サポートを受ける

お電話でのご登録・ご相談も承っております。

フリーコール 0120-959-755

月~金曜(祝・祭日を除く) 9:00~18:00

  1. 登録販売者 求人・転職TOP
  2. お役立ち情報
  3. 業界コラム
  4. 業界トピックス
  5. 登録販売者の管理者要件が実務経験1年以上に!追加研修が必要?
業界コラム 業界トピックス

登録販売者の管理者要件が実務経験1年以上に!追加研修が必要?

登録販売者の管理者要件が実務経験1年以上に!追加研修が必要?

登録販売者の管理者要件が実務経験1年以上に!追加研修が必要?

2022年6月に閣議決定された「規制改革実施計画」において、登録販売者の管理者要件緩和が進められることとなりました。この制度改正は、現在登録販売者として従事している方も、これから登録販売者を目指す方も、医薬品販売に関わるすべての方に関係するものとなっています。そこで本記事では、この制度改正でどのような変化があるのか、制度の詳細やスケジュールについて解説します。

目次

登録販売者の管理者要件緩和とは?

登録販売者の管理者要件緩和とは?

厚生労働省は2023年2月1日から3月2日まで、薬機法の施行規則の一部を改正する省令案についてパブリックコメントを募集しています。この省令案は「規制改革(※)実施計画(令和4年6月7日閣議決定)」に基づくものであり、追加的研修を必要としたうえで、登録販売者の店舗管理者要件の従事期間を1年でも可とするものです。
現行の制度では、1920時間の時間数をクリアしたとしても、2年以上の従事期間が必要であるため、この制度変更によって、より迅速に管理者要件を満たすことができるようになります

※規制改革:現在の規制を緩和・撤廃・強化することなどによって、経済の活性化を目指すもの

例えば、毎月160時間、実務・業務経験を積んでいる場合、現行の制度と変更後の制度では、以下のような違いがあります。

毎月160時間 × 1年間 = 1920時間
現行の制度

「1920時間以上」の条件は
満たしていますが、「2年以上」の
条件を満たしていないため、
管理者になることができません。

現行の制度
変更後の制度

「1920時間以上」の条件と
「1年以上」の条件を
同時に満たしているため、
管理者になることができます。
※ただし、追加の研修などが必要

変更後の制度

登録販売者の管理者要件緩和に関するこれまでの経緯

登録販売者の管理者要件緩和に関するこれまでの経緯

管理者要件について、これまでの経緯を以下にまとめてみました。管理者要件はこれまでに何度も変更されてきましたが、とくにSV(スーパーバイザー)やエリアマネージャーなどの管理職や、店長、店舗管理者など人材管理を担っている方は、管理者要件の緩和の経緯を正しく理解し、最新の情報を知っておくようにしましょう。

2008年
  • ・ 初の登録販売者試験
  • ・ 受験資格:高卒以上、1年の実務経験
2015年
  • ・ 学歴や実務経験などの受験資格がなくなり、店舗管理者要件「直近5年の間に2年分、月に80時間以上の実務・業務経験」が追加される
  • ・ 2014年以前の合格者については、「2020年3月末」が経過措置の期日とされる
2020年3月
  • ・経過措置の期日が「2020年3月末」から「2021年8月1日」に変更される
2021年8月
  • ・ 経過措置終了
  • ・ 以下の表のとおりに、管理者要件が緩和される
    【第二・三類医薬品の販売店舗における管理者要件】
    過去5年間のうち通算して2年(1920時間)以上の実務・業務経験があること
    店舗管理者又は区域管理者としての業務の経験がある者であって、平成21年6月1日以降に、通算して2年(1920時間)以上の実務・業務経験があること
    平成21年6月1日以降に通算して5年(4800時間)以上の実務・業務経験があり、かつ、「薬局並びに店舗販売業及び配置販売業の業務を行う体制を定める省令」(昭和39年厚生省令第3号)に規定する研修と同等以上の研修を通算して5年以上受講していること ※経過措置のため、当分の間
2023年
  • ・ 管理者要件緩和の案
    【第二・三類医薬品の販売店舗における管理者要件】
    従来の要件に加えて、以下の要件を追加
    過去5年間のうち、従事期間が通算して1年以上であり、継続的研修と店舗又は区域の管理および法令遵守に関する追加的な研修を修了した場合
    従事期間が通算して1年以上であり、過去に店舗管理者等として業務に従事した経験がある場合

2015年に登録販売者試験の受験資格が撤廃になるとともに、「過去5年間のうち、2年以上、かつ、月80時間以上の実務・業務経験」という管理者要件ができました。その後、2021年の要件緩和によって月ごとの時間数が撤廃され、「過去5年間のうち、2年以上、かつ、1920時間以上の実務・業務経験」となりました。また、同じタイミングで、過去に店舗管理者などの経験がある者についての要件も追加となり、そして今回の省令改正により、「2年以上」ではなく、「過去5年間のうち、1年以上の実務・業務経験」の要件が追加される見込みとなっています。

登録販売者の新たな管理者要件!実務経験が1年以上に

では次に、緩和後の管理者要件の詳細や具体例について見ていきましょう。

緩和後の管理者要件の詳細

今回の省令改正により、追加される見込みとなっている管理者要件をもう少しわかりやすくすると、以下の2つのパターンで説明できます。なお、今回の案では、「2年以上」から「1年以上」に年数が変更となりますが、「1920時間以上」の時間数は変わりません

  • 過去5年間のうち従事期間が
    通算して1年(1920時間)以上

    +

    継続的研修
    (外部研修)

    +

    「店舗・区域の管理および法令遵守」に関する
    追加的な研修の修了

  • 従事期間が通算して
    1年(1920時間)以上

    +

    過去に店舗管理者等として
    業務経験がある場合

緩和後の管理者要件の具体例

上記2パターンのうち、①の「1年以上」の要件を満たす場合には、どのような働き方が考えられるでしょうか。以下の具体例はすべて管理者要件を満たす場合です。

  • (1) Aさんの場合
    Aさんは、毎月160時間、実務経験(一般従事者としての経験)を積んでいる。
    毎月160時間 × 1年間 = 1920時間
  • (2) Bさんの場合
    Bさんは、毎月160時間、業務経験(登録販売者としての経験)を積んでいる。
    毎月160時間 × 1年間 = 1920時間
  • (3) Cさんの場合
    Cさんは、毎月120時間、業務経験(登録販売者としての経験)を積んでいる。
    毎月120時間 × 1年4か月 = 1920時間

このように、今回の要件緩和によって大きな影響があるのは、ひと月あたりの勤務時間の多い方、つまり、社員長時間働いているパートの方たちです。

管理者要件を満たすには追加の研修が必要になる?

管理者要件を満たすには追加の研修が必要になる?

前項の「緩和後の管理者要件の詳細」のうち、①の「店舗・区域の管理および法令遵守」に関する追加的な研修の修了に関しては、まだその具体的な内容は発表されていないものの、一定のオンライン研修が加わるとされています。どのような内容になるのかは、省令改正が決定後に発表されると予想されます。

今後のスケジュール

今後のスケジュール

この件に関するスケジュールは、以下の通りです。

  • • 2023年 2月1日~3月2日 要件緩和に関するパブリックコメントの募集
  • • 2023年 3月下旬 改正省令の公布
  • • 2023年 4月1日 改正省令の施行

登録販売者の働き方に大きく影響を与える制度改正となっていますので、スケジュールに関しても正しい情報を把握しておきましょう。

登録販売者になったら管理者を目指すべき?

登録販売者になったら管理者を目指すべき?

登録販売者として勤務する場合、まずは管理者要件を満たすことが第一目標となります。この理由としては、管理者要件を満たすことで転職活動が大幅に有利になることが挙げられます。
登録販売者の転職活動においては、大きく分けて、「管理者要件を満たしている登録販売者」と「管理者要件を満たしていない研修中の登録販売者」の募集があります。とくに即戦力を求める店舗においては、前者の「管理者要件を満たしている登録販売者」を募集する傾向が強く、この場合、管理者要件を満たしている方では「採用側の求める人物像」に当てはまる確率が大幅に上昇します。
また、「管理者要件を満たしている登録販売者」と「管理者要件を満たしていない研修中の登録販売者」では、基本給や資格手当の有無なども異なります。このように管理者要件を満たしていることで、年収UPにもダイレクトにつながるため、管理者を目指すメリットは大きいといえるでしょう。

まとめ|メリット多数!登録販売者になったら管理者を目指そう

これまでは「2年以上の実務・業務経験」という条件により、管理者要件を満たすまでに長い時間がかかっていましたが、省令改正により要件緩和となれば、1年で管理者要件を満たすことができるようになります。今回の制度改正により、一度は登録販売者として勤務することを断念してしまった方が再度目指しはじめるなど、転職市場も大きく盛りあがることが予想されます。とくに、異業種からの転職を考えている方や、研修中の登録販売者で転職を考えている方は、改正省令の施行のスケジュールを把握し、早めに行動に移していきましょう。

執筆者:村松 早織(薬剤師・登録販売者講師)

執筆者:村松 早織(薬剤師・登録販売者講師)
株式会社東京マキア 代表取締役
登録販売者や受験生向けの講義を中心に事業を展開
twitter、YouTube等のSNSでは、のべ1万人を超えるフォロワー・チャンネル登録者に向けて、OTC医薬品についての情報発信を行っている。

過去の記事 【正社員登録販売者を目指す】今ドラッグストアが狙い目な理由とは
新しい記事 今注目の「フェムケア」とは?ドラッグストアで働く登録販売者必見!