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調剤薬局事務の給料は低い?登録販売者と年収・昇給を徹底比較

調剤薬局事務の給料は低い?登録販売者と年収・昇給を徹底比較

こんにちは、登録販売者転職のアポプラス登販ナビライターチームです。

医療系の資格取得を考える際、需要が高く働きやすいイメージのある「登録販売者」と「調剤薬局事務」のどちらを選ぶべきか迷う方は多いです。とくに将来を見据えたとき、生活の基盤となる給料や年収の差は最も気になるポイントです。

しかし、求人票の表面的な月給や時給だけを見て決めてしまうと、入社後に「想像以上に昇給しない」「仕事内容と給与が見合わない」といったミスマッチが生じやすくなります。なぜなら、それぞれの資格が持つ給与構造や評価されるスキル、キャリアアップの道筋は大きく異なるためです。

そこで本記事では、調剤薬局事務のリアルな給与事情から、登録販売者との年収相場・仕事内容・資格の難易度の違いまでを徹底比較して解説します。

この記事を読み終えるころには、それぞれの資格の昇給の仕組みや将来性が明確になり、自身のライフステージに合った納得のいくキャリア選択へ向けた確実な一歩を踏み出せるようになっているはずです。

【この記事からわかること】

  • 調剤薬局事務と登録販売者のリアルな給料相場と昇給の仕組みがわかり、求人票の表面的な数字に惑わされない職場選びができるようになる
  • 資格の難易度や取得にかかる時間、試験の特徴が比較でき、今の自分の生活環境に合った無理のない学習計画が立てられる
  • それぞれの仕事内容とキャリアパスの違いが明確になり、長期的な視点で「体力的に続けられるか」「理想の収入に届くか」を冷静に見極められる

目次

調剤薬局事務の給料相場【正社員19万円台】本当の給与構造

調剤薬局事務の給料相場【正社員19万円台】本当の給与構造

調剤薬局事務の仕事に興味を持ったとき、「給料が低いのでは?」と不安に感じる方は少なくありません。確かに医療系の国家資格職と比べると給与水準はやや控えめですが、雇用形態や職場の制度によって収入には大きな差が出ます。ここでは、調剤薬局事務の給与構造の実態を解説します。

正社員・パート・派遣の雇用形態別給与相場

正社員の給与は「基本給+各種手当+賞与」で構成されます。厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)によれば、調剤薬局事務の求人賃金は月給約19.5万円~20.1万円が目安です。月給だけを見ると高くはありませんが、年2回の賞与や住宅手当、家族手当などがある企業では、年収ベースでの満足度は大きく変わります。安定して長く働きたい人に向いた働き方です。

同じ調剤薬局事務でも、薬局の立地や収益構造によって人件費は異なります。令和8年度の調剤報酬改定では、調剤ベースアップ評価料の新設や、地域支援・医薬品供給対応体制加算の新設など、賃上げや地域の医薬品供給体制を後押しする見直しが盛り込まれました。一方で、令和8年6月1日以降に新規開設する都市部の門前薬局や医療モール内薬局で、処方箋集中率が85%を超える一定の薬局には「門前薬局等立地依存減算」も新設されています。

報酬改定が直ちに事務職の圧縮を意味するとはいえないものの、どの薬局でも同じ条件で昇給しやすいわけではなく、在宅対応や地域連携などで評価を取りやすい薬局のほうが、待遇改善の余地は大きくなりやすいと考えられます。

パートの場合は、地域差が特に大きくなります。令和7年度の地域別最低賃金の全国加重平均は1,121円で、東京都は1,226円、最低額でも1,023円です。一方、地方では最低賃金に近い水準から始まるケースも少なくありません。扶養内勤務や短時間勤務の柔軟さは魅力ですが、時給だけでなく、昇給の有無、繁忙時間帯のシフト条件、交通費支給の有無まで確認しておきましょう。

派遣は、即戦力前提で時給が高めに設定されることがありますが、契約更新や勤務地変更の影響を受けやすく、賞与や長期的な昇給が見込みにくい点には注意が必要です。目先の時給だけで決めるのではなく、契約期間、更新条件、交通費、社会保険の扱いまで含めて比較しましょう。

参考:厚生労働省 job tag|調剤薬局事務 - 職業詳細
参考:厚生労働省|医薬品の販売制度
参考:厚生労働省|令和8年度診療報酬改定説明資料等について
参考:厚生労働省|地域別最低賃金の全国一覧

大きな差がつく「手当」の有無と相場

給与差が生まれやすい要因の一つが「資格手当」と「役割手当」です。登録販売者は、一般用医薬品のうち第2類・第3類医薬品の販売に関わる資格であるため、企業によっては毎月の資格手当が設定されています。実際に採用情報を見ると、登録販売者手当を「管理要件あり月1万円・管理要件なし月3,000円」と分けている例や、調剤事務職でも「登録販売者手当最大1万5,000円」を設けていところもあります。

一方、調剤薬局事務は、受付、処方箋入力、レセプト請求、納品チェックなど幅広い実務を担う仕事です。調剤薬局事務検定試験や医療事務系の民間資格は、実務で法的に必須とされているわけではありません。実際、調剤薬局事務の求人には「資格不問」「資格がなくても勤務可能」とするものも多く見られます。ただし、未経験で応募する場合は、こうした民間資格があることで選考でプラスに働きます。

つまり、調剤薬局事務の給与は、民間資格の有無だけで大きく決まるというより、資格を土台にしながら、レセプトの点検や返戻対応、新人教育、店舗運営の補助など、どこまで担当できるかで差がつきやすい傾向があります。資格を取れば自動的に高収入になるわけではありませんが、未経験から入りやすくなり、実務習得のスピードを上げやすい点は大きなメリットです。

そのため、調剤薬局事務で給料を上げたい場合は、資格取得だけに期待するのではなく、レセプト業務の精度向上、返戻の削減、会計や受付の効率化、新人教育など、職場にとって分かりやすい成果を積み重ねることが重要です。「自分がいることでミスが減る」「忙しい時間帯でも受付が滞らない」といった具体的な実績を示せれば、評価面談で昇給や役割手当の交渉もしやすくなります。

参考:厚生労働省|医薬品の販売制度
参考:厚生労働省 job tag|調剤薬局事務 - 職業詳細

賞与(ボーナス)や昇給率の違い

賞与の金額は、勤務先の規模によって大きく変わります。大手チェーン薬局では評価制度が整っているため安定して支給されることが多い一方、個人経営の薬局では業績によって変動することもあります。面接時に前年の支給実績を確認しておくと安心です。

また、事務職の昇給は年1回、数千円程度と小幅なケースが多い傾向があります。長く勤めるだけで大きく給与が上がることは少ないため、受付リーダーや教育担当、複数店舗の統括など、役割を広げて評価を高めることが現実的な方法です。

入力ミスの削減、返戻率の改善、会計待ち時間の短縮など、具体的な改善実績を積み重ねることが昇給や賞与アップにつながります。

調剤薬局事務の給与水準は、制度改定の影響を受けやすい側面があります。しかし、収入の差を生む要因は基本給だけではありません。次章では、年収の底上げに直結する「諸手当」について詳しく解説します。

調剤薬局事務と登録販売者の資格難易度・給料への影響

調剤薬局事務と登録販売者の資格難易度・給料への影響

医薬品を扱う資格には、薬剤師だけでなく「登録販売者」や「調剤薬局事務」などの資格があります。登録販売者も調剤薬局事務も、薬剤師とは違い資格を取るために学校に行く必要はなく、試験に受かると取得できるため、薬剤師よりも取得しやすい資格です。そこで登録販売者と調剤薬局事務ではどのような違いがあるのか、それぞれの特徴を見ていきましょう。

登録販売者

登録販売者は、ドラッグストアやスーパー、ホームセンターなどで第2類・第3類医薬品を販売できる資格です。受験資格に実務経験は不要で、学校に通わなくても受験できますが、試験では医薬品の知識だけでなく、法規や人体の仕組みまで幅広く問われるため、調剤薬局事務より難易度は高めです。

学習期間は3~6か月ほどが目安で、通信講座では標準6か月、1日60分程度の学習を想定しておきましょう。費用は、受験手数料が都道府県ごとに異なるものの1万3,000円前後が目安で、講座を利用する場合は5万円前後を見込んでおくとよいでしょう。

令和8年度試験の日程は地域ごとに順次公表される段階で、神奈川県は4月下旬、関西広域連合は5月中旬頃に案内予定とされています。なお、地域ごとの合格率は、直近の令和7年度実績で北海道が54.8%、神奈川県が41.6%、関西広域連合が38.6%、千葉県が34.4%でした。ただし、地域差は毎年一定ではなく、出題傾向や受験者層によっても変動するため、「合格率が高い地域=簡単」とは言い切れません。

なお、合格後すぐにすべてを一人で任されるわけではなく、管理者要件を満たすには一定の従事経験や研修が必要です。

参考: 神奈川県|登録販売者試験(概要)関西広域連合|登録販売者試験関西広域連合|令和7年度 登録販売者試験結果について千葉県|令和7年度千葉県医薬品登録販売者試験の実施結果について北海道庁|令和7年度登録販売者試験の結果について

参考: 厚生労働省|登録販売者試験問題作成に関する手引き(令和8年4月)2026年5月1日施行の医薬品販売制度の改正内容をご紹介します「登録販売者に対する研修の実施要領」の一部改正について

登録販売者の給料は?年収目安を勤め先や働き方にあわせて紹介

登録販売者の給与事情について、正社員としての働き方やパートタイムでの勤務、さらには薬剤師との給与の違いなどを詳しく解説します。

調剤薬局事務

調剤薬局事務は、調剤薬局で受付や会計、処方箋入力、レセプト作成などを担当する仕事です。働くうえで資格は必須ではありませんが、民間資格を取得しておくと、基礎知識があることを示しやすく、未経験で応募する際のアピールになります。

登録販売者に比べると試験範囲が絞られているため難易度は比較的低く、講座の標準学習期間は3か月前後、1日40分程度を目安としている例があります。費用は、講座受講料が4万円台、試験料は5,500円~6,500円程度が目安です。

資格によっては毎月受験でき、在宅受験やインターネット受験に対応しているものもあるため、働きながらでも取り組みやすい資格といえるでしょう。

調剤薬局事務の資格は取得のハードルが比較的低く、早期の就業を目指す方に適しています。一方で、より専門的な医薬品販売に携わる登録販売者は、資格の性質や役割が大きく異なります。両者の具体的な職務内容を比較し、自身の適性を検討してみましょう。

仕事内容比較で給料差が生まれる理由

仕事内容比較で給料差が生まれる理由

登録販売者も調剤薬局事務も医薬品に関わる仕事ですが、実際に働き始めてみると、求められる役割や働き方は大きく異なります。ここを理解しないまま「なんとなく働きやすそう」「給料が良さそう」といったイメージだけで選ぶと、入職後に「思っていた仕事と違った」「自分に合わず長く続けにくい」と感じる原因になりかねません。

たとえば、接客や売り場対応を中心に動く登録販売者と、受付やレセプト入力など正確な事務処理が求められる調剤薬局事務では、向いている人も評価されやすいスキルも変わります。ここからは、それぞれの仕事内容の違いを整理しながら、自分に合った働き方を見極めるためのポイントを見ていきましょう。

登録販売者の仕事内容

登録販売者は、OTC(一般用医薬品)の中の第2類医薬品と第3類医薬品の販売がおこなえます。登録販売者の仕事内容は以下の通りです。

  • 医薬品の販売、相談、接客
  • 医薬品以外の販売、接客
  • 品出し
  • 発注
  • 売り場づくり など

登録販売者の仕事は、単に薬を販売するだけではありません。勤務先がドラッグストアやスーパー、コンビニ、ホームセンターなどの場合は、化粧品や日用品の接客、品出し、売り場管理まで幅広く担当することがあります。飲料やお米など重量のある商品を扱う店舗も多いため、体力が求められる場面もあるでしょう。

また、OTC販売では「どの商品を案内するか」だけでなく「どの段階で薬剤師へつなぐか」を見極めることも重要です。登録販売者は第2類・第3類医薬品の相談に対応できますが、相談内容によっては第1類医薬品の案内が適しているケースもあります。その場合は薬剤師へ引き継ぐ判断が必要です。とくに、要指導医薬品から一般用医薬品へ移行した直後のものは一定期間、第1類医薬品として扱われるため慎重さが欠かせません。

共通して求められるスキルは、相手の話を正しく聞く力、わかりやすく説明する力、ミスなく対応する正確さです。調剤薬局で働く場合は、OTC販売コーナーでお客様の相談に対応しながら、必要に応じて薬剤師や事務スタッフと連携し、店舗全体で安全に案内する役割が期待されます。

調剤薬局事務の仕事内容

調剤薬局事務は、薬局でのさまざまな事務業務をおこないます。調剤薬局事務の仕事内容は以下の通りです。

  • 患者様の受付・電話対応
  • レセプトコンピューターへの入力作業
  • 調剤報酬の請求
  • 会計業務
  • 薬剤師の補助
  • 発注、点検 など

調剤薬局事務は名前の通り事務作業がメインのため、デスク作業やPC作業などを多くおこないます。店舗の規模が小さいことが多いため、発注や点検はドラッグストアのような大量の商品数にはなりません。

なお、通常の日中業務では、患者様の受付、保険証確認、会計、電話対応、処方箋入力など窓口対応の比重が高くなりやすい一方、月末から月初にかけては、レセプトの点検や請求準備の比重が大きくなります。特に処方箋枚数の多い薬局では、受付で患者様を待たせない対応力と、入力ミスや請求漏れを防ぐ正確さの両方が求められます。

求められるスキルは、接遇力、コミュニケーション力、細かな確認を怠らない注意力です。調剤薬局で登録販売者資格もあわせて活かせる職場であれば、受付や会計だけでなく、OTC医薬品の案内にも関われるため、業務の幅を広げやすくなります。

デスクワーク中心の事務職と、接客・管理業務を担う登録販売者では、日々の業務に明確な違いがあります。次に、両資格の具体的な給与格差について見ていきましょう。

登録販売者と調剤薬局事務の年収を比較

登録販売者と調剤薬局事務の年収を比較

登録販売者と調剤薬局事務では、登録販売者の方が難易度は高いといわれています。難易度に違いがあるため、給料にも差があるのか気になるところです。ここからは登録販売者と調剤薬局事務の年収について比較していきましょう。

登録販売者の給料

登録販売者の給与は、正社員で月給20万~27万円台、パートでは時給1,100円前後から1,500円程度です。就業者全体の統計では年収水準が全国369.4万円と示されています。年齢が上がって経験を積むほど年収は上がりやすく、一般スタッフよりも店長やエリア担当、SV候補などマネジメントに近い立場になると、年収はさらに伸びやすくなります。

特に登録販売者は、資格手当や役職手当がつく求人も多く、毎月の収入に差が出やすい職種です。たとえばアポプラスなどの求人情報サイトでは、正社員の月収19万~27万円、年収290万~400万円程度が目安とされており、就職先や役職によってはさらに高年収を目指せるケースもあります。高収入を目指すなら、資格取得に加えて、管理者要件の充足や役職登用を視野に入れることが重要です。

参考:厚生労働省 job tag|医薬品販売/登録販売者 - 職業詳細

調剤薬局事務の給料

調剤薬局事務の給与は、公開求人ベースでは年収約315万円がひとつの目安です。正社員では月給18万~23万円前後の求人が多く、パート・アルバイトは時給1,100~1,300円前後が中心です。年齢や経験を重ねることで昇給は期待できますが、登録販売者に比べると役職による伸び幅は緩やかです。

ただし、店舗リーダーや主任、統括主任などを任される職場では手当がつくこともあり、主任手当として月2万円の例も見られます。また、調剤薬局事務は無資格可の求人が多いため、資格手当がない職場も少なくありません。

一方で、民間資格の取得者に対して月5,000~10,000円程度の資格手当を設けている例もあり、経験や担当業務の広さによって差が出ます。大きく収入を伸ばすというより、実務経験を積みながら安定的に昇給していく職種と考えるとわかりやすいでしょう。

年収の絶対額では登録販売者が優位にあるものの、調剤薬局事務にも着実なキャリアアップの道は存在します。単なる事務作業にとどまらず、市場価値を高めるための具体的なステップを確認しておきましょう。

調剤薬局事務の昇給・キャリアで年収アップの道筋

調剤薬局事務の昇給・キャリアで年収アップの道筋

将来の収入を考えるなら、今の職場でどのようにステップアップすれば年収が上がるのかを具体的にイメージしておくことが大切です。登録販売者と調剤薬局事務では、評価されるポイントや昇進ルートが大きく異なります。ここでは、それぞれのキャリアステップと収入アップの道筋を解説します。

登録販売者のキャリア:店長・エリアマネージャーへの昇進

登録販売者のキャリアパスは、「売場で成果を出す → 副店長などの店舗管理者 → 店長 → エリアマネージャー」と段階的に用意されている企業が多く、役職が上がるごとに基本給や役職手当も増えていく仕組みになっています。

昇進の評価は、接客の質だけではありません。発注の精度、在庫ロスの削減、売上や粗利の達成度、パート・アルバイトのシフト管理など、店舗運営に関わるさまざまな数字を管理できる力が求められます。数字で成果を示せるようになるほど、昇進のスピードも上がります。

ただし昇進すると、他店舗への異動や遅番を含むシフト勤務が増えることもあります。転居の可否や休日の取り方など、自分の働き方の方針をあらかじめ考えておくと、無理なくキャリアを築けます。

調剤薬局事務のキャリア:管理士・レセプト統括リーダー

調剤薬局事務は、「受付や会計」だけの業務にとどまっていると、給与の伸びが早い段階で頭打ちになりやすい傾向があります。収入を上げるには、レセプト(診療報酬明細書)の点検や返戻対応、薬局の利益に関わる加算の管理など、専門性の高い業務を担当できるようになることが重要です。

さらに、新人スタッフの教育やシフト調整、業務マニュアルの作成などを任されるようになると、リーダー手当や基本給アップにつながる可能性が高まります。複数店舗を展開する薬局では、各店舗の事務をまとめる統括リーダーや、本部での請求チェック業務などを担当することで、より高い報酬を得られるケースもあります。

ダブルライセンスという最強の選択肢(登録販売者+調剤事務)

薬局業界で市場価値を高める方法の一つが、登録販売者と調剤薬局事務の「ダブルライセンス」を取得することです。調剤併設型のドラッグストアが増えている現在、「OTC売場の接客」と「調剤受付・入力」の両方に対応できる人材は、現場で非常に重宝されます。

特に評価されるのは、「両方の業務ができること」だけでなく、混雑時にレジや受付、入力など人手が不足しているポジションへ柔軟に入れる対応力です。この汎用性の高さは、時給交渉や社員登用の際にも強みになります。

専門性を掛け合わせることで、給与交渉の余地は大きく広がります。では、最終的にどちらの資格を選択すべきなのでしょうか。ライフスタイルや価値観に基づいた「判断基準」を整理しました。

給料・働きやすさで選ぶ【調剤薬局事務or登録販売者】

給料・働きやすさで選ぶ【調剤薬局事務or登録販売者】

高齢化が進行するのに伴って、ドラッグストアの店舗数は増加傾向にあり、調剤薬局は今やコンビニエンスストアの店舗数を上回っています。そのため、求人数も多く、地域や雇用形態などライフスタイルに合わせて働きやすい業界です。その中でも正社員として安定し、しっかり稼ぎたい方は、登録販売者がおすすめです。実務経験の条件をクリアしておけば、引っ越しや子育てなどの事情から転職を考えている場合でも、次の職場は見つかりやすいでしょう。

一方で、調剤薬局事務の資格は登録販売者よりも難易度が低いため、初めて資格を取得して働きたい方には、チャレンジしやすいおすすめの資格です。

【時間と休日】固定時間で働きたいなら調剤薬局事務

調剤薬局は、隣接するクリニックの診療時間に合わせて営業することが多く、日曜日や祝日が固定休になりやすい職場です。夜遅くまで働くケースも少ないため、生活リズムを整えやすい環境といえるでしょう。家族との時間を大切にしたい方や、規則正しく働きたい方に向いています。

残業がまったくないわけではなく、月末月初のレセプト請求時期や連休明けなどは一時的に忙しくなります。ただ、ドラッグストアのような突発的な繁忙は少なく、比較的スケジュールは読みやすい傾向があります。

一方で、受付に患者様が集中すると業務負荷が一気に高まることもあります。会計や入力を正確かつスピーディーに行い、患者様を待たせない対応ができるほど、日々のストレスは軽減されるでしょう。

【セルフチェック】

  • □ 毎週の休みや生活リズムをできるだけ安定させたい
  • □ 遅番や土日勤務より、日中中心の働き方を重視したい
  • □ 接客よりも、受付や入力など決まった流れの業務が得意
  • □ 忙しい場面でも、落ち着いて正確に処理するほうが得意

【やりがいと収入】接客と数字で成果を出したいなら登録販売者

登録販売者は、自分の提案によってお客様の体調の悩みを解決できる点にやりがいを感じやすい仕事です。さらに、売上や客単価などの明確な指標で評価されるため、「努力が数字で表れる仕事」を求める方に向いています。成果を出せば、昇給や役職へのステップアップも期待できます。

シフト制のため土日出勤や遅番勤務が発生することもありますが、その分、役職手当や時間外手当などで収入が増える可能性もあります。クレーム対応や繁忙期の忙しさはあるものの、接客を楽しめる人であれば、長くキャリアを伸ばしていけるでしょう。

【セルフチェック】

  • □ 人と話すことや接客そのものにやりがいを感じる
  • □ 忙しい売場でも臨機応変に動くことが苦にならない
  • □ 成果が売上や評価など、数字で見える仕事に魅力を感じる
  • □ 休みの固定よりも、収入やキャリアアップを優先したい

【キャリア】将来の収入アップを重視するなら

登録販売者は、店舗スタッフから副店長・店長へとステップアップし、さらに複数店舗を統括するエリアマネージャーなどを目指せるキャリアパスがあります。役職が上がるほど責任は増えますが、その分、役職手当や年収アップも期待できます。

一方、調剤薬局事務は受付や会計だけでなく、レセプト業務や新人教育など担当できる業務を広げることで評価が高まりやすくなります。さらに、登録販売者の資格も取得して「ダブルライセンス」となれば、調剤とOTC販売の両方に対応できる人材として、職場での市場価値を高められるでしょう。

自身の置かれているライフステージによって、最適な選択は変わります。

  • 子育て最優先期の方:急な子どもの熱などにも対応しやすいパートタイムで、かつ時間の融通が利きやすい「調剤薬局事務」からスタートするのがおすすめです。
  • フルタイムでしっかり稼ぎたい方:正社員登用のチャンスが多く、資格手当で基本給の底上げが狙える「登録販売者」が圧倒的に有利です。
  • 将来のキャリア(管理職など)を重視する方:店長からエリアマネージャーへと明確な昇進ルートが描ける「登録販売者」を取得し、実績を積むのが最短ルートとなります。

自身の優先順位が明確になったところで、具体的な資格取得の手順に移りましょう。調剤事務関連には複数の民間資格が存在するため、それぞれの特徴を比較して最適なものを選ぶことが大切です。

調剤薬局事務資格取得で給料手当を得る方法

調剤薬局事務資格取得で給料手当を得る方法

調剤薬局事務や医薬品販売に関する資格は複数あり、それぞれ難易度や試験の形式が異なります。自分の学習スタイルや目的に合った資格を選ぶことが、挫折せずに取得するコツです。ここでは、それぞれの資格の取得方法と特徴について解説します。

資格名 難易度 試験形式 特徴・おすすめな人
調剤薬局事務検定試験 易しい 会場・在宅(毎月) 初心者向け、手軽に資格の証明が欲しい人
調剤報酬請求事務技能認定 易しい 在宅(毎月) 指定講座の受講必須、基礎から学びたい人
医療保険調剤報酬事務士 普通 在宅(毎月) 指定講座の受講必須、確実に知識を定着させたい人
調剤報酬請求事務専門士 やや難 会場(年2回) 級位あり、プロとして高い専門性を証明したい人

学習の優先順位に迷った場合は、未経験者なら「調剤薬局事務検定試験」または「調剤報酬請求事務技能認定」から始めましょう。まずは受付・会計・処方箋入力・レセプトの基本用語に慣れ、そのうえで、より専門性を高めたい場合に「医療保険調剤報酬事務士」や「調剤報酬請求事務専門士」へ進むと、ステップアップしやすくなります。

登録販売者

登録販売者の試験は、地域ごとに年1回おこなわれます。問題数は全120問、正答率は70%以上のため、合格基準は84点以上です。試験は5項目にわかれており、各項目の正答率が35~40%以上必要といわれています。試験時間も4時間と長時間のため、試験時間に慣れておく必要があるでしょう。

令和5年の登録販売者試験の合格率は24.2~51.9%と、地域ごとに差があります。そのため、複数の地域の試験を掛け持ちで受験することも可能です。地域ごとに年に1度しかおこなわれない試験であるため、掛け持ちで受験する方も少なくありません。

登録販売者資格の取得の一番のメリットは、収入面です。登録販売者の資格を取得していると、正社員でもパート・アルバイトでも資格手当が支給されるケースが多くなっています。正社員では、手当として毎月5,000~10,000円ほど支給される場合が多いため、登録販売者の資格手当だけで6~12万円ほど年収アップが狙えます。

また、ドラッグストアで登録販売者として正社員で働いていると、実績をだし評価されれば店長への昇進の可能性もあるでしょう。

調剤薬局事務検定試験

調剤薬局事務検定試験は、調剤薬局での請求事務業務の基礎知識と技能レベルが審査される資格です。受験資格はとくに必要なく誰でも受験が可能で、試験は年12回、毎月実施されています。試験は会場受験だけでなく自宅受験も可能で、試験時間も90分と忙しい人でも受けやすい試験です。

試験には、学科試験と実技試験の2つがあり、合格基準は学科と実技ともに6割以上ですが、問題の難易度により変動する場合もあります。

調剤報酬請求事務技能認定

調剤報酬請求事務技能認定は、調剤報酬請求事務業務の従事者として、必要となる調剤報酬請求事務の知識と技能のレベルを評価・認定するための資格です。資格を取得するためには、指定されたカリキュラムを受講し、技能を修得したうえで修了試験に合格する必要があります。

試験は学科と実技があり、試験時間は80分以内です。合格率は学科・実技の各得点率が90%以上と高く感じられますが、試験には資料の持ち込みが可能です。

医療保険調剤報酬事務士

医療保険調剤報酬事務士は、医療保険学院が認定している調剤報酬を算定して、請求できるスキルを持っている証明となる資格です。受験前に指定の講座を受ける必要があり、講座の受講中に中間試験を3回おこないます。講座学習が終了後、受講日から1年以内に受験申請・合格しなければ、受験資格は損失してしまうため注意が必要です。

試験は、学科と実技があり、在宅での受験が可能です。試験は年に12回、毎月おこなわれています。

調剤報酬請求事務専門士

調剤報酬請求事務専門士は、医療費抑制の政策で、年々厳しく複雑になっている調剤報酬改定に対し、迅速な対応をして的確に算定および説明ができる人材です。

試験は年に2回おこなわれており、試験内容は学科と実技にわかれています。調剤報酬請求事務専門士には、3級から1級があり、3級は新入社員レベル、2級は中堅社員レベル、1級は教育者・リーダーレベルといわれています。

級があがるごとに問題が増える形式となっているため、他の調剤薬局事務の資格よりも難易度は高いでしょう。また、合格後も2年に1度更新が必要となるため、注意が必要です。

資格の取りやすさや学び方がわかったところで、次に大切なのは「自分に合っているのはどちらか」を見極めることです。ここからは、給料だけでなく、働きやすさや適性の違いにも注目しながら比較していきましょう。

給料と適性で選ぶ【調剤事務or登録販売者】

給料と適性で選ぶ【調剤事務or登録販売者】

登録販売者と調剤薬局事務の仕事内容や資格の取得方法について見てきましたが、登録販売者と調剤薬局事務のどちらが自分に向いているのか見ていきましょう。

登録販売者に向いている人

登録販売者は医薬品の接客だけでなく、品出しや棚替えなどの力仕事もおこないます。そのため、明るい人柄であるのに加え、体を動かすことが好きな方に向いている資格です。

調剤薬局事務に向いている人

調剤薬局事務は受付対応や電話対応などをおこなうため、登録販売者と同様に明るい人柄の人が求められます。また、パソコンを使用した事務作業がメインとなるため、デスクワークや細かい作業が好きな方に向いている資格です。

登録販売者と調剤薬局事務は、どちらも各資格の特性を理解し、計画的に学習を進めることが大切です。最後に、実際の転職・就業にあたって多くの方が抱く疑問を解消しておきましょう。

調剤薬局事務の給料Q&A【昇給・資格の効果】

資格の選び方や働き方については、転職活動を始める前に疑問を解消しておくことが大切です。ここでは、給料の上げ方や資格の必要性など、読者からよく寄せられる質問にお答えします。

Q. 調剤薬局事務の給料は、職場によってどうして差が出るの?

給与の差には、雇用形態だけでなく「職場の規模」と「評価制度」が大きく関係しています。大手チェーン薬局は評価基準が明確なため、資格手当の取得やリーダー昇格など、何を頑張れば給与が上がるのかが分かりやすい傾向があります。

一方、個人経営の薬局では経営者の裁量が大きく、給与の伸び方が読みづらい場合もあります。

Q. 調剤薬局事務は「資格なし」でも働けるって本当?取る意味はある?

「無資格・未経験OK」として募集している求人は多くあります。ただし、資格がない場合は専門用語や保険制度を一から覚える必要があり、最初は苦労することも少なくありません。

資格を取得しておくと、面接で知識があることを示せるだけでなく、入社後に何を学べばよいかが分かりやすくなります。資格を選ぶ際は、レセプト作成や調剤報酬の算定、保険制度など、実務に直結する内容を学べるものを選ぶのがおすすめです。

Q. 今の給料を上げたい!何から始めればいい?

まずは、今の職場で担当できる業務の範囲を広げることから始めましょう。受付業務だけでなく、レセプトの最終点検や返戻対応、新人スタッフの教育、業務マニュアルの整備など、薬局の運営に関わる業務を担えるようになると評価が高まりやすくなります。こうした実績は、昇給交渉の材料にもなります。

それでも評価や給与が上がらない場合は、転職を検討するのも一つの方法です。評価制度が明確な法人や、複数店舗を統括するポジションがある職場へ移ることで、同じスキルでも年収が大きく上がる可能性があります。

まとめ|自分に向いている資格を取得して働こう

登録販売者と調剤薬局事務は、同じ医療系の資格ではありますが、合格後の働き方に大きな違いがあります。自分が体を動かす仕事が好きなのか、それとも事務作業のようなデスクワークが好きなのかあらためて考えてみましょう。
その他にも、正社員でしっかり働いて給料を稼ぎたいのであれば登録販売者がおすすめですし、資格試験に慣れていない方は調剤薬局事務からチャレンジするのもおすすめです。自分に向いている資格を取得してスキルアップしながら働いていきましょう。

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