「接客ノート」を作っていますか?登録販売者の接客スキルをアップさせるノートの作り方

「接客ノート」をご存じでしょうか?接客スキルをアップさせるためのツールとして、実は多くの登録販売者が活用しているアイテムです。本記事では、接客ノートの作り方やメリットについて詳しく紹介します。「接客が苦手」「登録販売者としてスキルアップしたい」と考えている方はぜひ参考にしてください。
目次
- ・登録販売者の接客ノートとは?
- ・接客ノートを作るメリット
- ・接客ノートの作り方
- ・書き方は自由!自分らしいノートにしよう
- ・まとめ|接客ノートで自分の接客を振り返り、登録販売者としてのスキルアップを目指そう
登録販売者の接客ノートとは?

接客ノートとは、日々の接客内容やお客さま情報をまとめた日記のようなものです。接客ノートを作って自分の接客を振り返ることで、接客スキルをアップさせたり、顧客管理をおこなったりすることができるため、多くの登録販売者が活用しています。
接客ノートを作るメリット

書いて覚える
接客ノートはひたすらノートに書いて作りあげます。人の脳はどんどん忘れていくようにできていますので、経験した出来事を日記のようにぜひ書き残してみましょう。書いて何度も見返すことで、記憶に定着させることができます。
スキルアップにつながる
接客では、同じような問題を抱えたお客さまに出会うケースがよくあります。そんな時に接客ノートがあれば、自分の対応が最善であったかどうかを客観的に分析することができます。もし今回の接客がスムーズにいかなかったとしたら、「どこが悪かったのか?」「よりよい選択肢はあったのか?」を考えることで、次回の接客に活かすことができるでしょう。
また、頭で考えているだけでは思い浮かばなかった対応方法が、文字にした途端に思い浮かぶこともあります。これも、主観でしかなかった記憶を文字にすることで客観視することができるためです。
自信につながる
お客さま対応の事例が増えれば増えるほど、自分の実績は増えていきます。しかし、その実績は目には見えないものです。そこで接客ノートを作って実績を可視化することで、自分の自信につなげることができます。また、転職時にも、「私にはこれだけたくさんの実績があります」というアピールポイントにすることができるでしょう。
接客ノートの作り方

記載する内容
基本的には以下のような内容を記載しますが、自分が書きやすいようにアレンジしてください。
- 【接客ノートに記載する内容】
-
- 接客した日時
- お客さまの性別や年代
- お客さまの相談内容(症状や治療中の病気、服用薬、アレルギー、生活習慣など)
- おすすめした医薬品とその理由
- お客さまの反応
- 不明点や反省点、気になること
すぐに印刷して使える資料を作りましたので、必要であれば以下のリンクからダウンロードしてみてくださいね。
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具体例
下記はノートの具体的な書き方の例です。特に決まりごとはありませんので、気になったことは何でも書き込んでみましょう。ここでは例として、かぜ薬をお求めの男性客について書いています。
- No.1
2022年12月1日 - 【メモ】常連のお客さま。前回は11月20日のシニアデーにご来店。私のことを覚えていてくれた。
- お客さま情報
-
【 男性 ・ 女性 ・ その他】
【( )代・( 61 )歳】【その他】
- 相談内容
-
【使用者】 本人 ・ その他
( )
【症状】今朝から鼻水、軽いのどの痛み、発熱37.5度、咳はほとんどない
【治療中の病気】なし
【服用薬など】なし
【アレルギー】なし
【生活習慣】お酒週3日、ビール1杯【その他】前立腺肥大症とは診断されていないが、尿が出にくい症状がある。周りに新型コロナに感染している人はいない。
- 自分の対応
-
【 医薬品 ・ 医薬品以外 ・ 受診勧奨 ・ その他 】
かぜ薬を希望していたが、尿が出にくい症状があるため、抗ヒスタミン薬が勧められない旨を説明し、タイレノールAを提案した。症状がよくならない場合、受診するよう伝えた。
- お客さまの反応
-
不満 満足
- ○1
- ○2
- ○3
- ○4
- ●5
- 不明点や反省点
気になること - 脱水を防ぐため、経口補水液の購入を勧めてもよかった。
休憩中など後から思い出し書きでOK
毎日接客ノートを書けない場合は、後からまとめて書いても問題ありません。その際、接客ノートとは別で小さなメモ帳を用意し、接客の内容を簡単に書いておくのがおすすめです。こちらは走り書きでかまいません。そして、まとまった時間ができたときにノートに清書する形にするとよいでしょう。
後から振り返りやすいようにしておく
接客ノートをよりよく活用するためには、後からノートを見たときに重要な項目がすぐわかるようにしておきましょう。例えば、症状や医薬品名にマーカーを引く、再度見直したいページには付箋を貼っておくなどすると、振り返ったときに見つけやすくなります。
書き方は自由!自分らしいノートにしよう

接客ノートをつけている現役の登録販売者は意外と多くいます。優れた接客をおこなう登録販売者に、お客さま対応上達のコツを聞いてみると、積極的に接客ノートを作っていたというケースもよくあります。周りの人に聞いてみると、意外なあの人も作っているかもしれません。
また、接客メモ以外の活用方法もおすすめです。その日の仕事に対する気持ちや行動内容などを書いて本当の日記をつけてみると、後から読み返したときに自分の成長が具体的に分析できるでしょう。
まとめ|接客ノートで自分の接客を振り返り、登録販売者としてのスキルアップを目指そう
お客さま対応は、コツコツと経験を積み重ねていくことが上達への道です。接客ノートで自分の接客を分析し、よりよい接客につなげていきましょう。

執筆者:村松 早織(薬剤師・登録販売者講師)
株式会社東京マキア 代表取締役
登録販売者や受験生向けの講義を中心に事業を展開
twitter、YouTube等のSNSでは、のべ1万人を超えるフォロワー・チャンネル登録者に向けて、OTC医薬品についての情報発信を行っている。
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