登録販売者の継続的研修(外部研修)を受けないと、どうなるの!?
令和4年4月1日の省令改正により、登録販売者の継続的研修が義務化されました。さらに、令和6年4月10日には、継続的研修の実施要領が一部改正されています。この記事では、令和6年の省令改正の内容のほか、継続的研修を受けなかった場合のペナルティの有無や、継続的研修を受けるべき理由について解説します。
目次
- ・登録販売者の継続的研修(外部研修)について
- ・厚生労働省が示す継続的研修の位置づけとガイドライン
- ・登録販売者の継続的研修(外部研修)は義務?努力義務?法的根拠を解説
- ・登録販売者の継続的研修(外部研修)を受けなかった場合
- ・登録販売者の継続的研修(外部研修)は受けたほうがよい理由
- ・登録販売者の継続的研修(外部研修)をおこなっている機関
- ・継続的研修(外部研修)をお得に受講するには
- ・登録販売者の継続的研修についてよくある質問
- ・まとめ|継続的研修(外部研修)は受けなくても資格は失効しないが、受けるメリットはある
登録販売者の継続的研修(外部研修)について
まずは、継続的研修の目的や研修内容、受講の流れなど、継続的研修に関する基本的な情報について解説します。
目的
継続的研修の目的は、登録販売者の資質向上です。登録販売者に求められている資質とは、次の通りです。
- ● 購入者に対して常に科学的根拠に基づき適切な情報提供をおこなうこと
- ● 必要に応じて医療機関の受診勧奨や医薬品を使わない方法での対処を勧めること
- ● 副作用報告義務の観点から、購入者の医薬品の使用状況などを把握すること
- ● セルフメディケーションの推進
内容
研修実施機関は、次に掲げる事項について研修内容に含めることとされています。
- (ア)医薬品に共通する特性と基本的な知識
- (イ)人体の働きと医薬品
- (ウ)主な一般用医薬品とその作用
- (エ)薬事に関する法規と制度
- (オ)一般用医薬品の適正使用と安全対策
- (カ)リスク区分等の変更があった医薬品
- (キ)店舗の管理及び区域の管理に関する事項
- (ク)その他登録販売者として求められる理念、倫理、関連法規等
なお、「(キ)店舗の管理及び区域の管理に関する事項」は令和4年3月の省令改正により追加されました。これは近年の管理者要件の緩和を考慮して、管理者として必要な能力を身につける目的で追加されたものと考えられます。
参考:厚生労働省「『登録販売者に対する研修の実施要領』の一部改正について」
省令改正の内容と受講の流れ
これまで、継続的研修は講義(集合研修)形式が基本であり、遠隔講座、オンライン研修等をおこなう場合は、講義(集合研修)と組み合わせておこなうこととされていました。しかし、令和6年4月の省令改正で、継続的研修の実施方法が一部変更となりました。その内容は以下の通りです。
- <継続的研修の形式>
- 対面形式の講義(集合研修)、遠隔講座、オンライン研修等のいずれの方法で実施しても差し支えないが、一定の基準以上の研修を実施するため、講義(集合研修)以外の方法で実施する場合は、講義(集合研修)と同等程度に受講者の研修状況や理解度を確認できる必要があること。
つまり、必ずしも集合研修の形式で実施する必要がなくなり、遠隔講座やオンライン研修で実施してもよいことになりました。しかし、その場合であっても、集合研修と同じように受講者の研修状況・理解度を確認できる必要があります。
この改正の背景として、コロナ禍において集合研修が実施できなくなったことが関係していると推測されます。
研修時間について
研修時間についても、以前は「集合研修が6時間+遠隔講座・オンライン研修が6時間」というパターンが一般的でしたが、令和6年の省令改正後は、「遠隔講座・オンライン研修のみで12時間」といったパターンも可能になりました。
受講の流れ
一般的な受講の流れは、以下の通りです。研修実施機関によって、研修実施日や支払い方法が異なるため、あらかじめ確認するようにしましょう。
- 1. 継続的研修を申し込み、研修費用を支払う
- 2. 集合研修やeラーニングを受講する
- 3. 「継続的研修受講修了証」を発行する
なお、継続的研修は、アポプラスキャリアでも実施しています。
登録販売者の外部研修とは
登録販売者の継続的研修(外部研修)は義務?努力義務?法的根拠を解説
登録販売者の継続的研修(外部研修)は、義務なのか努力義務なのか迷う方も多いのではないでしょうか。ここでは法的根拠とあわせて、その位置づけをわかりやすく解説します。
厚生労働省の研修要領が示す法的根拠
登録販売者の継続的研修は、薬局や店舗販売業者など「開設者・事業者」に義務づけられた制度です。
厚生労働省「登録販売者に対する研修の実施要領」により、事業者は従事する登録販売者に毎年12時間以上、届出済み機関の研修を受けさせる義務があります。
※引用元:厚生労働省「登録販売者に対する研修の実施要領」
継続的研修は「義務」であるか?
法的側面では、継続的研修は「事業者義務」であり、個人の登録販売者への直接罰則はありません。
ただし、管理者要件に「実務経験+研修修了」を満たすことが求められ、事業者側も適正管理義務から同研修を受講させる実務圧力があります。
現場の役割とリスク管理
登録販売者視点では、継続的研修は「義務」として捉えるより、公衆衛生・消費者対応の責任を果たすための"最低ラインの研修"と位置づけられます。
更新要件や管理者要件に絡むため、意図的不参加は将来的に転職や昇進・管理職要件に影響を及ぼす可能性があるため、受講は実質的に必須に近い状況です。
厚生労働省が示す継続的研修の位置づけとガイドライン
登録販売者の継続的研修は、どのような目的や位置づけで制度化されているのでしょうか。ここでは厚生労働省のガイドラインをもとに、その考え方や求められる内容について解説します。
厚生労働省が示す継続的研修の位置づけ
厚生労働省は、登録販売者の継続的研修を「資質向上・公衆衛生確保のための継続的学習機会」と位置づけています。
登録販売者資格は一度取得すれば終わりではなく、医薬品を取り扱う専門職として継続的に知識・技能を更新することが求められます。
継続的研修の位置づけと制度の趣旨
厚労省の「登録販売者に対する研修の実施要領」では、継続的研修は「登録販売者登録資格取得後もその資質を向上させ、適切な医薬品販売業務の実施を確保するための制度」と明記されています。
つまり、資格の維持ではなく、より安全・適切な販売業務を支えるための「資質向上研修」として制度設計されています。
ガイドラインが示す求める内容と方針
ガイドラインでは、継続的研修の内容として「医薬品の正しい理解・副作用・相互作用・用法用量・法規制・薬害・モラル・危機管理」などを含む知識系科目と、「接遇・相談対応」などの実践系科目をバランスよく組み合わせることが求められます。
また、研修は「継続性・体系性」を重視し、受講者のレベルや従事経験に応じた段階的カリキュラムの設計が奨励されています。
研修の「位置づけ」が実務に与える影響
この位置づけから、継続的研修は「義務」を超えて、実務上の信頼性・専門性を示す指標とも言えます。
管理者要件や転職・昇進を見据える登録販売者には、単位取得のためではなく「知識・スキルのアップデート」として受講する意識が重要です。登録販売者の継続的研修(外部研修)を受けなかった場合
継続的研修の受講は、薬局開設者や店舗販売業者、配置販売業者に対して課せられている義務のため、万が一継続的研修を受けなかったとしても、個人へのペナルティなどはありません。しかしながら、継続的研修の受講は登録販売者としてのスキルアップに不可欠であり、管理者要件にもかかわってくるものです。積極的に受講するようにしましょう。
登録販売者の継続的研修(外部研修)を受けたほうがよい理由
知識のアップデートが必要
医療情報は移り変わりが早く、OTC(一般用医薬品)の商品の入れ替わりも非常に早いです。医薬品知識をアップデートしないままお客さま対応をしてしまうと、副作用などの思わぬトラブルを招いてしまうこともあり得ます。登録販売者のみならず、医療系資格すべてにおいて同じことがいえますが、知識のアップデートは大事な仕事の一つです。
実務従事証明書に記載できる
令和6年の継続的研修に関する省令改正とは別の話になりますが、令和5年4月の省令改正により、登録販売者の管理者要件が新しく追加されました。次の記述は、新しい管理者要件の一つです。
従事期間が過去5年間のうち通算して1年以上(従事期間が月単位で計算して、1か月に160時間以上従事した月が12月以上、又は、従事期間が通算して1年以上あり、かつ、過去5年間において合計1,920時間以上)あり、施行規則に定められた毎年度受講する必要がある研修(継続的研修)に加えて、店舗の管理及び法令遵守に関する追加的な研修を修了している。
今までは、過去5年間のうち、従事期間が通算2年以上ある場合に管理者になることができましたが、この改正により、過去5年間のうち、従事期間が通算1年以上あり、かつ、継続的研修と追加的研修を修了していれば、管理者要件を満たせるようになりました。
実務従事証明書には研修の受講歴を記載する欄があり、店舗管理者を目指す人にとっては必須条件となります。
登録販売者の継続的研修(外部研修)をおこなっている機関
研修実施機関は、厚生労働省の情報ページに掲載されています。研修実施機関によって「研修実施場所」が異なるため、次の資料を確認するようにしましょう。
参考:厚生労働省「令和5年度 届出済み研修実施期間一覧(令和6年3月7日時点)」
以下は、研修実施機関の一例です。
- ● アポプラスキャリア株式会社
- ● 一般社団法人イオン・ハピコム人材総合研修機構
- ● 学校法人 医学アカデミー
- ● 特定非営利活動法人ツルハ医療・介護サービス協会
- ● 公益社団法人東京都医薬品登録販売者協会
- ● 一般社団法人日本医薬品登録販売者協会
- ● 日本ドラッグチェーン会
- ● ネットパイロティング株式会社
継続的研修(外部研修)をお得に受講するには
継続的研修をお得に受講するなら、アポプラスキャリアがおすすめです。
ポイント1)臨場感あふれる通信研修
アポプラスキャリアの継続的研修は、音声ソフトなどを使わず、実際の講師がライブ感たっぷりに講義をおこないます。途中にクイズやケーススタディの時間を設けた参加型の講義なので、楽しく学習を進められます。また、録画配信なので、自分の好きなタイミングでいつでもどこでも視聴可能です。
ポイント2)必ず現場で活かせる!充実の研修内容
現場経験豊富な薬剤師を中心としたチームにより、「今日から使える知識」をテーマに実践的なカリキュラムを24コンテンツ用意しました。ロールプレイの動画も多く取り入れており、持病のあるお客さまや誤情報を抱えたお客さまなど、実際の接客で戸惑ってしまう可能性のある場面を想定した内容となっているため、どのような流れで対応していけばよいのかを理論的に学べます。
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登録販売者の継続的研修についてよくある質問
登録販売者として継続的研修を受講していると、転職やキャリア形成にどう影響するのでしょうか?ここでは代表的な疑問について解説します。
Q1.登録販売者の継続的研修は、転職で評価されるのですか?
履歴書や面談で「継続的研修の受講歴」をうまく伝えれば、評価のプラス要因になります。
厚生労働省の要領では、継続的研修は「登録販売者の資質向上」のための制度とされています。つまり、継続的に専門知識を更新し、医薬品の適切な販売・相談対応を意識している人材として、管理職候補やコンプライアンス重視の店舗では好意的に見られます。転職活動では、「継続的研修で特に力を入れたテーマ(副作用対応・リスク管理・顧客対応など)」を具体例付きで伝えると、実務経験とあわせて「実践力」をアピールできます。
Q2.継続的研修を受けていないと、登録販売者として働けなくなるのですか?
単に継続的研修を受けていないからといって、資格自体が失効するわけではありません。
継続的研修は登録資格そのものの更新要件ではなく、あくまで「資質向上」のための制度です。ただし、管理者要件や店舗の内部規定によっては「一定回数の継続的研修受講」を条件にしている場合もあり、昇進や管理職候補には実質的な影響が出る可能性があります。そのため、キャリアプランとして「将来の管理者」や「コンプライアンス担当」を目指すなら、継続的研修は「必須水準」近くに位置づけるのが現実的です。
Q3.継続的研修の内容を転職でどう活かせばよいですか?
継続的研修の内容は「自分の強み」と「お店の求めるスキル」をつなぐ「実績の証拠」として活かせます。
継続的研修のカリキュラムには、医薬品の副作用・相互作用・法規制・危機管理・接遇などが含まれます。面談では、「このテーマを学んで、以前の失敗や顧客相談をどう改善したか」を具体的に話すことで、単なる知識の羅列ではなく「実務改善力」を示せます。例えば「継続的研修で副作用対応のワークショップを受け、その後、副作用疑いの相談件数が減少した」というデータや事例があれば、店舗側にとっても導入実績として参考になります。
Q4.継続的研修を受けることで、どんなスキルが身につきますか?
継続的研修は、知識の更新だけでなく「判断力」「リスク管理力」「顧客対応力」を高める実践的な機会です。
継続的研修では、新しい薬剤情報や副作用・相互作用の事例を学ぶことで、日々の接客での「リスク判断」がより正確になります。また、接遇や相談対応の実習を通じて、顧客の不安を汲み取りながら適切なフォローを提案するスキルも身につきます。これらのスキルは、転職先でも「トラブルを減らす人材」「顧客満足を高める人材」として評価されやすいです。
Q5.継続的研修を受講するなら、どの時期・タイミングがおすすめですか?
年度の初めや管理者就任直前、あるいは転職活動前にまとめて受講するのが効果的です。
継続的研修は、年度単位で12時間程度の受講が必要です。年度の初めに受講しておくと、その年の実務で学んだ内容をすぐに活かせます。また、管理者就任や転職活動の前に一度まとめて受講しておくと、「新たな店舗・責任」に備える準備にもなります。さらに、継続的研修の受講履歴は、転職時に「新しい環境でも着実に学び続けられる人材」としてアピールできます。
まとめ|継続的研修(外部研修)は受けなくても資格は失効しないが、受けるメリットはある
継続的研修は、受けなくても個人への罰則やペナルティはありませんが、自分のキャリア形成のために必要な制度です。また、継続的研修を受講することで、お客さま対応の質の向上が見込めますので、ぜひ積極的に受講するようにしましょう。
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執筆者:村松 早織(薬剤師・登録販売者講師)
株式会社東京マキア 代表取締役
登録販売者や受験生向けの講義を中心に事業を展開
X(旧:Twitter)、YouTube等のSNSでは、のべ1万人を超えるフォロワー・チャンネル登録者に向けて、OTC医薬品についての情報発信をおこなっている。
- ■著書
- ・医薬品暗記帳 医薬品登録販売者試験絶対合格! 「試験問題作成に関する手引き 第3章」徹底攻略(金芳堂)
- ・薬機法暗記帳 医薬品登録販売者試験絶対合格! 「試験問題作成に関する手引き 第4章」(金芳堂)
- ・これで完成! 登録販売者 全国過去問題集 2023年度版(KADOKAWA)
- ・村松早織の登録販売者 合格のオキテ100(KADOKAWA)
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