【現役ドラッグストア店長直伝】登録販売者向けプラス1品のコツ<登録販売者のキャリア>
【現役ドラッグストア店長直伝】登録販売者向けプラス1品のコツ<登録販売者のキャリア>
11月も残り僅かとなりすっかり季節も冬に向かっていますね。
夏は猛暑と残暑で季節商材の売上が好調に推移したと思いますが、冬商材も積極的に取り組んでいきましょう。
今回は主に「プラス1品」をどう提案するか、今までの私の経験を元に紹介していきます。
ぜひ接客や売場作りの参考にしてください。
登録販売者の引き出しの多さはそのまま実力やスキルとなります。
お客さまから支持される登録販売者、店舗づくりのためにお役立てください!
目次
プラス1品のメリット
各社の方針は違うと思いますが、接客販売は推奨品の比重が高いはずです。
これには理由があり、プラス1品でその時の売上を取るより推奨品やPB品を販売した方が会社の固定客化につながるからなのです。
ただ私は実務では「プラス1品」を勧める事が多いので、まずはその理由から解説していきましょう。
お客さまの需要を満たす
「プラス1品」の利点は『店内商品のどれを選んでもよい』ということに尽きます。
商品知識が必須ではありますが店舗勤務なら「商品知識ゼロ」という事はありません。
その商品知識の中からチョイスして紹介すればよいだけです。
商品知識がない、と思っている方も明日からでも売場で自身の「プラス1品」を探す事は可能です。
どんな商品も紹介に使えますし、あなた自身が使っている商品を紹介することから始めるのがもっとも自然にお勧めできるのでぜひ挑戦してみてください。
お客さまは何かしらの需要を満たすことを目的として来店されています。
推奨品でお客さまの需要を満たす事も可能ですが、ピンポイントで満たすことができない事も多いですよね。
そこをカバーできるのが「プラス1品」です。
何といっても店内の商品がすべて対象ですし、売上も買い上げ点数も向上するのです。
お客さまの需要から「売らなければいけない商品」を販売して満足していませんか?
お客さまの需要を補完する役割も「プラス1品」は担っているのです。
お客さまの予算に合わせられる
もう一つの大きな利点が「価格」です。
お客さまが商品を購入するにあたってもっとも大きな障壁が価格なのですが「プラス1品」を紹介する際に商品の選択幅があるため、柔軟に対応できます。
例えばお客さまが同じ3000円を消費するのでも商品が一つなのか複数なのかでお客さまの満足度に大きな差が生まれます。
店側も時には「プラス1品」で合計金額が倍以上になることも珍しくないので効果は大きいのです。
私が20年間お客さまと接してきた体験では、一品単価がお客さまの「一品に対する予算」を超えなければ購入に対するハードルは低くなる傾向が強いと感じています。
確かに「総金額」での予算があるお客さまもいらっしゃいますが、「一品での金額上限」を感覚として持っているお客さまが相当数いらっしゃるのです。
例えば「2000円以上」の商品を購入するのに抵抗がある...というような感覚です。
小売業では「198円」「2980円」などの「8」で終わる『大台割れ価格』といわれるものがありますが、これも「無意識の予算上限」にギリギリ届いていないからこそ購入する、という心理を突いたものだと考えています。
つまり「2000円」が予算上限のお客さまなら極端な話、「1980円」+「1980円」でも抵抗がない方も多いのです。
風邪薬で言えば、「1980円の風邪薬」にプラス1品で「880円」ののどスプレーをオススメし購入される確率は高くなります。
「2~3000円の価格帯」の商品を購入されるお客さまは合計金額より一品単価を気にされることが多いと感じています。
つまりこの時のお客さまの心理的な負担は、単価が低いこともあり軽くなるので「プラス1品」を購入していただくことが可能です。
1品メインの商品を購入されるお客さまには、まずは低単価からでもいいので「プラス1品」を提案してみてください。
リピーター率の向上
わたし達が推奨品を販売するメリットは何でしょうか。
そう、利益率の高いリピーターを増やすためですね。
ではリピーターを増やすには、利益を得られるのは推奨品販売だけでしょうか?
いいえ、それ以外にも多く存在しますね。
推奨品ではなく「プラス1品」でもリピーターを増やすことは可能です。
むしろ「店員がわたしのために選んでくれた」と思っていただける事もあります。
提案した商品をお客さまが気に入っていただく確率は1品より2品、2品より3品の方が高くなります。
お客さま自身で選択したのではなく、登録販売者から提案されて購入した商品に満足していただければリピートされます。
店舗のリピーターだけでなく登録販売者自身のリピーターとなっていただければ、次回からは紹介商品購入の障壁は格段に低くなります。
もちろん「推奨品+プラス1品」で満足していただければ、そのお客さまは店舗にとって大きな存在となりますし、お客さまにとっても生活の中で大きな存在となるはずです。
推奨品1点集中だと「いつも同じものを勧めてくる登録販売者」と思われてしまいます。
商品知識が少なくても目先を変えて数点お勧めするだけで「様々な商品を紹介してくれる登録販売者」と思っていただくことができるのです。
では今の秋冬シーズンに合わせた「プラス1品」の例を挙げてみますので、ぜひご自身の店舗での取り扱い商品と照らし合わせてください。
医薬品からのプラス1品
登録販売者として医薬品接客は必須なので、市販薬販売からプラス1品を考えてみましょう。
皆さん「医薬品+ドリンク剤」「皮膚薬+ハンドクリーム」は会社施策上実施していると思いますので、これ以外で考えてみましょう。
目薬のプラス1品
医薬品からのプラス1品でもっともお勧めしやすいのは「目薬」です。
理由は「プラス1品でお勧めできる商品が多いから」ですね。
例を挙げておきます。
- ・アレルギー用目薬⇒「カーペットクリーナー」
- ・疲れ目目薬⇒「ホットアイマスク、入浴剤」
- ・充血目薬⇒「冷却材」
とくに「疲れ目・充血」のプラス1品は使用感もよいですし効果も体感しやすくコストパフォーマンスが高い商品です。
リピート購入していただく確率も高いのでぜひ実践してください。
当然「目薬プラス1品」でビタミン剤も必須です。
接客の流れで
- ・アレルギー用目薬⇒鼻炎薬⇒ローションティッシュ
- ・疲れ目目薬⇒ビタミン剤⇒温熱器具など肩こり対策アイテム
- ・充血目薬⇒(結膜炎が悪化しないよう)洗顔料⇒保湿アイテム
上記のような「横展開」をおこなうことも可能です。
お客さまのお悩みを引き出すことができれば、購入していただけます。
しかも上記雑貨品は安価なので複数購入いただける事もあります。
目薬に推奨品があれば合わせてお勧めすると非常に喜ばれます。
「〇〇のお悩みはないですか?」とお聞きするだけなので、登録販売者もお客さまも心理的な負担はほとんどないのもポイントです。
胃腸薬のプラス1品
胃腸のお悩み接客でプラス1品をおこなうことは可能でしょうか?
「胃薬」「整腸剤」「便秘薬」を提案して終わっていないでしょうか?
当然、このジャンルでもプラス1品は可能なのでチャレンジしてみて下さい。
- ・便秘薬⇒「ウェットタイプおしり拭き」
- ・整腸剤⇒必要な菌は人によって違うので「善玉菌入り健康食品」
- ・胃薬⇒食べられないのなら「総合栄養飲料」
自分だったら何を使うか?という視点で各商品を見ると様々な選択肢が出てきます。
胃が辛い時に何をしたいか?どうしたら楽になるのか?を各症状別に考えてみましょう。お勧め可能な商品は無数に出てくるはずです。
シップ薬のプラス1品
シップ薬は目薬と同じような視点で考えられます。
- ・慢性の症状なら「温められる商品」
- ・急性の症状なら「冷やすことができる商品」
他にも葛根湯や独活葛根湯などの漢方薬もお勧めできるので、慣れたらチャレンジしてみましょう。
医薬品以外からのプラス1品
医薬品以外からのプラス1品を考えてみましょう。
これも「自分なら何を使いたいか」、接客をおこないながら考え提案しましょう。
医薬品以外の商品から医薬品をプラス1品として提案するときは慎重に接客しなければいけませんが、これこそドラッグストアや登録販売者の面目躍如となるシーンなのでぜひチャレンジしてみてください。
健康食品からのプラス1品
健康食品と医薬品は親和性が高いためお勧めしやすいジャンルです。
ただ「医薬品を使いたくないから健康食品を使う」という「薬」に対して忌避感や恐怖感を持っているお客さまも一定数いらっしゃるので注意が必要です。
健康食品にお客さまが期待する効果を補足するような商品を提案するのが効果的です。
- ・食物繊維系⇒グラノーラ
- ・不眠系⇒ほうじ茶など
- ・ダイエット系⇒漢方薬など
また、健康食品のデメリットを医薬品で補う事も可能です。
例えばプロテインは近年販売数が伸びていますが、胃もたれや下痢をする方も多いので整腸剤や胃薬を提案しやすいジャンルでもあります。
アレルギーや乳糖不耐症の場合もありますが、プロテイン購入の方には「お腹の具合は大丈夫ですか?」とお声がけすると喜ばれます。
大丈夫と言われたら「プロテインで胃腸に負担がかかる方も多いんですが、良かったです!」などと一声添えてくださいね。
化粧品からのプラス1品
化粧品での肌悩みは医薬品で対応可能な場合も多いですし、客単価や一品単価が高い部門なのでプラス1品が狙いやすい部門です。
登録販売者資格を持っている化粧品担当者の方はぜひ実践して下さい。
実はこの「化粧品部門のプラス1品」は化粧品部門の中で完結してしまいがちなのです。
ほとんどBA(ビューティーアドバイザー)に任せっきりな店舗が多いため、チャンスロスが発生しています。
- ・肌悩み⇒便秘薬・整腸剤
- ・アイメイク⇒目薬型洗眼液
- ・リップ⇒オーラル用品
化粧品担当ではない登録販売者の方は、店舗のBAと協力してみてください。
その際は事前に「肌悩みのお客さまがいらっしゃったら便通がよいか聞く」のように決めておくとスムーズです。
雑貨品からのプラス1品
何でもない掃除用具などの雑貨品からの紹介を考えてみましょう。
なお低単価のものが多いのでプラス1品はもっとも難しいジャンルです。
接客の際、お客さまに潜在的な悩みがあると感じた時に情報としてお伝えするのが賢明です。
というのも、この部門は「道具」なのでお悩みを解決するものは少ないのです。
しかし特殊なものを覚えておくと接客に便利なので洗剤系は覚えておきましょう。
- ・塩酸系トイレ洗剤⇒便器の尿石除去
- ・逆性せっけん⇒衣類の臭い除去
- ・塩素系漂白剤⇒ほぼ白物専用漂白剤
上記のものは頑固な汚れなどにお悩みのお客さまに喜ばれます。
通常の洗剤プラス1品や比較として紹介するのに向いています。
プラス1品を勧める時のコツ
ここまで一例を挙げてきましたが、これは正解ではありません。
正解はお客さまごとに異なるため接客しながら提案しましょう。
その際の心がけを挙げておきます。
自分に置き換えて考える
推奨品と違い、正解はありません。
まずはお客さまからお聞きした情報を自分に置き換えてみましょう。
- 「便秘だから排便時に痛いだろうな」
- 「食物繊維なら食事から採れないだろうか」
- 「メイクしているのに歯が色素沈着していたら気になるな」
共感力があればいいのですが、そうでない場合はお客さまに自身を置き換えて考えましょう。
「横展開」でお客さまの視点をずらす
お客さまの立場になっても思い浮かばないときは「横展開」をしてみましょう。
視点をお客さまから商品に移すのです。
- ・便秘薬⇒医薬品以外での排便用商品
- ・食物繊維そのもの⇒食物繊維が多い食べ物
- ・メイク⇒目・口・鼻関連で悩みを解消する商品
この視点ではやはり商品知識が多ければ多いほど選択肢は増えます。
私は登録販売者としてのスキルは、この「取り扱い商品の知識の多さ」に正比例すると考えています。
それは以前のコラムでも書いた通り、浅くてもいいので広域な商品知識を得ていた方がお客さまからの支持が得られやすいからです。
さまざまなお客さまの悩みに対応できるスキルは、今後登録販売者の立場がどんな状況になろうとも、生き残っていく必須条件だと考えています。
「売ろう」としない
そしてもっとも大切なのは「売ろうとしない」ことです。
プラス1品は売れれば売上になりますが、メインの目的はリピーターとなっていただくことです。
商品を販売しその日の売上になればそれはそれで喜ばしいことですが、目的はそうではなくお客さまに「この店舗にまた来たい」「何かあったらこの登録販売者に聞こう」と思っていただくことです。
商品を販売するのではなく有益な情報を提供する...という意識がもっとも大切であり、お客さまの購入に対する障壁を低くすることにもつながります。
目の前のお客さまに、ぜひあなたの知識をひとつだけでも提供してみてください。
きっと、「ありがとう」と思われるお客さまが現れるはずです。
執筆者:ケイタ店長(登録販売者)
ドラッグストア勤務歴20年、一部上場企業2社で合計15年の店長経験を活かし、Twitterなどで登録販売者へのアドバイスや一般の方への生活改善情報の発信を行っている。Twitterフォロワー数約5,000人。
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