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【指名の止まらない登録販売者を目指して】ドラッグストアで役立つズルい心理学《就職後の正しい勉強法》

【指名の止まらない登録販売者を目指して】ドラッグストアで役立つズルい心理学《就職後の正しい勉強法》

【指名の止まらない登録販売者を目指して】ドラッグストアで役立つズルい心理学《就職後の正しい勉強法》

「ドラッグストアで登録販売者として働く」というのは実はとても特殊な仕事です。
働き始めてみると分かりますが、ドラッグストアの仕事内容は、世間で認知されているより何倍も『肉体労働』です。それだけでもなかなかの疲労を伴いますが、登録販売者として働くとなると、さらなる試練が我々に迫ってきます。それは【勉強】です。医学の世界は日進月歩です。昨日までの常識は明日には非常識になっていることも珍しくありません。その変化のスピードは激しさを増しており、より正しい知識を提供するためには日々の勉強は欠かせません。

つまり登録販売者というのは『肉体労働でもあり、頭脳労働でもある』という特殊な仕事だと言えます。しかし、日々の業務をこなしつつ、さらに帰宅してから勉強に勤しむことは容易ではなく、多くの登録販売者を悩ませています。つまり"如何に効率よく学べるか"が重要になるのです。そこで本記事では、短時間でも最高の成果が残せる科学的根拠に基づいた勉強法をお伝えしようと思います。

目次

なぜ勉強は楽しくないのか

なぜ勉強は楽しくないのか

皆さまは「勉強は楽しいですか?」と聞かれて、何と答えるでしょうか?
おそらく多くの方が、苦虫を噛み潰したような顔をされることでしょう。なぜ我々は勉強が楽しくないのでしょうか?
答えは簡単です。それは『我々は勉強の仕方を間違えているから』です。
学生時代をよく思い返してみてください。そもそも我々は「勉強する内容」は教えてもらっても「勉強する方法」は教えてもらっていません。
例えば「先生が黒板に書いた内容をノートに書け」とは教えられても「どうノートに書くか」までは教えられません。こういった、正しい手法を教えられずに大人になってしまった結果「がむしゃらに勉強すれば覚えられるはず」という間違った思い込みに繋がってしまい、多くの方が登録販売者試験に挫折したり、勉強の時間を非効率なものにしてしまうのです。

分かりやすく言い換えましょう。
ゲームをする時に、遊び方やルールを知らずに始めるでしょうか?
仕事で初めてレジを使う際に、何の操作説明も受けずにカウンターに立つでしょうか?
決してそんなことはしませんよね。
ゲームにはルールがあり、レジには操作方法があるので、必ず『やり方』のレクチャーを受けます。その結果、我々はゲームを楽しめるし、レジという便利な機械の恩恵を受け生産的な仕事ができるようになります。
つまり【勉強は技術】なのです。正しいやり方を知らずにゲームをしても楽しくないのと同様に、正しい勉強法を学んでいないせいで「勉強は楽しくないもの」と思い込まされているのです。

間違いだらけの勉強法

勉強のやり方を教わっていないとどうなるかというと「周りがやっていることをマネする」しかありません。ヒトは群れで生きてきた背景があるので「みんながやっていることが正しくて価値がある」と感じてしまうバイアスが備わっています。行列のできるラーメン屋を見て「おいしそう」と思ってつい並んでしまう、あの現象です。(心理学の世界で『バンドワゴン効果』『同調性バイアス』と呼ばれます)
ラーメン屋なら行列のできる名店もあるでしょうが、勉強となると状況は変わります。
残念ながら、多くの勉強法は間違いだらけであることが研究によって分かっていますので、代表的なものを3つ紹介しましょう。
安心してください。私も間違いを犯していた1人です。

間違った勉強法①アンダーラインをひく

いきなり衝撃的な内容ですが、重要な箇所にアンダーラインをひくことは多くの研究で否定されています。研究内容にもよりますが、全体的な理由は以下のようになります。

  • マーカーで線をひいても、チェックした文章の位置を覚えるだけで内容は記憶に残らない
  • マーカーで線をひいても「なぜその言葉が重要なのか」を考えなければ意味がない
  • マーカーで線をひく文章が長過ぎると脳には定着しづらい

なぜこれらの問題が起きるかというと「受動的な勉強になっているから」というのが理由だそうです。ヒトの脳は能動的な行動に強く反応し、長期記憶に結びつきやすくなる性質があります。つまり、自ら喜んで勉強しているかどうかが肝心ということです。分かりやすく言えば、ダイエットしている時に「本当はケーキが食べたいけど、仕方なく蒟蒻ゼリーを食べる」ということがあると思いますが、ケーキと蒟蒻ゼリーではテンションがまるで違いますよね。それと同じです。「なぜこの単語は重要なんだろう?」という探究心や好奇心がなければ、意味をなさないのです。

間違った勉強法②座って勉強する

「なぜ座って勉強しているんですか?」と聞かれて、明確に答えられる人がどれだけいるでしょう?「なぜって...学生時代にそうしていたから...」というのが正直なところではないでしょうか。
そもそも「日本人は座り過ぎだよね」ということが明らかになっています。シドニー大学が行った「世界20か国における平日の総座位時間」の調査では、日本人の座位時間はサウジアラビアと並んで420分(7時間)と最長。つづいて台湾・ノルウェー・リトアニア・香港・チェコ・スウェーデンの360分(6時間)。20か国の中で最も短い国は、ポルトガル150分(2.5時間)でした。
「それが勉強と何の関係があるんだ!」と思いますよね。

実は座りながらの勉強はとても非生産的なのです。

座った時に「ふぅー...」とリラックスした感覚になりませんか?あれが答えです。ヒトは本来、歩きまくって進化してきた生き物なので、歩いている状態がデフォルトの「活動モード」で、座っている時は休んでいる「お休みモード」なのです。それは脳の状態も同じで、お休みモードの時に記憶するようにはできていません。記憶だけならまだしも、座り過ぎは健康被害を招くことも多くの研究で指摘されています。
例えばUCLAなどの研究で「立て!健康のためには立たなアカンで!」みたいなタイトルの研究がありますが、そこで分かったのが

『ほとんどの学生と教員は、長時間の座位に関連する有害な影響に気づいていなかった。また、大学の授業において体を動かすことについては意外なほど抵抗があり、社会的な受容性、環境上の制約、学業上の要求などがあった。さらに、多くの人は30分ぐらいジョギングすれば問題ないと考えていたが、過去の研究によれば、それぐらいでは座りすぎの害は解決できない。』

ということらしく、社会的にまだまだその害を知らない人が多いことを示唆しています。

間違った勉強法③一夜漬け

私が一番やっていたのがこれです。学生時代は勉強が嫌いで嫌いで仕方なく、すべての勉強を先延ばしにし、試験前日に慌てて教科書を開いて、半泣きになりながら机に向かったものです。もちろん結果は惨敗。それもそのはず。なぜなら、圧倒的に間違った勉強法の一つだからです。
まず、脳は勉強した内容をすぐ記憶することができません。記憶に結びつけるためには、脳内に入った情報を整理する"時間"が必要なのです。

ドラッグストアの仕事に言い換えましょう。
本部から大量に送り込まれたシャンプーやコンディショナーを思い出してください。
「いきなりこんなに送ってきやがって!まだ前の企画が残ってんだから整理させろ!」と、鼻息を荒くしている皆さまの状態が手に取るように想像できますが、正に脳内もあの状態です。
「一夜漬けで結果を出す」というのは「大量に送り込まれた直後に、すぐ倉庫もキレイにして売場に出せ」と社員に言っているのと同じで、脳からすればブラックまっしぐらな働き方です。
一夜漬けで勉強したあと、大抵の場合はそのまま試験に臨んでしまいますから、まだ脳内では絶賛倉庫整理をしている状態なので、商品を売場に出す余裕などあるはずがないのです。
なぜ成績が出ないか、よくお分かりいただけたかと思います。

《参考文献》

Improving Students' Learning With Effective Learning Techniques: Promising Directions From Cognitive and Educational Psychology 「座りすぎ」ていませんか Get up, stand up, stand up for your health! Faculty and student perspectives on addressing prolonged sitting in university settings

本当に効果のある勉強法

それでは本当に効果的な勉強法とは、いったいどんなものなのでしょうか?
ひとことで言ってしまえば「脳の仕組みに沿って勉強する」が結論になります。
それでは具体的なテクニックに移りましょう。
「え?そんなことでいいの?」というものが続きますが、きちんと科学的根拠に基づいていますので、ご安心ください。

正しい勉強法①勉強時間は細かく区切る

「勉強時間が長ければ長いほど賢くなれる」というのは、ただの根性論に過ぎません。時給1000円のバイトを長時間しても億万長者になれないのと同じです。
ヒトの脳は、小さな情報を少しずつ整理して処理するようにできているため、一度にたくさんの情報をつめこむことに向いていません。
したがって、20分〜30分程度のセッションで区切りながら学習していくことが望ましいといえるでしょう。
「じゃあ具体的にはどうすりゃいいの?」と言われると【ポモドーロテクニック】が無難だと思います。
ポモドーロテクニックとは、簡単に言ってしまうと以下のように行います。

  • タイマーをセットし、25分間勉強する
  • 5分の休憩を取る(これで1ポモドーロ)
  • これを4回繰り返したら(4ポモドーロ)少し長めに休む(だいたい30分くらい)

『無難』という表現にしているのは、はっきりとポモドーロテクニックの効果を確認した研究がないものの、それを否定するような研究も見当たらないことと、何より「人と同じ過ぎて面白みに欠ける」という超個人的な理由ですので、気にせず淡々とお使いください。

正しい勉強法②勉強後に5分運動する

「運動すれば頭がよくなる」というのは科学の世界では有名な話です。
運動をすると脳内でBDNFというタンパク質が増えることが分かっています。
BDNFとはBrain-derived neurotrophic factorの略称で、このBDNFは、私たちの脳の中で記憶をつかさどる「海馬」に多く含まれ、神経細胞の働きを活性化してくれることがわかっています。
つまりBDNFを増やすことが出来れば、記憶力も上がるのでは?というアイデアです。
実際にそれを試してくれた研究があります。
ニューサウスウェルズ大学の研究で、20歳の男女を対象に下記の流れで実験を行いました。

  1. 被験者に見知らぬ男性の顔と名前を約15分覚えてもらう
  2. その後、半分のグループはステッパーで5分歩く
  3. 残りのグループは普通に過ごす
  4. 最後に記憶力テストを実施する

結果なにが分かったかというと

  • 運動したグループはそうでないグループに比べて記憶力テストの成績が良かった
  • 特にその好影響は女性に顕著に現れた

なぜ男女差がでたのかは不明ですが、運動しておいてまったく損はありません。運動といっても5分間のステッパーの負荷は普通に歩いているのと大差はないので、これなら運動嫌いでもできますよね。

正しい勉強法③勉強の前後に瞑想する

瞑想の研究はまだまだこれからの部分もありますが、脳にもたらすメリットが徐々に判明してきています。前後合わせて20分間あればできるテクニックです。

○勉強前
2013年の研究では【テストの前にマインドフルネス瞑想を行った学生ほど、ワーキングメモリの機能が向上して、テストの成績が良かった】という結果が出ています。まずは5分間くらいから始めてみてはいかがでしょうか。
○勉強後
記憶を定着させるためには時間が必要になる、というのは前述した通りですが「いったいどれくらいの時間が必要なの?」という疑問がわいてくるかと思います。結論からいうと15分でも構わないので、目を閉じてじっとしていることをオススメします。
ファーマン大学の研究によると【15分間目を閉じるだけでも記憶力は格段に上がる】との結果が出ています。
私はこれを応用して『勉強後に15分間瞑想する』という習慣を取り入れています。 もちろんもっと長く(60分〜90分)時間がとれるならそれに越したことはありませんが、忙しい方はそうも言っていられないと思うので、まずは15分間実践してみましょう。
ポイントは、外界から得られる情報を完全にシャットアウトすることです。ですから私は、目を閉じるだけでなく、ノイズキャンセリングイヤホンを使用しながら瞑想したりもしています。

正しい勉強法④人に教えるつもりで勉強する

ワシントン大学の研究で、学生たちを以下の2グループに分けました。

○この後にテストがあると思って勉強する
●この後に他の学生に教えると思って勉強する

その後、両グループに同じテストを受けさせたところ【教えるつもりで勉強したグループの学生は、内容を正確に思い出せる確率が高く、特に重要な情報ほど記憶に残っていた】という結果が出ています。
たしかに私もYouTubeや凡人賢者アカデミーで知識を解説し始めるようになってから、飛躍的に記憶力が上がった実感があるので、個人的にも間違いないと感じています。
さらに、これは私のアレンジになりますが、特に重要なテーマやセッションを勉強する際に『小学生に教えるならどう言い換えるか+ちょっと笑える話で』をテーマに資料をまとめるようにしています。
こうすることで、より分かりやすい表現に繋がるだけでなく、思わず笑ってしまうような例え話はさらに脳を活性化させ、記憶に残りやすくなるのです。
かの有名なアインシュタインも、こんな言葉を残しています。

  • 「6才の子供に説明できなければ、理解したとは言えない」

正しい勉強法⑤検索練習

なんだかんだ結局のところ、この方法が一番です。検索練習というのは何かというと「頑張って思い出す勉強法」のことを指します。
分かりやすく言い換えると『クイズ』がそれにあたります。
ヒトの記憶というのは思い出す時により強固なものになるそうで、先行研究ではこれでもかというほど良質なデータが揃っています。
なかでも面白いのがタフツ大学の研究で【検索練習はストレスにも負けへんで】という結果が出ていました。
ヒトの脳機能はストレスにとても弱く「あれだけ勉強したのに、本番になったら頭が真っ白に!」なんて話もストレスが原因だったりするのですが、たとえストレス下にあったとしても、検索練習ならちゃんと記憶へのアクセスが可能だというから驚きです。
私は過去に、これを知らず知らずのうちに実践していたことがあります。私がまだ登録販売者試験の受験勉強をしていた頃、普通に覚えることにつまらなさを感じていた私は、薬のパッケージの裏や添付文書をコピーしてノートに貼り付け、成分だけで市販薬の名前を考える『薬当てゲーム』をして遊びながら覚えるようにしていたのですが、この辺りから学習効率が上がったのを覚えています。何より、今でも市販薬を思い出す際には「あの時のノートにこう書いてあったから〜」と、当時の情景を思い出して市販薬を探したりしているので、なるほど長期記憶に結びついているのだなと、心底感じています。
一番皆さまに身近なのは『フラッシュカード』だと思いますので、自分が覚えたい単元をまとめ、移動時間や休憩時間にひたすら解きまくるのがオススメです。

《参考文献》

Evidence for improved memory from 5 minutes of immediate, post-encoding exercise among women A nap to recap or how reward regulates hippocampal-prefrontal memory networks during daytime sleep in humans Chinese meditation IBMT prompts double positive punch in brain white matter Brief Mindfulness Training May Boost Test Scores, Working Memory Expecting to teach enhances learning and organization of knowledge in free recall of text passages Memory training interventions for older adults: A meta-analysis

あなたの勉強部屋は大丈夫?

あなたの勉強部屋は大丈夫?

正しい勉強法が分かれば、次に大切なのが「環境」です。つまり勉強部屋です。
こんな経験はありませんか?

  • 「せっかく机に向かったのに集中がすぐに途切れてしまう」
  • 「ちゃんと勉強したはずなのに頭に入っていない」

これらの問題を根本的に解決するには、勉強部屋の環境自体を見直すことも重要です。
どんなに効果的なダイエットだとしても、家族が隣でケーキを食べていれば、失敗に終わるのは目に見えています。それは勉強も同じで、どれだけ正しい勉強法を実践したとしても、環境がそれを台無しにしてしまうのです。
というわけで私の凡人賢者アカデミーでは「科学的に正しい勉強部屋の作り方」を特集した動画を用意しております。この動画では

  • 勉強部屋に採用してはいけない色
  • 勉強部屋に置いておくべきもの
  • 狭い家に住んでいる場合の勉強部屋の作り方

こういった点を深掘りしながらお伝えしておりますので、ぜひ下記のリンクから凡人賢者アカデミーをチェックしてみてください。

ヤマナオ(登録販売者)

執筆者:ヤマナオ(登録販売者)
YouTube【ヤマナオ会議室】のチャンネル登録者数1.4万人。
DMMオンラインサロン【凡人賢者アカデミー】のオーナー。
登録販売者として、通算10年以上従事した経験を基に「医学」「心理学」「仕事術」をメインテーマとし、情報発信を行っている。

DMMオンラインサロン【凡人賢者アカデミー】はこちら>
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