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【現役ドラッグストア店長直伝】推奨販売との関わり方<登録販売者のキャリア>

【現役ドラッグストア店長直伝】推奨販売との関わり方<登録販売者のキャリア>

【現役ドラッグストア店長直伝】推奨販売との関わり方<登録販売者のキャリア>

ドラッグストアで勤務している登録販売者の大きな仕事に「推奨品販売」があります。得意な方がいれば苦手な方もいるでしょう。今回の記事では推奨品販売について解説し、登録販売者が推奨品販売とどう向き合えばいいかを考えてみます。

いきなりですが、あなたは推奨品販売は得意ですか?

  • 「目標に向けて販売するのが得意」
  • 「特徴のある商品だから勧めやすい」
  • 「お客様に高額品をお勧めしづらい」
  • 「推奨品がコロコロ変わって売りにくい」

様々な印象があると思いますが、今回の記事ではドラッグストアにおける推奨商品の意味と、登録販売者が推奨販売で心がけることを一緒に考えてみましょう!

目次

そもそもドラッグストアの推奨品とは?

そもそもドラッグストアの推奨品とは?

推奨品はドラッグストア各社で違いますし、商品数も異なります。年間で固定されている商品、月間で取り組む商品、あるいは1日集中で結果を出すイベントなどがありますが、いずれも求められるのは「結果」です。

毎週・・・いや毎日のように会社やSVなどから発信される進捗に一喜一憂する店長を見ている方も多いでしょう。進捗で日々の機嫌が変わる店長で・・・なんて方もいるはずです。

会社として取り組んでいる以上結果が求められるのは当然ですし、企業に属する身としてそれに応える義務があるのも当然の事なのです。

しかし私が過去に在籍した店舗は2桁を超え接したスタッフも恐らく200~300人以上いるのですが、推奨品に対して販売が得意な方やそうでない方からの声を数多く聞いています。

その中でも最も多いのが『なぜこんな事をしなければいけないの?』というもの。

では初心にかえってなぜ「推奨品」を販売しなければいけないのか、店舗や会社にどんな効果があるのか考えてみましょう。

「推奨品」は以下の2種類に分けられます。

  • ・自社商品(プライベートブランド)
  • ・他社商品

です。簡単に振り返ってみましょう。

プライベートブランド

「自社商品」とはプライベートブランド(以下PB品)のことです。今やドラッグストア以外でもどの業態でも見られるようになりましたが、PB品も2種類あり『ベーシック系』と『プレミアム系』に分けられます。

『ベーシック系』はナショナルブランド(以下NB品)の廉価版で、ドラッグストアの中でも薬から化粧品や雑貨まで幅広く存在していますね。洗剤やお菓子の廉価版が代表的です。

企業によっては単品で販売進捗を追うのではなく、店舗全体の売上のなかでPB品売上が占める割合、つまり『PB品比率』として目標を立てて売場作成を行っていたりします。価格が大きな訴求ポイントとなるため、いかに目立たせてお客様自身で選んでいただくかが重要です。

『プレミアム系』はドラッグストア各社が自社開発した商品で基本的に高価格帯のPB品です。主に化粧品で見られますが最近はパッケージも高級志向となり、一見PB品とは思えないものも増えてきました。

完全に一から顧客化してく必要があるため、新発売時には予約活動を行ったりする事もあります。このプレミアム系は高価格のため1個売れるだけでベーシック系の数十個分に相当する利益を生み出す事もあります。

どちらにしてもPB品の利点は「利益が大きい」「その企業でしか手に入らない」の2点に尽きます。

他社推奨品

PB品ではない推奨品も数多く存在します。経験上医薬品に多いのですが、これのメリットは「知名度」です。「〇〇製薬の商品です」と誰でも知っている企業名を出せるのは大きく、お客様の購入ハードルを一段下げる事ができます。

ドリンク剤やビタミン剤などの医薬品、シーズン系スキンケア商品など基本的に数千円ものもが多く、お客様も知っているけど少し高いから使ったことがない・・・という商品が多いので紹介しやすい商品群です。

この他、推奨品に選ばれるのは「特徴がある商品」で、他にはない利点があるものがほとんどです。このため登録販売者が訴求しやすいのはこの「他社推奨品」となります。

では推奨品を販売する理由を考えてみましょう。

推奨品を販売しなければいけない理由

推奨品を販売しなければいけない理由

進捗を追われネガティブイメージが強い方もいると思いますが、先入観を取っ払って「販売する理由」をポジティブに考えてみましょう。

推奨品に取り組むメリットは主に2つです。

利益のため

推奨品は当然ながら高利益品です。販売できれば店舗にとって利益が多く入り、会社全体で取り組めば利益率も上がります。メーカーによっては会社全体でリベートが入り、会社の業績に大きな影響を及ぼすこともあります。
これは大きなメリットですね。

しかしそれには相当な数の販売が必要となります。
一人ひとりの積み上げが店舗の成績に、それが会社全体で取り組む事で大きな利益となるのです。

現場に携わっている立場から店舗の利益を考えてみましょう。

例えば利益率50%の5000円の商品が推奨品だったとすると、1個の販売で2500円の利益となります。
1時間でひとりの従業員が生み出す利益のことを「人時生産性」といいますが、これが2500円~3500円ほどの店舗も多いはずです。推奨品が1個売れるだけで1時間分の利益を生み出す事も可能です。
そう考えるとやはり推奨品の実績は店舗の業績に大きな影響があるのです。

デメリットとしては、推奨品は手をかけずに放置していて売れる商品ではない、ということです。少なくともこれらの時間と費用が必要です。

  • ・商品知識を身につける
  • ・売り場の作成
  • ・接客時間

毎月の推奨品やコンクールで苦労されている方もきっと多いはずよね。
いつもお疲れ様です。

推奨品の数が多ければ多いほど、推奨品変更の頻度が高ければ高いほど、この時間と費用のコストは増していき他の業務を圧迫する事になります。

なぜこんな事を会社はするのでしょう?
利益のことだけでしょうか?

優秀な接客ツールとして

推奨品は「特徴がある商品」がほとんどです。それは登録販売者や店舗にとって大きな武器へとなり得る存在です。それは各企業の推奨品をみても分かると思います。

他企業の店舗に訪れて大展開されている商品を見てみてください。恐らく大きな特徴がある商品がほとんどのはずです。それが一般のお客様に訴求しやすいのならセルフで販売できますが、そのメリットが分かりにくい場合は接客時に登録販売者の知識が問われる事となります。

特に医薬品や健康食品は商品に記載できる表現は限られていますし、POPに書ける事も多くはありません。こうした推奨品は効能効果だけをみると他の商品でも対応できるため、多くの場合が接客を通して商品特徴をアピールする必要があります。

ここが登録販売者の腕の見せどころとなります。
接客は大きなチャンスとなるのです。

しかしここで言うチャンスとは「推奨品販売のチャンス」ではありません。
『固定客化』のチャンスです。

ここでお客様の需要に合わせた提案を行えると登録販売者や店舗の評価は間違いなく上がり、店舗のヘビーユーザーとなったり接客の指名を受けたりします。

『推奨品は固定客を増やすツール』なのです。

店舗の利益を増やすには

店舗の利益を増やすには

ではなぜそこまでして「利益と固定客」のために推奨品販売実績を伸ばす必要があるのか、もう少し考えてみましょう。

昨今のドラッグストア業界の伸長は凄まじいものがあり、1兆円企業の誕生も秒読み段階です。ドラッグストア業界内での合併も続いており、弱小企業は淘汰されつつあります。

よく言われる通り、これは10年前のコンビニ業界の再現なのです。
こうなると業界内で起こることは2つです。

顧客の確保

数年前までは顧客を奪い合う状況でしたが、寡占状態に近づいている状況だと「顧客の確保」が重要なキーワードとなります。

大手ドラッグストアではスマホアプリ会員獲得が盛況ですが、これも顧客確保の重要な施策です。チラシをばら撒いて不特定多数の住民にリーチする集客から、一度来店したお客様を逃がさない「確保」に変化してきています。

ここで重要なのが「アプリ」であり「推奨品」なのです。

利益の最大化

業界内が飽和状態になると、売上の天井が見えてきます。売上を伸ばそうにも頭打ちになってしまいます。業界で長く活躍されている方は数十年前の右肩上がりの実績が懐かしく思えるはずです。

企業同士で利益の奪い合いが発生すると同時に起こるのは『利益の確保』となるのですが、これには推奨品が適役なわけです。

赤字販売のNB品をPB品に替える、粗利率10%の商品から50%の推奨品に替える。
更に特徴のある推奨品に満足したお客様は店舗や接客した登録販売者のファンとなり、リピーターとなり店舗に利益をもたらす・・・という好循環が生まれます。

これが「最も幸せな店舗とお客様のカタチ」なのです。

ちなみにデータでみると、どの企業もアプリ会員や推奨品購入顧客は客単価が高くなる傾向があります。

従業員教育ツールとしての推奨品

従業員教育ツールとしての推奨品

次は内へと目を向けてみましょう。
従業員、特に登録販売者のスキルアップに推奨品は重要な役割を持っています。

推奨品が全くなかったら薬の勉強をしますか?

推奨品がなかったら勉強する人は間違いなく減ります。
勉強する方もいるでしょうが、全体では学習時間が減るのは間違いありません。

勉強にとって「義務感」は必要悪でもあります。テストがあるから勉強をするのと似ていて、推奨品があるからこそ薬の勉強をする、という方もいるはずです。

推奨品の知識をインプットする場合は次の勉強が必要になります。

  • ・推奨品の成分
  • ・成分の作用
  • ・推奨品の対抗品

ここで重要なのが、最後の「推奨品の対抗品」の勉強です。

推奨品を売るためのNB品知識

風邪薬にしろビタミン剤にしろ健康食品にしろ、全くの新機軸の商品はなかなかありません。お客様にお勧めする際の対抗品であるNB品の知識を覚えるのも登録販売者としてのスキルを磨く重要な役割となります。

風邪薬が推奨品だったら対抗品は1品ではないですよね?
有名どころのNB品は勉強する必要があるはずです。

推奨品が5つあれば数十個のNB品の商品知識が身に付いているはずです。当然その身に付いたNB品の知識の数、つまり商品数が多ければ多いほど推奨品を紹介できる機会は増えますし、販売数も相対的に増えてきます。

「この人、推奨品売るの上手だな」「なんでこんなにこの店は売れているんだろう」

それは推奨品の知識が深いのではなく、他のNB品の知識が広いのかもしれません
商品知識は「的」なのです。的が大きければ大きいほど、当たる確率が上がります。

もちろんNB品の知識が増えれば登録販売者としての商品知識の引き出しも増えるため「推奨品を販売する」という目的の勉強でNB品の知識も身に付いていきます。

推奨品の勉強は実はとってもお得な勉強なのです。

登録販売者は推奨品とどう接するべきか

登録販売者は推奨品とどう接するべきか

ここまでで「推奨品の意義」を書いてきましたが、登録販売者は推奨品とどう接するべきでしょうか。

結論としては「武器」とすべきです。

理由は前述した通り、知識が幅広く身に付くからです。
今風に言えば、勉強のコスパが非常に良いからですね。

勉強とはいえテストではないので、知識の幅をどれだけ広げるかはあなた次第なのです。
広がった知識は自身の糧となりますし、登録販売者としての社会的責務を果たす事にもつながります。

では最後に私が20年間続けている勉強法をお伝えしましょう。
...とは言っても特別な事ではありません。

「分からない事は即インプット、即アウトプット」

これに尽きます。
分からない事があったらすぐ調べ、それを活用します。

活用といっても接客だけではありません。
仲間の登録販売者やスタッフ、薬剤師、家族、友人・・・

相手は誰でもいいので頭の中に留めておかずに「言葉」として吐き出しましょう。
薬の知識は家族や友人にも喜ばれるはずです。

知識は頭に入れるだけでは定着しません。
使うことで定着していきます。相手に喜ばれることで自らの血肉となるのです。

推奨品の勉強は「お得な勉強」です。
推奨品とその対抗品、もう一度成分を見てみましょう!

ケイタ店長(登録販売者)

執筆者:ケイタ店長(登録販売者)
ドラッグストア勤務歴20年、一部上場企業2社で合計15年の店長経験を活かし、Twitterなどで登録販売者へのアドバイスや一般の方への生活改善情報の発信を行っている。Twitterフォロワー数約5,000人。

過去の記事 【現役ドラッグストア店長に学ぶ】店長の指示への対応方法<登録販売者のキャリア>
新しい記事 【指名の止まらない登録販売者を目指して】ドラッグストアで役立つズルい心理学《濫用防止コミュニケーション編》