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【登販の接客】抗不安薬をお求めのお客さまへの接客方法と市販薬の選び方を解説!

【登販の接客】抗不安薬をお求めのお客さまへの接客方法と市販薬の選び方を解説!

【登販の接客】抗不安薬をお求めのお客さまへの接客方法と市販薬の選び方を解説!

こんにちは、登録販売者転職のアポプラス登販ナビライターチームです。

現代社会は、科学技術の発展により、便利で快適になる一方で、時代の流れが早く「ストレス社会」とも言われています。
高齢化、SNSをはじめとした情報社会、新型コロナウイルス感染症による日常生活・労働環境の変化など、日々さまざまなストレスに晒されて生活をしています。その他にも、結婚や出産、引越しなどのストレスから精神的不調が問題となっています。
こちらでは、精神的不調の際に使用される「抗不安薬」について、登録販売者の立場での接客方法と市販薬の選び方について解説します。

目次

【登録販売者は要チェック!】そもそも抗不安薬とは?

【登録販売者は要チェック!】そもそも抗不安薬とは?

抗不安薬とは、精神安定剤とも呼ばれており、不安やイライラを軽減させたり、解消するための医薬品です。
神経症やうつ病、統合失調症による不安、緊張や睡眠障害の改善や緩和に使用します。
副作用としてよく見られる症状は、眠気やふらつきです。
抗不安薬を睡眠薬として処方される場合もありますが、依存性もあるため問題になるケースも少なくありません。

適切な服用をしなければ、改善どころか症状の悪化も考えられるので注意が必要な医薬品の一つです。

効果が高い医薬品は医師の処方箋が必要

抗不安薬や精神安定剤として販売されている市販薬はなく、必要な場合は医師の診断のもと処方してもらう方法しかありません。
しかし、処方薬ほど効果は高くありませんが、市販薬でも不安やイライラなどを落ち着かせる医薬品のご案内は可能です。

【抗不安薬の市販】効果はどんなものがある?

【抗不安薬の市販】効果はどんなものがある?

ひとまとめに抗不安薬といってもさまざまです。ここからは3つの抗不安薬について解説します。

●睡眠改善薬
睡眠改善薬は、かぜ薬や花粉症薬に含まれる鼻水やくしゃみを引き起こすヒスタミンを抑える抗ヒスタミンを用いる場合が多くあります。
抗ヒスタミンは眠気を引き起こすため、かぜ薬や花粉症薬では副作用としてあげられますが、その副作用を利用したものが睡眠改善薬として使われています。

●鎮静剤
鎮静剤は、不安やイライラを抑えるブロバレリン尿素や植物由来の生薬で作られた医薬品がほとんどです。
ちょっとしたイライラや不安を落ち着けたい方には、始めやすい医薬品です。

●漢方薬
抗不安薬と似たような効果を求める方におすすめの漢方薬は、「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」、「加味帰脾湯(かみきひとう)」、「抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)」、「柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅこうぼれいとう)」の4つがあります。

「半夏厚朴湯」は気分がふさぎ、喉に違和感がある方に、「加味帰脾湯」は眠りが浅く、疲れやすい方の不眠や不安に、「抑肝散加陳皮半夏」ストレスからくるイライラや気分が鎮まらず落ち着かない方に、「柴胡加竜骨牡蛎湯」はストレスでのイライラや不眠の方におすすめです。

懸念される副作用は?

抗不安薬で懸念される副作用は、眠気やだるさ、そして一番注意が必要なのが「依存」です。
依存性は薬の種類、量、期間によっても様々ですが、長期間の服用により依存症状が生じる場合があります。依存症状には、抗不安薬を服用しないと不安を感じたり、決められた服用量では効果を感じられなくなったりします。
効果を感じられなくなり、決められた服用量を超えた量を医師に相談せず独断で服用すると「依存」のリスクだけでなく、他の副作用のリスクも高くなるため、注意が必要です。

参考:e-ヘルスネット「精神安定剤 / 抗不安薬」

【抗不安薬】登録販売者がおさえておきたい接客のポイントは5つ

【抗不安薬】登録販売者がおさえておきたい接客のポイントは5つ

抗不安薬をお求めの方は、イライラしていたり不安を感じていたりするため、接客をする際は、慎重に対応する必要があります。よりよい接客をするためのポイントを5つご紹介いたします。

お客さまの話を丁寧に聞く

精神が不安定になっている人は、対人関係や状況に応じて行動することが苦手である場合が多いです。早口や大きな声で対応してしまうと、お客さまはより不安を感じ、伝えたい内容を聞き出せない可能性があります。
お客さまとコミュニケーションをとる際は、声量は大きすぎず、ゆっくりと話すと不安を軽減できるでしょう。

抗不安薬をお求めのお客さまに限らず、来店するお客さまの中には、症状を解決したいだけではなく、話を聞いてほしくて相談されに来る方もいらっしゃいます。その場合は、お客さまの話を丁寧に伺い、相手の気持ちを汲み取るとよいでしょう。

今飲んでいる薬を確認する

登録販売者として接客をする際、服用中の薬の確認は必須です。飲み合わせによっては、服用中の薬の効果を増強させたり、減弱させたりしてしまうため、命の危険につながる可能性が考えられます。
接客で薬やサプリメントなどを勧める際は、服用中の薬の確認は忘れないようにしてください。

場合によっては受診をすすめる

登録販売者に相談される方の中には、抗不安薬でなければ改善されない方や、複数の医薬品を服用中で、登録販売者では判断しきれない場合もあります。

たとえば、ドラッグストアで販売されている睡眠導入剤は、「2~3回服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し、医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。」と記載があります。長期間の服用は避けなければならないので、大量購入や過去に服用して改善されなかった場合は、無理に販売につなげるのではなく、病院への受診をすすめましょう。

抗不安薬以外での対策を提案する

イライラや不安、不眠の症状を改善・緩和させる方法は医薬品だけではありません。

ストレスによるイライラや不安は、十分な睡眠の確保や散歩、ストレッチなどの運動も効果的です。ストレスを一人で抱えてしまう方なら、誰かに話を聞いてもらうだけで解消できる場合もあります。
食べることが好きな方なら、好きなものを食べたり、お風呂に入浴剤やアロマオイルを入れたりしてリラックスするのもおすすめです。

不眠で悩んでいる方は、寝る前のスマホ作業、カフェインの摂取、寝酒は避けるようにし、睡眠の質が悪くならないようにしましょう。
睡眠ホルモンといわれている「メラトニン」は、トリプトファンという成分から合成されます。このトリプトファンは肉類や青魚、乳製品、大豆、バナナ、玄米などに含まれているので、積極的に摂取をすると睡眠の向上につながります。

否定的な言葉を使わない

精神的不調で悩んでいるお客さまには、否定的な言葉はやめましょう。

否定的な言葉を使用すると、追いつめてしまったり、お客さまが自分自身を責めてしまったりする原因になりえます。まずはお客さまの話をよく聞き、何を求めているのかを理解してから、複数の選択肢を提案し、最終的な選択はお客さまにゆだねるといいでしょう。

実際のケースを想定して抗不安薬の接客例文を紹介

実際のケースを想定して抗不安薬の接客例文を紹介

実際に抗不安薬をお求めのお客さまが来店された場合、どのような接客をすればよいか具体例をご紹介いたします。

育児の不安で眠れない方向け

【お客さま情報】
20代女性
職業 販売業(パートタイマー)
現病歴 なし
服用中の薬 なし
症状 初めての育児に毎日不安を感じ眠れない

【接客例】

(お客さま)
すみません。不眠に抗不安薬がいいと聞いたのですが、どこにありますか?

(登録販売者)
申し訳ありません。抗不安薬は病院でしか処方ができないため、取り扱いがありません。不眠でお困りでしたら、睡眠改善薬という薬の取り扱いがあります。

(お客さま)
睡眠改善薬とは、どのような薬ですか?

(登録販売者)
風邪薬や花粉症の薬に含まれる、ジフェンヒドラミン塩酸塩という成分があります。この成分はくしゃみや鼻水の症状を抑えますが、眠気や鎮静などの副作用があります。その副作用を利用したものが睡眠改善薬です。

(お客さま)
では、こちらを購入したいです。

(登録販売者)
ありがとうございます。ちなみに、現在服用されている薬や妊娠・授乳中ではありませんか?

(お客さま)
はい。とくに薬は飲んでいません。授乳も最近卒乳しました。

(登録販売者)
でしたら、服用していただいて大丈夫です。風邪薬や花粉症の薬とは成分が重複してしまうことがあるので、併用はしないでください。

(お客さま)
わかりました。

(登録販売者)
睡眠改善薬を2~3回服用して症状が改善されない場合は、医療機関へ受診なさってください。

仕事のストレスで抗不安剤を希望する方向け

【お客さま情報】
30代男性
職業 営業職
現病歴 片頭痛
服用中の薬 鎮痛剤
症状 仕事のノルマや人間関係でストレスを感じ、毎日イライラと不安で気持ちが落ち着かない

【接客例】

(お客さま)
すみません。

(登録販売者)
はい。どうされましたか?

(お客さま)
仕事でのストレスがひどくて抗不安薬を探しています。以前病院でもらっていたのですが、仕事が忙しくて病院にいけないので、ドラッグストアに探しに来ました。

(登録販売者)
申し訳ございません。ドラッグストアでは、抗不安薬を取り扱うことができないのですよ。イライラや気持ちを落ち着かせる漢方薬は取り扱いがありますが、病院で抗不安薬を処方されていたとのことでしたら、以前服用していた薬に比べると効果はわかりにくいかと思います。

(お客さま)
仕事も忙しくて、病院に行かずドラッグストアでなんとかできればと思ったのですが...

(登録販売者)
病院へ受診をするのは、大変だとは思いますが、市販薬よりも早くそして改善できる可能性も高いので、病院への受診をおすすめします。

(お客さま)
わかりました。時間を作って病院に行ってみます。ありがとうございます。

まとめ|登録販売者は抗不安薬の情報を正しく伝えてお客さまを適切にサポートしよう

お客さまから抗不安薬についてのご相談をされたときは、まず取り扱いがないことを伝えることが大切です。
ドラッグストアや薬局に抗不安薬があると思い来店されるお客さまもいらっしゃいます。
市販薬や市販薬以外での症状の改善方法を複数提案して、お客さまが一番納得できるサポートをおこなってください。
そして登録販売者で対応しきれない内容の場合は、無理はせず、医療機関への受診をすすめましょう。

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