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売れる登録販売者になる5つのポイント

登録販売者の講師を行っている株式会社東京マキア代表・村松早織先生が解説するOTC医薬品別の接客・対応方法をご紹介。よくある具体的な事例を交えながら、お客様の症状別での接客・対応方法を学べるコンテンツを特集します。

売れる登録販売者になる5つのポイント

登録販売者には、一般用医薬品の番人としての役割がありますが、一方で商品を販売することも大事な業務です。今回は、売れる登録販売者になるための5つのポイントについてお話をします。

何よりもまずは商品知識

商品知識のなさは、自信のなさと言っても過言ではありません。自信がなければそれが態度や言動に現れて、お客様に伝わります。皆さんも一度は、不思議なくらいにモノが売れてしまう優秀なスタッフと一緒に働いたことがあると思います。その人を思い浮かべてみてください。その人は、愛嬌があって自信たっぷり、何を聞かれても答えられる余裕がありませんでしたか?もしくは、いつでも沈着冷静で返答がスピーディー、そしてこまやかな説明が得意ではありませんでしたか?その人たちに共通するものは、地道に培った商品知識です。

お客様の立場に立って考えてみると、当然、広い商品知識を持ったスタッフに聞けば、その中から選りすぐりの商品を選んでくれると思いますよね。しかし、広い商品知識があるかどうかは目で見て明確に分かるものではありません。お客様がどのようにスタッフを見極めているかというと、会話をした時の瞬間的な判断能力の高さを見ています。このスキルを磨くには、商品知識を積み重ねていくことが最も近道です。

では、商品知識を付けるにはどうしたら良いでしょうか?特にドラックストアでは、やみくもに商品を覚えるには数が多すぎますよね。よって、優先順位を付けます。優先順位は店舗によって異なります。例えば次のようなケースが考えられます。

  • 推奨販売品に力を入れている店舗:推奨販売品、推奨販売品の競合品
  • 売り上げを伸ばすことに力を入れている店舗:売れ筋商品、季節商品
  • 高齢者の多い店舗:高齢者向けの安全性の高い医薬品、介護用品

自店舗の強みを分析して、優先順位を付けましょう。

なお、登録販売者から、分からないことを聞かれるのが恐くて自信が持てない...という相談を受けることもあります。今までの話と矛盾するようですが、すべての知識を得ることは不可能です。商品知識を補完できるよう、メーカーに問い合わせるなどの、分からないことを調べる方法を覚えておくことがとても大事です。

お声がけの回数を増やす

とても単純なことですが、打率を上げるには、まずは打席に立つ回数を増やす必要があります。よって、お声がけの頻度を上げることは、基本中の基本になります。ただし、やみくもにお声がけをするのではなく、お声がけが必要なお客様を見極めることと、他のスタッフとの連携も大切です。お声がけは特にタイミングが重要で、たとえばスタッフAがお声がけした時点では「結構です。」と言われたとしても、少し経ってからスタッフBがお声がけをすると「〇〇を探しています。」と言われることもあります。お客様の表情や動作をよく見て、サポートが必要そうだなと判断すれば、お声がけをしてみましょう。

2つの選択肢から選んでもらう

最終的にどの商品にするかを決めるときには、2つの商品からお客様ご自身に選んでもらいます。1つだと販売側に都合の良い商品(押し売り)なのではないか?と思われる可能性がありますし、たくさんあると選ぶのに精神的負荷がかかります。OTC医薬品の最大のメリットは、お客様ご自身が商品を選択できることであり、登録販売者にはそれをサポートする役割があります。お客様にその権利を活かしていただけるよう、最大限配慮しましょう。
また、商品をご自身で選んでもらうことにより、お客様に「自分が納得して購入した」という余韻を残すこともできます。なんとなく言われるがまま買ったものよりも、自分で納得して選んだものの方が特別感がありますよね。ただし、これもケースバイケースで、選択を完全に登録販売者に委ねたいというお客様もいるので、その場合は選んであげてくださいね。

自分の価値観は大事にしまっておく

お客様と自分の価値観は異なるので、相手を尊重することが大切です。 例えばあなたが「安価で良質なものが良い」という価値観を持っているとします。すると、どうしてもその考えで「安価な商品」を前提に商品を勧める傾向になります。確かに安価で良質なものは好まれやすいので戦略としては間違いではありませんが、押し付けにならないように注意が必要です。

私の体験談になりますが、以前、オシャレな容器の商品を購入し、それをSNSに投稿しました。見た目がかわいいので、その商品をポーチに入れておくと、見るたびに私の心は躍ります。ですが、その商品は容器分が値段に上乗せされているためか、相場よりも高い値段設定になっています。

するとその投稿に、「私はお客様にその商品を勧めることはありません。同じ成分でもっと安いものがあります。」という主旨のコメントが付きました。私は「値段を優先するお客様もいれば、かわいいものが好きなお客様もいますよ!」と返信しました。この買い物については、まさに自分がそうだったからです。しかし、この会話は最後まで平行線になってしまいました。

最初の話に戻りますが、世の中には、安価で高品質なものが好きな人もいれば、お金は惜しまないから良いものがほしいという人もいます。その人は、もしかしたら値段が高ければそれなりの効果が得られると思っているかもしれませんし、健康にはお金を掛けたいという価値観をお持ちかもしれません。もしくは過去に安かろう悪かろうの商品を買ってしまい、嫌な経験をしたことがあるのかもしれません。

これは値段に限った話ではなく、大容量か小容量か、内服薬か外用薬か、西洋薬か漢方薬か...といったあらゆる選択肢に対しても同じことが言えます。自分の価値観だけで商品を販売しようとすると、お客様の購入意欲がしぼんでしまう可能性もあるので、注意しましょう。ただし、「薬の安全性」に関する価値観だけは、誰にも譲ってはいけませんよ。

ストーリーも大事

専門家の興味の矛先と、お客様の興味の矛先は異なります。登録販売者や薬剤師は、成分に最も興味があります。商品を販売するにあたり、成分へのこだわりはとても大切です。なぜならお客様の体調にダイレクトに関わるからですね。登録販売者に比べて薬剤師の方が、その傾向がより色濃いように思います。
しかしお客様の興味の矛先は、成分であるとは限りません。ですので、成分の話と共に商品に込められたストーリーを話してみると、お客様にストンと響くことがあります。

1番簡単なストーリーは、その商品の使用感に関する自分の体験談です。例えば小粒で飲みやすいとか、味がおいしいとか、剤形の工夫があって使いやすいとか、そのようなひとことを添えます。

また、法律上、成分に関して薬効を言及できない健康食品では、ストーリーがより重要になります。健康食品のストーリーには例えば、商品開発時の苦労話や、開発のきっかけとなったエピソードなどがあります。これはメーカーの商品ページを確認すると載っていることがあり、接客に応用してお客様に話してみると、意外に興味深く聞いていただけます。

専門家からするとただの雑談のように思えてしまうストーリーが、お客様にとってはショッピングを楽しくさせるものになるかもしれない、ということです。これも立派な商品知識と言えますね。

執筆者:村松 早織(薬剤師・登録販売者講師)

執筆者:村松 早織(薬剤師・登録販売者講師)
株式会社東京マキア 代表取締役
登録販売者や受験生向けの講義を中心に事業を展開

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