【登販必見】最新ドラッグストアランキングと2022年上半期の業界ニュース
【登販必見】最新ドラッグストアランキングと2022年上半期の業界ニュース
こんにちは、登録販売者転職のアポプラス登販ナビライターチームです。
登録販売者の就職先として最も多い「ドラッグストア」。大手チェーンを中心にさまざまな店舗展開がおこなわれ、コロナ禍においても市場は年々右肩上がりとなっています。
そこで本記事では、最新のドラッグストアチェーンをランキング形式で紹介し、最新の業界ニュースとともに業界の現状を分析します。
目次
ドラッグストア業界の推移
ここ数年はすべての業界において新型コロナウイルス感染症の影響を受けましたが、ドラッグストアでは在宅の方が増えたことから衛生用品や日用品の需要が絶えず、業界全体では好調に推移しています。
日本チェーンドラッグストア協会が2022年3月18日に発表したデータによると、2021年度のドラッグストア業界の全体売上高は8兆5408億円、前年伸び率106.3%、全国総店舗数は前年から441店舗増の2万1725店舗と、業界全体の拡大がうかがえる結果となりました。
「2025年10兆円産業化」を掲げるドラッグストア業界ですが、こうした特需を追い風にさまざまな戦略をたて、今後も市場全体の活発化が継続していくと予想されます。
具体的な戦略については最後にご紹介しますので、まずは主要チェーンを中心とした各種ランキングから見ていきましょう。
ドラッグストア 売上ランキング
実際に各社の売上や店舗数はどれほどなのか、売上が高い順にご紹介します。
※各社2021年度の年間売上(連結)を集計し比較しています。
1位 ウエルシアホールディングス 1兆259億円
2022年2月期の決算で、ついに売上1兆超えを達成したウエルシア。「ウエルシア薬局」のほかにも「ハックドラッグ」「ハッピー・ドラッグ」「ダックス」「よどや」「スーパードラッグひまわり」などの店舗を展開しています。
特徴は、調剤薬局併設型店舗をメインに据えていること。現在もすでに全店舗の80%近くが調剤併設型となっていますが、将来的には10割を目指しているようです。また、PB商品の開発・拡売やDX化など将来の成⾧につながる取り組みを積極的に実施しています。
2位 ツルハホールディングス 9,157億円
ツルハホールディングスは「ツルハドラッグ」をメインに、「くすりの福太郎」「杏林堂薬局」「レデイ薬局」「B&Dドラッグストア」「ドラッグストアウォンツ」「ドラッグストアウェルネス」などの有力チェーン店を地域ごとに展開しています。
2022年5月期は対前期と比べて減収減益となっていますが、調剤併設化の推進やドミナント戦略に基づく地域集中出店および既存店舗のスクラップアンドビルドを推進し、店舗数は増加の結果となっています。また、海外への出店も精力的におこなっており、タイ国内で17店舗を運営しています。
3位 コスモス薬品 7,554億円
「ディスカウントドラッグコスモス」を中心にコロナ禍においてもローコストオペレーション推進によって価格競争力を高め、消費者にとって「安くて、近くて、便利なドラッグストア」を目指した戦略を進めるコスモス薬品。自社競合による一時的な収益性の低下もいとわず全国で合計120店舗もの出店を進めた結果、対前期より増収減益となっています。
4位 マツキヨココカラ&カンパニー 7,299億円
2021年10月、「マツモトキヨシ」を運営する旧株式会社マツモトキヨシホールディングスと「ココカラファイン」を運営する旧株式会社ココカラファインが経営統合し、株式会社マツキヨココカラ&カンパニーが誕生したことは業界において大きな話題となりました。これにより同社は売上増収、店舗数も業界最大となりました。今後は店舗をタイプごとに区別し、引き続きPB商品やグローバル事業の拡大を目指していくということです。
5位 スギホールディングス 6,254億円
「スギ薬局」や「ドラッグスギ」などを展開する同社は、売上前年同期比3.8%増の結果となりました。具体的な施策としては、調剤室・待合室の拡張改装、調剤利用率向上に向けた告知強化といった調剤領域の更なる拡大に向けたものから、かかりつけ薬局アプリのダウンロード促進、業務の機械化、薬剤師の積極採用・教育研修など多岐にわたる戦略に取り組んでいます。
6位 サンドラッグ 6,487億円
「サンドラッグ」は首都圏を中心に展開するドラッグストアチェーン。2022年3月期では、「安心・信頼・便利の提供」をキーワードに新規出店やデジタル推進による効率化などを進めたものの、対前期増収減益となっています。
7位 富士薬品 3,715億円
全国で「SEIMS」の店舗運営と配置薬販売をおこなう富士薬品。薬の製造から販売までを一貫しておこなう体制を徹底し、売上はここ数年横ばいで推移していますが、大幅な減収が続いています。
8位 クリエイトSD 3,507億円
クリエイトSDは神奈川県横浜市に本社を置き、関東圏を中心にドラッグストア「クリエイト」を展開しています。日常生活に必要なものが一ヶ所で揃うワンストップショッピングのニーズに対応するため生鮮食品・冷凍食品の品揃えを拡充するといった戦略を進めています。その結果、生鮮食品をはじめとした食料品及び調剤薬局売上は前期を上回ったものの、全体では対前期増収減益となっています。現在はほかにも、調剤併設型店舗や調剤薬局の新設などに取り組み、小商圏における利便性と専門性を追求しています。
9位 クスリのアオキ 3,283億円
「クスリのアオキ」は、北信越や北関東を中心に展開するドラッグストアです。2022年5月期は対前期増収減益となっていますが、合計102店舗の新規出店を含むドミナント戦略を進め、食品スーパーを展開する企業の吸収合併・分割による食品部門の強化など、精力的な戦略に取り組んでいます。
10位 カワチ薬品 2,794億円
「カワチ薬品」は、栃木県に本社を置き、東日本で事業展開しているドラッグストアチェーンです。新型コロナウイルスの特需反動で2022年3月期では減収減益となったものの、ヘルス&ビューティーケア部門の強化や調剤薬局併設を進めるなどして、躍進を図っています。
ドラッグストア 店舗数ランキング
以下のランキングは日本国内における店舗数の順位(※いずれも2022年11月4日時点での数値)です。フランチャイズ店舗は含む、調剤薬局のみの店舗は含みません。
店舗数ではこれまではウエルシアが独走していましたが、経営統合によりマツキヨココカラ&カンパニーが1位となりました。マツキヨココカラ&カンパニーの内訳は、マツモトキヨシが1,824店舗、ココカラファイン1,529店舗となっています。
冒頭で紹介したように業界全体でドラッグストア店舗数は増え続けていますが、どのような地域にどのような店舗を出店するのかは、各企業によって戦略がさまざまです。昨今の傾向では、ドラッグストアではなく調剤薬局専門店を出店する企業や食料品に力を入れる企業が増えており、ドラッグストアの競合店は今やドラッグストアだけに留まらない状況だといえるでしょう。
ドラッグストア業界ニュース
最後に、登録販売者が知っておきたい最新の業界ニュースをご紹介します。業界の今を知り、自店舗でどう働くべきかを考えましょう。
「マツモトキヨシ」と「ココカラファイン」が経営統合
先にも述べましたが、この2大グループの経営統合はドラッグストア業界へ大きな影響を与えた出来事でした。両社は目指す目的が同じだったことから経営統合に至り、日本最大のドラッグストアグループになること、また美と健康の分野でナンバーワンになることを目標に掲げ、新体制をスタートさせています。
現在は既存のブランドを残したまま店舗を運営させていますが、今後はエリアによって店舗をカテゴリ別に区別し、すみわけをおこなっていくようです。
M&Aはこれまでにも多くありましたが、これほど大規模な統合を必要とするほど今ドラッグストア業界は大激戦を繰り広げている状況だということが分かります。
今後、業界最大の店舗数となった同グループが業界を率先していくのかどうか、業界全体の動きに注目です。
「コクミン」が「ウエルシアホールディングス」の子会社に
ウエルシアホールディングスは2022年6月、ドラッグストア「コクミン」と薬局運営「フレンチ」の株式を取得し、双方を連結子会社化しました。コクミンは調剤薬局併設店舗に注力しているなどウエルシアとの類似性が高く、また北海道や九州といったエリアにも出店していることが理由の一つにあるようです。
店舗とデジタルを融合したOMOを活用したマーケティングが主流に
スマートフォンの普及とともに、SNSやアプリといったデジタル販促が主流となりつつある昨今。ドラッグストア業界も例外ではなく、グループごとにさまざまマーケティング手法が導入されています。その中でも今、店舗とリアルを融合したOMO(Online Merges with Offline)マーケティングに注目が集まっています。
業界トップを走るウエルシアも、OMOを早くから推し進めている企業の一つです。ウエルシアでは「顧客とのオンライン・コミュニケーション強化」を目的に、さまざまなOMOマーケティングに基づいたアクションを起こし、実績をあげています。
具体的には、アプリ上で「クーポン」や「毎日引けるくじ」といったお得で楽しいコンテンツをはじめ、非接触で利用可能な「モバイルTカード」、「時間帯別混雑度チェックサービス」などのサービスを提供。さらに、お客さまの嗜好性に応じたクーポン配信や情報提供といったOne to Oneマーケティングをはじめ、他のTポイント提携先で利用できるクーポンをアプリで配信するなど。こうした時代に合わせたサービスを提供した結果、アプリ利用者の購買金額が非利用者の1.5倍にまで伸びたといいます。
これからさらに激化していくであろうドラッグストア市場を生き抜いていくためには、現場スタッフである登録販売者もこうした知識や会社の方針をしっかりと理解し、店頭で活かしていく必要があります。日々の業務をこなしながらは大変かもしれませんが、自店舗の売上アップに欠かせない重要な施策といえるでしょう。
参考:CCCMKホールディングス『ウエルシア薬局株式会社の事例』
まとめ|好調が続くドラッグストア業界の、今後の動きに注目
昨今のコロナ禍においてもドラッグストア業界は堅調に推移しており、それは今後もしばらく継続していくと予想されています。現場に立つ登録販売者の皆さんも少なからずこうした流れを感じていることと思います。
しかしながら、その内情を見てみると、M&Aなどといったグループ同士の競争が激化していることも忘れてはならない実情です。
また、業界の変化や店舗数の推移は登録販売者一人ひとりの働き方にも影響するはずです。自店舗を盛り上げるためにも自分自身のキャリアアップのためにも、業界分析は定期的におこない、店舗運営に活かすことが求められているでしょう。
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