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【現役ドラッグストア店長直伝】登販の勉強の深さ<登録販売者のキャリア>

【現役ドラッグストア店長直伝】登販の勉強の深さ<登録販売者のキャリア>

【現役ドラッグストア店長直伝】登販の勉強の深さ<登録販売者のキャリア>

登録販売者の皆さんはどんな勉強をしていますか?成分の勉強、商品知識、あるいは作用の勉強をしている方もいるでしょう。

しかし、一度合格したら基本的に「試験」はないので、自主的に知識を深める方向性がわからない方も多いはずです。成分や知識の深さは際限がないので、気付いた時には深みにはまってしまう事もあるのではないでしょうか。

今回は登録販売者としての自主勉強をおこなう上での「方向性」と「深さ」を見ながら、もっとも効率的な勉強の方向性を考えてみましょう。

目次

登録販売者としての勉強の目的

登録販売者としての勉強の目的

登録販売者として売場に立っている以上、常に知識のインプットと更新は必要です。
時には間違った知識の修正や、全く新しい切り口での商品提案などが行えますし、お客さまからの信頼度も上がります。

ではこの勉強の本質をもう一度考えてみましょう。
そこから「方向性」と「深さ」を導いてみます。

試験勉強と実務の違い

登録販売者試験に合格した皆さんは遅かれ早かれ同じ壁に当たります。
それが「試験と実務の違い」ですね。

登録販売者として経験を積まれている方なら完全に同意して頂けると思いますが、この試験勉強と実務の違いで出鼻をくじかれてしまうパターンが多いと思います。
店舗に指南役の資格者がいるのならいいのですが、いなくて自己流の方もいるはずです。

自動車運転も教習所では道交法や車の仕組みや標識などを学びますが、実際の公道に出たときの運転テクニックは全く別物なのと似ています。

ただ、標識の知識がなかったり交通ルールを覚えていないと交通事故に繋がりかねません。 登録販売者の知識も全く同じで、試験合格後も経験則に沿った接客ばかりしているとお客さまに大きな健康被害を与えてしまう危険性があります。

どの分野でも基本と実務がかけ離れていると感じるものですが、すべては繋がっています。
義務付けられている外部研修を受けるだけでなく、毎年行われている登録販売者試験の問題を確認することも、事故を防ぐ意味でもお勧めです。

現場での問題点

自動車運転を例にしましたが、登録販売者との大きな違いが「第三者」の存在です。
運転は第三者を乗せたときに評価を聞くことができますが、基本的に登録販売者の接客は第三者に評価されないので自身の接客スキルがどの位置にいるのか把握しにくいのです。

「〇〇さんが△△を10個販売」という結果はわかっても、そこに辿り着くまでの経緯が分からないのが自動車運転との大きな違いです。

  • なぜそのお客さまに販売できたのか?
  • どのような切り口で訴求したのか?
  • 10個販売するのに何人に訴求したのか?

結果からはこのようなストーリーは見えてきません。

よい結果を残す登録販売者、お客さまから支持される登録販売者は何をおこなっているのか。どんな準備をしていてどんな切り口で商品提案を行っているのか。

ここがわからないため勉強の着地点が見えず何を学んだらいいのかわからない、だから意欲が沸かない、という悪循環に陥りやすいのです。

ある程度経験を積んだ方ならわかることでも、資格取得したばかりの方にとってはすべてが疑問のはずです。
まるで広いフィールドに放り出されたようなものです。

  • 自分が何がわからないかが、わからない
  • 何から勉強したらいいか、わからない
  • どこまで勉強したらいいか、わからない

これが共通する悩みのはずです。

着地点を設定する

登録販売者という資格の目的は二つあると考えています。

一つは大義名分でもある「消費者のセルフメディケーションの一助となりQOLを向上させること」です。

もう一つは「会社の利益の向上」です。

この両輪の均衡を保ちつつ、いかに自己成長できるかがポイントとなりますが、できない方も多いはずです。
そんな方はどちらかに絞っても問題ありません。

ちなみに私は不器用でマルチタスクが苦手なため、前者に振り切っています。
目の前のお客さまに対して、悩みを解消するための商品情報を優先的にインプットしています。

もちろん私の手段が最善というわけではありません。
推奨品販売などの会社の利益優先に考えても、法律と方法さえ間違わなければ最終的にはお客さまの利益に繋がります。

どちらに主眼を置いても、片方しか伸びないということはないので大丈夫です。

実務で必要な知識

実務で必要な知識

では具体的に登録販売者に求められる知識とは何でしょう。
成分や商品知識も大切ですが、そのような大きい分類ではなく、もっと具体的に考えて自分の目的を達成するための手段を考えていきましょう。

登録販売者に求められる知識とは

登録販売者は何を求められているのか。
先ほど「登録販売者という資格の目的は二つある」と書きましたが、この二つは「お客さま」「会社」にそれぞれ求められているもの、ということなのです。

お客さまと会社、どちらの求めに応じても最終的にはお客さまに還元されるので、自分が継続しやすいものを目標としましょう。

それぞれの手段の一例を挙げておきます。

・お客さま
お客さまに求められる人材になるために、ぜひ「接客ノート」を作成してください。

接客ノートの記事に私も協力しているので参考にしてください。
【現役登録販売者のリアルな接客ノートを大公開】接客力アップの秘訣とは

記載する内容は最低限「お客さま情報(年代・性別・持病)」「主訴」「提案商品」「購入商品」「反省」です。
これを重ねてサンプルを増やすことで、自身の接客内容がお客さまにどう響き感じられたのかが抽象的に把握できます。

私もこの接客ノートに成長させてもらいました。
自分の思考を客観的に見ることができるのでぜひ実践してください。

・会社
もし推奨品があるのなら教育資料などもあるはずです。無ければメーカーサイトで学習し、完璧に自分の中に落とし込みましょう。
次いで推奨品の切り口を把握し、多くのパターンを用意し様々なシチュエーションに備えます。もちろん薬機法は守ってください。
このパターンが多ければ多いほど、売上は伸びます。
高い実績を出している人や店舗に聞いてみるのも効果的です。
お客さまと会社、双方に求められているものをミックスさせるのもよいですが、パニックになるのでどちらかのパターンに絞った方がシンプルに考えられます。

知識を得すぎる事による弊害

誰しもが自身の成長はうれしいものですが、注意すべき事があります。

それが「知識の詰め込みすぎ」です。

なぜかというと、「お客さまニーズに応えられない」という弊害があるからです。
要は「需要がないことまで掘り下げてしまう」ということです。

登録販売者が販売するのは市販薬であり、お客さまにとって踏み込み過ぎた情報は理屈っぽく小難しい店員だと思われてしまう可能性があります。

お客さまにとって必要以上の情報は、かえって混乱する元になります。

例えば興味を持ち始めた趣味でマニアに濃い話をされても、共感できずに引いてしまうのと同じです。
お客さまには平易な文言と必要な内容に絞って説明するべきです。

これは真面目な方に多いのですが、正義感から踏み込み過ぎて敬遠されてしまう登録販売者も多く見受けられます。

もちろん医薬品ですから説明に正当性や根拠も必要ですが、必要以上の知識はお客さまが理解する阻害になるということを念頭に置いてください。

「広さ」か「深さ」か

登録販売者として活躍するのなら、知識は絶対的に「広さ」を採るべきです。
現実的な問題として、広い店内の商品を把握してそれぞれの「深さ」を追求している時間はありません。

お客さまにとって有益と思える情報を提供し、QOL向上のお手伝いをするのが登録販売者の責務です。
そして、市販薬は大前提としてお客さま自身が最終的な判断をするのであって、登録販売者が診察や診断めいたことをしてはいけません。

「深さ」を求めるとこのミスを犯すおそれがあります。
知識の追求は横展開をおこない、店内の商品を把握することに尽力すべきです。

医薬品ばかり勉強している方は、他の部門も見てみましょう。

  • 皮膚薬をお求めのお客さまに提案できるボディソープや洗剤はないか?
  • 花粉症の季節でない時期に鼻炎薬をお求めのお客さまに提案できる掃除用品はないか?

逆のパターンもあります。

  • 「殺虫剤+敏感肌用品」ならアレルギーでお悩み?
  • 「生姜入りスープ+カイロ」なら冷え性でお悩み?

このように様々な視点からの商品提案ができると、あなたや店舗にファンが付きます。
発想力の地盤は、幅広い商品知識なのです。

お客さまの立場で考える

お客さまの立場で考える

ここまで書いてきたことは、すべて抽象的なことです。
お客さまに提案することはすべて具体性を持たなくてはいけません。

登録販売者のあるべき姿とは

何度も書いていますが、登録販売者のあるべき姿は「お客さまのQOL向上の一助となること」です。
間違ってもお客さまの選んだ商品を否定することでも、自身の知識を披露することでもありません。

お客さまの求めることに対して、お客さま目線で考えるか会社目線で考えるか、ということです。
もっとわかりやすく書くと、お客さまの悩みを店内の商品を使って解消のお手伝いをする、ということです。

目の前のお客さまはどんな悩みでご来店されているか?を考えてみましょう。

お客さまに寄り添える存在になるべき

お客さまからの支持を受けるためにはお客さまの需要を満たす必要があります。
それは「納得」し「満足」していただく必要があるということなので、「本当かな?」と疑心暗鬼になりながら購入していただくことはあってはなりません。

登録販売者が「深さ」を追い求め、理屈優先になるとお客さまの中に迷いや疑問が生じ、疑心暗鬼になってしまいます。

平易な言葉でも情報過多になるとお客さまは吸収できないので、ピンポイントで悩みを解決するべきです。

そのために必要なのが共感力なのです。
以前のコラムに書いたのでぜひ参考にしてください。

【現役ドラッグストア店長直伝】登販が共感力を磨く必要性<登録販売者のキャリア>

お客さまの悩みに共感し、店内の商品を使って少しでも解消に導いていく。
これが「QOL向上」なのです。

店内を同伴して買い回り、商品を選んでいくイメージです。

医薬品はその一部に過ぎません。
お客さまの悩みを解消するひとつの強力な武器なのであり、その他にも店内にサポートとなる武器は存在します。

自身の担当する部門に固執しがちですが、納品や前出し作業などの際にどんな商品が店頭にあるのか確認し、特徴のある商品をピックアップしておくと接客の武器になります。

この武器の有無が、登録販売者としてのひとつの引き出しなのです。
視野は常に広く持ち、脳内に店内レイアウトを用意しておきましょう。

もし印刷が許可されているのなら、店内レイアウト図を用意しマーカーで目印を付けておくと視認性がよく記憶しやすくなりますよ。

そのための勉強法とは

ではここまでのまとめをおこない、どう勉強すべきか考えてみましょう。

お客さまは悩みを持って来店されます。
登録販売者に相談するときに求めているのは、悩みを解消する商品です。

それはほとんどの場合、医薬品でも健康食品でも食料品でも雑貨でも、構わないのです。
「商品を購入する」という行為は手段であり、目的は「悩みの解消」「QOL向上」だからです。

ここでふたりの登録販売者がいたら、お客さまはどう思うのでしょう。

  1. 登録販売者のなかでも医薬品の知識だけがトップクラス
  2. 知識は平均だが、店内ほぼすべての商品の中から提案できる

医薬品の知識がトップクラスなことにデメリットはありませんが、その知識で効果効能が増すわけではありません。

ではこのふたりなら?

  1. ひとつの切り口で深い知識のスペシャリティー登録販売者
  2. 複数の切り口で様々な悩みに対応できるユーティリティー登録販売者

これも、Bのはずです。

登録販売者は「薬も販売できる店内案内役」なので、医薬品に固執することなく店内商品全般の知識が必要です。

「自分は薬の担当だし...」と、食品やビューティーや雑貨を疎かにするのは選択肢を狭めているだけなのです。

私が今までに目にした中で最強だと思ったのは「化粧品セミナーにも行く雑貨も担当している薬剤師」でした。

皆さんも、ユーティリティー登録販売者を目指して店内を見てください。
お宝商品を見つけるのは、今日かもしれませんよ!

ケイタ店長(登録販売者)

執筆者:ケイタ店長(登録販売者)
ドラッグストア勤務歴20年、一部上場企業2社で合計15年の店長経験を活かし、Twitterなどで登録販売者へのアドバイスや一般の方への生活改善情報の発信を行っている。Twitterフォロワー数約5,000人。

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