【登録販売者のマネジメント】ドラッグストアの売上をアップさせる方法とは
【登録販売者のマネジメント】ドラッグストアの売上をアップさせる方法とは
ドラッグストアでは、毎月、本部から売上や販売数などの目標が提示されます。中には、これを達成するのに四苦八苦している店長や責任者の方もいることでしょう。この記事では、そうした店舗マネジメントに頭を抱える管理者向けに、ドラッグストアの売上をアップさせる方法について詳しく紹介します。
【目次】
- ・まずは現状を把握しよう
- ・ドラックストアの売上をアップする3つのポイント
- ・ドラックストアの売上をアップする具体的な方法
- ・店長や責任者に求められること
- ・まとめ|自店の売上アップのために、まずはエリアマーケティングから始めよう
まずは現状を把握しよう
競合はどこ?
まずは、自社の競合や近隣店舗について分析しましょう。競合他社のドラッグストアに足を運び、売れ筋商品や季節商品をどのように展開しているのかを確認すると、自店の良い面や悪い面が客観的にわかります。また、最近ではコンビニでもヘルスケアに力を入れている店舗があります。コンビニでは医薬品を扱っている店舗もあるほか、医薬品の取り扱いがなかったとしても、医薬部外品のコーナーを充実させて、胃腸薬や栄養ドリンク、のどあめなどの商品を広く扱っていることがあります。
どんな人が買いに来ている?
以下は、駅前型店舗と郊外型店舗の客層の違いをまとめたものです。どのような客層かによって売れ筋商品が異なるため、自店の客層を適切に把握することが重要です。
【駅前型店舗と郊外型店舗の客層】
店舗の種類 | 店舗面積 | 主な客層 |
---|---|---|
駅前型店舗 都市型店舗 |
小さい |
|
郊外型店舗 | 大きい |
|
また、客層による売れ筋商品の違いは、以下の通りです。
【客層と売れ筋商品】
客層 | 売れ筋商品 | 客単価 |
---|---|---|
ファミリー層 |
|
まとめ買いが多く、客単価が高い傾向がある |
オフィスワーカー、学生 |
|
滞在時間が短く、1点買いも多いため、客単価が低い傾向がある |
観光客 |
|
滞在時間が長く、おみやげのまとめ買いなどもあるため、客単価が高い傾向がある |
ドラッグストア市場の動向
ドラッグストア市場の動向を調べると、ここ数年、ドラッグストアの店舗数は増加傾向にあり、まだまだ業界としては伸びしろがあるといえます。一方で、店舗間の距離が近くなり、お客さまの奪い合いが予想されます。このように、市場を分析することで、自ずとやらなくてはならないことが見えてきます。
ドラッグストアの売上をアップする3つのポイント
他店との差別化を図る
他店との差別化を図ることを考える時に、有効な手段があります。それが、エリアマーケティングです。エリアマーケティングとは、全国均一ではなく地域ごとの特性に応じた戦略をおこなうことです。つまり、自店の「見込み顧客」の住む地域の人口構成(年齢や属性など)や交通インフラなどをつかむことで、売れ筋商品を分析し売上アップを狙います。
「かかりつけ薬局」を目指す
ドラッグストアは店舗数が増え続けているため、商圏を拡大することが難しいのが現状です。よって、来店者数を増やすことに重点を置くよりも、顧客単価を上げる・リピート顧客を増やす戦略が効果的だと考えられます。
顧客単価を上げる方法としては、例えば「かかりつけ薬局」や「かかりつけドラッグストア」を目指す方法があります。特に、調剤併設型のドラッグストアでは、薬局とドラッグストアが互いに協力し合うことで、お客さまとの信頼関係の構築をより早く進めることができます。お客さまのかかりつけ薬局になることができれば、薬の一元管理を任せてもらえたり、OTC医薬品や健康食品、ひいては介護関連商品の相談などまで任せてもらえるかもしれません。
顧客満足度の向上
基本的なことですが、ドラッグストアの売り上げアップについて考える時に、リピート顧客(リピーター)の存在はとても大切です。したがって、お客さまにもう1度来たいと思っていただくにはどうしたらよいかを考えてみましょう。ここは、登録販売者の腕の見せ所でもあります。
若年層と高年層のお客さまでは、商品選びの傾向も異なります。例えば、若年層では、「買いやすさ」を重視する傾向があります。接客の際は、気兼ねなく買える値段の商品や説明に時間がかからない商品を選ぶなどの対応が考えられます。逆に高年層のお客さまは、「ゆっくり買い物を楽しみたい」「よりよいものがほしい」という希望を持った方も多いです。したがって、接客の際は軽い雑談を交えながら、「お客さまに買い物の時間を楽しんでもらいたい」という気持ちで対応すると、満足してもらえることが多いです。
また、リピート顧客を増やすには、店舗スタッフの協力も不可欠です。店舗全体のチーム力を上げるにはどうしたらよいかを考えるのも、売上アップに必要なことです。
ドラックストアの売上をアップする具体的な方法
アプリやポイントカード
自社の買い物アプリやポイントカードなども、リピート顧客を増やすために有効な方法です。ドラッグストアでは、ポイントを貯めることを楽しみにしているお客さまも多く見受けられます。最近はポイントカードをアプリ化しているドラッグストアも多く、アプリ限定のお得なサービスを展開していることもあります。
LINE公式の導入
顧客の囲い込みに効果的な方法が、LINE公式の導入です。LINE公式は、メルマガよりも開封率や即効性が高いといわれており、集客や販促のためのさまざまな機能も揃っています。ただし、あまりに通知が多すぎると、お客さまにブロックされてしまうこともあります。LINE配信のためのベストな時間帯や回数などを決めて、適切なタイミングでの通知をおこなう必要があります。
その他
ドラッグストアでは、「シニアデー」や「毎月15日はお得な日」など、サービスデーを取りいれている企業もあります。このように、競合他社の成功例を参考にするのもよいでしょう。
店長や責任者に求められること
活気ある店舗の雰囲気作り
店舗の売上アップを狙うには、チーム力が必要不可欠です。チームの雰囲気はそのまま店舗の雰囲気となり、自然とお客さまにも伝わります。また、店舗をまとめる店長や責任者の人柄やスタッフへの接し方、仕事への取り組み方は、チームの雰囲気に大きく影響します。
お客さまに対して「元気に挨拶をする」、「積極的に話しかける」など、活気ある店舗作りのための雰囲気作りも大事ですが、店長とスタッフ、そしてスタッフ同士が適切なコミュニケーションを取れていることも同様に重要です。
部下・メンバーを育てる
「良い接客」や「良い品揃え」は、顧客満足度の向上につながります。自店にとっての「良い接客」や「良い品揃え」とは何かを考え、それをスタッフ全員に共有することも大切です。また、自店の売上アップのための計画をスタッフと共有し一部を担ってもらうことで、スタッフの成長につなげることができます。スタッフが成長することで、自分自身は新たな課題に取り組むことができるのです。
人出不足の解消
人手不足の状況においては、店舗の運営を安定させることが目先の目標となるため、プラスアルファの施策を打つことが難しくなります。人手不足の理由は、労働環境や職場の人間関係などさまざまです。店舗が抱える問題点を洗い出し、職場環境を整えることに努めましょう。
まとめ|自店の売上アップのために、まずはエリアマーケティングから始めよう
ドラッグストア市場はまだまだ伸びています。自店の売上アップのために、まずは顧客を分析し、ニーズに合った商品展開を考える「エリアマーケティング」から始めましょう。それ以外にも、できることは多くあります。できることから少しずつ取り入れていきましょう。
執筆者:村松 早織(薬剤師・登録販売者講師)
株式会社東京マキア 代表取締役
登録販売者や受験生向けの講義を中心に事業を展開
twitter、YouTube等のSNSでは、のべ1万人を超えるフォロワー・チャンネル登録者に向けて、OTC医薬品についての情報発信を行っている。
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