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【指名の止まらない登録販売者を目指して】ドラッグストアで役立つズルい心理学《不安感情の克服法》

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【指名の止まらない登録販売者を目指して】ドラッグストアで役立つズルい心理学《不安感情の克服法》

「どうしよう...どうやって話しかければいいんだろう...」

登録販売者としてドラッグストアで働いていれば、誰もが一度はこんな思考が頭をよぎっているのではないでしょうか?いわゆる『不安』です。

もちろん私もその1人です。何を隠そう私自身、生粋の不安型人間で、登録販売者になりたての頃は、よく足をガクガク震わせながら店頭に立ち、何とかお客さまに話しかけたとしても、その時点で頭は真っ白で、そのあとの会話がほとんど続かないという経験を連発していました。

そんな私ですが、今ではYouTubeや凡人賢者アカデミーを通して、視聴者や様々な企業の方とお話しする機会が多くありますが、何も臆することなく堂々と話せていますし、ライブ形式でおこなう『個別相談会』という企画では、視聴者から何を聞かれるかまったく分からない状態でも台本なしでスラスラと話せるようになっています。
私がこんな風に変われた理由はいくつかありますが、何より一番大きな理由は「不安に対する考え方」をきちんと学んだことに尽きるでしょう。

つまり不安感情というのは、考え方や捉え方一つで私たちを成長させ、成功に導いてくれる存在なのです。
というわけで本記事では、そんな不安に取り込まれないための考え方や、不安の活かし方をお伝えしていこうと思います。

目次

みんなが誤解している【不安の真実】

みんなが誤解している【不安の真実】

『不安感情』と聞いて、どんなイメージを抱くでしょうか?おそらくほとんどの方が「ネガティブで不必要なもの」といったイメージを持っているかと思います。ですが、実はそんなことはありません。過去の私も含めて、多くの方に誤解されているのが不安感情なのです。
まずはその誤解を解いていきましょう。

真実①日本人はみんな不安症

不安のようなネガティブな感情を抱くとつい「周りの人はちゃんとしているのに、なんて自分はダメなヤツなんだ...」と自責の念を抱きやすくなりますが、ご安心ください。あなただけではなく、みんな不安症なのです。
もちろんこれは気休めではありません。実は日本人の大半が生まれつき不安症なのです。意味が分からないと思うので説明します。

そもそも『不安』とはなんなのでしょうか。
その答えは神経伝達物質である『セロトニン』が鍵となります。
セロトニンにはノルアドレナリンの作用を抑えて不安を鎮め、精神の安定に寄与する役割があります。そんなセロトニンですが、分泌されて「ハイ終了」というわけではなく、分解されたあとに一部がリサイクルされることが分かっています。(いわゆる"再取り込み"です)
このセロトニンをリサイクルする時に使われるのが『セロトニントランスポーター』です。
(鬱病などに使われるSSRIやSNRIはここに作用します)

このセロトニントランスポーターには遺伝子量の多いL型と遺伝子量の少ないS型の2種類があり、L型はセロトニンを多く作り、S型は少なく作ります。
ざっくりまとめてしまうと、セロトニントランスポーターがL型の人は前向きで不安になりにくく、S型の人はセロトニン不足で不安症になりやすい、ということになります。

ここでお気づきの方もいると思いますが、このセロトニントランスポーターは人種によって持っている割合が異なる性質があり、中でも日本人はS型の占める割合が約80%と、世界ぶっちぎりトップであることが分かっています。
つまり「こんなに不安なのは自分だけだ」というのは完全なる思い込みで、日本人の大半が同じ不安症ということになります。私たち日本人は、メンタルの問題を抱えるべくして抱えているのです。

真実②不安は必要な感情である

進化心理学の観点で言えば、ヒトが持つ性質や器官には、すべて何らかの理由があると考えます。例えば怒りの感情も不安感情と同様、ネガティブなものとして捉えられがちですが、実際には怒りの感情は人類の進化に相当寄与しています。他の部族からの襲撃や、仲間が食糧を盗むなどの裏切り行為を発見した時などにすばやく行動するためには、怒りの感情は欠かせません。つまり感情には、そういった本来の機能があるのです。

それでは『不安』の存在理由はなんでしょうか?結論からいうと、不安の機能は「警報装置」です。目の前で草が動いたのは、奥に猛獣がいるのではないか、と正体が分からないものに対して危機を察知し、事前に対策をとるように警報を鳴らすのです。
そうやって生き残り、進化してきた結果が現代の私たちなのです。
ところが、不安の質が変化した現代の私たちには、かつてうまく働いた機能が動作せず、ミスマッチを起こします。

狩猟採集時代であれば、猛獣の危険を察知した警報装置が起動すれば、シンプルに逃走すれば済む話でした。(いわゆる『闘争・逃走反応』です)
ですが、登録販売者がお客さまを目の前にして、いちいち逃走していては仕事にならないので、警報を無視して立ち向かうしかありません。ここで「不安なんて感じてはいけない!何とか抑えなくちゃ!」と警報装置に反発し続けた結果、ストレスを抱えて思考が働かず、頭が真っ白になるのです。

実際、ラドバウド大学の研究では「慢性的な社会不安を抱えている人はそうでない人に比べて、学習効率が約20%低い」ということが分かっているので、不安感が脳機能まで下げてしまうことはほぼ間違いなさそうです。

「え、じゃあやっぱり不安感情なんていらないのでは?」と思いますよね。
それが次の話に繋がってきます。

参考文献:Expectations influence how emotions shape behavior. Emotionally Aversive Cues Suppress Neural Systems Underlying Optimal Learning in Socially Anxious Individuals

真実③不安はコントロールして活かすもの

誰でも不安になるのは嫌なものですが、それでは逆に不安感情がまったくなくなってしまった場合、人はどうなってしまうのでしょうか?
結論から言うと、何もやる気がせず、エネルギーが抜け落ちたダメ人間になってしまいます。理由は至極シンプルで、先程《真実②》でお話しした通り、警報装置が作動しないからです。心はまるで冬眠しているかのように完全オフ状態となり、退屈になります。退屈を感じると人は刺激を求め、スマホゲームに課金したり、スイーツに手を出したり、ギャンブルに興じるなど、いわゆるダメ人間と化します。

一方で不安が大き過ぎれば、人はそれに押しつぶされて何もできず、ひどい場合は鬱病に繋がってしまう場合もあります。
私も過去にドラッグストア店舗で働いていましたが、売上の低い暇な店ほど人間関係のいざこざが激しく、内部不正問題や、果ては強盗被害など、登録販売者の業務内容以外の話題に事欠きませんでした。今考えれば、緊張感のなさから身体の警報装置がうまく作動していなかったことも一因なのかな、と感じています。

つまり私たちが為すべきは「不安感のコントロール」ということになります。
分かりやすく言えば医薬品と同じです。
用法容量を超えた濫用は肉体と精神を蝕みますが、きちんとルールを守りながら正しく服用すれば、病気に対抗し得る味方になってくれます。
こういった適度な緊張感(スウィートスポット)を意識しつつ、不安感情を利用し、コントロールすることが大切なのです。

あともう一つ重要なことがあります。「不安感情は嫌な気持ちになるから抱きたくない」という方もいるでしょうが、不安感情は不快でなくてはなりません。なぜなら、その"不快を取り除くために行動する"という点が重要だからです。
行動を起こして不安感が減少すれば、必然的に不快な感情も消えていきます。この時に「目標が達成された」というサインを得られるのです。
やはり、すべての感情には意味があるのです。

不安感情を味方につける方法

不安感情を味方につける方法

不安感情をコントロールするには、出過ぎた感情を抑制し、囚われないようにする必要があります。プライベートはもちろん、仕事中でもできるテクニックを紹介します。

方法①グラウンディング

グラウンディングというのは心理療法で使われる基本テクニックのひとつで、視覚や聴覚、嗅覚などを使って様々な感情や思考から注意をそらすことを指します。ネガティブな感情に襲われている間で問題なのが、感情が思考や身体をのっとってジャックし、とるべき行動がとれなくなってしまうことです。それをグラウンディングで現在に集中して身体の反応を中断させ、脳と感情を落ち着かせる、というわけです。

様々な方法があり、この記事で紹介するには少々専門的になり過ぎてしまいますので、今回は仕事中でもできる『333法』をご案内します。以下の3ステップで行います。

  • 1. 目に見えるものを3つ挙げる。観察する
  • 2. 聞こえてくる音を3つ挙げる。観察する
  • 3. 身の回りにある3つの物体を動かすか触る

以上です。
周囲を見渡してみて、視界に入るものなら何でも構わないので、それぞれ3つずつ選んでみてください。

ポイントは『実況中継をする』イメージです。
例えばステップ1で登録販売者の大切なアイテム「白衣」を選んだのであれば
「意外に生地がしっかりしてるんだな」
「よく見たらお腹の部分が納品で真っ黒だな」
「汗ばんでしっとりしているな」
といった具合です。実況内容は具体的であればあるほどいいです。

「そんなことで本当におさまるの?」って思いますよね。私も疑いながらやってみたのですが、ステップ3でiPhoneを触っている間に「あれ?もしかしてちょっと紛れてる?」という感覚に至ったので、ぜひ試してみてください。

方法②運動

運動はヘルスケアの分野においてはメリットしかもたらしませんが、このメンタルの問題に関してはその相関はより強くなります。

たとえば1991年の「運動と不安」ついてまとめられたメタ分析では『日頃から運動不足な人でも運動すれば不安感情は減る』ということが分かっています。この研究によると『最低でも21分のワークアウトが必要』ということらしいので、休憩中に心拍数が上がる"ちょっとキツめ"の運動をすればいいと思います。

「いや、休憩中に運動なんて...」と思うかもしれませんが、実は休憩中に運動した方がかえって血流が上がり、疲労感が回復することが分かっています。これをアクティブレストといいます。あまり休憩に時間がとれない方は、出勤前に運動してから出られるようにリズムを整えてみましょう。私も以前は運動などは一切していませんでしたが、出勤前に運動するように習慣づけてからの方が仕事の生産性が上がり体調も格段によくなりましたので、かなりオススメです。

参考文献:A meta-analysis on the anxiety-reducing effects of acute and chronic exercise. Outcomes and mechanisms

方法③自然に触れる

田舎へ帰省した際、なんとも言えないリラックス感を体験したことはありませんか?もしそうでなくても、大自然を散歩したり、登山をしたり、木々が風にそよぐ様子や川のせせらぎを聞いていると、感情が落ち着きますよね。

これはバイオフィリアといって『人には動植物に触れたい欲求が元来備わっているのだ』という仮説です。
そんな中、南フロリダ大学がまとめたメタ分析がネガティブ感情にアプローチしてくれていたので、ご紹介します。具体的には下記の通りです。

  • 自然との触れ合いの増加は、生理学的ストレスマーカーと、主観的なストレスの改善と相関していた
  • 緑地の多い地域に住んでいる人のコルチゾール値は、緑地の少ない地域に住んでいる人よりも低かった
  • 緑地の割合が増えるにつれて、ストレスのレベルが低下する傾向があった
  • 約90分自然の中を散歩すると、都市で散歩した場合と比べて、悲しみやネガティブな感情に関わる脳の活動が大きく低下した

休日は間違いなくアウトドアに出かけることをオススメしますが、正直私のようなインドア派には厳しいのが現実です。
ですが、安心して下さい。
そんな方は観葉植物でもメンタルヘルスに効果があることが分かっております。

私も近頃パキラを購入し『パキ男(ぱきお)』と名前まで付けて可愛がっていますが、やはり緑があるだけで落ち着きが段違いです。

あとは、ガーデニングもおすすめです。
ガーデニングで土を触ることで、腸内細菌のレパートリーが増え、腸内フローラの改善に繋がることが分かっています。脳腸相関の観点から、腸内フローラの改善はメンタルの改善にも寄与しますので、可能な範囲で取り組んでみましょう。

参考文献:Effect of nature exposure on perceived and physiologic stress: A systematic review The Effect of Indoor Foliage Plants on Health and Discomfort Symptoms among Office Workers

実は甲状腺の問題かもしれない

実は甲状腺の問題かもしれない

いろいろ述べてきましたが、これはあくまで一般論の話です。
なかにはあまりに強い不安感に襲われている方もいるかもしれませんが、そういう方は甲状腺ホルモンを疑ってみましょう。
意外かもしれませんが、甲状腺機能のバランスが崩れると、身体症状だけでなく、不安感やイライラなどの精神症状も発現します。具体的には下記のような症状です。

<身体的症状>

  • むくみ
  • 暑がり、寒がり
  • 体重の増減
  • 脱毛
  • 便秘
  • 皮膚の乾燥
  • 月経不順
  • 高血圧
  • 筋力の低下
  • 痙攣

<精神的症状>

  • もの忘れ
  • 倦怠感
  • 意欲の減退
  • 理由もなく涙が流れる

これらはバセドウ病や橋本病などの症状の一例ですが、一見すると鬱病と症状が似ているため見過ごされてしまうことも多く、盲点となりやすい疾患です。
度を越したネガティブ感情は不安ではなく恐怖となりますので、あまりにも辛さを感じるようであれば、一度病院できちんと調べてもらいましょう。血液検査で数値として確認できますので、ご一考ください。

ヤマナオ(登録販売者)

執筆者:ヤマナオ(登録販売者)
YouTube【ヤマナオ会議室】のチャンネル登録者数1.4万人。
DMMオンラインサロン【凡人賢者アカデミー】のオーナー。
登録販売者として、通算10年以上従事した経験を基に「医学」「心理学」「仕事術」をメインテーマとし、情報発信を行っている。

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