【最新】ドラッグストアの店舗数ランキング!東京、関西などの地域ごとの特徴も紹介

こんにちは、登録販売者転職のアポプラス登販ナビライターチームです。
ドラッグストア業界は、ここ数年で大きく成長を遂げ、各地域での出店競争が激化しています。店舗数の増加に伴い、地域ごとの特色や市場シェアの変動も注目されるようになりました。
本記事では、2024年最新データに基づいたドラッグストアの店舗数ランキングを紹介するとともに、東京、関西、東海エリアなど地域ごとの出店特徴についても解説します。これからドラッグストアでの就業を考えている登録販売者にとって、各地域での店舗展開を知ることは、企業選びやキャリア形成の重要なポイントとなるでしょう。
※本記事の情報は執筆時点のデータに基づいています。
目次
- ・ドラッグストアの店舗数ランキング【全国版】
- ・東京エリアのドラッグストアランキング
- ・関西エリアのドラッグストアランキング
- ・東海エリアのドラッグストアランキング
- ・登録販売者が知りたいドラッグストアの今後の展望
- ・まとめ|登録販売者としてドラッグストア業界を見極めるポイント
ドラッグストアの店舗数ランキング【全国版】

全国でドラッグストアの市場が拡大し続ける中、店舗数は年々増加傾向にあります。とくに大手チェーンの台頭により、地域ごとの出店競争も激しくなっています。ここでは、2024年の最新データに基づいた全国のドラッグストア店舗数ランキングを見ていきましょう。
また、各地域の特徴やドラッグストア業界全体のシェア推移についても解説し、業界の現状を把握できるようにします。登録販売者として働きたいと考えている方は、店舗数や出店戦略を理解し、どの企業がどの地域に強いのか、今後どのように成長していくかを見極めるための参考としてください。
2024年最新データに基づいた店舗数ランキング
ここでは、2024年の最新データに基づいた店舗数ランキングトップ5を紹介します。
1位 | マツキヨ&ココカラ カンパニー | 3,464店舗 |
---|---|---|
2位 | ウエルシアホールディングス | 3,005店舗 |
3位 | ツルハホールディングス | 2,629店舗 |
4位 | スギホールディングス | 1,986店舗 |
5位 | コスモス薬品 | 1,528店舗 |
店舗数の増減や、出店ペースが速い企業も注目すべきポイントです。
参考:マツキヨ&ココカラ カンパニー「統合報告書2023」 ウエルシアホールディングス「店舗検索」 株式会社ツルハホールディングス「店舗稼働状況」 スギホールディングス「出店エリアと店舗数推移」 ドラッグストアコスモス「店舗検索」
ランキングの変遷と業界シェアの推移
ドラッグストア業界のランキングは、近年大きな変化を見せています。
ランキング上位5社の店舗数は、すべて増加し続けている傾向にあります。中でも、2021年にはM&Aを推進するマツモトキヨシがココカラファインと経営統合し、業界トップの店舗数となりました。2010年代には小規模チェーンが全国に点在していましたが、大手による吸収合併や統合が進み、現在では上位10社が市場の約70%を占めています。
また、店舗数の増加に伴い、郊外エリアへの出店や都心部の密集した店舗展開が活発化しています。さらに、地域密着型の中小チェーンは、大手の攻勢に対応するため独自のニッチ戦略を取るようになりました。たとえば、特定地域でのドミナント戦略(集中出店)を活用する企業や、特定の商品ラインナップを強化して差別化を図る企業が増加しています。
大手チェーンの戦略と特徴
ドラッグストア業界では、政策や立地、規模といったさまざまな要因が企業の業績や戦略に影響を与えます。とくに、以下の4つのポイントが大手チェーンの成長戦略のカギとなります。
1.政策により影響を受ける規制産業
ドラッグストア業界は、薬機法によって医薬品の取り扱いが規定されています。医療や福祉政策に合わせて薬機法が改正されると、取り扱える医薬品の範囲や販売方法が変わるため、業界の収益構造に大きく影響するのです。そのため、各企業は法律の動向を常に注視し、新しい規制に対応した経営戦略を立てることが求められます。
2.立地・商圏から受ける影響が大きい
ドラッグストアは立地や商圏の条件に大きく依存します。とくに競合店が少なく、お客さまのアクセスがよい立地は店舗収益に直結します。そのため、大手チェーンでは「ドミナント戦略」を取ることが多く、特定の地域に大量出店することで商圏内のシェアを獲得し、競合の参入を抑止する動きを見せているのです。
3.特定地域における大量出店が効果的な場合がある
ドミナント戦略は、競争力の強化だけでなく、広告宣伝の効率化や物流コストの削減にもつながります。特定エリアに集中的に店舗を出店することで、認知度を高めると同時に、配送センターの運営コストを抑え、効率的な在庫管理が実現するのです。企業全体の運営効率が向上し、収益力が強化されます。
4.規模のメリットが大きい
ドラッグストア業界では、規模の大きさが仕入れコストや販売戦略において有利に働きます。大規模チェーンは、多数の店舗を持つことで仕入れ先との交渉力が強化され、より有利な条件で商品を調達できます。さらに、プライベートブランド(PB)商品の開発・販売をおこない、粗利率を向上できる点も大手チェーンの強みです。
東京エリアのドラッグストアランキング

東京都全域を指す東京エリアは、日本でもっとも人口密度が高い都市であり、ドラッグストア業界にとっても大変重要な市場です。多くのドラッグストアが東京に集中して競争が激化しています。ここでは、東京エリアにおける主要ドラッグストアの店舗数をランキング形式で紹介するとともに、出店の特徴についても解説します。
東京エリアの主要ドラッグストアの店舗数ランキング
ここでは、全国版ランキングの上位5店舗の東京エリアにおける店舗数ランキングを表にまとめました。
1位 | マツキヨ&ココカラ カンパニー | 696店舗 |
---|---|---|
2位 | ウエルシアホールディングス | 328店舗 |
3位 | スギホールディングス | 240店舗 |
4位 | ツルハホールディングス | 160店舗 |
5位 | コスモス薬品 | 11店舗 |
コスモス薬品は、東京エリアへの出店が少ないとわかります。
参考:マツキヨ&ココカラ カンパニー「統合報告書2023」 ウエルシアホールディングス「店舗検索」 スギホールディングス「出店エリアと店舗数推移」 株式会社ツルハホールディングス「店舗稼働状況」 ドラッグストアコスモス「店舗検索」
東京における出店の特徴と地域性
東京におけるドラッグストアの出店は、とくに駅前エリアに集中しています。これは、通勤通学の利用者が多く、駅前は商業の中心となるためです。また、都心のビジネス街や繁華街では、競争が非常に激しく、各店舗が利便性や価格競争で差別化を図っています。
一方、住宅街では日用品の販売がメインとなり、医薬品に加え、食品や化粧品など幅広い商品を取り扱う店舗が増加しています。地域の特性や顧客層に合わせた出店戦略が取られているのが特徴です。
関西エリアのドラッグストアランキング

関西エリアは、大都市である大阪、京都、神戸を含む地域であり、ドラッグストア業界においても重要な市場です。全国展開している大手チェーンだけでなく、地元に根ざした企業も多くあります。
関西エリアの主要ドラッグストアの店舗数ランキング
全国版ランキング上位5店舗の関西におけるランキングを表にまとめました。
1位 | スギホールディングス | 721店舗 |
---|---|---|
2位 | マツキヨ&ココカラ カンパニー | 714店舗 |
3位 | ウエルシアホールディングス | 502店舗 |
4位 | コスモス薬品 | 217店舗 |
5位 | ツルハホールディングス | 62店舗 |
関西エリアでは、スギ薬局の出店が多く、ツルハドラッグは2桁店舗と少なめであるとわかります。
参考:スギホールディングス「出店エリアと店舗数推移」 マツキヨ&ココカラ カンパニー「統合報告書2023」 ウエルシアホールディングス「店舗検索」 ドラッグストアコスモス「店舗検索」 株式会社ツルハホールディングス「店舗稼働状況」
関西独自の店舗展開のポイント
関西エリアのドラッグストアは、とくに郊外のショッピングモール内や大型商業施設に出店するケースが多いのが特徴です。家族連れや高齢者をターゲットにした商品展開やサービスを重視しているためと考えられます。また、関西ならではの顧客層に合わせ、価格訴求型の店舗や食品の品揃えが充実した店舗が多い点も特徴的です。
地元企業と全国チェーンの競争
関西エリアでは、地元企業と全国チェーンが競争を繰り広げています。たとえば、大阪に本社をもつキリン堂は関西エリアで351店舗を展開しており、コスモス薬局、ツルハドラッグを上回る店舗数です。
キリン堂が独自に開発したブランドである「K-select」では、日用品を中心に幅広い商品を低価格で提供しています。さらに、医薬品も購入できる通販サイトを運営するなど、暮らしに寄り添うドラッグストアとして地元住民に支持されています。
※キリン堂の公式ホームページ参照
一方、全国チェーンの「スギ薬局」や「マツキヨ&ココカラ カンパニー」は、価格競争や幅広い商品ラインナップでお客さまを引きつけています。
東海エリアのドラッグストアランキング

東海エリアは、ドラッグストア業界においても活発な市場の一つです。とくに愛知県には、いくつかのドラッグストア企業が本社を置いており、地元に強い影響力を持つ企業も多く存在します。ここでは、東海エリアのドラッグストアの店舗数をランキング形式で紹介し、地域特有の特徴を見ていきます。
東海エリアの主要ドラッグストアの店舗数ランキング
東海エリアにおける、全国ランキングトップ5の店舗数ランキングを表にまとめました。
1位 | スギホールディングス | 612店舗 |
---|---|---|
2位 | ウエルシアホールディングス | 360店舗 |
3位 | マツキヨ&ココカラ カンパニー | 331店舗 |
4位 | コスモス薬品 | 109店舗 |
5位 | ツルハホールディングス | 90店舗 |
東海エリアでは、本社が愛知県にあるスギ薬局が、店舗数を伸ばしています。
参考:スギホールディングス「出店エリアと店舗数推移」 ウエルシアホールディングス「店舗検索」 マツキヨ&ココカラ カンパニー「統合報告書2023」 ドラッグストアコスモス「店舗検索」 株式会社ツルハホールディングス「店舗稼働状況」
東海に本社を置くドラッグストアチェーン
東海エリアには、いくつかのドラッグストアチェーンが本社を置いています。代表的な企業とは、「スギ薬局」や「V・ドラッグ」です。中でもV・ドラッグは東海地方において395店舗を展開しており、1位であるスギ薬局の次に多い店舗数を誇ります。
東海エリアに本社を置く企業は、東海地方に強い地盤を持ち、地元住民のニーズに応える形で事業を拡大してきました。とくに、地域特有のライフスタイルや消費習慣に合わせた商品展開がおこなわれている点が特徴です。
V・ドラッグでは毎月各店舗で健康相談会が実施されています。無料で骨密度、血圧、血流を測定し、地域住民の健康相談の窓口になることが目的です。このように、特定のエリアを中心に展開しているチェーンでは、全国チェーンと比べて一人ひとりに寄り添ったサービスが提供されているケースが多く見られます。
東海エリアのドラッグストアの発展背景
東海エリアのドラッグストア業界は、とくに愛知県を中心に大きく発展してきました。戦後の高度成長期から徐々に小売業としての基盤を固め、90年代以降はチェーン展開が加速しました。
地元の大手企業である「スギ薬局」は、地域密着型のサービスと、大規模チェーンの強みを融合させた出店戦略で成功を収めています。また、地方独自の需要に対応したサービスや商品展開が、他地域との差別化を図る要因となっているのです。
東海エリアを中心に地域密着型の店舗を展開するドラッグストアチェーンとしては、V・ドラッグの他にも「B&Dドラッグストア」があげられます。B&Dドラッグストアはツルハホールディングスの子会社である株式会社B&Dが運営していましたが、2023年にツルハホールディングスに吸収合併されました。このように、東海地方でも大手チェーンによる統合が進められています。
登録販売者が知りたいドラッグストアの今後の展望

ドラッグストア業界は、近年の急速なデジタル化や医療制度の変化に対応しながら、店舗運営やサービス提供の形態を進化させています。とくに、オンライン医療サービスとの連携や地域医療との密接な関係が、今後の発展を左右する重要なポイントであると考えられています。
登録販売者としてこれからドラッグストア業界に挑戦したいと考えている方にとって、業界の最新動向や展望を知っておくことは、今後のキャリア形成においても役立つでしょう。ここでは、ドラッグストアの今後の展望について解説します。
オンラインによる医療サービスとの連携
近年、オンライン医療サービスの普及が急速に進んでおり、ドラッグストア業界でもその波が広がっています。オンライン診療と連携して、患者が自宅にいながら医師とつながり、相談や診療、健康管理をおこなうことが実現し始めています。24時間365日対応のチャット型オンライン医療相談が大手薬局とも提携し、広がりを見せているのです。
オンライン診療の普及により薬の相談や簡単なケアサポートをおこなう場面も増えてきています。従来の店舗業務に加え、デジタルツールを活用した新たなサービス提供に対応できるスキルが求められる時代になっていくと考えられるでしょう。
地域医療との連携
ドラッグストアが今後さらに発展していくうえで、地域医療との密接な連携がカギを握っているといわれています。店舗密度の高いドラッグストア業界では、商圏が比較的狭く、1店舗当たりの商圏人口は4,000人ほどとされており、お客さまとの距離が近いのが特徴です。
商圏が狭い特徴を生かして、地域に根ざした「かかりつけドラッグストア」としての役割を担うことが求められています。調剤薬局が併設されている店舗では、患者の処方箋対応だけではなく、服薬情報を一元管理してセルフメディケーションを支援する体制が整備され始めているのです。
ドラッグストアは、地域住民にとって最初に相談できる身近な存在としての役割を果たしています。今後も重要性は高まっていくと予想され、とくにかかりつけ薬局としての機能が広がっていくと、セルフメディケーション市場の拡大にもつながっていくでしょう。
セルフメディケーションが当たり前になれば、OTC(一般用医薬品)のアドバイスをおこなう登録販売者の活躍の場も広がっていくと予想されます。
まとめ|登録販売者としてドラッグストア業界を見極めるポイント
ドラッグストア業界は、M&Aによる大手チェーンの拡大や、オンライン医療サービスとの連携、地域医療との密接な関係を強化しながら成長しています。地域ごとの特徴を理解し、どの企業がどのエリアで強みを持っているかを把握することは、登録販売者として今後のキャリアに大きな影響を与えるでしょう。
また、デジタル化が進む中で、新しいサービス提供の形態に対応できるスキルも求められる時代となっています。業界の最新動向を常に追いながら、自身のスキルアップに努めることが重要です。
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