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【2023年上期】ドラッグストア売上高ランキング!登録販売者必見の業界ニュースも解説

【2023年上期】ドラッグストア売上高ランキング!登録販売者必見の業界ニュースも解説

【2023年上期】ドラッグストア売上高ランキング!登録販売者必見の業界ニュースも解説

新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行したことで、現在世間では対策緩和ムードが高まっています。ドラッグストア業界はコロナ禍でもっとも大きな影響を受けた業種のひとつですが、この件をきっかけにその役割の重要性が広く認知され、結果として業界の市場拡大を後押しすることになりました。
そこで本記事では、アフターコロナに向けてどのように市場が変化しているのか、主要ドラッグストアチェーンにおける売上推移を数字で見ていきます。また、登録販売者が知っておくべき最新の業界ニュースについても解説しますので登録販売者の方はぜひ参考にしてください。

目次

ドラッグストア業界全体の売上推移

ドラッグストア業界全体の売上推移

日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)の「ドラッグストア実態調査」の結果速報によると、2022年度の全国総売上高は8兆7134億円、全国総店舗数は2万2084店舗となっています。総売上高の前年からの伸び率は2.0%増であり、前回調査では6%を超えていたことから、伸び率は少し鈍化したともいえます。
カテゴリ別では化粧品の需要は回復の兆しがありますが、コロナ禍の巣ごもり需要で伸びていたホームケアは前年割れとなっており、アフターコロナで消費動向が大きく変化していることがわかります。

【ドラッグストア実態調査の結果】

  全国総売上高 総売上高の前年からの伸び率 全国総店舗数
2022年度 8兆7134億円 102.0% 2万2084店舗
2021年度 8兆5408億円 106.3% 2万1725店舗
参考:薬事日報 【JACDS】DgS総売上高は8.7兆円に-22年度、伸び率が鈍化

ドラッグストアチェーン 売上ランキング

ドラッグストアチェーン 売上ランキング

では、各ドラッグストアチェーンの売上はどのように推移しているのでしょうか。各社の第3四半期のデータによる売上ランキングを見ていきましょう。

1位 
ウエルシアホールディングス 
8,460億円
2位 
ツルハホールディングス 
7,314億円
3位 
マツキヨココカラ&カンパニー 
7,142億円
4位 
コスモス薬品 
6,063億円
5位 
サンドラッグ 
5,195億円
6位 
スギホールディングス 
4,960億円
7位 
富士薬品 
3,715億円
8位 
クリエイトSD 
2,824億円
9位 
クスリのアオキ 
2,822億円
10位 
カワチ薬品 
2,125億円

1位 ウエルシアホールディングス 8,460億円 (前年比111.8%)

参考:ウエルシアホールディングス「2023年2月期 第3四半期決算短信」

ウエルシアホールディングスは、コロナ禍においても感染防止策や衛生管理対策を講じながら営業を継続し、PCR等検査無料化事業に取り組むなど、地域住民の方の医療インフラとして圧倒的な存在感を示しています。売上高の増加の要因としては、コロナ感染対策関連の医薬品販売が好調に推移したことや、外出機会が増えたことによる化粧品需要の増加などがあります。

2位 ツルハホールディングス 7,314億円(前年比105.7 %)

参考:ツルハホールディングス「2023年5月期 第3四半期 決算説明会資料」

ツルハホールディングスは、医薬品の販売増加などの要因により、既存店(13か月経過店)の売上高が前年比実績+1.6%となっていることと、新規出店が売上増加の要因として挙げられます。

3位 マツキヨココカラ&カンパニー 7,142億円 (前年比140.6%)

参考:マツキヨココカラ&カンパニー「2023年3月期 第3四半期決算短信」

マツキヨココカラ&カンパニーでは、2022年10月に水際対策が緩和されたことによりインバウンド需要が回復したことが大きな増収の要因となりました。

4位 コスモス薬品 6,063億円 (前年比108.5%)

参考:コスモス薬品「2023年5月期 第3四半期決算短信」

コスモス薬品は昨今出店施策を推し進めており、新商勢圏への店舗網拡大を図っています。これにより、第3四半期連結会計期間末の店舗数は1,312店舗となり、売上増の要因のひとつとなっています。

5位 サンドラッグ 5,195億円 (前年比105.7%)

参考:サンドラッグ「2023年3月期 第3四半期決算短信」

サンドラッグのドラッグストア事業では、外国人観光客の受け入れ再開、国内行動制限の緩和などにより化粧品需要が伸長しました。また、積極的な新規出店に加え、風邪薬の需要増加などにより、売上高が前年同期を上回りました。

6位 スギホールディングス 4,960億円 (前年比106.3%)

参考:スギホールディングス「2023年2月期 第3四半期決算短信」

スギホールディングスの売上増の要因としては、既存店舗の改装の推進や、買い上げ点数アップに向けた各種取り組み、アプリ・チラシなどによる販売促進策の強化などに取り組みがあります。

7位 富士薬品 3,715億円 (前年比不明)

参考:富士薬品「数字でみる富士薬品」

富士薬品の売上高については、2023年第三四半期のデータが公表されていないため、参考として2022年3月末の売上高を記載しております。

8位 クリエイトSD 2,824億円 (前年比108.3%)

参考:クリエイトSD ホールディングス「2023年5月期 第3四半期決算短信」

クリエイトSDホールディングスのドラッグストア事業では、EDLP(エブリデイ・ロープライス)を推進しています。第3四半期連結累計期間においては、新型コロナウイルスの影響に加えて、物価上昇が続き、生活必需品を始めとしたEDLP施策が功を奏し、売上高は前年同期を上回る結果となりました。

9位 クスリのアオキ 2,822億円 (前年比114.8%)

参考:クスリのアオキ ホールディングス「四半期報告書-第25期第3四半期」

クスリのアオキも堅調に売上を伸ばし、前年比増の結果となっています。要因としては、コロナ禍におけるPCR・ 抗原検査キットの無料検査事業の継続新規出店などに加え、2022年12月付で、株式会社クスリのアオキが食品スーパーを展開する株式会社三崎ストアーの食品スーパー事業を譲り受けたことが影響しています。

10位 カワチ薬品 2,125億円 (前年比100.5%)

参考:カワチ薬品「2023年3月期 第3四半期決算短信」

カワチ薬品は、売上アップ施策のひとつとして専門性の強化に取り組んでいます。具体的には、調剤併設を推進感染症対策としての予防関連商品の販売に注力し、抗原検査キット等の確保の他、上期に引き続き店舗の改装並びに営業時間の延長等による利便性の向上をおこなっています。その結果、売上高は前年比100.5%となっています。

ドラッグストアチェーン 店舗数ランキング

ドラッグストアチェーン 店舗数ランキング

次に、ドラッグストアチェーン各社の店舗数を見ていきましょう。

1位 
ウエルシアホールディングス 
2,716店舗
2位 
マツキヨココカラ&カンパニー 
2,339店舗
3位 
ツルハホールディングス 
1,745店舗
4位 
スギホールディングス 
1,533店舗
5位 
富士薬品 
1,365店舗
6位 
コスモス薬品 
1,312店舗
7位 
サンドラッグ 
993店舗
8位 
クスリのアオキ 
869店舗
9位 
クリエイトSD 
707店舗
10位 
カワチ薬品 
360店舗

【登販必見】最新ドラッグストアランキングと2022年上半期の業界ニュース における売上ランキング掲載企業限定(こちらの記事とは店舗数の計測基準が異なります)

※富士薬品の店舗数は2023年3月末のものを記載。それ以外の企業については、前項の第3四半期の参考資料より記載(ドラッグストア事業のみ、調剤専門薬局は含まない)

上記10社のドラッグストアのうちほとんどが店舗数を伸ばしていますが、特筆すべきは、1位のウエルシアがこの1年で約250店舗も増やしていることです。主な要因はウエルシアがコクミンを子会社化したことにあり、業界のM&A戦略は現在も活発におこなわれています。

その他、2位のマツキヨココカラ&カンパニー、6位のコスモス薬品は新規出店に力を入れており、とくに店舗数を大きく伸ばしています。

登録販売者必見!2023年最新ドラッグストア業界ニュース

登録販売者必見!2023年最新ドラッグストア業界ニュース

最後に、最新のドラッグストア業界ニュースを紹介します。

食品カテゴリの強化が顕著に

昨今、ドラッグストア業界では食品カテゴリを強化する傾向が顕著に見られ、多くの大手ドラッグストアが店舗に生鮮食品を導入しています。例えばウエルシアでは、2023年4月6日、「フード&ドラッグ」を掲げた新業態「ウエルシアプラス」の1号店として福岡県大野城市に「ウエルシアプラス大野城若草店」をオープンさせ、話題となっています

参考:イオンウエルシア九州のフード&ドラッグ新業態「ウエルシアプラス」1号店独占レポート!

また、クスリのアオキは、2022年12月に食品スーパーを展開する株式会社三崎ストアーの食品スーパー事業を譲り受けました。食品スーパーの持つ生鮮食品の品揃えと、ドラッグストアの持つ医薬品や化粧品、日用品の品揃えを組み合わせることで、一般消費者の利便性を向上させることを目的としています。

※クスリのアオキの公式HPより参照

業界最大手ウエルシアがたばこ販売終了へ

ウエルシアは2026年2月までに、全社全店たばこ製品の取り扱いを終了させることを公表しました。たばこは肺がんをはじめ、多くのがんや疾患に深く関係しており、喫煙習慣は「健康」とは対極にあるものであるといえます。これまでもドラッグストア業界のこのような販売戦略に対し従業員や一般消費者から疑問が投げかけられることがありましたが、ウエルシアはこうした商習慣に一石を投じた形になります。

※ウエルシア薬局の公式HPより参照

登録販売者の年収アップ?!ドラッグストア各社で賃上げの動き

近年、ドラッグストアチェーン各社では、人材不足の解消を目的とした賃上げの動きがあります。例えば、ゲンキーでは2023年の4月に同月から正社員の基本給を平均3.8%、パート・アルバイト時給を3%昇給すると発表しています。

また、ウエルシアやスギ薬局の2023年の春闘(※1)でも、満額回答(※2)となっています。具体的には、ウエルシアはパートが8.77%、正社員が4.73%の昇給、スギ薬局は正社員で平均4.54%の昇給が報告されています。

※1 春闘:春季闘争。毎年春に労働組合が、賃金引き上げなど労働条件改善の要求を掲げておこなう全国的な共同闘争のこと

※2 満額回答:賃金交渉で、労働組合が要求した金額を、会社側がそのまま受け入れて支払うこと

まとめ|ドラッグストア業界の動きを知って、理想の働き方を実現しよう

近年、ドラッグストア業界は需要が高まっており、給料の底上げなどによる「会社への定着率の上昇」や「質の高い人材の確保」を狙う動きが出ています。現在登録販売者として活躍する皆さんにとっては、このような業界の動向を把握することで、自分自身の社会的評価が適切であるかを確認するよい機会になるかもしれません。全国には数多くのドラッグストアが存在します。現在の働き方に不満がある方やより高いキャリアアップを目指したいと考える方は、今一度、ご自身のキャリアについて見つめ直してみてはいかがでしょうか。

執筆者:村松 早織(薬剤師・登録販売者講師)

執筆者:村松 早織(薬剤師・登録販売者講師)
株式会社東京マキア 代表取締役
登録販売者や受験生向けの講義を中心に事業を展開
twitter、YouTube等のSNSでは、のべ1万人を超えるフォロワー・チャンネル登録者に向けて、OTC医薬品についての情報発信を行っている。

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