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事例から学ぶOTC医薬品〜口内炎用薬編〜

登録販売者の講師を行っている株式会社東京マキア代表・村松早織先生が解説するOTC医薬品別の接客・対応方法をご紹介。よくある具体的な事例を交えながら、お客様の症状別での接客・対応方法を学べるコンテンツを特集します。

2021年9月15日

事例から学ぶOTC医薬品〜口内炎用薬編〜

  • 【お客様の背景】
  • 10代男性、口内炎が下唇にできている。

お客さま: 口内炎が下唇にできてしまって、痛いです。何かよい薬はありますか?

通常、口内炎は2週間以内に自然に治ることが多いため、長引いている場合は受診を促します。

登録販売者: 下唇ですね。症状はいつから出ていますか?

お客さま: おとといからです。「チョコラbbプラス」が家にあったので飲んでみましたが、口内炎用の薬がほしくて来ました。

口内炎の種類を確認します。

登録販売者: ビタミン剤を飲まれたのですね。口内炎にもいろいろな種類があるのでお聞きしたいのですが、口内炎がたくさんできている、熱が出ているなど、通常の口内炎と違った様子はありませんか?

お客さま: ここに丸いのが1つあるだけなので、普通の口内炎だと思います。見てみてください。気になってベロで触ったり、噛んだりしてしまうんですよね。

口内炎用薬の商品にはいろいろな剤型があるので、どのタイプがよいか検討します。

登録販売者: 分かります、気になってしまうのですよね。そうしましたら、貼るタイプのお薬で患部をカバーしてしまうのも手だと思いますが、いかがでしょうか?

お客さま: 貼るタイプのものがあるんですね。口内炎用の軟膏の固まる感じが苦手なので、試してみたいです。

●トラフルダイレクトaの成分
トリアムシノロンアセトニド
●口内炎パッチ大正Aの成分
シコンエキス、グリチルレチン酸

登録販売者: 「トラフルダイレクトa」か、「口内炎パッチ大正A」はいかがでしょうか?貼り薬には、大きく分けて、ステロイドのタイプとノンステロイドのタイプがあります。痛みが強いようでしたら、強い抗炎症作用のあるステロイドが配合された「トラフルダイレクトa」がおすすめです。

お客さま: 「トラフルダイレクトa」は、「チョコラbbプラス」と一緒に使えますか?

登録販売者: はい、一緒に使っていただくとよりよいですね。

お客さま: では、そちらの商品を購入します。

使い方を説明します。

登録販売者: ありがとうございます。使い方ですが、患部の唾液をティッシュなどでふき取ってから、お薬の白色の面を患部に押し当てて、3秒間押さえてください。貼ってから30分〜1時間程度で溶けてなくなるので、はがす必要はありません。1日2回まで使用できます。

お客さま: はがさなくてよいのは便利ですね。

登録販売者: おっしゃるとおりです。口内炎は免疫が低下しているときにできることが多いので、休息も忘れないようにしてくださいね。

お客さま: 分かりました。ストレスを貯めないようにします。

登録販売者: お大事になさってください。

口内炎の接客の大まかな流れ

  • 1.症状を確認する
  • 2.受診勧奨すべきかどうかを判断する
  • 3.商品を選ぶ

1.症状を確認する

口内炎にはいろいろな種類があります。口内炎の種類によっては使用できない商品もあるので、症状をしっかりと確認しましょう。

① アフタ性口内炎
最も一般的な口内炎です。原因ははっきりとは分かっていませんが、大きな誘因は免疫の低下によるものと考えられています。患部の状態としては、赤く縁どられた境界線が特徴的で、丸くて白い潰瘍が口腔粘膜にできます。通常1~2週間で自然に治ります。

アフタ性口内炎

② カタル性口内炎
物理的な刺激が主な原因となります。口の中を噛んでしまったり、入れ歯や矯正器具が粘膜に擦れたりすることで発症します。症状としては、口の粘膜が赤く腫れたり、白くただれたりします。アフタ性との違いは、口内炎の境界が不明瞭であり、口の中全体が赤く腫れることです。

③ ウイルス性口内炎(ヘルペス性口内炎など)
ウイルスに感染することによってできるものを、ウイルス性口内炎と呼びます。ヘルペス性口内炎の場合、激しい痛みや発熱、水ぶくれなどの症状を伴います。

④ カンジダ性口内炎
カンジダ菌はカビ(真菌)の一種であり、もともと口の中に存在しますが、医薬品による免疫低下や口の中の汚れ、入れ歯などによって、カンジダ菌が過剰に増えることで発症します。痛みは少なく、白い苔のような斑点ができます。

2.受診勧奨すべきかどうかを判断する

次の場合は医療機関への受診勧奨をします。

  • ● 2週間経っても口内炎が治らない場合
  • ● 症状が広範囲である、もしくは、口内炎が大量にできている場合
  • ● 痛みが強くて食事などの生活に支障が出ている、反対に、痛みがまったくない場合
  • ● 発熱を伴う場合

口内炎を専門で診療するのは、主に耳鼻咽喉科や、歯科・口腔外科とされています。

3.商品を選ぶ

ノンステロイドの商品の効能効果には、「口内炎」とだけ記載があり、口内炎の種類を指定していません。しかし、ステロイドの場合は「口内炎(アフタ性)」と記載があります。これはウイルスや細菌が原因の口内炎の場合にステロイドを使ってしまうと、免疫抑制作用により症状が悪化することがあるからです。アフタ性であればどの商品も使用可能なので、まずは口内炎の種類を確認しましょう。


口内炎用薬は剤型もさまざまです。大きく分けて、軟膏や貼り薬、内服薬の3つがあります。たとえば、トラフルシリーズには次のような商品があります。お客様の症状やご要望に合わせて、最適な剤型の商品を選ぶようにしましょう。

● トラフル軟膏【軟膏】
成分:アズレンスルホン酸ナトリウム水和物、グリチルレチン酸、アラントイン、セチルピリジニウム塩化物水和物

● ラフル軟膏PROクイック【軟膏】
成分:トリアムシノロンアセトニド
→軟膏は、口内炎が複数ある場合や、患部のサイズが大きい場合におすすめです。

● トラフルダイレクトa【貼り薬】
成分:トリアムシノロンアセトニド
→貼り薬は、口内炎の数が少なく、患部を保護したい場合におすすめです。

● トラフル錠【内服薬】
成分:トラネキサム酸、カンゾウ乾燥エキス、ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)、リボフラビン(ビタミンB2)、L-アスコルビン酸ナトリウム(ビタミンCナトリウム)
→口内炎用の塗り薬や貼り薬、口中洗浄液(うがい薬)と併用することができます。

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