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【登販向け】薬機法に違反しない化粧品のポップの書き方

【登販向け】薬機法に違反しない化粧品のポップの書き方

【登販向け】薬機法に違反しない化粧品のポップの書き方

医薬品医療機器等法(以下、薬機法)の広告規制は、インターネット広告が増加している影響により、以前よりも厳しくなっている傾向があります。ドラッグストアでは薬機法の規制対象となる商品を多く扱うため、登録販売者も「広告に関する知識」が必要不可欠です。この記事では、法令遵守のために必要な知識として、化粧品ポップを書く時の注意点について解説していきます。

目次

登録販売者が化粧品広告について学ぶ時の予備知識

登録販売者が化粧品広告について学ぶ時の予備知識

薬機法における「課徴金制度」の導入

2021年8月に薬機法広告に対して「課徴金制度」が導入されていることは、必ず把握しておきましょう。「課徴金」とはいわゆる「罰金」のようなものであり、以下の計算式で算出されます。

【課徴金額】
違反をおこなっていた期間中における対象商品の売上額 × 4.5%

薬機法における誇大広告を禁止する条文、第66条1項には「何人も」と記載されているため、禁止される「対象者」は限定されていません。メディアや広告代理店だけでなく誰もが規制対象となるため、注意するようにしましょう。

参考:厚生労働省 「課徴金制度の導入について(13ページ)」

化粧品の効能効果の範囲

化粧品の効能効果の範囲は以下のように定められています。したがって、登録販売者がポップなどの広告で、これらの表現をそのまま使うことは問題ありません。

  • (1) 頭皮、毛髪を清浄にする。
  • (2) 香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える。
  • (3) 頭皮、毛髪をすこやかに保つ。
  • (4) 毛髪にはり、こしを与える。
  • (5) 頭皮、毛髪にうるおいを与える。
  • (6) 頭皮、毛髪のうるおいを保つ。
  • (7) 毛髪をしなやかにする。
  • (8) クシどおりをよくする。
  • (9) 毛髪のつやを保つ。
  • (10) 毛髪につやを与える。
  • (11) フケ、カユミがとれる。
  • (12) フケ、カユミを抑える。
  • (13) 毛髪の水分、油分を補い保つ。
  • (14) 裂毛、切毛、枝毛を防ぐ。
  • (15) 髪型を整え、保持する。
  • (16) 毛髪の帯電を防止する。
  • (17) (汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする。
  • (18) (洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)。
  • (19) 肌を整える。
  • (20) 肌のキメを整える。
  • (21) 皮膚をすこやかに保つ。
  • (22) 肌荒れを防ぐ。
  • (23) 肌をひきしめる。
  • (24) 皮膚にうるおいを与える。
  • (25) 皮膚の水分、油分を補い保つ。
  • (26) 皮膚の柔軟性を保つ。
  • (27) 皮膚を保護する。
  • (28) 皮膚の乾燥を防ぐ。
  • (29) 肌をやわらげる。
  • (30) 肌にはりを与える。
  • (31) 肌にツヤを与える。
  • (32) 肌を滑らかにする。
  • (33) ひげを剃りやすくする。
  • (34) ひげそり後の肌を整える。
  • (35) アセモを防ぐ(打粉)。
  • (36) 日やけを防ぐ。
  • (37) 日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。
  • (38) 芳香を与える。
  • (39) 爪を保護する。
  • (40) 爪をすこやかに保つ。
  • (41) 爪にうるおいを与える。
  • (42) 口唇の荒れを防ぐ。
  • (43) 口唇のキメを整える。
  • (44) 口唇にうるおいを与える。
  • (45) 口唇をすこやかにする。
  • (46) 口唇を保護する。口唇の乾燥を防ぐ。
  • (47) 口唇の乾燥によるカサツキを防ぐ。
  • (48) 口唇を滑らかにする。
  • (49) ムシ歯を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
  • (50) 歯を白くする(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
  • (51) 歯垢を除去する(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
  • (52) 口中を浄化する(歯みがき類)。
  • (53) 口臭を防ぐ(歯みがき類)。
  • (54) 歯のやにを取る(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
  • (55) 歯石の沈着を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
  • (56) 乾燥による小ジワを目立たなくする。
  • 注1)例えば、「補い保つ」は「補う」又は「保つ」との効能でも可とする。
  • 注2)「皮膚」と「肌」の使い分けは可とする。
  • 注3)( )内は、効能には含めないが、使用形態から考慮して、限定するものである。
  • このほかに、「化粧くずれを防ぐ」、「小じわを目立たなくみせる」、「みずみずしい肌に見せる」等のメーキャップ効果および「清涼感を与える」、「爽快にする」等の使用感を表示し、広告することは事実に反しない限り認められている。

化粧品と薬用化粧品(医薬部外品)

化粧品と混同されがちなものとして、「薬用化粧品」があります。まず、「薬用」は医薬部外品で認められている表示です。「薬用化粧品」は化粧品と同じ使い方をしますが、化粧品としての期待効果に加え、限定的な医薬品的効能効果を持つ有効成分が配合された、医薬部外品としての効果も持つものです。
なお、本記事では、「薬用化粧品」ではなく、「化粧品」についての注意事項を中心に解説します。

【医薬品、医薬部外品、化粧品の違い】

医薬品 医薬部外品 化粧品
効果の高さ
医薬品的な効能効果の表示 一部可 不可
使用目的 治療 防止、衛生 清潔、美化、魅力を増す
効能効果の表現の例 治療、修復、緩和 改善、防止・予防、緩和 与える、保つ、整える、防ぐ

登録販売者が化粧品ポップ作成時に気をつけたい表現3選

登録販売者が化粧品ポップ作成時に気をつけたい表現3選

ニキビに関する表現

「化粧品の効能効果の範囲」の(18)には、「(洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)。」と記載があります。したがって化粧品の場合、「洗顔料」ではこの記載が可能ですが、「化粧水」などに「ニキビを防ぎます!」と表示することはできません。また、「ニキビを防ぐ」ではなく、「ニキビを治す」旨の表現は医薬品的な効能効果であり、化粧品全般で認められていない表現です。

【化粧品のOK表現】
洗顔料への「ニキビを防ぐ」表現

洗顔料への「ニキビを防ぐ」表現

【化粧品のNG表現】
洗顔料以外の化粧品への「ニキビを防ぐ」表現

洗顔料以外の化粧品への「ニキビを防ぐ」表現

なお、薬用化粧品(医薬部外品)の場合、「化粧水」や「クリーム」で「ニキビを防ぐ」旨の表現が可能です。

美白表現

化粧品に対する美白表現はありがちな違反事例です。しかし、「化粧品の効能効果の範囲」には「美白」や「ホワイトニング」といった表現はないため、十分に注意してください。化粧品で美白表現が可能な商品としては、メーキャップ効果(覆う、隠す、などの物理的効果)により肌を白く見せるものがあります。

【化粧品のOK表現】
メーキャップ効果による美白表現

洗顔料への「ニキビを防ぐ」表現

【化粧品のNG表現】
メーキャップ効果以外の方法による美白表現

洗顔料以外の化粧品への「ニキビを防ぐ」表現

なお、薬用化粧品(医薬部外品)の場合、承認された範囲内であれば美白表現が可能となります。ただし、薬用化粧品(医薬部外品)でも、肌本来の色そのものが変化する(白くなる)旨の表現などは禁止されています。そのほかにも様々なルールがありますので、詳しくは以下の資料を参考にしてください。

参考:日本化粧品工業連合会 「化粧品等の適正広告ガイドライン2020年版(35ページ)」

アンチエイジング(抗加齢)の表現

「アンチエイジング」や「老化防止」などの表現は、化粧品の効能効果の範囲を逸脱しており不適です。言い換え表現として「エイジングケア」がありますが、この表現を使う時にもいくつか注意点があります。まず、「エイジングケア」を標ぼうする時は、以下の2つの条件を満たす必要があります。

  • ①年齢に応じたお手入れ(ケア)であること
  • ②化粧品の効能効果の範囲内であること

したがって、「エイジングケア」を標ぼうしながら「若返り」、「老化防止」、「シワ・たるみの防止」など化粧品の効能効果の範囲を逸脱した「エイジングケア」を用いた表現は認められず、また、「エイジングケア」の表現を使う時は、若返りの効果があると誤解されないようにする必要があります。そこで「エイジングケア」をどのような意味で使っているかがわかるよう、「※年を重ねた肌にうるおいを与えること」などと、定義に関する注釈を入れます。
なお、メーキャップ効果によるエイジングケアの表現は可能です。

【化粧品のOK表現】
定義を明確にしたエイジングケアの表現

洗顔料への「ニキビを防ぐ」表現

【化粧品のNG表現】
メーキャップ効果によるエイジングケアの表現

洗顔料以外の化粧品への「ニキビを防ぐ」表現

【化粧品のNG表現】
「アンチエイジング」や「若返り」の表現

洗顔料以外の化粧品への「ニキビを防ぐ」表現
参考:日本化粧品工業連合会(粧工連)「化粧品等の適正広告ガイドライン(39ページ)」

登録販売者が化粧品ポップ作成時に使える資料

登録販売者が化粧品ポップ作成時に使える資料

日本化粧品工業連合会(粧工連)の化粧品等の適正広告ガイドライン

登録販売者が化粧品ポップを作る時には、「粧工連」という業界団体が作っている、自主規制の「化粧品等の適正広告ガイドライン」が参考になります。こちらには[認められる表現の具体例]なども示され、具体的な注意点が掲載されています。化粧品広告に関して何かわからないことがある時は、まずはこちらを参考にするとよいでしょう。

Yahoo!広告のガイドライン

Yahoo!広告は「薬用化粧品・化粧品に関するお役立ち資料集」を発信しており、この中に化粧品広告に関する資料もあります。

上記のページの「3.特定の商品カテゴリの掲載可否事例が知りたい方はこちら」という項目では、化粧品の種別ごとに広告表現の掲載可否情報が載っています。OK表現とNG表現が晴れマークと雨マークなどで示されており、非常にわかりやすいため、文章を読むのが苦手な方におすすめです。
ただしこちらはあくまでYahoo!によって作られたガイドラインであり、表現の使用を保証するものではないことに注意が必要です。

まとめ|段階を踏んで化粧品の広告知識を身につけよう

化粧品広告は厳しく規制されており、きっちり勉強しようとするとかなりの時間を要します。いきなり広告知識を総動員してポップを書こうとすると、挫折してしまうかもしれません。したがって、初めてポップを書くという登録販売者や、広告の知識に自信がないという方は、まずは「化粧品の効能効果の範囲」でポップを書いてみてください。手書きポップというだけで、インパクトのあるものに仕上がりますよ。そして「化粧品の効能効果の範囲」でポップを書くことに限界を感じるようになってきたら、次の段階として、今回解説した資料などの「言い換え表現」を活用してみてくださいね。

執筆者:村松 早織(薬剤師・登録販売者講師)

執筆者:村松 早織(薬剤師・登録販売者講師)
株式会社東京マキア 代表取締役
登録販売者や受験生向けの講義を中心に事業を展開
twitter、YouTube等のSNSでは、のべ1万人を超えるフォロワー・チャンネル登録者に向けて、OTC医薬品についての情報発信を行っている。

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