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2025年改正薬機法が切り拓く「登録販売者」の新時代 ―指定濫用防止医薬品の新設とセルフメディケーションへの貢献―

2025年改正薬機法が切り拓く「登録販売者」の新時代 ―指定濫用防止医薬品の新設とセルフメディケーションへの貢献―

2025年の改正薬機法により、新設された「指定濫用防止医薬品」制度は、登録販売者の役割を大きく変えました。従来の販売中心から一歩進み、乱用防止と安全確保を担う「能動的な専門職」への転換が求められています。本稿では、この制度の概要と、登録販売者が地域医療・セルフメディケーションに果たす新たな役割を考察します。

目次

1.はじめに:改正薬機法の成立と登録販売者を取り巻く環境の変化

はじめに:改正薬機法の成立と登録販売者を取り巻く環境の変化

2025年5月に成立した改正薬機法は、一般用医薬品販売制度に大きな転換をもたらしました。従来の登録販売者の受動的な役割から一転、医薬品乱用防止と安全確保の観点で、能動的な「ゲートキーパー」としての役割が求められています。
本稿では、2026年5月1日施行の「指定濫用防止医薬品」の新設が登録販売者に与える影響と、今後の地域医療における意義を考察します。

2.過去の制度的課題:相談を待つ「努力義務」の限界登録販売者の情報提供義務の構造

過去の制度的課題:相談を待つ「努力義務」の限界登録販売者の情報提供義務の構造
  • 相談があった場合:回答義務がある。
  • 相談がない場合:情報提供は努力義務にとどまる。

この仕組みが、セルフ販売環境下で登録販売者の介入機会を減少させ、「見守るだけの存在」となる原因でした。厚労省でも「専門知識が活用されていない」との指摘が繰り返され、安全性確保上の課題として議論されてきました。

3.法改正の核心:「指定濫用防止医薬品」の新設と義務化新区分「指定濫用防止医薬品」の概要

改正薬機法で新設された「指定濫用防止医薬品」は、第2類医薬品の一部(エフェドリン、コデイン、デキストロメトルファン等)を対象に、販売に際して「7つの確認事項」が義務化されました。

【指定濫用防止医薬品の情報提供に関する義務事項と努力義務事項】

過去の制度的課題:相談を待つ「努力義務」の限界登録販売者の情報提供義務の構造

図表は、今回の改正薬機法で新設された「指定濫用防止医薬品に関する情報提供等」(法第36条の11)の要約です。第2類医薬品である指定濫用防止医薬品でも一定の情報提供が義務化されたこと、販売拒否事項も明記されたこと等々、画期的な内容が盛り込まれています。同条は基本、すべて義務規定です。この図表は厚労省医薬局総務課の担当者に確認済みの内容です。陳列を除けば第2類医薬品でも指定濫用防止医薬品は要指導医薬品、第1類医薬品以上に厳しいといえるほどの販売規制が、登録販売者にも課せられたことになります。登録販売者にとっていかに大きな改正であるかがわかると思います。

販売時の確認・情報提供の義務化

相談の有無にかかわらず、登録販売者が購入者への情報確認を行うことが法的義務となります。
購入目的や服薬状況を能動的に確認し、「聞かれたら答える」から「積極的に伝える」姿勢への転換が求められます。

販売拒否規定の明確化

販売拒否が法的に容認・義務化されたケース:

  • 大量・頻回購入で適正使用が確保できない場合
  • 18歳未満が過量に購入しようとする場合
  • 濫用の恐れがある場合

この規定により、登録販売者は販売可否を判断する裁量権と責任を同時に負うことになります。勇気をもった販売拒否対応が法的に裏づけられました。販売拒否が現実的に可能かどうかという問題はありますが、その裁量権と責任があるという認識は、一般用医薬品市場の9割以上を占める第2類、第3類医薬品を販売できる登録販売者の方々は強く認識する必要があります。このことは2026年4月から「第1類医薬品の定期的な区分見直し」の新スキームが制度化され、省内の担当部会等で第1類から第2類に区分変更されるための協議中に、必ず登録販売者の販売姿勢が問われることからも重要です。

4.登録販売者に期待されるプロフェッショナリズム

全ての一般用医薬品への波及効果

指定濫用防止医薬品の制度は、第2類・第3類医薬品全体への意識改革の契機となります。販売現場での確認作業が習慣化すれば、他の医薬品販売時にも登録販売者による適正使用確認が自然に行われるようになります。

ドラッグストアの役割変化

登録販売者の積極的な介入により、ドラッグストアや薬局は「小売店」から「地域のヘルスケア拠点」へと進化します。この変化は、登録販売者が持つ専門性の社会的評価を高める契機になります。

地域住民の健康維持とセルフメディケーション

国の医療費負担が増大する中、「軽度な体調不調は自分で手当てする」というセルフメディケーションの考え方が重要です。登録販売者は地域住民に最も身近な医薬品専門家として、適切な受診勧奨を行い、医療の底支えを担うことが期待されています。

5.まとめ|今後の課題と取り組み:信頼される「支援者」を目指して

2025年の改正薬機法施行により、登録販売者を取り巻く環境は新たな段階へと進化しています。これからの登録販売者に求められるのは、単なる販売スキルではなく、地域医療の一翼を担う"信頼される支援者"としての成長です。

専門知識と対人スキルの両立が鍵

改正法では、販売時確認や販売拒否判断といった高度な判断が求められます。そのため登録販売者には、薬理学的知識の深化に加え、購入者から本当のニーズを引き出すコミュニケーション力が不可欠です。また、乱用の疑いがある場面では、毅然としながらも購入者に寄り添うカウンセリング対応が求められるなど、"人間力"がより重要になっています。

店舗運営にも「法令遵守」と「地域貢献」の視点を

店舗運営側も、これまでの「売上重視」から「安全・安心を守る体制」への転換が急務です。登録販売者が安心して専門性を発揮できる環境を整えることこそ、企業価値向上と地域医療貢献の両立につながります。

潜在的なヘルスケア需要を掘り起こす存在へ

超高齢社会を迎える日本では、セルフメディケーションの定着が重要課題です。登録販売者は、体調不良時の初期対応や受診勧奨を通して、地域住民の健康支援を直接担う存在です。
今後は、店舗が単なる販売の場ではなく、"地域の健康生活拠点"として機能することが期待されます。
アポプラス登販ナビでは、こうした新しい時代の要請に応える登録販売者の育成とキャリア支援を通じ、医薬品販売業界全体の質向上と地域社会への貢献を目指しています。

著者情報:医薬ジャーナリスト 柴田 龍

プロフィール
1982年、医薬専門誌・紙企業に勤務、厚労省記者クラブ、医療分野の記者を経て、1998年、団体職員に転向、以後、医薬関係団体等の理事を務め、厚生労働省の検討会委員、厚生労働科学研究・医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究事業、スイッチOTC医薬品関連に関する研究などの研究協力員および作業チームに参加、現在に至る。

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