【2025年最新版】登販必見!マツモトキヨシの強みと将来性とは?再編が進むドラッグストア業界の最新動向も解説

こんにちは、登録販売者転職のアポプラス登販ナビライターチームです。
2021年10月に「マツモトキヨシホールディングス」と「ココカラファイン」が経営統合し、新たに「マツキヨココカラ&カンパニー」が発足しました。本記事では、この経営統合の背景や現状、ドラッグストア業界の再編トピックスと方向性などについて解説します。
また、就職先・転職先としてマツモトキヨシを候補に入れているけれど、独自の強みがわからないと感じている方や、マツモトキヨシで自分に合う働き方ができるかわからず悩んでいる方は、この記事を読めばマツモトキヨシの特徴や年収、キャリアアップの流れなどがわかります。
マツモトキヨシに関するよくある質問とその回答も紹介しているので、ぜひ転職先選びや企業研究の参考にしてください。
【この記事で得られること】
- マツキヨココカラ&カンパニーは経営統合により競争力を強化し、増収増益を実現した
- 競争が激化するドラッグストア業界で、重視される戦略は「総合化」と「地域密着化」
- マツモトキヨシの強みは、「商品開発力」「都市部でのブランド力」「利便性」「販促・マーケティング力」
- マツモトキヨシに転職すれば、登録販売者として安定的な収入を得ながら、キャリアアップを目指せる
目次
- ・マツモトキヨシ×ココカラファイン 経営統合の背景と現状
- ・ドラッグストア業界の再編トピックスと今後の方向性
- ・マツモトキヨシの強みとは?
- ・マツモトキヨシの年収や働き方
- ・マツモトキヨシにかかわるよくある質問
- ・まとめ|マツモトキヨシはプライベートブランド開発と都市部におけるブランド力に強み
マツモトキヨシ×ココカラファイン 経営統合の背景と現状

2021年10月に「マツモトキヨシホールディングス」と「ココカラファイン」が経営統合しました。そして新会社「マツキヨココカラ&カンパニー」が発足しています。
かつて、ドラッグストア業界のトップであったマツモトキヨシは、2021年当時は順位を落としていました。しかし、ココカラファインとの経営統合により、再びトップクラスの地位を取り戻しています。
2021年の経営統合とは?目的とシナジー
経営統合の目的は、国内売上高1兆円・店舗数3,000超の規模を実現し、競争力を強化することでした。また、仕入れや物流の効率化による経費削減、プライベートブランド開発強化などのシナジー効果も期待されていました。実際に、経営統合後の売上高や、営業利益は連続して増加しています。
直近の業績概要
「2025年3月期決算短信【日本基準】(連結)」によると、2024年4月1日〜2025年3月31日の売上高は1兆616億円(前年同期比3.8%増)でした。営業利益は820億円(前年同期比8.4%増)であり、増収増益を実現しています。
これはウエルシアホールディングスに次ぐ2番目の売上高であり、大手ドラッグストアチェーンの中でもトップクラスの業績です。売上増加の要因には、主に化粧品の販売が順調であったことや、人流回復、免税売上拡大などが挙げられます。
参考:マツキヨココカラ&カンパニー「2025年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」
ドラッグストア業界の再編トピックスと今後の方向性

近年、ドラッグストア業界の売上高や店舗数は増加傾向にありますが、競争が激化しています。2025年12月には「ウエルシアホールディングス」と「ツルハホールディングス」が経営統合し、さらなる競争力の強化を図る予定です。今後の競争における重要な戦略は「総合化」と「地域密着化」といわれています。
ウエルシア・ツルハの統合協議
「ウエルシアホールディングス」と「ツルハホールディングス」は、2025年12月の経営統合に最終合意しています。当初は、2027年末の経営統合を予定していましたが、計画が2年早まりました。
この経営統合により、売上高2兆円規模と業界トップクラスの企業が誕生する見込みです。経営統合する目的は、規模の拡大と、仕入れ体制強化や物流効率向上、さらには海外(東南アジアなど)において事業展開を推進し、競争力の強化を図ることにあります。
競争のポイントは「総合化」と「地域密着化」
ドラッグストア業界は、OTC(一般用医薬品)の規制緩和や、セルフメディケーションの普及、高齢化、健康志向向上などにより成長を続けています。しかし近年では、人口減少やインターネット通販の拡大により、同業他社に加えてスーパー・コンビニ・インターネット販売との競争が激しくなっています。
こうした中で、重視されている戦略が「総合化」と「地域密着化」です。医薬品に加えて、日用品・食品・化粧品なども取り扱うことで「総合化」を進め、利便性を高めながら、相乗効果による売上増加を目指す企業もあります。
また、調剤薬局を併設したり、土日・祝日や夜間も処方箋を受け付けたりすることで「地域密着化」を進め、かかりつけ薬局としての役割を強化する店舗も増えているのです。2021年に創設された「地域連携薬局制度」や、2024年の診療報酬改定に伴う「地域支援体制加算」再編も追い風となり、地域医療との連携強化も進んでいます。
このように、顧客の生活に寄り添いながら、地域の医療インフラとして貢献する「総合化」と「地域密着化」が競争力を強化するために重要な戦略とされているのです。
マツモトキヨシの強みとは?

マツモトキヨシが持つ強みには、プライベートブランドの商品開発力と収益性、都市部におけるブランド力と利便性、さらに販促・マーケティング力があります。
PB商品の開発力と収益性
マツモトキヨシは、独自のプライベートブランド商品を開発しており「matsukiyo」や「matsukiyo LAB」など、さまざまなブランドを展開しています。これらのプライベートブランド商品は、現在約2,300SKU(品目数)におよび、売上高の13.6%を占めているのです。
豊富な顧客データを活用した独自性がある商品開発力は、他社との差別化やリピーター獲得につながっており、マツモトキヨシの大きな強みです。さらに、プライベートブランド商品は、仕入れコストを抑えられるため、利益率の向上にも貢献しています。
都市部のブランド力と利便性
マツモトキヨシは、駅前や繁華街といった、アクセスのよい都市部へ出店を積極的に進めており、利便性の高い立地に店舗を持っていることが強みです。都市部での高い認知度とブランド力によって、日常的に利用するリピーターを獲得しています。
そのため、郊外型店舗のように、集客するために食品を安価で販売する必要がなく、利益率が高い医薬品や化粧品をメインで販売することができます。マツキヨココカラ&カンパニーの2025年3月期の業績では、医薬品と化粧品の売上高が全体の約7割を占めており、利益率の高い商品をメインに据えた安定した収益の仕組みを築いているといえるのです。
参考:マツキヨココカラ&カンパニー「2025年3月期 決算説明資料」
販促・マーケティングの強さ
マツモトキヨシは、顧客データを活用したマーケティングにも強みがあります。
店舗とデジタルの強みを組み合わせることで、次のような販促施策を展開しています。
- オンラインで注文すると、近隣の店舗から素早く商品が届くサービス
- オンライン上でメイクシミュレーターを用いて、商品を試せるサービス
- オンラインで質問に回答し顔写真を送信すると、肌や髪のコンディションを評価してもらえるサービス
- 肌や髪の評価結果を踏まえて、自分に適した商品を提案してもらえるサービス
- 処方箋を事前に送信しておくと、店舗で待ち時間なく薬を受け取れるサービス
このように、店舗とデジタルを連携させた販促施策によって、顧客との継続的な関係を構築している点が、マツモトキヨシの大きな強みです。
マツモトキヨシの年収や働き方

ここでは、登録販売者の平均年収や、キャリアアップの流れなどを紹介します。
登録販売者の平均年収・昇給イメージ
登録販売者の年収に関する正確な公的データは存在しませんが、正社員として勤務する場合、平均年収の相場は、300万円〜400万円程度とされています。
転職・就職情報サイトによると、マツモトキヨシに勤務する登録販売者の平均年収は373万円です。初任給は月額18万7,000円〜21万2,000円で、これに加えて資格手当や年2回の賞与、年1回の昇給があります。
さらに、店長やエリアマネージャーなどの役職に就くと、役職手当が支給されます。実際に、マツモトキヨシで店長を務める登録販売者の年収が、600万円に達するケースもあるのです。
キャリアアップの流れ
登録販売者において、一般的なキャリアアップの流れは、以下の通りです。
- 店舗スタッフ
- 店長
- スーパーバイザー
- エリアマネージャー
店舗スタッフは、レジ業務や品出しなどの業務を担当します。店長に昇格すると、勤務シフトの作成や売上管理など、店舗の運営にかかわる役割を担います。
スーパーバイザーやエリアマネージャーは、担当エリア全体の店舗を管轄する役職です。両者は、類似した役割を担う場合が多く、同じ意味で呼ばれることが少なくありませんが、一般的には次のように区別されます。
スーパーバイザーは、担当エリアにある店舗の現場業務や、運営をサポートします。一方でエリアマネージャーは、担当エリアにある店舗の経営管理を任されます。このように、業務や役職の経験を積みながらスキルを向上させると、キャリアアップを目指すことが可能です。
転職を考える方は最新求人情報を確認しよう
転職を考える際には、最新の求人情報を確認することが大切です。登録販売者の就職先は多岐にわたり、求人の数も豊富です。
求人サイトや転職情報サービスなどを利用し、こまめに最新情報を確認することで、希望に合った、条件がよい求人の見落としを防げます。定期的に求人情報を確認し、自分のライフスタイルや、キャリアパスに合った求人を見つけましょう。
マツモトキヨシにかかわるよくある質問

ここでは、マツモトキヨシに関するよくある質問と、その回答を紹介します。マツモトキヨシで働く登録販売者のリアルを知ることができる、マツモトキヨシの職場レポートもぜひご覧ください。
マツモトキヨシはどんな人材を求めていますか?
マツモトキヨシは、求める人材を「創造」「貢献」「挑戦」の3つの言葉で表しています。求人情報でも接客力や成長意欲の重視が強調されているため、接客スキルがあり、登録販売者としてキャリアアップを目指す意欲のある人が歓迎されるといえます。
他のドラッグストアチェーンと比べて、マツモトキヨシの課題や弱みはありますか?
マツモトキヨシは、都市部への出店を積極的に進めており、利益率が高い医薬品や化粧品の販売に強みがあります。一方で、郊外型店舗の展開は他の大手企業と比べて限られています。食料品や日用品など、幅広い商品の売上拡大については、他社と比べてやや後れを取っている面があるのです。
2025年12月には「ウエルシアホールディングス」と「ツルハホールディングス」の経営統合が予定されています。これにより、郊外型店舗を中心に展開する他社との競争が一層激化する可能性があります。
ココカラファインとの統合で変わったことは?
経営統合により、国内売上高1兆円・店舗数3,000超を誇る、ドラッグストア業界トップクラスの規模を実現しました。
参考:マツキヨココカラ&カンパニー「数字で見るマツキヨココカラ&カンパニー」
また、仕入れや物流の効率化による経費削減や、プライベートブランド開発の強化など、統合によるシナジー効果も発揮されています。実際に、経営統合後は売上高や営業利益が、連続して増加しています。
登録販売者としてマツモトキヨシに転職するメリットは?
マツモトキヨシに転職するメリットは、登録販売者として安定的な収入を得ながら、キャリアアップを目指せることです。大手企業であるため、安定的な収入を得られ、昇給制度も整っています。
また、店舗は都市部や駅近に多く、通勤しやすい立地も魅力です。福利厚生や研修体制も充実しており、安定した職場環境の中でキャリアアップを目指せます。
ドラッグストア業界の再編は今後どうなりそうですか?
2025年12月に予定されている「ウエルシアホールディングス」と「ツルハホールディングス」の経営統合により、ドラッグストア業界の再編がさらに加速しています。
参考:イオン株式会社・株式会社ツルハホールディングス・ウエルシアホールディングス「経営統合のご説明」
今後は、医薬品だけでなく、日用品・食品・化粧品などの取り扱い強化や、調剤併設店の拡大などによる「総合化」と「地域密着化」が、競争軸と考えられています。
まとめ|マツモトキヨシはプライベートブランド開発と都市部におけるブランド力に強み
2021年10月、「マツモトキヨシホールディングス」と「ココカラファイン」の経営統合により、新たに「マツキヨココカラ&カンパニー」が発足しました。マツモトキヨシの強みは、プライベートブランドの商品開発力と収益性、都市部におけるブランド力と利便性、さらに販促・マーケティング力です。
一方で、郊外型店舗の展開は他社と比べて限られており、食料品や日用品などの幅広い商品による売上拡大は、やや後れを取っている点が弱みとしてあります。
また「ウエルシアホールディングス」と「ツルハホールディングス」は、2025年12月に経営統合が予定されています。この統合により、一層激化する可能性がある競争を勝ち抜くために、「総合化」と「地域密着化」が重要な戦略となるでしょう。
マツモトキヨシへの転職を検討している方は、マツモトキヨシ独自の特徴に加え、ドラッグストア業界全体の動向も意識した企業研究をしてみてください。
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