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【症状別】夏風邪の原因やおすすめの市販薬は?症状別の選び方や登録販売者がおさえたい接客ポイントまで解説

【症状別】夏風邪の原因やおすすめの市販薬は?症状別の選び方や登録販売者がおさえたい接客ポイントまで解説

こんにちは、薬剤師・登録販売者講師の村松 早織です。

夏風邪は、強いのどの痛みや下痢など、冬の風邪とは異なる症状が現れやすいのが特徴です。これは、夏と冬では原因となるウイルスの種類が異なるためです。

夏風邪の相談を受けた際は、お客様の症状に合った市販薬を選ぶことが大切です。本コラムでは、市販薬の選び方を中心に、一般の方はもちろん、登録販売者の接客にも役立つ知識をわかりやすく解説します。

目次

そもそも「夏風邪」とは?冬の風邪との違い

そもそも「夏風邪」とは?冬の風邪との違い

夏風邪は冬の風邪と原因ウイルスが異なることが多く、症状の出方にも特徴があります。
また、夏特有の発症リスクを高める要因もあるので、あわせて整理しておきましょう。

夏風邪の主な原因ウイルスと症状

夏風邪には大きくわけて3つの種類があり、原因ウイルスと症状は以下の通りです。

【夏の3大感染症】

原因ウイルス 症状
咽頭結膜熱
(プール熱)
アデノウイルス 発熱(38~39度)、のどの痛み、結膜炎
ヘルパンギーナ コクサッキーウイルスなど 突然の発熱に続き、のどの痛みと水疱が出る
手足口病 コクサッキーウイルス、エンテロウイルスなど 口の中・手のひら・足底・足の甲などに2~3mmの水疱を伴う複数の発疹、発熱(38度以下が多い)

参考:厚生労働省 感染症情報
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/index.html

夏の3大感染症で特徴的な症状は、のどの痛みと発熱です。ただし、手足口病では口の中に水疱ができるため、のどだけでなく口の中全体に痛みを感じることがあります。

原因となるウイルスによっては、下痢や腹痛などの胃腸症状が現れることもあります。このような症状は、一般に「おなかの風邪」と呼ばれています。

夏の3大感染症は子どもに多く見られますが、初期症状は通常の風邪とよく似ているため、症状だけで見分けるのは困難です。とくに子どもは急に症状が悪化したり、重症化したりすることもあります。やむを得ない場合を除いて市販薬は販売せず、早急に受診するよう案内しましょう。
一方、冬の風邪では鼻水・鼻づまりの症状が出やすく、全身症状(悪寒、体の痛み、だるさ)を伴うことで知られる「インフルエンザ」が流行することもあります。

夏風邪の発症リスクとなる要因

夏は冷房や扇風機で体が冷えやすく、粘膜が乾燥することも夏風邪の発症リスクを高めます。
また、冷たいものの食べ過ぎや寝不足により自律神経が乱れやすく、もともと胃腸が弱っているとおなかの風邪をひきやすいという側面もあります。

夏風邪に市販薬を選ぶときの基本ルール

夏風邪は多くの場合、特効薬はなく対症療法となります。そのため市販薬は、お客様の症状にあわせて選んでいきます。ここではその方法を解説します。

症状が1つなら「症状特化型」、2つ以上なら「総合感冒薬」

まず、お客様に症状を確認し、主な症状が1つだけなのか、複数あるのかを見極めます。

症状が1つだけの場合は、その症状に合った薬を選びましょう。必要な成分だけを含む薬を選ぶことで、眠気や口の渇きなど、不要な成分による副作用を回避することができます。
症状に応じた薬の例は、次のとおりです。

  • のどの痛み・発熱:解熱鎮痛薬
  • せき・たん:鎮咳去痰薬
  • 鼻水・鼻づまり:鼻炎用内服薬

複数の症状がある場合は、総合感冒薬が選択肢になります。その場合も、「最もつらい症状は何か」をお客様に確認し、その症状を基準に商品を絞り込みましょう。

解熱鎮痛成分の選び方

解熱鎮痛薬を選ぶ際は、まずインフルエンザが疑われる症状がないか確認します。インフルエンザは冬に流行するイメージがありますが、冬以外に流行することもあるため注意が必要です。

インフルエンザの疑いがある場合には、アセトアミノフェンの使用が推奨されます。これはNSAIDsと呼ばれる解熱鎮痛成分(アスピリン、イブプロフェン、ロキソプロフェンなど)により、インフルエンザ脳症やライ症候群の発症リスクが高まる可能性があるからです。

アセトアミノフェンとイブプロフェン、ロキソプロフェンの主な特徴は以下の通りです。

解熱鎮痛成分 効果 おすすめの人 メリット デメリット
アセトアミノフェン 穏やか 15歳未満の小児、高齢者、インフルエンザの疑いのある人 胃腸障害が出にくい 抗炎症作用(のどのはれを抑える作用など)がほとんどない
イブプロフェン 強い インフルエンザの疑いがなく、効き目のよいものをお探しの人 「指定第2類医薬品」なので入手しやすい ロキソプロフェンよりも効果の立ち上がりが少し遅い
ロキソプロフェン 即効性がある 「第1類医薬品」なので薬剤師からの販売となる

【症状別】夏風邪におすすめの市販薬の選び方

夏風邪に多い4症状について、おすすめの成分と商品例を解説します。

のどの痛み・高熱がつらいとき

のどの痛みや高熱がつらいときは、解熱鎮痛成分としてイブプロフェンやロキソプロフェンが配合されたものを選びます。のどの痛みが強いときは、抗炎症成分のトラネキサム酸が配合されたものを検討するとよいでしょう。

▶ 商品例:のどぬ~る鎮痛カプセル、リングルアイビーα200、ロキソニンS(いずれも解熱鎮痛薬)、ルルアタックEXプレミアム(総合感冒薬)

参考:
のどぬ~る鎮痛カプセル
https://www.kobayashi.co.jp/seihin/nn_kp/
リングルアイビーα200
https://search.sato-seiyaku.co.jp/pub/product/2442/
ロキソニンS
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/products/details/loxonin-s/
ルルアタックEXプレミアム
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_lulu/lulu-attack-premium/ex/

咳・痰が気になるとき

咳が強いときは、鎮咳成分のジヒドロコデインやデキストロメトルファンが配合された商品を選びましょう。ただし、便秘などの持病がある方や高齢者の場合は、副作用のリスクがより低いデキストロメトルファンのほうが安心です。

また、「咳よりも痰をとにかく取りたい」という場合、去痰成分のみの薬(去痰薬)も選択肢になります。去痰薬には、服用後も自動車の運転が禁止されていないというメリットもあります。

▶ 商品例:パブロンSせき止め(鎮咳去痰薬)、メジコンせき止め錠Pro(鎮咳薬)、ムコダイン去たん錠Pro500(去痰薬)、ルルアタックCXプレミアム(総合感冒薬)

参考:
パブロンSせき止め
https://www.catalog-taisho.com/category/02/004/05154/
メジコンせき止め錠Pro
https://www.shionogi-hc.co.jp/wellness/medicine/mdjp.html
ムコダイン去たん錠Pro500
https://www.shionogi-hc.co.jp/wellness/medicine/mc500.html
ルルアタックCXプレミアム
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_lulu/lulu-attack-premium/cx/

鼻水・くしゃみがあるとき

鼻水やくしゃみがあるときは、クロルフェニラミンなどの抗ヒスタミン成分や、ベラドンナ総アルカロイドなどの抗コリン成分が配合された商品を選びます。さらに鼻づまりを伴うときは、プソイドエフェドリンなどのアドレナリン作動成分が配合されたものもよいでしょう。

ただし、プソイドエフェドリンは、高血圧など禁忌となっている持病が多いので注意が必要です。また、内服用鼻炎薬には基本的に抗ヒスタミン成分が含まれており、眠気の副作用があります。服用後の自動車の運転が禁止されているので注意してください。

▶ 商品例:パブロン鼻炎カプセルSα(鼻炎用内服薬)、アレルギール錠(抗ヒスタミン薬主薬製剤)、ストナジェルサイナスEX(総合感冒薬)

参考:
パブロン鼻炎カプセルSα
https://www.catalog-taisho.com/category/02/003/04590/
アレルギール錠
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/products/details/allergiel_tab/
ストナジェルサイナスEX
https://www.stona.jp/lineup/ex/sinus_ex/

腹痛・下痢を伴うとき

夏に多い「おなかの風邪」には、総合感冒薬ではなく、胃腸症状を改善する薬を選びましょう。ただし、下痢止めは細菌やウイルスの排出を遅らせるため、感染性の胃腸炎には推奨されません。整腸薬を中心に選び、あわせて脱水対策として経口補水液を活用するのもよいでしょう。

▶ 商品例:新ビオフェルミンS、ビオスリーH(いずれも整腸薬)

参考:
新ビオフェルミンS
https://brand.taisho.co.jp/biofermin/product/s/
ビオスリーH
https://bio-three.jp/

夏風邪の引きはじめには漢方薬もおすすめ

市販薬は眠気が出やすいものが多いため、自動車の運転をする方などには漢方薬もおすすめです。風邪の代表的な漢方薬としては、以下のようなものがあります。

  • 葛根湯(かっこんとう):風邪のひき始めで、寒気や頭痛があるときに使う。汗をかいていないタイミングで服用する
  • 小青竜湯(しょうせいりゅうとう):冷えがあり、水のような鼻水や痰の症状があるときに使う
  • 銀翹散(ぎんぎょうさん):のどの痛みやかわきが強く、熱っぽいときに使う

セルフケアと受診の目安

セルフケアと受診の目安

夏風邪のときも、一般的な風邪と同じように、無理をせず体を休めることが大切です。冷房などで体を冷やしすぎないようにし、こまめな水分補給と十分な睡眠を心がけましょう。

また、風邪は通常、数日で症状が改善し、1週間もすれば元通りになります。ただし、症状が長引いたり悪化したりするときは、別の病気が隠れている可能性があります。次のような場合は、市販薬だけで様子を見ず、医療機関を受診しましょう。

  • 市販薬を5~6回使っても症状が改善しない
  • 高熱が4日以上続いている
  • 強いのどの痛みや呼吸困難により、食べられない・眠れないなど日常生活に支障が出ている

まとめ 症状に合った薬選びが大事

夏風邪は原因となるウイルスが複数あり、現れる症状もさまざまです。市販薬を使用する場合は、特につらい症状に合ったものを選びましょう。自分で選ぶのが難しいときは、ドラッグストアや薬局の薬剤師・登録販売者に相談してください。

登録販売者は、薬を使用する方の年齢や症状を詳しく確認し、インフルエンザなど別の病気が疑われないかも慎重に判断しましょう。特に子どもの場合は、安易に市販薬を勧めず、医療機関の受診を案内することが基本です。

執筆者:村松 早織(薬剤師・登録販売者講師)

執筆者:村松 早織(薬剤師・登録販売者講師)

株式会社東京マキア 代表取締役
登録販売者や受験生向けの講義を中心に事業を展開
X(旧:Twitter)、YouTube等のSNSでは、のべ2万人を超えるフォロワー・チャンネル登録者に向けて、OTC(一般用医薬品)についての情報発信をおこなっている。

■著書
・医薬品暗記帳 医薬品登録販売者試験絶対合格! 「試験問題作成に関する手引き 第3章」徹底攻略(金芳堂)
・薬機法暗記帳 医薬品登録販売者試験絶対合格! 「試験問題作成に関する手引き 第4章」(金芳堂)
・これで完成! 登録販売者 全国過去問題集 2025年度版(KADOKAWA)
・村松早織の登録販売者 合格のオキテ100(KADOKAWA)
・やさしくわかる! 登録販売者1年目の教科書(ナツメ社)
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