エキスには胃を温めて胃運動を促進し、食欲を増す作用があります。こちらの商品は、「セルベール整胃錠」や「新セルベール整胃プレミアム<錠>」とほぼ同じ成分配合ですが、パッケージに「ストレス、疲れなどからくる吐き気、食欲不振に」と大きく書いてあり、分かりやすさを考慮して選択しました。

ストレス対策には漢方薬の選択肢も

今回の場合はストレスが原因となっている可能性が高いので、お客さまの症状や体質に合った漢方薬で対応するのも良いでしょう。たとえば、ストレスが原因の症状に対応した医薬品ブランド、「ストレージ」があります。

  • ●  ストレージタイプG(半夏瀉心湯):体力中等度で,みぞおちがつかえた感じがあり,ときに悪心,嘔吐があり食欲不振で腹が鳴って軟便又は下痢の傾向のあるものの次の諸症:下痢・軟便,神経症,神経性胃炎,消化不良,胃下垂,胃弱,二日酔,げっぷ,胸やけ,急・慢性胃腸炎,口内炎
  • ●  ストレージタイプH(半夏厚朴湯):体力中等度をめやすとして,気分がふさいで,咽喉・食道部に異物感があり,ときに動悸,めまい,嘔気などを伴う次の諸症:のどのつかえ感,神経性胃炎,不安神経症,せき,しわがれ声,つわり
  • ●  ストレージタイプI(安中散):体力中等度以下で,腹部は力がなくて,胃痛又は腹痛があって,ときに胸やけや,げっぷ,胃もたれ,食欲不振,吐き気,嘔吐などを伴うものの次の諸症:神経性胃炎,慢性胃炎,胃腸虚弱

心因性の体の症状の場合、漢方薬の方が適していることもあります。お客さまのご希望を伺って、適切なお薬を選ぶようにしましょう。

※本記載内容は2021年5月時点の情報となります。

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