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業界コラム 基礎知識

【登販向け】ドラッグストアの業界研究を解説!各社の強みを知って比較しよう

【登販向け】ドラッグストアの業界研究を解説!各社の強みを知って比較しよう

【登販向け】ドラッグストアの業界研究を解説!各社の強みを知って比較しよう

転職しようと思い立った時、「業界研究」をおこなうことはとても大切です。「業界研究」とは、業界の特徴や仕事内容、雇用状況などを調査すること。本コラムでは、転職を考えている登録販売者の方向けにドラッグストアの業界研究の具体的な方法について解説します。

目次

業界分析とは? 登録販売者の転職に役立つ分析のやり方

業界分析とは? 登録販売者の転職に役立つ分析のやり方

まず、業界分析とはなにか、どのような目的でおこなうのかなど基礎知識について知っておきましょう。

業界分析の目的

登録販売者にとっての業界分析は、志望する業界によっても異なります。ドラッグストアをはじめスーパーやコンビニエンスストアなども対象となるでしょう。自身の転職希望先に合わせて、その業界を取り巻く情勢を把握しておくことは転職を有利に進めるにあたりとても重要です。

業界動向を知る

業界分析をおこなうときは、業界の動向を知ることがとても大切です。業界動向の要素には、例えば「業界の将来性・成長度」や「業界の安定性」などがあります。ドラッグストア業界の場合、具体的には以下の内容が挙げられます。

業界動向の要素
調査すべきもの
業界の将来性・成長度
業界・会社の伸びしろ、売上高、給与額、社員数、新規出店の頻度など
業界の安定性
その業界・会社が社会的価値のある取り組みをしているか、社員の定着率、労働環境、福利厚生など

これらの要素は自分自身のキャリアプランにも大きな影響を与えるため、適切に把握しておくようにしましょう。

業界における自分の立ち位置を知る

業界分析は、具体的な仕事内容や収入などについて知る機会になります。したがって、業界分析をおこなうことで、「自分の今の仕事内容や労働環境、給料などが適正かどうか」といった業界内での自分の立ち位置を把握することができます。つまり、転職先の業界を研究することは登録販売者の転職活動に欠かせないものなのです。

登販必見!ドラッグストア業界の分析方法「PEST分析」

業界分析にはさまざまな方法がありますが、ここではまず「PEST分析」をご紹介します。

PEST分析とは

PEST分析とは、「政治(Politics)」、「経済(Economy)」、「社会(Society)」、「技術(Technology)」の4つの観点から、会社を取り巻く外部環境を分析する方法です。
PEST分析の解説後にSWOT分析についても紹介しますが、この2つの分析手法の大きな違いとしては、PEST分析はマクロ環境分析であり、SWOT分析はミクロ環境分析であることです。「マクロ」は大規模な物事を示す言葉、「ミクロ」は小規模な物事を示す言葉です。つまり、マクロ環境分析とは、会社がコントロールできない「世の中の大きな変化」による影響を分析することであり、ミクロ環境分析とは、会社の事業活動により一部コントロール可能な「周辺環境」を分析することです。

PEST分析をおこなうメリット

PEST分析をおこなうことで、企業単体ではコントロールすることができない政治や経済の変化などが、企業にどのような影響を与えるかを把握することができます。つまり、PEST分析は長期的な市場の変化や将来性を予測する指標となります。

PEST分析のフレームワーク(4つの要素)

PEST分析の4つの要素の詳細は、以下の通りです。

P
政治的要因
法律や法改正、規制緩和、税制の改正、政権交代など
E
経済的要因
景気、経済成長、物価、為替変動など
S
社会的要因
少子高齢化、人口動態、流行、ライフスタイルの変化など
T
技術的要因
ITの普及、インフラ(必要不可欠な施設やサービス、仕組みなど)の発展など

業界環境

Politics
 政治的要因
法改正、
減税・増税など

Economy
 経済的要因
景気、
物価など

Society
 社会的要因
少子高齢化、ライフ
スタイルの変化など

Technology
 技術的要因
ITの普及、
インフラなど

PEST分析例~ドラッグストア業界~

例として、登録販売者に志望者が多いドラッグストア業界でPEST分析をおこなってみましょう。PEST分析は以下の手順で進めます。

1. 情報収集
まずは情報収集をおこないます。情報収集は、さまざまな視点から正確でタイムリーな情報を集めるのがよいでしょう。

2. 情報の分類と事実・主観の区別
集めた情報をPESTのいずれかに分類していきます。以下は、実際に分類した場合の例です。併せて、これらの情報が「事実」にあたるのか、「主観」にあたるのかも考えていきましょう。ここでは例として、「事実」にピンク色の線を、「主観」に水色の線を引いています。

【2023年以降のドラックストア業界を想定したPEST分析】

P
政治的要因
健康日本21の推進、新型コロナウイルス感染症の分類変更、登録販売者の管理者要件の緩和、市販薬濫用に関する規制強化
E
経済的要因
物価上昇、健康食品市場の拡大
S
社会的要因
少子高齢化、新型コロナウイルス感染症の分類変更によるライフスタイルの変化、訪日客の増加
T
技術的要因
ITの普及、スマホアプリ・LINEの利用増

3. 機会・脅威の区別
ここでは、上記の中から「事実」に当たるもののみを抜き出し、各項目について会社への影響を考えます。具体的には、各項目が会社への「機会(チャンス)」なのか、それとも「脅威(ピンチ)」なのかを分類します。

機会(チャンス)
1. 健康日本21の推進
2. 新型コロナウイルス感染症の分類変更
3. 登録販売者の管理者要件の緩和
4. 健康食品市場の拡大
5. 少子高齢化
6. 新型コロナウイルス感染症の分類変更によるライフスタイルの変化
7. 訪日客の増加
脅威(ピンチ)
8. 市販薬濫用に関する規制強化
9. 物価上昇

そして、「脅威」に分類された項目については、「機会」に変えられないかを考えます。

4. 緊急性・重要度による優先順位の決定
最後に、これらの「機会」と「脅威」の緊急性や重要度を踏まえ、対応するための優先順位を決定します。例えば、上記の表の中で、赤字で示した2、6、7は新型コロナウイルスに関わる項目であり、いつ変化が起こるかわからない項目です。したがって、これらの項目を重要視して今後の施策を考えてしまうと、感染症の動向に何か変化が起こった時に、新しい脅威にさらされてしまうことが考えられます。

このように、PEST分析をおこなうことで会社(業界)を取り巻く外部環境を把握することが可能であり、登録販売者の転職に重要な業界の将来性や成長度合いなどを客観的に分析することができます。

登販必見!ドラッグストア企業の分析方法「SWOT分析」

登販必見!ドラッグストア企業の分析方法「SWOT分析」

次に、「SWOT分析」をご紹介します。

SWOT分析とは

SWOT分析とは、会社の内部環境の「Strength(強み)」、「Weakness(弱み)」と、外部環境の「Opportunity(機会)」、「Threat(脅威)」の4つの要素に分けて分析することで、会社の現状を把握することができる手法です。

SWOT分析をおこなうメリット

SWOT分析では、会社の強みや弱み、会社を取り巻く機会や脅威について客観的に把握することができます。つまり、業界や企業独自の長所や短所、将来の展望などを知ることができるため、志望業界や志望企業を適切に絞り込むことが可能となります。

SWOT分析のフレームワーク

SWOT分析をおこなう時は、以下の情報を集めます。

Strength
強み
その会社の長所、優れた面など
例:資本力、新規出店、高い給料、福利厚生、接客マニュアルの充実 など
Weakness
弱み
その会社の短所、苦手な面など
例:人材不足、24時間営業の店舗を増やしていること など
Opportunity
機会
プラスに働く外的要因
例:新型コロナによる医薬品市場の拡大 など
Threat
脅威
マイナスに働く外的要因
例:市販薬濫用に関する規制強化 など
プラスの要因
マイナスの要因
内部環境
S
強み
W
弱み
外部環境
O
機会
T
脅威

クロスSWOT分析で仮説をたてる

クロスSWOTとは、SWOT分析を応用した分析方法です。SWOT分析は市場分析に優れた方法ですが、その結果に基づいてクロスSWOT分析をおこなうと、より具体的な「会社の課題・戦略」を洗い出しやすくなります。クロスSWOTのマトリクスは以下の通りです。

内部環境
強み
 Strength
弱み
 Weakness
外部環境 機会
 Opportunity
機会×強み
強みを活かして機会を活かす
機会×弱み
弱みにより機会を逃さない
脅威
 Threat
脅威×強み
強みを活かして脅威を切り抜ける
脅威×弱み
最悪の事態を回避する

このように分類していくと、「攻め」と「守り」の部分が明確になり、会社の戦略や方向性を客観的に把握することができます。

例えば、先述した「SWOT分析のフレームワークの例」を使ってクロスSWOTをおこなうと、以下のようになります。わかりやすくするため、プラスの要因にはピンク色の線を、マイナスの要因には青色の線を引いています。

内部環境
強み
 Strength
弱み
 Weakness
外部環境 機会
 Opportunity
医薬品市場の拡大による売り上げ増により、従業員の待遇が担保される 医薬品市場の拡大による売り上げ増により、人材不足の店舗での労働環境が懸念される
脅威
 Threat
市販薬濫用に関する規制強化に対し、接客マニュアルが充実しているため、勤務に支障が出にくい 市販薬濫用に関する規制強化によりお客さまへの対応時間が増えているが、人材不足の店舗への配属で困る可能性がある

業界分析や企業分析を登録販売者の転職活動にどう活かす?

業界分析や企業分析を登録販売者の転職活動にどう活かす?

本コラムでは、2つの企業分析方法をご紹介しましたが、これらの方法により、登録販売者にとって将来性のある企業を見極めたり、企業の戦略を把握することができます。また、「どのような会社に勤めたいか?」といった自分の求める条件が明確になり、志望動機などをより明確かつ具体的にまとめることができるようになるでしょう。

また、転職が成功したかどうかは入社後、実際に働いてからでなければ判断できません。入社後のミスマッチを少なくするためには、企業研究や業界研究を事前にしっかりとおこなうことが大切なのです。

まとめ|登録販売者は業界・企業分析をおこない自分に合う職場を見つけよう

業界・企業分析を適切におこなうことで、転職活動の際、「どのような企業に勤めたいのか?」「どのような条件で働きたいのか?」という点で、迷いが生じにくくなります。本コラムの内容を活用して、自分の理想に近い転職先を引き寄せてくださいね。

執筆者:村松 早織(薬剤師・登録販売者講師)

執筆者:村松 早織(薬剤師・登録販売者講師)
株式会社東京マキア 代表取締役
登録販売者や受験生向けの講義を中心に事業を展開
twitter、YouTube等のSNSでは、のべ1万人を超えるフォロワー・チャンネル登録者に向けて、OTC医薬品についての情報発信を行っている。

過去の記事 登録販売者の転職時期はいつがベスト?経験年数や業種別に解説
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