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ドラッグストアの売り場はどう作る?登販が知っておきたい売上UPの法則

ドラッグストアの売り場はどう作る?登販が知っておきたい売上UPの法則

ドラッグストアの売り場はどう作る?登販が知っておきたい売上UPの法則

登録販売者はドラッグストアで働くうえで、医薬品に関する知識だけではなく、売り場作りの基本や売上アップにつながる知識を覚えておかなければいけません。そこで、本記事では実際にドラッグストアの現場で役立つ売り場作りのノウハウをご紹介します。

目次

ドラッグストアの売り場の基本知識

ドラッグストアの売り場の基本知識

商品ディスプレイの目的は、お客さまに商品の購入を促し、売上をアップさせることです。お客さまに「商品が探しやすい」「買い物が楽しい」「また利用したい」と思っていただける店舗を作るにはどうすればよいのでしょうか。

まずは、売り場の基本知識となる陳列の種類について解説します。

縦陳列

縦陳列は商品を見やすい幅に縦割りで陳列する方法で、「バーチカル陳列」ともいいます。店内でお買い物をするお客さまの目線は常に横に動いています。商品が縦割りに並んでいれば通路を大きく動くことなく複数の商品を比較検討することができ、お客さまに立ち止まってもらいやすくなります。ドラッグストアの場合、薬効カテゴリごとに縦陳列されていることが多いです。

お客さまの目線

かぜ薬 解熱鎮痛薬

横陳列

一方、横陳列とは、同じカテゴリや品種などの商品を横一列に並べて陳列する方法で、「ホリゾンタル陳列」ともいいます。売りたい商品のボリュームを出すことで訴求力をアップすることができます。ドラッグストアの場合、商品のブランドごとに横陳列されることが多いです。

お客さまの目線

A社のかぜ薬 B社のかぜ薬
PB(※)のかぜ薬 C社のかぜ薬
D社のかぜ薬 E社のかぜ薬
子供用のかぜ薬

※PB(プライベート・ブランド):小売店などが独自で展開するブランドの商品のこと。例えば、セブンイレブンの「セブンプレミアム」、イオンの「トップバリュ」などがそれに当たる。

アイランド陳列

アイランド陳列とは、通常壁面などに沿って配置される陳列とは異なり、什器(商品棚や台)を通路や入口付近に配置する陳列方法で、「島陳列」ともいいます。季節商品やセール商品など売りたい商品を目立たせるために使われる方法ですが、お客さまの通行の邪魔にならないように設置することが大切です。

【アイランド陳列の例】※店内を上から見た図

陳列棚

島陳列

島陳列

陳列棚

以下のような台を用意し、この上に商品を高く積みあげていきます。

アイランド陳列

ゴンドラエンド

「ゴンドラ」とは「陳列棚」のことであり、「エンド」とは「端」のことを意味します。つまり、ゴンドラエンドとは、「陳列棚の端」のことです。ゴンドラエンドはメインの通路から流れてくるお客さまの購入点数を増やすための提案の場所であり、またここに注目を集めることでメイン通路へ誘導する目的も兼ねています。どの商品を置くかによって売上を大きく左右する重要なスポットです。そのため、ドラッグストアでは定番商品ではなくその時期に需要の高まる季節商品を置くことが多いです。

【ゴンドラエンドの例】※店内を上から見た図

メインの通路

ゴンドラ
エンド

陳列棚

ゴンドラ
エンド

ゴンドラ
エンド

陳列棚

ゴンドラ
エンド

メインの通路

ジャンブル陳列

「ジャンブル」には「ごちゃ混ぜ」という意味があり、ジャンブル陳列は「投げ込み陳列」とも呼ばれます。洋服などの「ワゴンセール」をイメージするとわかりやすいかもしれません。衝動買いを誘発しやすいため主にセール商品の陳列に用いられ、ドラッグストアでは、お菓子やカップラーメン、ウェットティッシュや綿棒などの低価格商品の陳列で見られることが多いです。

ジャンブル陳列

売上UPにつながる!5つの陳列ルール

売上UPにつながる!5つの陳列ルール

次に、商品を陳列する際に考えておきたい5つのルールを解説します。

1.お客さまの動線を考える

商品陳列を考える時に大切なことは、お客さまが店内をどのように歩き回るかを想定することです。いいかえれば、お客さまに店内を一周してもらうにはどうするかを考えるということです。これは、お客さまが店内をくまなく見て回り、いろいろな商品に接する機会が増えれば、客単価のアップが見込めるからです。

例として、コンビニの導線には「ゴールデン・トライアングル」という概念があります。「ゴールデン・トライアングル」とは、売れ筋商品である飲料・お弁当・雑誌の各売り場を店内の3面に配置するもので、来店客が店内を1周することを誘導します。ドラッグストアも同じように、店内に死角を作らないことが重要です。

2.ゴールデンゾーンを考える

陳列棚の中で商品がもっとも目に入りやすく手に取りやすい場所を「ゴールデンゾーン」と呼びます。「ゴールデンゾーン」は一般的に、高さ75㎝~135cmの位置です。「ゴールデンゾーン」には、売れ筋商品や推奨品などを陳列するのがよいでしょう。

ゴールデンゾーン

160㎝の女性

ゴールデンゾーンを考える

3.商品を複数カ所で展開する

商品を購入してもらうには、お客さまに商品を見てもらう機会を増やすことが大切です。そのため、同じ商品を複数カ所に配置することで、売上アップが見込めます。とくに、売れ筋商品や推奨品の場合はこのような展開方法がおすすめです。

4.手書きPOPは効果大

手書きPOPは、そのお店の雰囲気やスタッフの人柄などを伝えることができる、コミュニケーションツールの一つです。ドラッグストアは慢性的な人手不足となっている店舗が多いため、手書きPOPに説明を肩代わりしてもらうのは効率的なアイデアです。また、手書きPOPが1つでもあると、お客さまがお店やスタッフに親しみを感じてくれ、お買い物や医薬品の相談につながるかもしれません。

ただし、近年は広告に関する薬機法のルールが厳しくなっていますので、とくに健康食品のPOPを作る際には注意が必要です。健康食品のPOPには「医薬品的な効能効果」をはっきりと書いてはいけません。会社によっては手書きPOPを推奨していない場合もありますので、会社のルールを確認してからおこないましょう。

5.天候やトレンドに合わせて展開を変更する

売り場の見栄えがずっと変わらないと、お客さまの購買意欲はどんどん落ち込んでしまいます。そのため、定期的に商品棚の陳列方法を変更する必要があります。とくにエンドで展開する商品は目立つため、季節や天候、その時のトレンドに合わせて商品展開を変更するのがおすすめです。

お客さまが買いたいと感じる売り場とは

お客さまが買いたいと感じる売り場とは

自店の売り場は自分自身が「このお店で買い物がしたい」と感じる店内になっているでしょうか。店舗側の計画も重要ですが、まずはお客さま目線になって売り場を見つめてみましょう。ここでは、お客さまが買いやすいと感じる売り場のポイントを3つ解説します。

商品が見つけやすい・手に取りやすい

どこかで買い物をするときに、店内の動線がわかりにくくて目的の商品が見つけられなかったり、売り場の整理整頓がされておらず商品が取りにくかったりして、ストレスに感じた経験は誰しもがあるのではないでしょうか。
このように、売り場作りをおこなう際は、お客さま目線で店内を眺めることが重要です。お客さまから商品の場所について何度も聞かれるような場合には、店内のレイアウトを変更する、案内板を付けるなどの工夫をおこないましょう。
また、商品の在庫補充や前出しをこまめにおこない、清潔感のあるすっきりとした売り場作りを目指しましょう。

商品棚が常に新鮮(目新しい商品がある)

前述のとおり、お客さまにリピートしていただくには、お店の新陳代謝が大切です。常に同じ商品しか置いていない店舗は、同じ商品しか売れず、売上アップを目指すことができません。さまざまな新商品を陳列しお客さまに新しい提案をすることで、購入を促します。例えば、新商品の発売に合わせてエンド什器の棚替えをおこなうなど、棚替えのタイミングをルール化しておくと効率的です。

利便性や心地よさがある

売り場作りでは、お客さまがストレスを感じずに買い物ができるかどうかという視点も重要です。例えば、「売り場にスタッフがおらず相談ができない」「レジが常に混雑している」「レジの並びがわかりにくい」などのクレームにつながりがちな問題がないかどうかを確認しましょう。
また、店内の複数カ所にカゴを置く、商品を手に持ったお客さまにはカゴをお渡しするなど、お客さまがストレスなく心地よく買い物ができるような工夫をおこないましょう。

ドラッグストアの売り場を見直す際の注意点

ドラッグストアの売り場を見直す際の注意点

実際にドラッグストアの売り場や陳列を変更する際は、以下の点に注意しておこないましょう。

スタッフへ共有する

売り場作りをおこなう際は、店舗のスタッフと目的や詳細を共有し、店舗運営に支障が出ないようにしましょう。また、スタッフにも積極的に協力してもらい、店舗作りの大切さや楽しさを感じてもらうことも大切です。

とくに、店長やベテランのスタッフでは「自分がやった方が早い」と考えてしまいがちですが、店舗全体にこのような種をまいておくことで、スタッフが売り場に関心を持って自ら整理整頓をしてくれたり、プラスのアイデアを出してくれたりすることもあります。慣れないスタッフに仕事を任せると最初は時間がかかるかもしれませんが、長期的な視点で見ると有効的な方法です。

他店の陳列も参考にする

売り場作りのアイデアが浮かばない時は、近隣の競合店舗などを訪問してみてください。商品ラインアップや売れ筋商品の違い、そしてPOPの使い方など、自店にはない陳列方法やポイントがきっと見つかるはずです。競合店舗で実際に自分が感じたよいところを積極的に導入していくのも一つの方法です。

改善後は売上の変化を確認する

売り場を変更した後は、お客さまの動線が変化して商品の売上が急に上がったり逆に下がったりしてしまうなど、何らかの変化があるはずです。改善後はかならず売上の変化について確認しましょう。その際、どうしてそのような結果になったのかという分析が重要です。成功点は継続し、改善されなかった点は原因を考え、試行錯誤を繰り返し売上アップを狙いましょう。

まとめ|売り場作りを見直して、売上UPを目指そう

売り場作りは店舗の売上に直結します。店舗のスタッフと協力し、まだ実行していないものがあれば、本記事の内容を少しずつ取り入れてみてくださいね。

執筆者:村松 早織(薬剤師・登録販売者講師)

執筆者:村松 早織(薬剤師・登録販売者講師)
株式会社東京マキア 代表取締役
登録販売者や受験生向けの講義を中心に事業を展開
twitter、YouTube等のSNSでは、のべ1万人を超えるフォロワー・チャンネル登録者に向けて、OTC医薬品についての情報発信をおこなっている。

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