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咳止め薬が不足しているのはなぜ?咳止め薬不足の現状と登録販売者ができること

咳止め薬が不足しているのはなぜ?咳止め薬不足の現状と登録販売者ができること

咳止め薬が不足しているのはなぜ?咳止め薬不足の現状と登録販売者ができること

こんにちは、登録販売者転職のアポプラス登販ナビライターチームです。

ここ数年、咳止め薬をはじめとした医薬品の不足が目立ちます。その背景には新型コロナウイルス感染症や医薬品メーカーの不祥事などが挙げられます。この事態において、登録販売者も医薬品不足解消に向けた取り組みが欠かせません。今回は咳止め薬が不足している理由や登録販売者が取り組みたい対処法を紹介します。

目次

全国で咳止め薬が不足している理由は?

全国で咳止め薬が不足している理由は?

全国的に咳止め薬が不足している主な理由は新型コロナウイルス感染症が流行したことです。こちらでは新型コロナウイルス感染症が原因で医薬品不足に陥った経緯について解説します。

経緯①新型コロナウイルス感染症流行予防による他の感染症の減少

2019年から新型コロナウイルス感染症が流行し、人々はマスクの着用を余儀なくされました。新型コロナウイルス感染症で外出自粛やマスクの着用が増えたことで他の流行病が減少し、新型コロナウイルス感染症以外の病気に必要な医薬品の生産量が少なくなる状況が続きました。

経緯②新型コロナウイルス感染症が落ち着き他の感染症が拡大

2022年になり新型コロナウイルス感染症が落ち着き、生活が少しずつ元通りになりつつある中で他の感染症が再び拡大してきたことも要因です。とくに2023年度はインフルエンザが夏から流行する異例の事態が起こりました。解熱剤や咳止め薬などの需要が急激に高まり、生産量が追いついていないのが現状です。

このように新型コロナウイルス感染症の流行が咳止め薬をはじめとした医薬品の不足を作り出しています。

咳止め薬不足に対して医療機関や薬局がおこなっている3つの取り組み

咳止め薬不足に対して医療機関や薬局がおこなっている3つの取り組み

ここからは、咳止め薬不足に対して医療機関や薬局がおこなっている3つの取り組みを紹介します。

医療機関:咳止め薬の処方は最低限度に留める

各医療機関においては咳止め薬の処方を最低限度に留めています。普段であれば風邪の初期段階から咳止め薬をもらえていたお客さまでも「最近は咳止めがもらえない」と、ドラッグストアに来られるケースも増えています。症状が顕著な方に優先して咳止め薬を処方し、本当に必要な人に行きわたるよう工夫がなされているためです。

薬局(ドラッグストア):顧客に過剰摂取を控えるようアナウンスをおこなう

厚生労働省からは顧客に対して、過剰摂取を控えるようアナウンスしています。そのため、登録販売者も顧客に対して必要以上に咳止め薬を勧めないよう意識しましょう。

参考:厚生労働省「鎮咳薬(咳止め)・去痰薬の在庫逼迫に伴う協力依頼」

登販は要チェック!実際に不足している咳止め薬はどれ?

登販は要チェック!実際に不足している咳止め薬はどれ?

ここでは登録販売者が知っておきたい不足している咳止め薬を紹介します。全国保険医団体連合会が公表する「不足医薬品一覧 114品目」によると、下記の医薬品が不足していると発表されています。

薬品名 効能
咳止めシロップ 鎮咳剤
フスコデ
フスタゾール
カフコデル
アスベリン
アストミン
クロフェドリン
セキコデ
レスプレン
メジコン
ムコソルバン 去痰剤
ムコダイン
ムコサール

いずれも医療機関で処方されるものから、OTC(一般用医薬品)に含まれるものまで様々です。自社で取り扱っているOTC(一般用医薬品)に含まれる成分がないかチェックしておきましょう。

参考:全国保険医団体連合会 「不足医薬品一覧 114品目」

咳止め薬の供給が不足している要因

咳止め薬の供給が不足している要因

ここでは登録販売者がお客さまに「なぜ咳止め薬が入荷されないのか」と聞かれた時に備えて、知っておきたい薬不足の要因を2つ紹介します。咳止め薬不足の理由を知り、お客さまに丁寧な説明をおこないましょう。

医薬品メーカーの不祥事が続いたこと

ここ数年、医薬品メーカーの不祥事が続いたことも咳止め薬不足の要因になっています。2020年12月に福井県のジェネリック医薬品メーカーの小林化工株式会社(2023年4月1日医薬品製造販売業許可を廃止)が製造した治療薬に不要な成分が混入していた事件をはじめとし、様々な薬品メーカーで不祥事が発覚しました。その後も「日医工」「岡見化学工業」「久光製薬」など、多くのメーカーで不祥事が頻発しました。

これらの不祥事では、製造方法が国が承認したものと異なっていたり、品質試験の決まりが守られていなかったりといった問題が発覚しました。そのため会社全体での改善が必要になり、医薬品の生産量が激減しています。

不祥事を起こしたメーカーの信頼低下により、ジェネリック医薬品の供給不足になったこと

行政処分を下された医薬品メーカーがジェネリック薬品を扱っていたことから、顧客から医薬品メーカーへの信頼が低下しています。そのため、不祥事を起こしていない医薬品メーカーの購買に偏ることも見られました。また、ジェネリック医薬品の供給が増える中、不祥事を起こした薬品メーカーの工場停止により、供給量が需要に追いつかない状態に陥ります。

現在、ジェネリック医薬品を取り仕切る「日本ジェネリック製薬協会」は信頼回復に向け、コンプライアンス強化や品質最優先の取り組みをおこなっているため、今後明るい展望を期待したいものの、まだ生産量の増加やクリーンな体制の確立にはいたっていない状態です。

なお、これらの情報はマスメディアでも公表されるため、お客さまから意見を求められることもあるでしょう。しかし、お客さまに説明する場合は医薬品メーカーを批判するのではなく、あくまで事実のみを伝えるよう注意が必要です。

登録販売者が心がけたい!咳止め薬不足時の対応

登録販売者が心がけたい!咳止め薬不足時の対応

ここからは、なかなか咳止め薬が入荷しない場合に登録販売者がおこないたい対応を紹介します。

まずは咳止め薬が全国的に不足していると説明する

お客さまから「なぜ咳止め薬が入荷しないのか」と聞かれた場合、まずは全国的に咳止め薬をはじめとした医薬品が不足している状況を伝えましょう。ポイントとしてはこの店舗だけでなく全国的に不足しているという状況を伝えることです。「慢性的に薬が不足している」と伝えると、お客さまが他の店舗に行き同じことを聞いてしまう事態を防げます。

自社でも安定した入荷へ向けて取り組んでいると伝える

薬不足の現状を説明したうえで、自社では安定した入荷に向け取り組みをおこなっている旨を伝えましょう。「こちらの店舗でも会社全体でも、安定して入荷できるよう取り組みを進めております。ご迷惑をおかけしておりますがご理解いただきますようお願いします。」などと伝えることで、店舗や会社が入荷する意志があることを示しましょう。

代替のOTC(一般用医薬品)を紹介する

咳止め薬の不足はドラッグストアだけでなく医療機関でも顕著です。そのため、医療機関で咳止め薬を処方されなかったお客さまがドラッグストアに来て、薬を求めることもあります。その場合は在庫があるもので代替できそうなOTC(一般用医薬品)を紹介します。咳止め薬がない場合はシロップやテープタイプの商品の提案も検討しましょう。

登録販売者が知っておきたい薬以外で咳の症状を和らげる方法

咳止め薬の供給が不足している要因

ここからは、登録販売者が知っておきたい咳の症状を和らげる方法を紹介します。薬がないことでお客さまは不安を抱えます。しかし、できる限りの対処法を伝えることで少しでもお客さまに安心してもらえたり、相談してよかったと思ってもらえたりするでしょう。

水分を意識して取る

まずは咳が続くお客さまに対して水分を意識して取るようお伝えしましょう。喉が乾燥すると咳を誘発しやすくなるため、こまめな水分補給をおすすめします。飲み物は刺激のあるものでなくお茶や白湯など温かいものを選択しましょう。

加湿を十分におこなう

室内の加湿を十分におこなうことで喉を潤し、咳が出にくい状態にできます。お客さまが加湿器を持っている場合は使用を勧め、持っていない場合はタオルを室内に干すなど無理なくできる方法をお伝えしましょう。

アルコールやタバコなど刺激物を控える

咳が出る状態では、喉が傷ついているため刺激物を控えた方がよいでしょう。具体的にはアルコールやタバコなどが挙げられます。辛いものや熱いものも喉に刺激を与えるため、なるべく避けましょう。

マスクを着用して喉を守る

マスクをしていないお客さまには、マスクの着用をおすすめします。マスクを着用すると喉の乾燥を防げます。また、就寝時も苦痛でない場合はマスクをしたまま寝ると、口呼吸による乾燥も防げるでしょう。

お客さまに咳止め薬以外の対処法を紹介する時は、無理なく続けられるものを提案します。そのうえで症状が改善されない場合は医療機関の受診を検討してもらいましょう。

まとめ|OTC(一般用医薬品)での代用など適切なアドバイスで咳止め薬不足に対応しよう

コロナ明けの生産量低下や医薬品会社の不祥事から、咳止め薬の不足が続いています。徐々に改善する見込みはありますが、まだまだ現状は苦しいものがあります。しかし、登録販売者はお客さまに薬以外の対応策を提案し、薬不足解消に貢献できます。医薬品と薬をつなぐ登録販売者ならではの立場で薬不足解消に努めましょう。

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