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【登販向け】フェキソフェナジンの飲み合わせ、禁忌は?花粉症のお客さまへの対応を解説

【登販向け】フェキソフェナジンの飲み合わせ、禁忌は?花粉症のお客さまへの対応を解説

フェキソフェナジン塩酸塩は第2世代抗ヒスタミン成分で、花粉やハウスダストによる鼻水、鼻づまり、くしゃみなどのアレルギー症状を改善します。例年、1月ごろから花粉症の症状を訴えるお客さまが増え、抗ヒスタミン成分の需要も高まります。

本コラムでは、フェキソフェナジン塩酸塩の基礎知識を解説し、後半では「よくある質問」に回答します。

目次

登録販売者が知っておくべきフェキソフェナジン塩酸塩の基礎情報

登録販売者が知っておくべきフェキソフェナジン塩酸塩の基礎情報

この項目では、フェキソフェナジン塩酸塩の「効能効果」や「使用上の注意」など、基本的な知識について解説します。

フェキソフェナジン塩酸塩の効能効果

フェキソフェナジン塩酸塩の効能効果は次の通りです。「アレルギーによる鼻炎」には効能効果がありますが、「風邪による鼻炎(=急性鼻炎)」には適応外であることに注意が必要です。

花粉,ハウスダスト(室内塵)などによる次のような鼻のアレルギー症状の緩和:くしゃみ,鼻水,鼻づまり

フェキソフェナジン塩酸塩の使用上の注意

①してはいけないこと(禁忌事項)
フェキソフェナジン塩酸塩は、授乳婦の服用が禁止されています。ただし、医師によっては、医療用のフェキソフェナジン塩酸塩を処方するケースもあります。授乳中のお客さまから、OTC(一般用医薬品)の「アレグラFX」で代用してもよいかどうか聞かれた場合、次の順で対応してください。

  1. OTC(一般用医薬品)のフェキソフェナジン塩酸塩は、添付文書上、授乳婦の服用が禁止されていることを伝える
  2. 医師の判断によっては医療用のフェキソフェナジン塩酸塩が処方される可能性もあるので、かかりつけ医に相談するように伝える

なお、フェキソフェナジン塩酸塩の最大の特徴は、服用後の乗り物の運転が禁止されていないことです。ほとんどの抗ヒスタミン成分では服用後の運転が禁止されていますが、OTC(一般用医薬品)の場合、フェキソフェナジン塩酸塩とロラタジンの2成分については禁止されていません。商品選びの大きなポイントになりますので、必ず覚えておきましょう。

②相談すること
妊婦や高齢者などは「相談すること」になっています。基本的に、妊婦への使用についてはかかりつけ医に相談するようにお伝えしましょう。

なお、第1世代の抗ヒスタミン成分では、緑内障や排尿困難のある人は「相談すること」になっていますが、フェキソフェナジン塩酸塩を始めとする多くの第2世代の抗ヒスタミン成分では、それらの持病は「相談すること」になっていません。その点でも、すすめやすい薬であると言えるでしょう。

フェキソフェナジン塩酸塩の商品例

(1)フェキソフェナジン塩酸塩 単剤の商品

アレグラFX、アレルビ、フェキソフェナジン錠「RX」

【成分】
フェキソフェナジン塩酸塩

【用法】

  • 15才以上:1回1錠、1日2回朝夕に服用
  • 15才未満:服用しないこと

アレグラFXジュニア、フェキソフェナジン錠「RX」ジュニア

【成分】
フェキソフェナジン塩酸塩

【用法】

  • 7才〜11才の小児:1回1錠、1日2回朝夕に服用
  • 12才〜14才の小児:1回2錠、1日2回朝夕に服用
  • 7才未満の小児:服用しないこと

【補足】
フェキソフェナジン塩酸塩の商品には大きくわけて、15才以上の「大人用」と7才~14才の「子供用」があります。使用者の年齢によって選択するようにしましょう。

(2)フェキソフェナジン塩酸塩との配合剤の商品

アレグラFXプレミアム

【成分】
フェキソフェナジン塩酸塩、プソイドエフェドリン塩酸塩

【用法】

  • 成人(15才以上):1回2錠、1日2回、朝夕の空腹時に服用
  • 15才未満:服用しないこと

【補足】
アレグラFXプレミアムは、抗ヒスタミン成分の「フェキソフェナジン塩酸塩」と、血管収縮成分の「プソイドエフェドリン塩酸塩」との配合剤で、つらい鼻づまりまでカバーできるメリットがあります。ただし、要指導医薬品であり、薬剤師のみが販売できる商品であることと、プソイドエフェドリン塩酸塩の配合により、高血圧や心臓病、甲状腺機能障害、糖尿病、緑内障などの持病のある方は禁忌となっています。

登録販売者必見!フェキソフェナジン塩酸塩のよくある質問

登録販売者必見!フェキソフェナジン塩酸塩のよくある質問

本項目では、フェキソフェナジン塩酸塩に関する登録販売者からの「よくある質問」に回答します。

Q. フェキソフェナジン塩酸塩との「併用」が禁止されている医薬品はありますか?

A. 添付文書に記載のある、フェキソフェナジン塩酸塩の「併用薬」に関する禁忌事項は次の通りです。これらの医薬品との併用は避ける必要があります。

本剤を服用している間は,次のいずれの医薬品も使用しないでください。
 他のアレルギー用薬(皮ふ疾患用薬,鼻炎用内服薬を含む),抗ヒスタミン剤を含有する内服薬等(かぜ薬,鎮咳去痰薬,乗物酔い薬,催眠鎮静薬等),水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム含有製剤(制酸剤),エリスロマイシン(抗生物質),アパルタミド(前立腺がん治療剤)

参考:アレグラFX「添付文書」

【補足】
フェキソフェナジン塩酸塩は、「蕁麻疹に用いられる薬」や「鼻炎用内服薬」、「風邪薬」など、抗ヒスタミン成分を含有する他の医薬品との併用が禁止されています。そのため、併用を検討している商品に抗ヒスタミン成分が配合されていないかどうか、しっかりと確認をおこなってください。

また、「水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム含有製剤(制酸剤)」との併用について、「アレグラFX」の公式ページには次のように記載があります。

Q11.胃腸薬と併用することはできますか?
水酸化アルミニウムと水酸化マグネシウムの両成分を含有する制酸剤以外の胃腸薬については、「アレグラFX」との併用は可能です。

参考:アレグラFX「よくあるお問い合わせ」

さらに、抗生物質などの医療用医薬品においても、併用禁忌とされているものがあります。医療用医薬品を服用中のお客さまについては、医師・薬剤師に相談するように伝えてください。

Q. フェキソフェナジン塩酸塩と点鼻薬との「併用」はできますか?

A. 点鼻薬との併用は可能です。ただし、抗ヒスタミン成分が配合されているものなど、成分の重複に注意してください。

【補足】
点鼻薬には大きくわけて、「血管収縮成分配合の点鼻薬」と「ステロイド点鼻薬」の2種類があります。

まず、「血管収縮成分配合の点鼻薬」は、ナファゾリン塩酸塩などの血管収縮成分と共に、抗ヒスタミン成分が配合されていることがあります。抗ヒスタミン成分が重複して眠気の副作用などが出やすくなるため、お客さまと相談のうえ、併用するかどうかを決めてください。

次に、「ステロイド点鼻薬」は多くが単剤ですので、その場合、併用はとくに問題ありません。「ステロイド点鼻薬」は全身性の副作用も少なく、「鼻水」「くしゃみ」だけでなく、「鼻づまり」に対しても優れた効果を発揮します。一般的に、抗ヒスタミン成分は鼻づまりへの効果が出にくいと言われています。そのため、ステロイド点鼻薬との併用により、相乗効果を期待することができますよ。

Q. アレグラFXは「蕁麻疹」の症状に使用することができますか?

A.  アレグラFXは「蕁麻疹」への効能効果が認められていないため、使用することができません。

【補足】
医療用医薬品のフェキソフェナジン塩酸塩は「蕁麻疹」への効能効果があるため、まれにお客さまから「蕁麻疹にアレグラFXを使いたい」と相談されるケースがあります。しかし、OTC(一般用医薬品)はあらかじめ決められた(承認された)効能効果で使う必要があるため、登録販売者から積極的に蕁麻疹への使用をすすめるのは避けるようにしましょう。

添付文書に書かれていない効能効果や用法用量などでOTC(一般用医薬品)を使用すると、「不適正な使用」とみなされ、「医薬品副作用被害救済制度」が利用できなくなります。お客さまの不利益になるので注意してください。

参考:久光製薬「商品(一般用医薬品)についてのよくある質問」

まとめ|登録販売者はフェキソフェナジン塩酸塩に関する質問に答えられるようにしておこう

フェキソフェナジン塩酸塩は、服用後の自動車の運転に対する禁忌事項がなく、すすめる機会の多い成分です。その分、お客さまからの問い合わせの機会も多いことが予想されるため、併用可否や妊婦・授乳婦への使用などについて、スムーズに受け答えできるようにしておきましょう。

執筆者:村松 早織(薬剤師・登録販売者講師)

執筆者:村松 早織(薬剤師・登録販売者講師)
株式会社東京マキア 代表取締役
登録販売者や受験生向けの講義を中心に事業を展開
X(旧:Twitter)、YouTube等のSNSでは、のべ1万人を超えるフォロワー・チャンネル登録者に向けて、OTC(一般用医薬品)についての情報発信をおこなっている。

■著書
・医薬品暗記帳 医薬品登録販売者試験絶対合格! 「試験問題作成に関する手引き 第3章」徹底攻略(金芳堂)
・薬機法暗記帳 医薬品登録販売者試験絶対合格! 「試験問題作成に関する手引き 第4章」(金芳堂)
・これで完成! 登録販売者 全国過去問題集 2023年度版(KADOKAWA)
・村松早織の登録販売者 合格のオキテ100(KADOKAWA)
・やさしくわかる! 登録販売者1年目の教科書(ナツメ社)
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