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【現役ドラッグストア店長直伝】マニュアルとの向き合い方<登録販売者のキャリア>

【現役ドラッグストア店長直伝】マニュアルとの向き合い方<登録販売者のキャリア>

【現役ドラッグストア店長直伝】マニュアルとの向き合い方<登録販売者のキャリア>

登録販売者の皆さんはチェーン展開を行っている企業で勤務されている方が多いと思います。企業の規模が大きくなればなるほどマニュアルも分厚くなるのですが、今後の業界はM&Aが加速することは間違いない流れなのでその時に最も苦慮することになるマニュアル対応を登録販売者として押さえておく必要があります。

またマニュアル内容と、現場の現状との乖離にどう対応したらいいのか悩んでいる方も多いはず。一緒に考えてみましょう!

目次

そもそもマニュアルとは?

そもそもマニュアルとは?

各企業には必ず「マニュアル」があります。
業務の説明書としてや手順書でもある存在ですね。

このマニュアルは手助けになる場面も多いですが、逆に足かせとなってしまう側面も持ち合わせています。

マニュアルがあるから逆に作業に時間がかかった...
マニュアルがなければもっと自由に仕事ができるのに...
自己流で作業できればもっと売上が伸びるのに...

こんな悩みを抱えながら業務を行っている方も多いはずです。

マニュアルの重要性を理解する

そもそも「マニュアル」とは何でしょうか。
マニュアルを日本語にすると「手引き書」となります。
手引き書とは「ある事項についての簡単な案内や、手ほどきを記した本」という意味です。

ある事項、つまり店舗業務に関する事項の簡単な案内なのです。
「簡単」ということは「誰にでもできる」ということなのです。

高校生でも日本語を学んだばかりの外国人でも理解できる文章で書かれています。

そしてそれはその会社にとっての「法律」ともいうべき存在なのです。

重要なのは更新されたとき

その企業の法律ともいうべきマニュアルですが、法律と同じく頻繁に改正されます。
直近では「濫用等のおそれのある医薬品」対応でマニュアルが改正されているはずです。

このような大きな変更への対応は目立ちますが、細かい変更はその都度に対応しないといけません。書式の変更を見落として再提出を求められた...なんて経験をした方も多いはずです。

法律と同じで「改正を知らなかった」が通じないのもマニュアルです。

各社方法は違うと思いますが、マニュアル改正連絡はその都度ファイリングしておくと便利なのでお勧めです。

周知徹底が重要

私は今まで十数店舗を経験していますが、異動の度に感じるのが「マニュアルに対する温度感」です。

・周知徹底ができていない
・経験を優先し我流を貫いてしまう

大きく分けるとこのふたつですが、店舗年齢が上がるほど遵守されていない傾向があります。

先ほどもお伝えしましたが、マニュアルは企業にとっての法律です。
道交法が改正されたら皆が従うように、マニュアルが改正されたら従わないといけません。

ではマニュアルを重視しないとどんなデメリットがあるのか、具体的に考えてみましょう。
特に登録販売者にとっては法令遵守や効率面からも重要な事項となります。

マニュアルを逸脱する例とデメリット

マニュアルを逸脱する例とデメリット

マニュアルを疎かにすることは非常にデメリットが多くなります。
メリットがあると言われることもありますが、結論から言うと「マニュアル違反のメリットはゼロ」です。

もしメリットを感じたとしても、それは自分だけのメリットか極々短期的なメリットです。

全員理解していないことで起こる弊害

マニュアルを理解していないことで起こる弊害は主にふたつに要約されます。

「時間的弊害」と「売上的弊害」です。

弊害があるのになぜ守られないのでしょう?
それは、弊害とはすぐには現れないからなのです。

全員への周知が手間...
これくらいなら周知しなくても差支えないだろう...
今までの手順の方が簡単だし...

こんな慢心からマニュアルの逸脱が始まり、いつしか感覚が麻痺し、酷いと法令違反にまで発展するおそれもあります。

どんな事でも言えますが、慢心は本人が思っている以上に事態が悪化するものなのです。
だからマニュアル周知、改正の周知は徹底して行う必要があります。

店舗独自ルールを付け足してしまう

もうひとつ、弊害が起こりやすいのが「独自ルールを付け足してしまう」ことです。
マニュアル尊重を意識してのことでしょうが、正直に言って、ただの二度手間です。

最も多いのが新たに指定された業務を行いつつ、今までの業務を行ってしまうこと。
世の中の流れと同じで、常に業務もアップデートを行わないと効率化できません。

最近多いのは人時削減の中で推進されているDX化の動きではないでしょうか。
新システムに対応できず、アナログ的な手法や書式を使い続けてはいませんか?

会社が新たに採用したシステムを活用せずに旧態依然な業務を続けることは結果的に弊害が多くなります。

今は過渡期ですので、DX化への忌避感のある方は少し頑張ってみましょう。
分からなかったらどんな些細な事でも聞くべきです。
大丈夫、始まったばかりの事は分からない人は多いので恥でもなんでもありません。

厳しい言い方ですが、新たな業務が追加されたら省かれたことはムダな業務です。

安全で効率的に業務を行うコツは、「マニュアルに記載していないことはやらない」ということに尽きます。

マニュアルは無難への最短距離

マニュアルは業務手順書であり、デメリットを排除しつつ効率的に業務を行うための「会社の法律」なのです。

実は私はよく店舗で「マニュアル人間」などと揶揄されたりします。
しかしそれは考えていないのではなく、効率的かつ安全に店舗運営するためなのです。

皆さんの店舗の「マニュアル最優先」な方も、そうなのかもしれませんね。

マニュアルを遵守して起こるメリット

マニュアルを遵守して起こるメリット

最もマニュアル尊重すべきなのは誰でしょう?
それは店長と資格者である登録販売者です。

それはもちろん立場上の理由もあるのですが、他にも大きなメリットが存在するからです。

作業時間の時短

大きなメリットとしてはまず作業の時短に繋がる、ということです。
会社としては生産性を1分、1秒でも上げようと作業内容の見直しを行っています。

当然、店舗によって店舗構造・レジ台数・ピーク時間などの状況は違うので各作業でマニュアルに沿った対応を行うと時間的ロスが発生する場合もあります。

しかしその作業ごとに取捨選択を行うと一貫性が取れないですし、新規採用者や店舗異動者が戸惑う原因となります。

せっかく時間をかけて教育した新規スタッフが早期退職をしてしまったら「時間的ロス」という言葉では済ませられません。

確かに新しいオペレーションを導入すると切り替えや全員への周知と教育で時間はかかりますが、それはロスではなく将来のアクシデント防止なのです。

オペレーションの統一

ドラッグストアはほぼチェーン展開を行っているため、マニュアル化によってサービスの店舗格差を少なくすることが求められています。

サービスの店舗格差は様々なシチュエーションで発生します。
お客様サービスの不足はもちろんいけませんが、過剰なサービスも禁忌なのです。

いったん過剰に行ったサービスがマイナスイメージを持たれずに是正しようとするのは、本当に大変なことなのです。

過剰に値引きやポイント付与を行ったりするのはもちろん、そもそも景品表示法違反ですが過剰にサンプルを付けたりするのもよく見受けられます。
こうした過剰サービスは是正した時点でマイナスイメージを持たれます。

過剰サービスが効果的なのは初回だけで、お客様にとって2回目以降はそれが「当たり前」となり、是正すると「サービスが悪くなった店」と捉えられます。二度と来店されなかったりクレームとなる可能性が大きいのです。

「〇〇店は私に良くしてくれる」と思われるのは結果的に悪手となります。
最善は「〇〇ドラッグはどこの店でも安心」と思われることなのです。

お客様がどの店舗でも同じサービスを受けられる安心感はそのまま信頼となり、固定客化につながります。

そしてお客様から見えないところのマニュアル違反なら良いわけではありません。
負の側面は数珠つなぎのように表面化するため、些細な業務でもマニュアル通りに行うべきです。

誰でも法令遵守ができる

登録販売者にとっての「マニュアル遵守」の最も大きな目的は法令順守でしょう。

特に薬機法は最も身近であり最も重要視しなければいけない法律です。
薬機法に抵触すると、お客様はもちろんのこと、会社にも店舗管理者にも自身にも影響が及びます。

薬機法以外にもドラッグストア運営には数々の法律が関係してきます。
食品衛生法、労基法、景品表示法、個人情報保護法...など。

マニュアル違反をしてこれらの法律違反をしない、ということは困難です。
たとえ法律に無知でもマニュアルを遵守すれば法律違反は基本的に起こりません。

法律を勉強しなくてもマニュアルさえ守れば法律違反は基本的に起こりません。
繰り返しになりますが、マニュアル改正も押さえておかないと問題が発生する原因となります。

自身を守るために

自身を守るために

ここまで考えてきてお分かりだと思いますが、「マニュアル遵守」というのは最終的には「自身を守ること」につながります。

自身を守るということは、店舗を守り、自身の雇用を守る...ということです。
最後に自分のことを客観的に見ながら読んでみてください。

マニュアルの遵守は自分のため

マニュアルを遵守するとトラブルは減ります。
しかし、もちろんマニュアルを守ってもトラブルは発生します。
しかしその際は「マニュアル通りだった」事が大きな盾となるのです。

言い方を変えれば、マニュアルを守った上で起こるトラブルに対しては誰もあなたを責める権利はないのです。それは店長を始めとした上長や会社も同じことです。

もしマニュアルを疎かにしたことでトラブルが発生したら、誰もあなたを守ってはくれません。

マニュアルとは「自身を守る方法」とも言えます。
思考をアップデートできなかったり、手順を改めなかったり、マニュアル改正の連絡を疎かにすることは、自身を苦しめることにつながります。

それは店長も登録販売者もアルバイトを含めた一般従業員も同じことです。

特に登録販売者は遵守しなければいけない

登録販売者は先に書いた通り、薬機法を遵守する必要があります。マニュアルを守り、マニュアル改定を見落とさずに業務にあたれば違反は起こらないはずです。特に店舗管理者の方は注意が必要です。

また薬機法が絡んでいない業務においても、当然ながらマニュアルを尊重しなければいけません。意外なところで法律が絡んでくるので、思いがけない法律違反を犯す可能性もあります。基本的にマニュアルを尊重すれば問題ありません。

しかし登録販売者がマニュアルを尊重すべきな理由がもうひとつ存在します。

それは、登録販売者は他の従業員の「手本」となるべきだからです。
店舗従業員の中でも手本となる存在になれば、必然的に他の従業員や上司から支持されます。

登録販売者が法律を念頭に置いたマニュアル遵守を行動として示すことにより、他の従業員の模範となり店舗の秩序が保たれるのです。

登録販売者は、ただの「薬を売ることができる人」ではありません。
皆の模範となるよう率先してマニュアル遵守を行ってください。

マニュアルにない状況が発生した時の対応

マニュアルに存在しない状況が起こった場合の対応は「即上司に指示を仰ぐ」しかありません。これを怠ると全て自己責任となる可能性もあります。

また、問題がこじれてお客様や同僚に迷惑がかかることや、上司が対応しないといけない場面も想定されます。勝手な自己判断は自身の評価を下げることにつながります。

お客様対応において想定外の対応は現場判断をせずに迅速に上司報告を行い、指示を仰ぐのが最善であり唯一の方法です。

マニュアルは店舗従業員の自由を縛るものではなく、業務を遂行しやすくしてお客様へのサービスを均一化し、最終的にあなたを守ってくれる存在なのです。

次回出勤時に、もう一度マニュアルに目を通してみてください!

ケイタ店長(登録販売者)

執筆者:ケイタ店長(登録販売者)
ドラッグストア勤務歴20年、一部上場企業2社で合計15年の店長経験を活かし、Twitterなどで登録販売者へのアドバイスや一般の方への生活改善情報の発信を行っている。Twitterフォロワー数約5,000人。

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