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【麻木久仁子さんが語る】セルフメディケーション時代における登録販売者の役割

【麻木久仁子さんが語る】セルフメディケーション時代における登録販売者の役割

【麻木久仁子さんが語る】セルフメディケーション時代における登録販売者の役割

セルフメディケーションが重要視されるようになり、ますます活躍の幅を広げている登録販売者。
今回は登録販売者資格を持ち、国際薬膳師・国際中医師としても薬膳や漢方の知識を広く発信しているタレントの麻木久仁子さんに、登録販売者の方や登録販売者を目指している方に向けて、登録販売者資格を取得したきっかけやリアルな試験勉強の体験談、資格取得後の考え方の変化などについて語っていただきました。
登録販売者資格が自身にとってどんな糧になるのか、ご自身のキャリアについて考えたい方や、漢方薬の知識を深めたいと考えている方にもぜひご一読いただきたい文章です。

目次

登録販売者資格を取ろうと思ったきっかけは自身の病気

登録販売者資格を取ろうと思ったきっかけは自身の病気

そもそもの始まりは、まもなく50歳になろうかという頃に脳梗塞と乳がんを患ったことでした。それまで出産の時くらいしか病院と縁のなかった私が、思いもよらず立て続けに不調に見舞われたのでした。幸いいずれも軽症だったり早期発見だったりで、命にかかわることはなく事なきを得ましたが、年齢を重ねれば誰でも病気になるのだという、ある意味当たり前のことに改めて気付かされたのです。

興味の入り口は「薬膳」だった

それを機に生活習慣の改善に取り組んだのですが、なかでも食生活の乱れを改善するために取り組んだのが「薬膳」でした。薬膳というのは「中医学の理論に則っておこなう日々の食養生」です。食養生にもいろいろありますが、薬膳の面白いところは「食べてはいけないものがない」ということです。
中医学の考え方は「すべての人が、それぞれ体調体質が違うように、その人にとって食べるべきものはそれぞれ違う」というものです。そのため万人に「これを食べなさい」とか「これを食べてはいけません」といった基準がありません。あるのは「あなたにとって食べるべきものはなんですか」という問いかけです。

この独特の考え方に魅せられて、薬膳の学校に通い「国際薬膳師」の資格を取りました。その後、薬膳の理論のもとである中医学をもっと学びたいと思い、中医学の学校へ通い「国際中医師(国際中医専門員)」の資格も取りました。さらに、薬膳という食養生を多くの方々に知ってもらいたいという気持ちで薬膳料理教室を開き、薬膳への共感の輪も広がっていったのでした。

漢方の知識をより実践的に学べるのが登録販売者資格

そんななかで、たびたびご質問をいただいたのが漢方薬のことでした。薬膳はあくまでも食養生であり健康の維持を目指しています。一方で、もう少し体の不調が強いときに活用したいのが漢方薬です。
中医学の講座で漢方薬について一通り学ぶ機会はあったのですが、中医学の勉強として学ぶ漢方薬は中医学独特の理論と言語で説明されていて、なかなかそのままお伝えするのが難しいのです。何より、医師でも薬剤師でもない私は、具体的な薬名を挙げることはできません。せっかく学んだ漢方の知識をもう少し実践に使えないだろうか。そう考えていた時に登録販売者の資格に辿り着いたのでした。

日本において販売が許可されている漢方薬は、ほとんどが第2類医薬品と第3類医薬品に分類されます。そこで、登録販売者の資格があれば、漢方薬についてもう少し具体的にお話することができるかもしれないと考えました。

麻木氏が語る、登録販売者試験勉強のリアルな体験談

麻木氏が語る、登録販売者試験勉強のリアルな体験談

2020年の12月、東京都で登録販売者試験を受けました。それまでの約3カ月、私は独学で試験勉強をおこないました。3カ月という勉強期間については、いくつかの体験談を読んだうえで、私の飽きっぽい性格も踏まえ短期間で集中して頑張ろうと思い決めました。
新型コロナウイルスの影響でイベントなどの仕事が次々にキャンセルとなり、スケジュールが真っ白になってしまった時期でしたので、日頃忙しさにかまけてできなかったチャレンジに踏み切れました。

年齢を重ねてからのチャレンジ、難関の第3章に苦戦

登録販売者試験勉強においては多くの参考書が出ていますが、評判の良さそうな参考書を1冊購入。届いた本を開いて、正直目が点になりました。何しろ化学や生物の授業を受けた高校時代は40数年以上も前のこと、当然知っているべき基礎的な知識も遠い記憶の彼方。そもそも現役時代も理系の科目は本当に苦手で、一体どうやって高校を卒業できたのか思い出せないくらいです。
「3カ月って無理だったかしら」と早くも挫けそうになりましたが、「読書百遍意自ら通ず」の精神で思い直し、とにかく意味がわからずともまず一度すべて読み通すところから始めたのでした。
そのうえで、やはり難関は第3章「主な医薬品とその作用」だとわかりました。暗記するしかない部分も多い。そこで勉強範囲を第3章とそれ以外の章に切りわけ、第3章に時間をかけるという作戦に出ました。ところが年を取ると暗記が辛く、いくら読んでも目を滑っていき記憶に残りません。結局は手書きと音読という、昭和の勉強法で乗り切ることにしました。薬品の名前を書いて声に出して読んで。時には立ったり座ったり、動きをつけながら声に出して読んで、また書いてといった、体を使った学習法でした。

登録販売者試験は「楽しくチャレンジできる試験」

2カ月ほどかけて一通り内容を把握したあとは、徹底的に過去問題をやりました。私は東京都ですが、その他の地域の問題も含めて、片端から解いてみました。まず1周目に選択肢ごとに「なぜ正解なのか」を、そしてそれ以上に丁寧に「この選択肢はどこがなぜ不正解なのか」を教科書と照らし合わせながら、赤いボールペンで書き込んでいきます。これには時間がかかりましたが、丹念にこの作業をしたことで「大切なことは何か」が見えてきたように思います。問題集の余白は真っ赤になりました。
2周目からは昭和の勉強法でも活躍した「赤い暗記シート」を使って解いていくのですが、初めに書き込みしたおかげで何を理解していなかったのかがひと目でわかるようになりました。ここまでくると勉強も楽しく、頭も柔らかくなったような気がしてうれしかったものです。
登録販売者の試験はきちんと範囲が決められており、真面目に学習すれば必ず報われる試験です。そういう意味では楽しくチャレンジできる試験といえますね。

「伝える」ための漢方の知識 薬機法への理解も深まった

「伝える」ための漢方の知識 薬機法への理解も深まった

登録販売者試験の勉強の過程で学んだ漢方薬の知識はとても興味深いものでした。法に則って記載されている効能効果についての説明は平易な言葉で的確に書かれており、日頃からあまり漢方薬に慣れていない人でも伝わるようになっています。「そうか、このように説明するのか」と、とても勉強になりました。また薬機法についての理解も深まり、法律上認められ表示できる効果効能の正確な範囲について学べたことも大きかったです。昨今注目されている、「セルフメディケーション」の観点から漢方薬の役割が大きくなりつつあることも実感できました。

健康か病気かの二択では語れない時代に寄り添う登録販売者

高齢化社会、健康寿命、セルフメディケーション。これからの社会でいかに健やかに生きていくか、そのための環境を自覚的に整えていくことが求められる時代になってきました。
病になり病名がついて医師の治療を受ければ処方箋も出るでしょう。しかし、今や病気という非日常と、健康という日常を切り離して考える時代は終わりました。大なり小なり様々な不調を日々抱えながらも、それをうまくコントロールし、ある意味不調とも付き合いながら1日でも長く、よく生きていくことを目指す時代なのだと思います。そんななかで、登録販売者が果たす役割も大きくなりつつあるように思います。

まとめ|登録販売者資格はより生活に近い存在に

インターネットにより多種多様な情報へのアクセスが容易になったと同時に、雑多な健康情報が世の中に溢れるようにもなってきました。正しい情報と、医学的な根拠がない情報との見極めも大事です。医薬品を販売する現場のみならず、生活の様々な場面で登録販売者としての知識がある人が身近にいることは、きっととても頼もしいことだと思います。私自身も学んだ知識を生活の中に、そして薬膳の普及活動の中に生かしていきたいと思っています。

執筆者プロフィール

麻木 久仁子(あさぎ・くにこ)

麻木 久仁子(あさぎ・くにこ)
知性派タレントとしてクイズバラエティ番組を中心に出演する他、司会、コメンテーターとしても活躍。
2010年に脳梗塞、2012年に初期の乳がんが見つかったことから、検診の大切さや自身の体験を、講演会や情報番組などで伝えている。
2016年に国際薬膳師、2019年には国際中医師の資格を取得。2020年には温活指導士の資格、2021年には登録販売者の資格も取得。タレント業の傍ら、食を通して『体を温め、免疫力を高める』という考えや食事などを多方面で提案している。

過去の記事 【指名の止まらない登録販売者を目指して】現場のお悩みにどこよりも正直に回答《前編》
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