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【登録販売者の接客】症状別・市販目薬のおすすめの仕方を解説!

【登録販売者の接客】症状別・市販目薬のおすすめの仕方を解説!

【登録販売者の接客】症状別・市販目薬のおすすめの仕方を解説!

目薬は非常にたくさんの種類があり、登録販売者の頭を悩ませる商品群の1つです。本コラムでは、症状別に目薬を選ぶポイントについて解説していきます。選び方は意外にシンプルなので、本コラムの内容に沿って、「自分の勧めたい目薬」をあらかじめ決めておくとスムーズですよ。

目次

目薬の接客時に登録販売者が気を付けたいポイント

目薬の接客時に登録販売者が気を付けたいポイント

目薬選びにおける重要なキーワードは、「緑内障」と「血管収縮成分」の2つです。ここではこれらの言葉を中心に、接客において注意すべきポイントについて解説します。

緑内障の目薬はOTC(一般用医薬品)にはない

緑内障の目薬を販売しているかどうかお客さまに聞かれることがありますが、緑内障の目薬は医療用医薬品であり、OTC(一般用医薬品)にはありません。もし聞かれた場合はかかりつけ医やかかりつけ薬剤師に相談するよう伝えてください。

血管収縮成分に注意

OTC(一般用医薬品)の目薬には、血管収縮成分を配合したものがたくさんあります。しかし血管収縮成分には、連用による充血症状の悪化緑内障悪化のリスクがあるため注意が必要です。そのため、血管収縮成分入りの目薬は日常使いせず、使う機会を限定するのがよいでしょう。例えば「撮影がある日」や「プロポーズの当日」など、見た目が重要な予定があるときなどに一時使用するのはよい方法です。
なお、血管収縮成分が含まれる目薬は第2類医薬品に指定されています。したがって、血管収縮成分入りの商品を手っ取り早く除外したい時は、第3類医薬品の中から選ぶとよいでしょう。ただし、「血管収縮成分の配合されていない第2類医薬品」もありますので、こちらは簡易的な判別方法になります。

受診勧奨のポイント

  1. ①緑内障を治療中の場合
    緑内障を治療中のお客さまについては、その目の不調が緑内障によるものかどうかが判断できないため、受診勧奨してください。
  2. ②急性緑内障発作の疑いがある場合
    目の痛みと頭痛、嘔吐などが急に現れた場合、閉塞隅角緑内障の急性発作の可能性があり、対処が遅れると失明の危険性があります。一刻も早く医療機関を受診するようお伝えしてください。
  3. ③ドライアイの疑いがある場合
    疲れ目やゴロゴロ感などの目の不快感が長期間継続している場合や、日常生活で手放せないほど点眼薬を使っている場合、ドライアイの可能性があります。ドライアイはただの目の乾燥感ではなく、涙の質や分泌量にかかわる「病気」です。この場合は一度薬剤師に相談していただくか、それが難しければ受診勧奨してください。

登録販売者向け!症状別、目薬の選び方

登録販売者向け!症状別、目薬の選び方

まずはお客さまに、今ある目の症状の中で一番気になる症状が何かを伺い、そちらを中心に商品を選んでいきます。ここで解説することは、以下のチャートの情報に集約されます。こちらのチャートを見ながら、具体的な症状ごとに目薬を選ぶ方法を見ていきましょう。

目の疲れ、目のかすみ

目の疲れやかすみがある時は、毛様体筋の働きを活発にし疲れ目を改善するビタミンB12や、ピント調節機能を改善するネオスチグミンメチル硫酸塩がおすすめです。

[商品例]

  • ●ソフトサンティア ひとみストレッチ
  • ✓防腐剤無添加で、すべてのタイプのコンタクトレンズを装着したまま点眼することができる
  • ✓有効成分:ビタミンB12(シアノコバラミン)、ネオスチグミンメチル硫酸塩、ビタミンB6(ピリドキシン塩酸塩)
  • ●サンテドウプラスEアルファ
  • ✓ビタミンB12とネオスチグミンメチル硫酸塩のほか、血行を促進するビタミンEなども含まれている
  • ✓有効成分:ビタミンB12(シアノコバラミン)、天然型ビタミンE(酢酸d-α-トコフェロール)、ネオスチグミンメチル硫酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、グリチルリチン酸二カリウム

目の充血

「充血には血管収縮成分」と決めつけず、充血の原因を探っていきます。原因が「目の疲れ」である場合、血管収縮成分も選択肢になりますが、その必要性についてきちんと確認してください。例えば、見た目が重要な予定が控えている場合には、血管収縮成分配合の目薬を選ぶのもよいでしょう。反対に、「日常使いしたい」というご希望がある場合、血管収縮成分が入っていない商品を選ぶようにしましょう。
次に、充血の原因が「アレルギー性結膜炎」である場合は抗ヒスタミン成分や抗アレルギー成分、充血の原因が「感染性結膜炎」の場合は抗菌成分を選ぶのがよいでしょう。なお、結膜炎の特徴は以下の通りです。黄色のネバつく目やにが出ている時は細菌性結膜炎、目がかゆくて白いさらさらした目やにが出ている時はアレルギー性結膜炎が疑われます。

[結膜炎の特徴]

主な原因 主な症状 主な治療薬





細菌性結膜炎 インフルエンザ菌、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌 充血、黄色いネバネバした目やに 抗菌成分
ウイルス性結膜炎 アデノウイルス 強い充血、涙、乳白色のクリーム状の目やに なし(細菌による二次感染を防ぐための抗菌成分や抗炎症成分が使われることがある)
アレルギー性結膜炎 花粉などのアレルゲン かゆみ、涙、充血、白くてさらさらした目やに 抗ヒスタミン成分

[商品例]

  1. ①充血の原因が「目の疲れ」の場合におすすめできる商品
    • ●スマイルホワイティエ
    • ✓充血除去成分とその働きをサポートする成分を配合し、素早く充血を除去。防腐剤無添加である
    • ✓有効成分:塩酸テトラヒドロゾリン、グリチルリチン酸二カリウム、クロルフェニラミンマレイン酸塩、ピリドキシン塩酸塩、アミノエチルスルホン酸(タウリン)
  2. ②充血の原因が「アレルギー性結膜炎」の場合におすすめできる商品
    →「目のかゆみ」の項へ
  3. ③充血の原因が「感染性結膜炎」の場合におすすめできる商品
    →「感染性結膜炎、ものもらい」の項へ

目のかゆみ

目のかゆみがある場合、抗ヒスタミン成分や抗アレルギー成分を選ぶとよいでしょう。

[商品例]

  • ●マリンアイALG
  • ✓抗アレルギー成分、抗ヒスタミン成分、抗炎症成分のトリプル処方。低価格であることが特徴である
  • ✓有効成分:クロモグリク酸ナトリウム、クロルフェニラミンマレイン酸塩、グリチルリチン酸二カリウム
  • ●マイティアアイテクトアルピタットN
  • ✓抗炎症成分「プラノプロフェン」配合。ただし授乳中・妊娠中は使用不可なので注意
  • ✓有効成分:クロモグリク酸ナトリウム、クロルフェニラミンマレイン酸塩、プラノプロフェン

目の乾き

目の乾きには、人工涙液ヒアルロン酸が選択肢になります。なお、ヒアルロン酸の目薬は要指導医薬品であるため、薬剤師による対面での情報提供と指導が必要です。

[商品例]

  • ●ソフトサンティア
  • ✓すべてのタイプのコンタクトレンズに使用できる。防腐剤無添加
  • ✓有効成分:塩化カリウム、塩化ナトリウム
  • ●ヒアレインS
  • ✓高い保水機能を持つ「ヒアルロン酸ナトリウム」が目にうるおいを与える
  • ✓有効成分:ヒアルロン酸ナトリウム

感染性結膜炎、ものもらい

感染性結膜炎やものもらいが疑われる場合、抗菌成分を選ぶのがよいでしょう。抗菌目薬は頻繁に使うタイプの商品ではないため、使いきりのものがおすすめです。

[商品例]

  • ●抗菌アイリス使いきり
  • ✓使いきりの包装であるため、清潔な状態で必要時のみ使うことができる
  • ✓有効成分:スルファメトキサゾール、グリチルリチン酸ニカリウム、イプシロン-アミノカプロン酸、ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)

登録販売者による実際のお客さま対応、目薬の接客事例

登録販売者による実際のお客さま対応、目薬の接客事例

皆さまは次のお客さまに対して、どのような商品を選びますか?ぜひ考えてみてくださいね。

【事例】
50代男性。疲れ目による充血が気になっており、「即効性のある商品がほしい」と言っている。
緑内障と診断されたことはない。

【対応例】
即効性のある商品をご所望であるため、血管収縮成分配合のものを勧めたくなりますが、お客さまの年齢に着目してください。お客さまの年齢は50代ですが、緑内障は40歳ごろから有病率が増え、病気の自覚がなく、受診していない人が9割を占めるというデータがあります。したがって、「緑内障と診断されたことはない」とおっしゃっている根拠が、定期健診などによるものなのかを確認する必要があります。これが単なる自己判断の場合、本人の自覚のないまま緑内障を患っている可能性もあるため、血管収縮成分の含まれていない疲れ目用の商品(ソフトサンティア ひとみストレッチなど)を選びます。OTC(一般用医薬品)の対応をする時は、このような隠れたリスクも考慮する必要があります。

参考:日本緑内障学会「報告 緑内障疫学調査」

まとめ|登録販売者の目薬選びでは、症状ごとに商品をピックアップしておくとスムーズ

目薬を選ぶときは、症状から絞っていくのがもっとも簡単な方法です。店舗で取り扱っている目薬がたくさんあって迷ってしまう場合、「この症状にはコレ」というふうに、あらかじめ症状ごとに勧めたい商品をピックアップしておくとスムーズに対応できますよ。ぜひ実践してみてくださいね。

執筆者:村松 早織(薬剤師・登録販売者講師)

執筆者:村松 早織(薬剤師・登録販売者講師)
株式会社東京マキア 代表取締役
登録販売者や受験生向けの講義を中心に事業を展開
X(旧:Twitter)、YouTube等のSNSでは、のべ1万人を超えるフォロワー・チャンネル登録者に向けて、OTC(一般用医薬品)についての情報発信をおこなっている。

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