登録販売者におすすめなクレーム対処法|グッドマンの法則も解説
登録販売者におすすめなクレーム対処法|グッドマンの法則も解説
こんにちは、登録販売者転職のアポプラス登販ナビライターチームです。
「サプリメントの効果が効かないじゃないか!」
「指定する薬を売ってくれ!」
この様な過剰な要求にも出くわす事がある登録販売者。このほかにも、登録販売者は第3類医薬品、第2塁医薬品を販売できますが、第1類医薬品は薬剤師でなければ販売できません。そのため、薬剤師に取り次ぐ際に、薬剤師が不在等でクレームに発展する事があるかと思います。この記事では、そんな登録販売者がクレームを収める方法やクーポンを売上に繋げる方法を紹介します。
目次
- 1.登録販売者がクレームを丸く収める方法
- 2.登録販売者でもできる!クレーム再発防止の仕組み作成方法
- 3.お客さまの声をドラッグストア・薬局で集める方法
- 4.グッドマンの法則とは?クレーム対応でよくある質問
- まとめ|クレーム対応を成功させて顧客をファンに!
登録販売者がクレームを丸く収める方法
ドラッグストアに来店されたお客さまから第1類医薬品を求められるという対応は登録販売者にとってよくある接客ケースの1つです。その際に薬剤師がおらず、昼食か休憩だろうと思い、再度時間をおいて来店を促すようなご案内をしてその場は終わりますが。 お客さまが再来店をされても、薬剤師の方が不在でお客さまからお怒りのクレームを頂いてしまう。これは非常に多いクレーム事例の1つと言えます。
この様な場合、お客さまからは労力をかけて再度来店しているのだから求めている商品を販売してくれと強い口調で詰め寄られるケースもあると思います。実際には第1類医薬品の販売は登録販売者ではできないので、お客さまに商品を購入頂く事ができません。そのため、さらなるクレームに発展してしまいます。
このような場合はどの様な対応が望ましいのでしょうか?
ここでは「寄り添う対応をする」「お客さまの怒りに共感する」の2つを紹介します。
寄り添う対応をする
登録販売者にとって寄り添う対応をするとは、具体的にはクレームを入れるお客さまが何に対して怒っているのかを親身になってお伺いし明らかにしていく事が寄り添う対応につながります。
対応する人が悪く無かったとしても、何かが原因で不快な思いをさせてしまっている事は事実なので、その事を謝罪する事から入ります。例えば「不快な想いをさせてしまい申し訳ありません」と冒頭謝罪を述べて、何があったか詳しく教えて欲しいと繋げるのが望ましいです。
今回のようなケースでは、お客さまが第1類の医薬品を何故求めているのかを伺い、登録販売者が販売できる範囲で代替できる商品があるか提案する、提案内容で対応出来ない場合は薬剤時に引き継ぎのメモを残し、お客さまには○○さんあてに次回ご来店時に伺ってください等といった対応が可能です。
お客さまの怒りに共感する
登録販売者のクレーム対応は、まず冒頭でお客さまへ謝罪を行い、解決に協力をしたいので何があったか詳しく聞かせて欲しいという姿勢を見せる事で、お客さまが何が原因で怒っているのかを話し始めてくれます。
今回のケースに置き換えると、自分が対応した際にはすでに別の誰かがお客さまへご案内をしており、お客さまが再来店されたという場合もあると思います。そのようなときはお客さまの話をまずは聞き、誤った対応をしてしまった事を謝罪したうえで、再来店するための労力に共感することが望ましいです。
クレーム対応は心構えや対応方針が自分の中でも定まっていないままクレームに直面すると、とても嫌な気持ちになりますし、表情にも出てしまいます。ですが、クレームが来た時こそ自分は悪くなくても一度謝罪を行い、お客さまの気持ちを落ち着かせて聞いていく事でサービスの改善につながるヒントが出てきます。
クレーム対応後にはしっかりと再発防止策も考えながら、今後のノウハウとして蓄えていく仕組みが必要となります。登録販売者として、このような経験を積むことでよりスキル、キャリアアップに重要な接客能力、店舗マネジメント能力の向上につながります。1つ1つのクレームに対して真摯に向き合いましょう。
登録販売者でもできる!クレーム再発防止の仕組み作成方法
登録販売者は顧客対応をおこなうため、店頭にいる限りはクレーム対応をせざるを得ないときもあります。そのような経験をしたら、その日は忘れたくなるものですが、次に活かすためにクレーム再発防止を行う事をおすすめします。
例えば、ドラッグストアでよく受けるクレームとして購入した薬の効果が得られないといったクレームがあるでしょう。このようなクレームはお客さまへの説明不足、お客さまとの理解不足が要因として挙げられます。これらのクレームを起こさないためにも、以下のような取り組みをがおすすめです。
1.クレーム対応した従業員にフィードバックを行う
ドラッグストアにてクレーム対応をした登録販売者は、その対応をおこなうだけでも相当な気力と体力を使います。そして自分の対応がよかった、よかったとしら何がポイントだったのかはなかなか自信が持てません。そこで、客観的に判断できる第三者がフィードバックをしてあげる事で、会話の流れと対応が可視化できるのでおすすめです。
「薬の効果が効かない」といったクレームには、お客さまがどのような背景があってその薬を購入したのか、どのような効果を得たかったか、購入時には効果について説明があったのかなどを調べ、従業員にフィードバックをしましょう。
2.クレーム対応に関する情報をメンバーに共有する
登録販売者がドラッグストア店舗内の社員から医薬品の知識を聞かれ、クレーム対応をおこなう事もあるかと思います。クレーム対応のフィードバックを含めて、客観的にとらえたやりとりの内容を、同じ職場のメンバー全体に共有して共通のノウハウとして残しましょう。
万が一同じクレームが発生した場合、何度も同じ事を言われるお店として悪評が広がるかもしれないからです。また、共有をする際にはレポートの様な形式にまとめるのもよいですが、ケーススタディとして他の従業員に考えてもらいながら共有化を図る方法もおすすめです。
3.お客さまの声に基づき改善を繰り返す
クレーム再発の防止策を検討する事は、登録販売者にとって重要な仕事の1つです。類似したクレームを起こさない様にお客さまが何に対してクレームを言いたくなるのかを様々なケースを想定し先回りして把握しておく方法も有効です。
把握した事実に基づき試行錯誤する事で、常に変化や改善が見られる店舗という印象が与えられ、大体のお客さまからは頑張っているという好印象に映ります。
クレームは売上向上につながる可能性のあるお客さまのご意見です。クレームが起きてしまった場合には、しっかりとその要因を考えながらまた同じ事を起こさない仕組みづくりというのも必要になってきます。
特にドラッグストアにおけるクレームはお客さまの身体に関する効果・効能についてのクレームが多い場所です。
セルフメディケーションの浸透がまだされていない中で、一般用医薬品に対する知識を持ち合わせている登録販売者の意見はドラッグストアに欠かせないといえます。
その仕組み作りの一つとしてお客さまの声を拾い、登録販売者の知識を活かすという事は重要な取り組みの一つとなります。
お客さまの声をドラッグストア・薬局で集める方法
お客さまの声は、店舗運営を盛り上げるために非常に大切なヒントが見つかる事から、大手量販店から飲食店まで様々な手法でお客さまの声を集めるための施策を練られています。登録販売者にとって、これを店舗運営に活かさない手はありません。では、お客さまの声を集めるためにはどのような方法があるのでしょうか?主には「コンテスト形式で集める」「アンケート形式で集める」という二つの方法があります。
コンテスト形式で集める
1995年新聞に掲載された広告が話題になりました。それは悪口を言ったら100万円という内容でした。会社に対する悪口を集め、その中からサービスの改善に活かせそうなものをピックアップし採用された悪口には100万円を払ったそうです。
この手法をおこなったのはファッション業界最大手企業であるYです。Yはこの悪口コンテストで新商品を開発していき、今でも顧客の声を集める習慣がついているようです。賞金として100万円とまでいかなくとも少額の賞金で、SNSなど活用しハッシュタグをつけてもらい拡散した数などで計測する事ができます。
アンケート形式で集める
顧客の声を集める方法としてアンケートは最も有効な手段です。アンケートにも様々あり、質問項目を決めて1〜5で答えてもらい回答してもらった尺度から分析する方法から、YESかNOで答えるまで幅広くあります。その他にも何名か募って座談会のように開くモニターというアンケート方法もあります。
一般的なアンケートや企画のコンテストをおこなう方法などで顧客の声を拾い上げていきます。現在ではSNSが浸透しているため、アンケートやコンテストがより行いやすくなりました。積極的に活用する事で店舗の改善につながるのと、お客さまの声を集める事で地域に根ざした店舗作りもおこなえるはずです。
グッドマンの法則とは?クレーム対応でよくある質問
ここではクレーム対応について調べているとよく目にする「グッドマンの法則」についてご紹介します。登録販売者に重要なポイントもありますので、ぜひ参考にしてみてください。
クレーム対応でよく聞く『グッドマンの法則』ってなに?
『グッドマンの法則』とは1970年代に企業のマーケティング調査を行っていたジョン・グッドマン氏が提唱したクレーム対応の法則です。この法則はクレーム処理と再購入決定率の間には関係があることを示しており、次の3つの法則でそのことを説明できるとしています。
第一の法則
不満を企業に伝えてくる顧客のうち、対応に満足した顧客の再購入決定率は申し立てなかった顧客に比べて高くなる」というものです。これはクレームの数そのものが問題ではなく、クレーム対してしっかりとした対応ができる組織づくりが大切だということを述べています。
グッドマンの法則自体が古い調査なので、現代社会においてその信憑性が疑われておりましたが、比較的最近の調査(2013年)でもこの法則が当てはまる事が証明されているため、現代でも有効だといえるでしょう。
第二の法則
第二の法則はネガティブな体験はポジティブな体験に比べ2〜4倍の批判的な口コミを生むため、悪い評判が拡散しやすいという法則です。1980年代に行われた対面での口コミを行うかという調査でも、悪い口コミを20人以上の人に伝える人は全体の12%もいる事が分かりました。現代社会ではSNSが発展しているため、不特定多数の多くの人に広まりやすい環境といえます。
第三の法則
第三の法則は企業が顧客に適切な情報提供をする事で、顧客との信頼関係が構築されポジティブな口コミが普及し、購買や市場の拡大に貢献するというものです。この適切な情報というのはよい情報も悪い情報も顧客に対して適切なものすべてを指しています。
グッドマンの法則は顧客と真摯に向き合い、誠実に対応する事の大切さを調査結果からも述べているものとなります。しかし理不尽な要求に対しても真摯に向き合い、誠実に対応するのは気が滅入るものです。そこで「こんな時にはどう対応したらいいの?」という事例をご紹介します。
「今すぐ謝罪に来い!」と言われたらどうすればいい?
急にこのように言われたら内心焦ってしまいます。しかしこのようなときは一旦冷静を取り戻し、「お客さまは何に対して謝罪を求めているのか?」を会話の中から明確にしていく必要があります。荒い言葉使いで「今すぐ謝罪にこい!」などと言われた場合は、「お客さま、お気持ちはわかりますが、まずは事情をお伺いさせていただけないでしょうか?」と話し、謝罪を要求する目的を明確にしましょう。
ドラッグストアでこの様に謝罪を求められた際にも同様にまずは何にお客さまがお怒りなのか事情を伺う必要があります。感情的になられているお客さまと接すると、ついアタフタし冷静さを失いやすくなりますが。登録販売者として、詳しくクレームの原因、事実を把握しなければなりません。そうしなければ解決の糸口が見えませんので冷静に対応していく必要があります。
金銭を要求されたときはどうすればいい?
クレーム対応の中では確かに、店舗側にも不備があり、返品を受け付け、返金をおこなう事があります。しかし、そこに付け込んで返金額が足りないことや、クレームに要した時間に対する金銭を要求してくる場合もあります。このような場合は毅然とした態度で「できかねます」とお伝えしましょう。
欠品商品を要求されたときはどうすればいい?
商品売り切れており在庫が無い場合、その商品を求めていたお客さまはなんとしても手に入れたいがために「今すぐここに持って来い!」と要求してくることも考えられます。このようなときには「他店舗から持って来ることは可能だが、お取り寄せに時間がかかるのでお待ちいただくことになります」とお伝えましょう。
『グッドマンの法則』にあるように真摯に誠実な対応をおこなうという事を、お客さまのご要望を絶対と考え、なんとしても叶えるということではありません。「お客さまが最終的に望んでいることを会話の中から探し出し、その望みに近いことを提案していく」こととなります。大事なことですので、覚えておきましょう。
まとめ|クレーム対応を成功させて顧客をファンに!
登録販売者にとって、クレーム対応は出来るだけ避けたい仕事の1つだと考えている方も多いかもしれません。確かに、精神的にも、肉体的にも厳しいご指摘を受けるクレーム対応は少ない方が気は楽です。
しかし、登録販売者として店舗で接客・販売していれば必ずクレーム対応をおこなう日はやってきます。忙しく繁盛しているドラッグストアや店舗であればあるほど、この確率は高いでしょう。
そしてクレーム対応を経験する事は、未経験の登録販売者からすれば億劫な事のようにも見えます。しかし適切な対処方法、そして多くのクレーム事例やその際の対応を把握、理解しておけばそれほどおそれる事はありません。
むしろ登録販売者としての経験値を増やし、クレームに最後まで真摯に向き合い対応し解決できれば、店舗マネジメントや接客に対する大きな自信にもつながります。
そもそも登録販売者が勤めるドラッグストアは地域に根ざした店舗が多いはずです。
店舗の商圏にいるお客さまは限られるため、しっかりと対応していく事で馴染みやすい店舗として受けいれられていき特に用事はないけど時間があったから店舗に来るなど来店頻度が上がることにもつながるでしょう。
クレームは直面すると非常に疲れるものですが、逃げ出さずに真摯に取り組むことで店舗・スタッフが抱える課題が浮き彫りになるかもしれません。そのためクレームをネガティブな事として捉えずに、顧客の主張として考え、積極的にその声を拾い上げていき改善に役立てていく事でよい環境、店舗を作り上げていく事ができるようになります。
クレーム対応に誠実に向き合いお店のファンを増やしていきましょう。
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