【監修済】登録販売者に捧ぐ成分一覧表!作用・薬の覚え方や注意点を解説
【監修済】登録販売者に捧ぐ成分一覧表!作用・薬の覚え方や注意点を解説
「登録販売者が覚えるべき成分・作用・薬が多くて覚えられない」
「登録販売者が成分・作用・薬を覚える際の注意点はあるの?」
登録販売者は、薬や成分、作用など覚えるべきことが多くて困っている人も多いのではないでしょうか。薬や作用だけでなく、患者さんの体調や既往歴(持病)に合わせて薬を選ぶ必要があり、覚えるべき内容は多岐に渡ります。
そこでこの記事では、成分・作用・薬の一覧表と、効率的な覚え方を解説いたします。この記事を読み終えるころには、成分・作用・薬の効率的な覚え方や気を付けるべきポイントがわかります。
【目次】
登録販売者必見!成分・作用・薬の一覧表
登録販売者が取り扱う成分・作用・薬の一覧表をご紹介いたします。
【主な成分一覧】成分分類 | 成分名 | 主な作用 | 代表的な市販薬 |
---|---|---|---|
解熱鎮痛成分 | アスピリン | バイエルアスピリン | |
解熱鎮痛成分 | イブプロフェン | イブプロフェンソフトカプセル200「キョーワ」 | |
抗ヒスタミン成分 | カルビノキサミンマレイン酸塩 | 新カンボーエース | |
抗ヒスタミン成分 | クレマスチンフマル酸塩 | オムニンエース | |
麻薬性鎮咳成分 | コデインリン酸塩 | アネトンせき止め液 | |
麻薬性鎮咳成分 | ジヒドロコデインリン酸塩 | JAクミアイ総合感冒カプセル | |
非麻薬性鎮咳成分 | ノスカピン塩酸塩 | 鎮咳 | コンコン咳止め液 |
非麻薬性鎮咳成分 | チペピジンヒベンズ酸塩 | 鎮咳去痰 | DHC 総合かぜ薬 |
去痰成分 | グアイフェネシン | 鎮咳去痰 | 新アスロンエースA微粒 |
去痰成分 | ブロムヘキシン塩酸塩 | 新コンタック風邪総合 | |
去痰成分 | エチルシステイン塩酸塩 | セキセチンSP錠 | |
抗炎症成分 | トラネキサム酸 | コルゲンコーワIB錠TXα | |
抗炎症成分 | グリチルリチン酸二カリウム | 眼科用抗炎症 | エージーアイズアレルカットC |
鎮静成分 | ブロモバレリル尿素 | ケロール | |
鎮静成分 | アリルイソプロピルアセチル尿素 | 催眠鎮静 | DHC 解熱鎮痛薬 |
制酸成分 | ケイ酸アルミニウム | 制酸 | エスマーゲン |
制酸成分 | 水酸化アルミニウムゲル | 制酸 | ネオロン |
抗めまい成分 | ジフェニドール塩酸塩 | トラベルミンR | |
胃粘膜保護・修復成分 | スクラルファート | スクラートG | |
胃粘膜保護・修復成分 | ゲファルナート | 胃腸薬チェロ | |
胃粘膜保護・修復成分 | アルジオキサ | チュアブルグリーン | |
胃液分泌抑制成分 | ロートエキス | 鎮痙 | サクロン |
胃液分泌抑制成分 | ピレンゼピン塩酸塩 | ガストール細粒 | |
腸内殺菌成分 | ベルベリン塩化物 | 止瀉 | ストッパ下痢止めEX |
殺菌成分 | アクリノール | 殺菌消毒 | アクリノール消毒液0.1% |
アドレナリン作動成分 | ナファゾリン塩酸塩 | ジョイントアルファZプラス点鼻薬 | |
アドレナリン作動成分 | フェニレフリン塩酸塩 | ヒストミン鼻炎錠 | |
アドレナリン作動成分 | エフェドリン塩酸塩 | DHC ジオサーマル | |
抗アレルギー成分 | クロモグリク酸ナトリウム | DHC アレルギー鼻炎スプレー |
2022年5月31日時点
同じ成分分類でも成分によって作用機序が異なったり、代表的な市販薬も変わったりすることがあります。例えば去痰成分を比較してみると、グアイフェネシンは鎮咳去痰の作用がありますが、エチルシステイン塩酸塩とブロムヘキシン塩酸塩は、去痰に加えて粘液溶解の作用がありますから、他の去痰成分とは違った作用があることがわかります。
常に勉強!成分・作用・薬の覚え方
成分・作用・薬の覚え方を4つご紹介いたします。
- ・成分の分類ごとに覚えていく
- ・語尾ごとに覚えていく
- ・成分が配合されている理由を覚える
- ・表でまとめて整理する
成分の分類ごとに覚えていく
成分は分類ごとに覚えると効率的です。例えば、解熱鎮痛成分に分類される成分を表でまとめてみましょう。
【風邪薬の成分分類表一例】成分分類 | 成分 | 作用 |
---|---|---|
解熱鎮痛成分 | エテンザミド |
|
解熱鎮痛成分 | アセトアミノフェン |
|
解熱鎮痛成分 | イソプロピルアンチピリン |
|
エテンザミドとアセトアミノフェンは、抗炎症作用の違いがあることがわかります。このように、同じ解熱鎮痛成分の分類を成分ごとに分けて覚えることで、成分によって作用が異なることが一目でわかりやすくなります。
語尾ごとに覚えていく
成分名は名前の語尾ごとに分類すると効率的に覚えることができます。例えば、以下のように語尾をまとめて表にしてみましょう。
【成分の語尾ごとの表一例】成分名 | 語尾 | 成分分類 |
---|---|---|
|
〜ーゼ | 酵素成分 |
|
〜カイン | 麻酔成分 |
酵素成分の語尾は『〜ーゼ』であることがわかります。一方で麻酔成分では『〜カイン』が語尾についています。語尾に着目して表でまとめておくことで、成分分類と成分名が覚えやすくなります。
成分が配合されている理由を覚える
成分を覚える際には、その成分が薬に使われる理由を理解して覚えるのがおすすめです。薬に含まれる成分は似たような名前が多いため、丸暗記するよりも薬に用いられる理由と紐づけると覚えやすくなります。
風邪薬や鼻炎用内服薬で使用されるエフェドリン塩酸塩を例にして考えてみます。先ほどの一覧表にて記載しましたように、エフェドリン塩酸塩には気管支を拡張させ、咳を鎮める効果があります。要するにそれを目的とし、エフェドリン塩酸塩が風邪薬や鼻炎用内服薬に配合されているわけです。
このように『成分名→効果→薬剤名』との関係性を順番に理解することで、ただ単に丸暗記するよりも記憶に残りやすくなりますよね。エフェドリン塩酸塩だけでなく、他の成分や市販薬もこのように覚えてみてください。
表でまとめて整理する
薬の成分や働きを覚えるには、以下のように表でまとめて整理するのがおすすめです。坐剤を例にとって整理してみましょう。
【成分表の例】抗炎症成分 | 血管収縮成分 | 組織修復成分 | |
---|---|---|---|
成分名 | ヒドロコルチゾン酢酸エステル (ステロイド成分) |
塩酸テトラヒドロゾリン | アラントイン |
上記成分が配合されている薬剤の例 |
|
プリザエース坐剤T |
|
血管収縮成分は製品によって入っていないことがわかります。このように表で整理することで、瞬時かつ視覚的に特徴を把握しやすくなりますよね。その結果、名称だけを機械的に覚える場合に比べて印象に残りやすくなります。
登録販売者が成分・作用・薬を覚える際の注意点
成分・作用・薬を覚える際の注意点を6つご紹介いたします。
- ・服用年齢に気を付ける
- ・妊婦さん、授乳婦さんに気を付ける
- ・心臓病などの既往歴(持病)のある患者さんに気を付ける
- ・眠気や肝機能障害など|その他副作用に気を付ける
- ・1日の摂取量に気を付ける
- ・飲み方・飲み合わせに気を付ける
服用年齢に気を付ける
成分・作用・薬を覚える際には、服用年齢に注意することが大切です。服用年齢を誤って薬を販売すると、重大な健康被害をおよぼす可能性があるからです。
例えば、子どもに対して服用年齢を間違えて投与した場合の健康被害についてみていきます。
医療機関受診時の主訴および経過中に認めた症状は、眠気・傾眠52例、嘔吐34例、ふらつき・座位不能・立位不能25例、動悸・頻脈19例、興奮15例、顔面紅潮13例、不機嫌10例、下痢・軟便10例などであった。
眠気や嘔吐、ふらつきなど薬の副作用によるものであると疑われる被害の報告があることがわかります。子どもは大人と比べ薬を代謝する機能が備わっていないため、服用年齢の確認をしっかり確認することが大切です。
妊婦さん、授乳婦さんに気を付ける
妊婦さん、授乳婦さんに気をつけて成分・作用・薬を覚えましょう。成分が胎児に影響を与えるおそれがあるからです。妊娠週数と薬剤の影響は以下の通り。
【妊娠週数と薬剤の影響】妊娠週数 | 薬剤の影響のおそれ | 注意点 |
---|---|---|
4週未満 | 未着床 流産 |
残留性のある薬剤に注意 |
4週から7週まで | 奇形を起こす | 妊婦さんが妊娠を自覚していないことがある |
8週から15週まで | 奇形を起こす | 奇形を起こす過敏期はすぎているが注意が必要 |
4週未満では流産・未着床の可能性があります。特に、奇形のおそれがある7週までは妊婦さんに妊娠の自覚がないことがあるため、注意が必要です。
また、授乳婦さんにも注意が必要です。
薬によっては、母乳に移行し、結果的に、赤ちゃんが薬を摂取してしまう可能性があります。乳幼児を連れているお母さんがお薬を購入にいらした場合には、授乳中かどうかを確認するのも忘れないようにしましょう。
心臓病などの持病持ち患者さんに気を付ける
成分・作用・薬を覚える際には、既往歴(持病)がある患者さんへの影響に注意が必要です。
例えば以下のような成分は、心臓病の患者さんには注意が必要です。
アスピリンアルミニウム
ロートエキス
マオウ
ロートエキスは、胃炎や胃潰瘍など胃の痛みを抑える薬ですが、実は心臓病を悪化させるおそれのある成分です。また、マオウは、身体の痛みや熱を発散させる生薬として漢方薬によく使われます。マオウの中には、エフェドリンと呼ばれる心臓や血管に負荷をかける交感神経刺激成分が含まれています。そのため、心臓病を患っている患者さんへの販売には注意が必要です。
眠気や肝機能障害など|その他副作用に気を付ける
眠気や肝機能障害など、薬を服用することで起こる副作用には気を付けましょう。
例えば、以下のような症状を持っている人は副作用に特に気を付けなければいけません。
アレルギーのある人
過去にひどい副作用を経験したことがある人
肝臓や腎臓など、薬の成分を代謝・排せつする臓器に疾患のある人
複数の薬を飲んでいる人
妊娠している女性、妊娠の可能性のある女性、授乳中の女性
高齢者
アレルギー・過去の副作用・臓器の疾患など、お客さまにヒヤリングしないと気付けない症状が多いのがわかります。ヒヤリングしないとわからない症状は、事前にチェックしておきましょう。
1日の摂取量に気を付ける
1日の摂取量に気を付けましょう。摂取量を守らないと、副作用や中毒症状が現れる可能性があるからです。薬の用量・用法に関しては、東京都医師会の「薬について」に、以下のように明記されています。
効き目が現れる血中濃度に調整するため、薬には用量・用法が決められています。
服用回数・量を守らなければ薬の効果を100%発揮できません。このことから、登録販売者が薬を販売する際は、薬を購入される患者さんに摂取量について説明できることが望ましいです。
飲み方・飲み合わせに気を付ける
薬の飲み方・飲み合わせには気を付けましょう。飲み合わせが悪いと薬の効き目が強くなったり、副作用が現れやすくなったりするからです。例えば、医師が処方する医療用医薬品と、登録販売者が販売する一般用医薬品(市販薬)の悪い飲み合わせの例をみていきます。
【医療用医薬品と市販薬の悪い飲み合わせ一例】医療用医薬品 | 一般用医薬品(市販薬) | 悪い症状 |
---|---|---|
痛み止め(内服薬) | 総合風邪薬 解熱鎮痛薬 |
薬効が強く出過ぎる副作用がでやすい |
医療用医薬品の痛み止めと、風邪薬や解熱鎮痛剤といった市販薬の飲み合わせは胃荒れや眠気などの症状が出やすい傾向にあります。なぜなら痛み止めと総合風邪薬、解熱鎮痛剤に入っている成分が重複しているため、薬効や副作用が強く出過ぎることがあるからです。
まとめ|登録販売者は成分を一覧表で覚えよう
登録販売者は、覚えることが多く難しい仕事です。カタカナ表記で覚えにくい成分や薬は、一覧表で覚えると効率的です。一覧表にすることで、成分分類・成分名・作用・具体的な製品名が確認できるようになります。また、似た語尾同士を覚える、成分の分類同士を覚えるなどグループ化して覚えるのもおすすめです。当記事を参考に、成分・作用・薬を一覧表にして効率的に覚えてみてください。
<監修>
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