【登録販売者】ドラッグストアのシフト作成はどうやっている?店長にインタビュー

こんにちは、登録販売者転職のアポプラス登販ナビライターチームです。
ドラッグストアの業務内容は、品出しやお客さまの対応、レジ業務などさまざまです。さらに、店長になるとシフトの作成やパート・アルバイトの管理までおこなう必要があるため、これから店長を目指す方は「自分にできるのだろうか」と不安を抱えることもあるでしょう。
今回は実際に現役店長として働くお二方を迎え、シフト作成のコツやシフトをうまく回すためのコミュニケーション術についてインタビューをおこないました。
目次
- ・ドラッグストアのシフトはどうやって作る?
- ・ドラッグストアのシフトづくりの課題
- ・インタビューで聞いてみた!シフト作りのコツ
- ・シフトをうまく組むために普段から心がけていること
- ・まとめ|シフト管理はポイントを抑えよう
ドラッグストアのシフトはどうやって作る?

まずは、ドラッグストアのシフト作りについて解説します。一般的にドラッグストアのシフトは店長をはじめとした店舗管理者や社員が作成することがほとんどです。しかし、店舗によっては若干の差が見られるようです。
シフトは店舗管理者や社員が作成する
シフトは毎月「どの従業員がどの時間帯にどれぐらい働くか」を決める大切な業務です。一般的に人件費の予算からその日に当てられる従業員の人数を定め、実際に入れる人を割り振っていきます。そのため、シフト作成は誰もができる仕事ではなく、ある程度パート・アルバイトの事情を理解した人が担当することになるでしょう。
各店舗のフォーマットに沿って作成する
シフトは各企業で設けられているフォーマットに沿って作成します。かつては紙に手作業で書いていくシフト作成が多く見られましたが、近年はツールを使ってシフトを組む企業がほとんどです。
ドラッグストアのシフトづくりの課題

ドラッグストアのシフト作成はある程度経験をつむと、スムーズにおこなえるようになります。しかし、多くの店長がつまずくのがこれから紹介する4つの課題です。事前に課題を把握することで、シフト作成の見通しが持てたり不安を軽減できたりするでしょう。
入れる人がいない時間帯が発生することがある
ドラッグストアは社員だけでなくパート・アルバイトの力を借りて運営します。店長にとってパート・アルバイトの存在はとても心強いでしょう。しかし、パート・アルバイトはそれぞれの事情を抱えて働いています。そのため、「今日は入れる人が誰もいない」という時間帯が発生してしまうこともあるでしょう。
例えば、普段は主婦の方が入っている時間帯にたまたま学校行事が重なったことから、誰も入れる人がいないこともあります。その場合は、社員がシフトを調整して入ることになるでしょう。
特定の時間に希望が集中する
店舗で雇用するパート・アルバイトの属性が偏っている場合は、特定の時間に希望が集中し、他の時間帯で人が不足するといったこともあります。そのため、シフトを組む前に様々な属性の人を雇用する必要があるでしょう。
例えば、昼間に入れる子育て中の主婦の方だけでなく、夜間に入れる学生を積極的に採用するといったことがあげられます。
労働時間を配慮する必要がある
シフトを作成する際は各パート・アルバイトの労働時間に配慮して組む必要があります。例えば、扶養の範囲内で働いているパートの方に対しては、店舗としてはどれだけ働いてほしくても、年収が103万円を超えてしまわないように配慮する必要があります。
年収103万円を超えるとパート・アルバイトは自分で各種社会保険料を支払うことになるため、普段のシフトで店長が注意する必要があるでしょう。また、どれだけ従業員が「シフトを多く入れて欲しい」と要望を出していたとしても他の従業員もバランスよく働けるよう公平性を意識しなければなりません。
シフトを組む際は「この人は働きすぎていないか」「希望する人がバランスよく稼げるようになっているか」の兼ね合いが大切です。
作成に時間を要する
シフト作りは慣れてくると短時間で作れるようになりますが、繁忙期や人の出入りが激しい時期はシフトを組むのに時間がかかってしまうこともあります。また、日頃の業務量が多い場合、シフト作成まで時間を確保できず「月初ギリギリになってしまった」ということもあるでしょう。
シフト作成が難しい場合は店長が一人で抱え込むのではなく、社員やアルバイトリーダーなどを巻き込みながら作成していく店舗もあるようです。
インタビューで聞いてみた!シフト作りのコツ

ここからは実際に2人の現役店長にインタビューでお聞きした内容をもとに、シフト作りのコツを紹介します。今回お伺いしたのは、関西を中心に店舗を展開する店長のAさん。そして全国展開をするドラッグストアで店長を務めるBさんです。

Aさん

Bさん
お二方が揃って言っていたのは「シフト作りは作成のノウハウだけでなく、従業員との日頃のコミュニケーションがポイントです。」ということでした。
シフトはパズルを組み立てるように
- B店長
シフトは「パズルを組み立てるように組んでいく」とイメージするとわかりやすいですね。例えば、月に『〇〇万円の人件費でやりましょう』っていう予算から1日に雇える人数をふまえたうえで、シフトを組んでいきます。パートさんやアルバイトさんの事情を汲みながら「この人はここだな」と頭の中でパズルを組み立てていくような形で普段からシフトを組んでいます。
ドラッグストアでは主婦の方や学生の方など、様々な特性の人が活躍しています。その人たちの事情を考慮したうえで「この人はここに入れる」と組み立てていくのがシフト作成のコツのようです。
シフトづくりは店長以外も
- A店長
うちの店舗では店長や副店長がシフトを作ることはもちろん、社会経験を積みたいアルバイトリーダーに作ってもらうこともあります。従業員に経験を積んでもらうという気持ちでシフト作りに参加してもらうのもよいかもしれませんね。シフト作成は人の動きを決めることから責任があり「店長がするべき」という企業や店舗も多く見られます。しかし、店長に教わりながら他の従業員やリーダーがシフトを組み、店長の負担を軽減するといった取り組みも一部店舗では見られるようです。
シフトをうまく組むために普段から心がけていること

現役店長へのインタビューをおこなう中で「シフトは普段からの従業員とのコミュニケーションが大切」という共通した意見が聞かれました。ここでは、店長がシフトをうまく組むために心がけたいポイントを3つ紹介します。
普段からパートやアルバイトの話を聞く
- A店長
シフトを組むだけでなく店舗の環境をよくするために、普段から従業員の話を丁寧に聞くようにしています。そのせいかシフトに穴が開き社員でカバーするということはほとんど起きていません。
自分だけで解決しようとしない
- A店長
店長になるとどうしても責任が重大だと考え、すべて自分で抱え込んでしまいそうになります。とくに、店長にあがったばかりの頃は数字や人の管理とやるべきことが増えて不安を抱えることもありますよね。しかし、手探りながら1年間その店舗で過ごしていくと、だんだんと手応えが出てきて経験からいろいろなものを得られます。そして、周りにいる支えてくれる人の存在にも気づき、少しずつ人に頼れるようになっていきます。例えば、毎月の売上が芳しくない時。自分一人でどのようにマイナス部分を改善するか考えるのではなく、売り場の担当者や副店長に声をかけて意見をもらいながらやっていくとうまくいくこともあります。もちろん店長として責任を負うべきところはありますが「みんなで楽しんで仕事をしよう」とポジティブに捉えることが大切です。
スタッフの特徴を把握し、自分が苦手なところは得意な人に担ってもらったり、相談しながら進めたりすると、シフトの管理はもちろん普段の業務もスムーズになります。
押し付けでなく対話を意識
- B店長
パートやアルバイトの方に協力してもらってはじめて店舗は成り立ちます。店長は本部と店舗をつなぐ橋渡しのような役割で、実際に店舗を動かしてくれるのは他の従業員の方々です。
だから、従業員に普段から「何かあればいってくださいね」と声をかけ、悩みごとがあれば一つひとつ解決していく。その中で信頼関係を獲得していきます。もちろん、店舗にはなかなか人間関係の構築が難しい従業員の方も見られます。
しかし、問題を起こしてしまう人の背景には何か必ず根本となる原因が潜んでいます。それが家庭環境なのか本人の気質なのかは人によって様々ですが、その原因を紐解いてあげることで事態が改善することも経験としてありました。
「店長だから」とパワーで押すのではなく、相手の話を聞いたうえで解決策を探っていくことが大切です。上から押さえつけると一旦収まるようには見えるのですが、意外と根本的な問題が解決しておらず、後になって大きなトラブルになるということも考えられます。
また、若い店長の場合、人生の先輩であるパートやアルバイトの方にあまりにも傾聴しすぎて丸め込まれてしまうということもあります。しかし、あくまで店長は店舗の責任を持ち店舗を円滑に運営するために存在しています。そのため、人生の先輩として尊重するところは尊重しながらも、店長として守るべきところはきちんと守ることが大切です。
店長になると数字の管理が求められることからマーケティング関連の勉強をする方が多く見られます。もちろんそれも大事な勉強の一つですが、私は心理学に関する書籍などもドラッグストアの店長として役に立つなと考えています。それくらいに、店長として働くには周囲との関係性を大切にする必要があります。
まとめ|シフト管理はポイントを抑えよう
店長の仕事内容は多岐にわたりますが、中でもシフト管理は店舗に所属する従業員の様々な事情を考えて組む必要があるため難しいものです。また、シフトをうまく管理するためには普段から他の従業員とコミュニケーションを取り、悩みごとをきめ細かに聞いて信頼関係を構築していくことが大切だとわかりました。
実際に、今回インタビューした現役店長のお二人から「パートアルバイトとの関係性は重要」とインタビューの中で回答を得られました。店舗運営を円滑におこなうには、企業の規模やエリアを問わず、働いてくれている人に感謝しながら業務に取り組んでいくことが欠かせないといえるでしょう。
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