登録販売者が退職時に注意するのはこの2点!販売従事登録証と実務従事証明書
登録販売者が退職時に注意するのはこの2点!販売従事登録証と実務従事証明書
会社を退職する際にはさまざまな手続きが必要です。この記事では、登録販売者が退職時に注意すべきポイントと円満に退職するための流れについて解説しています。転職・退職を考えている人は参考にしてください。
【目次】
- ・スムーズに退職するなら、約2ヵ月前から上司へ相談
- ・退職の流れ
- ・重要ポイント①販売従事登録証は必ず返却してもらう
- ・重要ポイント②実務従事証明書(業務従事証明書)を発行してもらう
- ・退職後、しばらく転職活動しない場合
- ・まとめ|円満に退職するために、販売従事登録証と実務従事証明書の2点の確認は忘れずに
スムーズに退職するなら、約2ヵ月前から上司へ相談
退職を申し出る前に確認しておきたいのが、就業規則や雇用契約書です。ここに「〇日前までに退職を申し出ること」と記載があれば、それに従わなければなりません。一般的には「退職の申し出の期間」は1ヵ月前までと定められていることが多いですが、実際には引継ぎやさまざまな手続きがあるため、退職までに1ヵ月半~2ヵ月ほどかかることもあります。よって、スムーズに退職することを考えると、約2ヵ月前から直属の上司に相談するのがよいでしょう。
退職の流れ
まずは、退職の流れについて確認しましょう。
退職に向けて
まずは、直属の上司との話し合いで退職日を決定します。退職前に有給を消化したい場合は、その旨も上司に伝えます。有給休暇が終わると同時に退職となるため、上司と相談のうえ具体的なスケジュールを決めましょう。
民法では退職日の2週間前までに退職届を提出する必要があると記載されていますが、就業規則に記載があればそれに従います。
また、お世話になった方々に挨拶をしたいという場合もありますよね。ドラッグストアなどではスタッフの数が多く出勤日がなかなか重ならない人もいますので、早めに動くようにしましょう。
退職日当日
会社へ返却するもの
退職日当日に会社に返却するものには、以下のようなものがあります。
1
健康保険被保険者証
健康保険には会社を通じて加入しているため、退職と同時に健康保険被保険者証を返却する必要があります。
2
制服一式
制服の返却方法については、特に指示がなければ、クリーニングに出してから返却するのが一般的です。
3
名札、社員証、IDカードなど
会社の社員であることを証明する名札や身分証明書、IDカードなどはすべて返却します。また、名刺を支給されている場合、名刺も返却します。
4
通勤定期券
通勤定期券は、原則返却する必要があります。会社によっては、自分で払い戻しをするよう指示されるケースもありますので、まずはルールを確認しましょう。
5
各種キーや機密情報を含む資料
仕事で使用した書類は、決して持ち帰らずに会社に返却(不要であれば廃棄)します。社内システムのパスワードが書かれた資料や社外秘のデータなどが私用パソコン・USBに残っていないかも必ず確認しましょう。
会社から受け取るもの
1
雇用保険被保険者証
退職時には、雇用保険被保険者証を渡されます。もしかしたら今まで雇用保険被保険者証の実物を見たことのない人がたくさんいるかもしれません。これは、会社が雇用保険の加入手続きをおこない、そのまま保管しているケースが多いからです。ただし、雇用保険は全員が加入しているものではなく、未加入のスタッフには雇用保険被保険者証が返却されません。雇用契約について不明点がある場合は上司や担当部署に確認しましょう。
2
年金手帳
公的年金の加入者であることを証明する年金手帳も会社で保管されているケースが多いため、退職時に受け取りましょう。もし返却されなければ、自分の手元を確認します。
3
健康保険資格喪失証明書
健康保険資格喪失証明書は、退職者が会社の健康保険を喪失したことを証明する書類です。会社が手続きするタイミングによって受け取りが退職日よりも後になることもありますが、新たな健康保険への加入や失業給付金の受け取りに必要なため、忘れずに受け取りましょう。
4
販売従事登録証
販売従事登録証は、登録販売者であることを証明する書類です。この書類は会社によって保管の仕方が異なり、会社で保管されている場合と個人で保管している場合があります。会社で保管されている場合は、返却してもらう必要があります。
重要ポイント①販売従事登録証は必ず返却してもらう
登録販売者が退職する際には、一般的な会社員の退職時と異なる手続きがあります。それがこの「販売従事登録証」です。
販売従事登録証とは
登録販売者試験に合格した後、登録販売者として働くためには、勤務先の都道府県で販売従事登録をおこなわなければなりません。そして、販売従事登録後に販売従事登録証が交付されます。
こんなトラブルに注意
会社によっては、販売従事登録を終えた後、そのまま販売従事登録証の原本を会社で保管するケースがあります。そのため、まれに販売従事登録証を会社から返却してもらえない、会社側が紛失してしまったなどのトラブルがあるようです。
そもそも法律上、販売従事登録証を必ず勤務先で保管しなくてはならないというルールはなく、行政手続きの便宜上、企業が預かっている場合が多いようです。販売従事登録証は転職先へ提出する必要があります。退職時には会社にきちんと事情を伝え、必ず返却してもらうようにしましょう。
なお、万が一、販売従事登録証を紛失してしまっても、再発行は可能です。
重要ポイント②実務従事証明書(業務従事証明書)を発行してもらう
実務従事証明書(業務従事証明書)とは
退職の際には、実務従事証明書や業務従事証明書を会社に発行してもらう必要があります。この2つの違いは、以下の通りです。
会社へ発行を依頼する必要がある
実務従事証明書や業務従事証明書は、転職の際、自分の実務・業務経験を証明するための重要な書類です。もし実務従事証明書・業務従事証明書が発行されなければ、これまでの実績を証明することができず、キャリアや転職に大きく影響してしまいます。また、自ら会社へ発行依頼しないと手に入らないため、タイミングを見て会社へ依頼しましょう。書式は都道府県によって異なり、企業によっては勤務状況報告書を求められる場合もあります。
退職後、しばらく転職活動しない場合
登録販売者の資格は失効しない
登録販売者の資格には有効期限がなく、一度取得すると一生有効な資格です。また、外部研修の受講は、「登録販売者を雇用している企業」に課せられた義務ですので、登録販売者として勤務しない間は受けなくても問題ありません。登録販売者はブランクがあっても再就職可能な資格です。自分のキャリアプランと相談しながら、慎重に職場を選択しましょう。
保険・年金・税金の手続きを
企業に勤務している場合とそうでない場合では、加入する保険や年金の種類が異なります。また、企業に勤務している間は所得税や住民税などが給与から天引きされるため、退職後には税金に関する手続きが必要になります。退職日によって日割りで返金されるものとされないものがあるため、人事担当者に相談するとよいでしょう。
また、失業手当(保険)を申請する場合は、離職票など新たに必要な書類が増えますので、同様に人事担当者へ申請します。
転職は計画的におこなおう
以上のように、転職にはさまざまな手続きがあるため、計画的におこなうことが大切です。転職を計画する際はしっかりとその後のプランを立ててから実行に移しましょう。
まとめ|円満に退職するために、販売従事登録証と実務従事証明書の2点の確認は忘れずに
登録販売者の退職において特にトラブルが多いのが、販売従事登録証と実務従事証明書の2点です。円満に退職してスムーズに転職するためにも、必ずこれらの資料の確認をおこなってください。
執筆者:村松 早織(薬剤師・登録販売者講師)
株式会社東京マキア 代表取締役
登録販売者や受験生向けの講義を中心に事業を展開
twitter、YouTube等のSNSでは、のべ1万人を超えるフォロワー・チャンネル登録者に向けて、OTC医薬品についての情報発信を行っている。
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