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【現役ドラッグストア店長直伝】登録販売者の失敗対策<登録販売者のキャリア>

【現役ドラッグストア店長直伝】登録販売者の失敗対策<登録販売者のキャリア>

【現役ドラッグストア店長直伝】登録販売者の失敗対策<登録販売者のキャリア>

店頭で勤務していると数々の失敗をしてしまいますよね。今回はその失敗をしない方法と対応方法を事例を挙げて考えていきます。
失敗を経験し人間は成長するものなのですが、ものによっては失敗してはいけない事例もありますので失敗を活かすマインドを身につけましょう!

目次

接客時リスクを減らす3大思考

接客時リスクを減らす3大思考

接客時の失敗は多く覚えておくべきですが、ここでは最も深刻なパターンを3点に分けて解説します。
大前提を覚えておくと勇み足の抑止に繋がります。

法律を遵守する

会社マニュアルや指示より優先されるのが「法律」です。
以前のコラムでも書きましたが、必ず遵守すべきです。

怠ると会社そのものや該当従業員の人生に影響が出るおそれもあります。
直近でも不正を働いた大手企業が窮地に陥っている事からもわかる通り、法律違反は「国」と「お客さま」に対する裏切り行為となります。

違反に慣れると感覚が麻痺し、いつしか大きな不正や裏切りとなって組織は崩壊してしまいます労働基準法、薬機法、未成年飲酒禁止法、消防法など、ドラッグストアに勤務する上で遵守する法律は多岐に渡ります。

「面倒」「忙しい」「知らなかった」などの怠慢で過去に数多くの大手企業が打撃を受けている事実があります。
ドラッグストアのようなチェーン店でも、たった1店舗の怠慢で全社的な打撃を受ける可能性すらあります。

特に登録販売者が関わる「薬機法」は最重要事項ですので、試験勉強中の方はしっかり学び、活躍中の登録販売者の方はもう一度薬機法の確認を行いましょう。

自分の中での「合法」は、麻痺した感覚による「違法状態」の可能性もあります。

勤務時の「労働基準法」、バックヤードの「消防法」などは見逃されやすいので、法律や会社マニュアルを再確認してください。

個人情報やお客さま情報の考え方

続いては「お客さまの情報」です。
ここも非常に重要で「個人情報」と「センシティブな情報」に分かれます。

最近は個人情報に関する意識が高くなってきているため、各企業もリスクを排除する動きが多いのですが、それでもケアレスミスによる情報漏洩の可能性はあります。
ドラッグストアだと客注品対応や電話でのメモも情報漏洩リスクです。

個人情報の定義は以下の通りです。
「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日、その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)、又は個人識別符号が含まれるもの

これをドラッグストアに照らし合わせると覚えておくものは2パターン存在します。

  1. ①2つ以上の情報を組み合わせることで特定できる情報
  2. ②個人名を伏せていても関係者が見れば特定できる情報

①は例えば「氏名+電話番号」「電話番号+住所」で成立します。
客注用紙に記入して頂いたり、電話注文を受けた時のメモは完全に「個人情報」です。

またこの情報には画像も含まれるので、例えば防犯ビデオの印刷や店内撮影写真に入り込み、そこに氏名が記載されていたらアウトです。

これらの情報は必ず施錠して保管しなければいけません。

そして個人情報でなくてもお客さまのセンシティブな情報にも注意が必要です。
これは法律違反ではありませんが、甘く考えていると訴訟リスクもあるため注意が必要です。
そもそもお客さまが離反する原因となるため、厳重に注意すべきです。

  • ・お客さまの家族構成や年齢など
  • ・お客さまの持病や服用中の薬など

「接遇」を意識するのはいい事なのですが、お客さまの情報には接客時にも注意して下さい。

「売場案内」「症状の確認」は最も危険な瞬間です。

  • 「痔のお薬ですね、こちらです!」
  • 「〇〇で手術されたんですね!」

これは慣れないと現場でやりがちな例です。
接客業務においては「つい」や「うっかり」は通用しないのでお客さまの耳が聞こえ辛いようなら、商品外箱の説明を指さし確認したり筆談で対応するのがベターです。

『自分がされたらどう思うか』を意識し、それを上回ることはしないのが鉄則です。
もちろん下回る場合もお客さまは嫌悪感を持っている可能性はあるので、薬やサプリメントの接客は最新の注意を払うべきです。

商品情報の把握

そして法律関係をクリアしてもトラブルになることがあります。
それが商品知識です。

  • 「〇〇ならこれしかない」と説明されたのに、実はほかにも選択肢があった
  • 「廃盤でもう入荷しない」と説明されたのに、実はリニューアルされただけで同じ商品が再入荷した
  • 「ほとんど同じ商品です」と説明されたのに、実は全く違っていた

このようなミスは頻繁に起こることが想像できます。
誰でも勉強不足や思い込みがあるため、常に知識のアップデートをおこなわないと失敗に繋がります。

特に商品の知識は担当部門の有無もありスタッフによって差があるので、登録販売者として医薬品だけでなく幅広い商品知識が必要になります。

この商品知識を付けるための勉強法は以前のコラムで解説しているので参考にしてください。

【現役ドラッグストア店長直伝】登録販売者のスキマ時間活用法<登録販売者のキャリア>

商品知識は登録販売者にとっての命綱です。
部門は気にせずにどんどん店内商品に興味を持ち、何が入っているのか、どんな商品なのかを繰り返し確認しましょう。

雑貨品でも知識を入れておくべきです。
酸性のトイレ用洗剤は?
酸素系の衣類漂白剤は?
逆性石鹸ってなに?

ここで中途半端な知識はお客さまに間違った情報を提供してしまいますから、特徴のある商品の知識は定期的に確認するのがお勧めです。

特に登録販売者として医薬品や健康食品における微妙な成分の差は確認しておく必要があります。

例えば...
・「パンシロンキュア」と「ガストール」
・「グリシン」と「GABA」

このように用途が似ている商品や成分の違いを把握しているかどうか、もう一度確認してみてください。
思い込みや記憶違いによるお客さまへのお勧めは裏切りでもあります。

他にも
・「実測式体温計」と「予測式体温計」の仕組みと違い
・「腕帯式血圧計」と「手首式血圧計」の仕組みと違い

このような医療機器類の知識も必須です。

販売はできませんが第1類医薬品や要指導医薬品にどういった商品があるのかも、最低限は覚えておく必要があります。
詳しくは接客時に調べることができますが、そもそもどんな商品が存在しどんな症状に対応できるのかは確認しましょう。

ドラッグストアでの取り扱い商品は多岐にわたりますが、登録販売者としてその中でもヘルス部門中心に特色のある商品の特徴は再確認しておきましょう
失敗防止はもちろん、お客さまの満足度も間違いなく向上します。

お客様情報を把握せずに起こること

お客様情報を把握せずに起こること

ではここからはお客さまとの接客の失敗パターンを具体例を挙げながら考えて見ましょう。
いずれも実話なので参考になるはずです。

これは頻繁に起こり得る事例ですが、思い込みからくるヒアリング不足です。
ここでは3パターン見てみましょう。

目の前のお客さまが使うと思い込む

使う方を確認せずに接客してしまい間違った商品を提案してしまうパターンです。
お客さまはほぼ症状のみを訴えてこられるため、その症状が誰のものなのか聞かないとわかりません。

どうしても目の前で話されている方の症状だと思ってしまいますが、頼まれての購入だったりご家族のこともあるため、まるでご自身のことのように話されていても誰が使うか尋ねておきましょう。

注意すべきは「複数商品の連続接客」で、それぞれ誰が使うのかをしっかりと確認しないと事故の原因となります。

大人用の商品案内の次に子ども用の商品案内など、お客さまとの意思疎通を慎重におこなう必要があります。

「子ども」を15歳以下と思い込む

お客さまの「子どもが風邪で...」のような言葉にも注意が必要です。
子どもが15歳以上の「息子」「娘」の場合があります。

この場合に子ども用の市販薬を紹介したり、ファミリーユーズの市販薬を紹介してしまい、より効果的な市販薬を紹介できないパターンもあります。

接客の後半に判明し接客時間が全て無駄になる可能性もあるため、お子さまの年齢は最初に確認しておく必要があります。

「子ども」という単語が出たら必ず確認が必要です。

「薬を飲んでいない」という言葉の勘違い

薬の接客時に持病確認や服薬の確認はしていると思いますが、その時の「薬は飲んでない」という言葉は持病の薬ではなく、今の症状を緩和させる薬のことをおっしゃっている場合があります。

つまり、高血圧の方が風邪で来店され「薬は何を飲んでいますか?」の問いに「飲んでいない」と返された場合、それは「高血圧の薬は飲んでいるが風邪薬は飲んでいない」という意味かもしれないわけです。

お客さまは「今の症状」を解決したくて来店されているので、持病のことが頭から抜けている場合があります。

これは頻度が高く経験がある方も多いと思いますが、紹介する医薬品が禁忌に当てはまる場合も多く、最悪命に関わるため最重要事項でもあります。

お客さまの身体のためにも「持病の薬」「今の症状の薬」を別々に聞いてください。

接客における失敗対策

接客における失敗対策

失敗は成功の元でもあり、成長する糧でもあります。
ただドラッグストアにおける登録販売者としての失敗はお客さまに時として大きなご迷惑をかけてしまうこともあるため、未然に防ぐ努力も必要です。

では接客での失敗防止策を考えてみましょう。

お客さまから情報を引き出す

上に挙げた失敗例の数々の原因は、お客さまからのヒアリング不足に起因するものです。
登録販売者として慣れた頃に最も犯してしまう失敗でもあります。

まずはお客さまからできる限り情報を聞き出し、ポイントで整理しましょう。
この時は「使用者」「症状」「持病」「使用中の医薬品」は最低限聞いておくべきです。

慣れてくると「この方も~だろう」という思考になりがちなので、これは強く意識しておかないと健康被害を発生させてしまう原因となります。
自店から健康被害は起こしたくないですよね?

逆に聞いてから商品提案した方が、明らかにお客さまの信頼度は上がり安心してご購入して頂けます。

シチュエーションごとの提案商品を決めておく

自分の中ででもいいですし推奨品でもいいのですが、自分の中で「この時はコレ」という商品を予め決めておくのもお勧めです。

風邪薬なら
「鼻の症状のとき」「のどの症状のとき」「高血圧の方」「使用できる商品が少ない13歳くらいの小児用」など

胃薬なら
「下痢を伴うとき」「食前の症状」「食後の症状」「吐き気を伴うとき」「二日酔いのとき」「常備薬として」など

こうした症状別に自分の中での得意商品を多く作っておくことが、登録販売者としての引き出しの多さに繋がります。

まわりに登録販売者や薬剤師が在籍している方は、ぜひ聞いてみてください。
こんな薬を勧めているのか、という発見があるはずです。

定期的なインプットをおこなう

そして最も重要なのが「定期的なインプット」です。

得意商品を作ったら終わりではなく、常にインプットを続けましょう。
新商品が出るかもしれませんし、既存の成分で新しい効果が発見される可能性だってあります。

時間が経つにつれ記憶が入れ替わってしまったり、勘違いをしたまま記憶が定着してしまうため、インプットで修正をおこなわないといけません。
インプットは常に「なぜ?」という疑問を持つ癖をつければ自然とおこなえるため、接客ごとに振り返って確認する癖を付けると早く成長できます。

失敗の原因を振り返ると失敗の予測がおこなえるため、予め失敗を回避することができます。
ひとつひとつ力を積み上げましょう!

ケイタ店長(登録販売者)

執筆者:ケイタ店長(登録販売者)
ドラッグストア勤務歴20年、一部上場企業2社で合計15年の店長経験を活かし、Twitterなどで登録販売者へのアドバイスや一般の方への生活改善情報の発信を行っている。Twitterフォロワー数約5,000人。

過去の記事 【現役ドラッグストア店長直伝】登録販売者の実力を高める考え方<登録販売者のキャリア>
新しい記事 【指名の止まらない登録販売者を目指して】現場のお悩みにどこよりも正直に回答《前編》