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【2025年発表】ドラッグストア売上高ランキング!登録販売者必見の業界ニュースも解説

【2025年発表】ドラッグストア売上高ランキング!登録販売者必見の業界ニュースも解説

2024年度は、来店者数やインバウンド需要に回復傾向が見られる一方、物価上昇などの影響により、売上高については増加傾向が落ち着いている状況です。現在も米などの食料品を中心とした値あがりが進んでおり、消費者の節約志向も続いています。

そんな中、2024年度にドラッグストア市場がどのように変化しているのかを知るため、主要ドラッグストアチェーンにおける売上推移を数字で見ていきます。また、後半では登録販売者が知っておくべき最新の業界ニュースについても解説します。登録販売者はぜひ参考にしてください。

目次

ドラッグストア業界全体の売上推移

ドラッグストア業界全体の売上推移

日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)の「ドラッグストア実態調査」の結果速報によると、2024年度の全国総売上高は10兆307億円(前年度比109.0%)と、10兆円の大台を突破しました。

総店舗数は2万3723店舗(前年度比682店舗増)となっています。さらに、ドラッグストアの調剤額(非協会分を含む併設薬局の推計値)は前年比1180億円増加、伸び率8.4%増の1兆5205億円となりました。伸び率は前年の9.5%から1.1ポイント減となり、鈍化しています。

【ドラッグストア実態調査の結果】

  全国総売上高 総売上高の前年からの伸び率 全国総店舗数
2024年度 10兆307億円 109.0% 2万3723店舗
2023年度 9兆2022億円 105.6% 2万3041店舗
2022年度 8兆7134億円 102.0% 2万2084店舗
2021年度 8兆5408億円 106.3% 2万1725店舗

また、カテゴリ別の売上の内訳は以下の通りです。いずれの部門も前年を上回っていることがわかりますね。前年に比べ、とくに「ビューティーケア」と「フーズ・その他」のカテゴリで売上が伸びていることがわかります。

カテゴリ 売上 前年比 構成比
調剤・ヘルスケア 3兆3318億円 108.7% 33.2%
ビューティーケア 1兆8272億円 111.7% 18.2%
ホームケア 2兆388億円 102.1% 20.3%
フーズ・その他 2兆8329億円 113.2% 28.2%

ドラッグストアチェーン 売上ランキング

ドラッグストアチェーン 売上ランキング

では、各ドラッグストアチェーンの売上はどのように推移しているのでしょうか。売上ランキングを見ていきましょう。

ウエルシアホールディングス、マツキヨココカラ&カンパニー、スギホールディングス、サンドラッグ、カワチ薬品については2024年度の本決算、富士薬品については2023年度の本決算、ツルハドラッグについては2025年2月期の決算、それ以外の企業については2024年度第3四半期のデータに基づいています。

順位 企業名 売上高
1位 ウエルシアホールディングス 1兆2,850億円
2位 マツキヨココカラ&カンパニー 1兆616億円
3位 スギホールディングス 8,780億円
4位 ツルハホールディングス 8,456億円
5位 サンドラッグ 8,018億円
6位 コスモス薬品 7,523億円
7位 富士薬品 3,862億円
8位 クスリのアオキ 3,719億円
9位 クリエイトSD 3,395億円
10位 カワチ薬品 2,878億円

1位 ウエルシアホールディングス 1兆2,850億円 (前年比110%)
ウエルシアホールディングスの売上高は調剤部門が牽引しており、前年比110%となっています。
また、PB(プライベート・ブランド)商品の開発・拡散に力を入れており、売上高の伸長が継続しています。化粧品はセルフ買いの需要が増加し、売上の改善傾向が見られます。

参考:ウエルシアホールディングス「2025年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」

2位 マツキヨココカラ&カンパニー 1兆616億円 (前年比103.8%)
マツキヨココカラ&カンパニーでは、以下の4つの戦略を設定し、取り組んでいます。

【国内戦略のテーマ:お客様のライフステージに応じた価値提供】

  • ①利便性の追求 - お客様との繋がりの深化
  • ②独自性の追求 - 体験やサービス提供の新化
  • ③専門性の追求 - トータルケアの進化

【グローバル戦略のテーマ:アジア市場での更なるプレゼンス向上】

  • ④グローバル事業の更なる拡大

また、PB(プライベート・ブランド)商品については、グループ初のメンズスキンケア・ヘアケアプライベートブランドとなる「KNOWLEDGE(ナレッジ)」の販売を開始しました。

参考:マツキヨココカラ&カンパニー「2025年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」

3位 スギホールディングス 8,780億円 (前年比117.9%)
スギホールディングスは、個人消費やインバウンド需要の回復を受けて「ヘルス&ビューティケア関連商品」や「日用雑貨」、「食品」などの販売が増加したこと、そして、2024年9月に連結子会社化したI&H株式会社の業績により、売上高が大幅に増加しました。

参考:スギホールディングス「2025年2月期 IR資料」

4位 ツルハホールディングス 8,456億円(前年比の記載なし)
ツルハホールディングスは決算期変更に伴い、今回の連結会計年度(2024年5月16日~2025年2月28日)は9.5カ月の変則決算となっています。第3四半期のデータがないため、売上高や店舗数については2025年2月期のものを載せております。

ツルハホールディングスでは、店舗戦略については出店の推進や不採算店舗の改廃、調剤戦略については薬局機能の強化、PB(プライベート・ブランド)戦略については食品を中心とした商品開発などに取り組んでいます。

参考:ツルハホールディングス「2025年2月期 決算短信」

5位 サンドラッグ 8,018億円 (前年比106.7%)
サンドラッグは、新型コロナウイルス感染症対策関連商品などの反動減が、風邪の流行の影響で一時的に緩和され、繁華街のインバウンド需要を中心に、医薬品・化粧品などの売上回復が継続しています。

また、引き続き「安心・信頼・便利の提供」をキーワードに、専門性をいっそう高め、お客さまに必要かつ期待される質の高いサービスレベルの向上を達成すべく、駅前店を中心に、医薬品・健康食品・化粧品等のインバウンド需要の取り込みを強化しました。

参考:サンドラッグ「2025年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」

6位 コスモス薬品 7,523億円 (前年比105.2%)
コスモス薬品は2023年度に引き続き、出店施策を推し進めており、自社競合による一時的な収益性の低下も厭わず、新規出店を積極的におこなっています。これにより、第3四半期連結会計期間末の店舗数は1,570店舗となり、売上増の要因のひとつとなりました。

参考:コスモス薬品「2025年5月期第3四半期決算短信」

7位 富士薬品 3,862億円 (前年比103.5%)
富士薬品の売上高については、2024年度のデータが公表されていないため、参考として2023年度末の売上を載せています。

参考:富士薬品「連結財務諸表(2023年度)」

8位 クスリのアオキ 3,719億円 (前年比113.8%)
クスリのアオキも堅調に売上を伸ばし、前年比増の結果となっています。要因としては、地域のかかりつけ薬局として調剤薬局併設率の向上を図るとともに、生鮮食品導入による品揃え強化をおこなっていることがあげられます。

参考:クスリのアオキホールディングス「2025年5月期 第3四半期決算短信」

9位 クリエイトSD 3,395億円 (前年比108.4%)
クリエイトSDホールディングスのドラッグストア事業では、2023年に引き続き、EDLP(エブリデイ・ロープライス)を推進しています。また、ワンストップ・ショートタイムショッピングの実現を目指し、調剤薬局の併設や、生鮮食品を始めとした食品の品揃え強化を推進し、小商圏における利便性および専門性の向上に引き続き取り組みました。

参考:クリエイトSDホールディングス「2025年5月期第3四半期決算短信」

10位 カワチ薬品 2,878億円 (前年比100.6%)
カワチ薬品は、専門性強化策として調剤併設型店舗の新規出店を進めるとともに、値あげが続く中、相対的優位性を保つべく物流を活かした一括仕入れなどをおこない、価格の見直しに注力したほか、カウンセリング販売などにも注力し固定客化に努めています。

参考:カワチ薬品「2025年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」

ドラッグストアチェーン 店舗数ランキング

ドラッグストアチェーン 店舗数ランキング

次に、ドラッグストアチェーン各社の店舗数を見ていきましょう。

順位 企業名 店舗数
1位 マツキヨココカラ&カンパニー 3,499
2位 ウエルシアホールディングス 3,013
3位 ツルハホールディングス 2,658
4位 スギホールディングス 2,186
5位 コスモス薬品 1,570
6位 富士薬品 1,273
7位 クリエイトSD 1,183
8位 サンドラッグ 1,124
9位 クスリのアオキ 960
10位 カワチ薬品 380

ウエルシアホールディングス、マツキヨココカラ&カンパニー、スギホールディングス、サンドラッグ、カワチ薬品については2024年度の本決算、それ以外については2024年度第3四半期の店舗数を記載しています。
※ドラッグストア事業のみ、調剤専門薬局は含まない

新規出店ラッシュは2024年度も続いており、業界のM&A戦略も活発におこなわれています。公正取引委員会によって承認されたウエルシアHDとツルハHDの経営統合についても、登録販売者への影響が気になるところですよね。次の最新ドラッグストア業界ニュースで詳しく解説します。

参考:マツキヨココカラ&カンパニー「2025年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」
参考:ウエルシアホールディングス「2025年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」
参考:ツルハホールディングス「2025年2月期 決算短信」
参考:スギホールディングス「2025年2月期 IR資料」
参考:コスモス薬品「2025年5月期第3四半期決算短信」
参考:富士薬品「会社概要」
参考:クリエイトSDホールディングス「2025年5月期第3四半期決算短信」
参考:サンドラッグ「2025年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」
参考:クスリのアオキホールディングス「2025年5月期 第3四半期決算短信」
参考:カワチ薬品「2025年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」

登録販売者必見!2025年最新ドラッグストア業界ニュース

登録販売者必見!2025年最新ドラッグストア業界ニュース

最後に、最新のドラッグストア業界ニュースを紹介します。

ウエルシアHDとツルハHD 経営統合は12月で合意

昨年、ドラッグストア業界に大きな衝撃を与えたウエルシアHDとツルハHDの経営統合について、続報です。両者は、今年2025年12月に経営統合することで最終合意に達していました。

さらに4月30日には、公正取引委員会がこの統合を承認したことが発表されました。12月にツルハHDがイオングループ傘下のウエルシアHDを完全子会社化し、その後、イオンがツルハHDを連結子会社とする予定です。統合されると、イオングループが店舗数や売上、従業員数において第一位となり、大きな影響力をもつこととなります。

また、公正な競争を阻害しないかの審査の結果、競合他社が少ない地域にある10店舗を売却することが統合の条件となりました。これらの店舗は他社によって新たに運営されることとなるため、スタッフの異動や求人が発生する可能性があります。そのため、売却先企業で働く登録販売者や、転職活動中の登録販売者は、なんらかの影響を受けることが予想されます。引き続き、動向を見守っていきましょう。

ドラッグストア業界の成長戦略や将来展望についてさらに詳しく知りたい方は、以下のコラムを参考にしてみてください。
【登販向けに解説】ドラッグストア業界の将来展望と企業の成長戦略をチェック!

参考:日本経済新聞「イオン・ツルハ統合、公取委が承認 独占防止に10店売却条件」
参考:イオン株式会社、株式会社ツルハホールディングス、ウエルシアホールディングス株式会社「経営統合のご説明」

医薬品医療機器等法の改正案が国会審議へ

昨年、厚生労働省から医薬品医療機器等法改正に向けた「とりまとめ案」が出されましたが、現在、それらの内容について国会で審議がおこなわれています。ドラッグストア関係者に大きな影響のある改正案は、以下の通りです。

  • ①濫用等のおそれのある医薬品の販売制度の強化
  • ②要指導医薬品のネット販売解禁
  • ③医薬品販売の遠隔管理

衆議院ではすでに可決すべきと議決され、衆議院でも問題なく議決されると推測されます。5月の大型連休明けには法律公布となる可能性がありますが、引き続き法改正の動きに注視していきましょう。

また、今後、国に意見を提出する機会(パブリック・コメント制度など)があれば、積極的に参加してみましょう。

参考:厚生労働省「第217回国会(令和7年常会)提出法律案」

スイッチOTC医薬品が続々と登場予定

ここ数年、医療用医薬品として使われている成分のスイッチOTC化が加速していますが、近いうちにまた大きな変化がありそうです。2024年12月の厚生労働省の薬事審議会で新たに了承された成分は、次の通りです。

①片頭痛治療薬:マイフェミン、ミグリステンS
これらは「ジメトチアジンメシル酸塩」が有効成分の薬です。効能・効果は「片頭痛・緊張型頭痛における頭痛発作の発症抑制および症状緩和」です。医療用医薬品では、主に片頭痛の予防薬として使われます。

②プロトンポンプ阻害剤(PPI):パリエットS&パリエット10、オメプラールS&サトプラール、タケプロンs
PPIは胃潰瘍などの治療薬として使われる成分であり、強い胃酸抑制作用があります。海外では多くの国で市販化されている成分もありますが、国内では、長年にわたりスイッチOTC化が議論されていました。市販化されれば、胃薬の選択肢が増えると共に、多くの需要が見込まれます。

③睡眠薬:ロゼレムS
ロゼレムSは有効成分が「ラメルテオン」であり、脳内にあるメラトニン(睡眠リズムの調節ホルモン)の受容体に作用して睡眠を促します。OTC(一般用医薬品)では「一時的な不眠の症状の緩和」が効能効果になる見込みです。

いずれもお客さまからの問い合わせの多い症状に使われる成分であり、薬局やドラッグストアがもっと便利になりそうですね。これらの成分のスイッチOTC化がどうなっていくのかについても、ぜひ注目しましょう。

まとめ|ドラッグストア業界の動きを知って、理想の働き方を実現しよう

近年のドラッグストア業界は、自社の生き残りをかけて、新規出店や経営統合などさまざまな戦略を練っています。現在登録販売者として活躍する皆さんにとっては、業界の動向や各社の戦略・方針などを把握することで、自分自身の社会的評価が適切であるかを確認するよい機会になるかもしれません。

全国には数多くのドラッグストアが存在します。現在の働き方に不満がある方やより高いキャリアアップを目指したいと考える方は、今一度、ご自身のキャリアについて見つめ直してみてはいかがでしょうか。

執筆者:村松 早織(薬剤師・登録販売者講師)

執筆者:村松 早織(薬剤師・登録販売者講師)
株式会社東京マキア 代表取締役
登録販売者や受験生向けの講義を中心に事業を展開
X(旧:Twitter)、YouTube等のSNSでは、のべ2万人を超えるフォロワー・チャンネル登録者に向けて、OTC(一般用医薬品)についての情報発信をおこなっている。

■著書
・医薬品暗記帳 医薬品登録販売者試験絶対合格! 「試験問題作成に関する手引き 第3章」徹底攻略(金芳堂)
・薬機法暗記帳 医薬品登録販売者試験絶対合格! 「試験問題作成に関する手引き 第4章」(金芳堂)
・これで完成! 登録販売者 全国過去問題集 2023年度版(KADOKAWA)
・村松早織の登録販売者 合格のオキテ100(KADOKAWA)
・やさしくわかる! 登録販売者1年目の教科書(ナツメ社)
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