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【現役ドラッグストア店長直伝】登録販売者としての年末年始需要への対応<登録販売者のキャリア>

【現役ドラッグストア店長直伝】登録販売者としての年末年始需要への対応<登録販売者のキャリア>

【現役ドラッグストア店長直伝】登録販売者としての年末年始需要への対応<登録販売者のキャリア>

早いものでもう2023年も終わろうとしています。皆さんの店舗も年末商戦真っ只中ですね、本当にお疲れ様です。
今回は年末年始のみガラッと変わるお客さまの需要や忙しさに対応するコツを、今までの経験を元にお伝えします。
会社からの指示は「年末年始に売れる商品」が多いので、私からは接客のコツをお伝えしていきます。年末年始は他の時期と明確に異なる接客をおこなうことで、お客さまからの支持を獲得するスキルをつかむチャンスなのです。

目次

どう年末年始需要に応えるか

どう年末年始需要に応えるか

ドラッグストアの年末年始営業は以前の苛烈を極めている状態から少し緩和し、正月休みを設ける企業も徐々に増えてきた印象です。
それでも元旦営業の店舗に勤務、あるいは年越し営業の店舗で勤務される方もいらっしゃるはずです。

まずは年末年始のポイントを考えてみましょう。

医療機関の休みに対する受け皿

年末年始に営業をおこなうドラッグストアには「年末年始休みの医療機関の受け皿」という大きな存在意義があります。
もちろん持病の対応はできませんが年末年始に体調不良となった時、真っ先に駆け込むのがドラッグストアです。

とくに近隣にお住まいのお客さまにはアピールのチャンスです。
「相談応需がしっかりしている」という印象を持っていただくためにも、様々な接客パターンを把握しておきましょう。

また、お客さまの緊急事態に対応できるよう登録販売者として準備する必要があります。
休日診療をおこなっている医療機関は予め確認し、受診勧奨を行えるように準備しておきましょう。

薬局併設店舗に勤務の方は、薬剤師に聞いて近隣の病院情報も簡易的でいいのでまとめておきましょう。

こうすることで薬局側の患者さまの来店時のご質問や需要に応えられるようになります。

その際は「病院名・診療科・連絡先」を表にしておくと便利ですので、休日診療所の連絡先と合わせて把握しておきましょう。

年末年始の需要

年末年始ならではの売れ方をする商品も多いですよね。
とくに洗剤関係は大幅な需要増で会社指示もあり、皆さんの店舗でも大展開をおこなっていると思います。

これ以外にも展開方法で販売数が伸びるこの時期ならではの商品も多いのですが、これはかなり地域性があるためコラムでは紹介し辛いのが残念なところではあります。

ただ全国的に普及している「屠蘇散」の使い方は登録販売者として把握しておきましょう。

参考:薬草に親しむ-屠蘇散|くすりの博物館

屠蘇散に限った話ではないですが、地域的、文化的な行事は抑えておくべきです。
こうしたネタを蓄積することで、とくに中高年のお客さまの支持を集められます。

中高年の方は新しいモノやコトに対して抵抗感があることが多いのです。
「歴史がある文化」を元に固定客化を行えば、近くに競合ができても自店に必ず戻ってきていただけるのでお勧めです。

とくに地方の店舗の方は年末年始以外も地域的な文化イベントは必ず把握しておきましょう。旧暦で全国的な行事が1カ月ズレている...なんてこともあります。
こうした情報は会社から提供されないので現場での情報の蓄積が肝心です。

地域特性の把握

地域特性の需要を掴むことはそのまま売上と固定客の増加につながります。
大前提として店舗全体で取り組む必要があるので従業員で方向性を統一しておきましょう。

大きなメリットは短期的にみると「売上」、長期的にみると「客数」のアップにつながります。
それぞれ見ていきましょう。

  • 売上

    地域特性などに即した接客を行うことは、他社競合との差別化にもなります。
    特に大企業では地域単位の教育を行えないため、個店単位で努力する必要があります。

    逆に言えば、地域特性を掴んでおかないと欠品などが発生しチャンスロスになるばかりでなく、顧客信頼度も低下する可能性があります。
    「目先の売上」をしっかりと確保するためにも、地域特性は店舗で把握しなければいけません。

  • 客数

    長期的に見ても客数の底上げにつながります。
    来店頻度は通常のお客さまでは「月に数回」のため、1回の来店というのは私たちが思う以上の価値があるのです。

    この来店頻度がたとえ一部のお客さまで「年1~2回」増えただけでも、年間と通してみればかなりの回数となります。
    この地域特性を活かした来店頻度の底上げは、会社本部主導ではなかなかできないので店舗でのアンテナが必須となるのです。

    年末年始以外も地域的な文化イベントは必ず把握しておきましょう。
    とくに異動が発生する正社員の方は立場的にも知識的にも必須です。

年末年始需要を掘り下げるコツと事例

年末年始需要を掘り下げるコツと事例

年末年始需要を拾い上げ、お客さまのためにもなり店舗売上も向上させるにはどうしたらいいでしょう。
お客さまの期待に応えたうえで「相談してよかった!」と思われる接客を考えてみましょう。

まずは自身と照らし合わせてみよう

これは年末年始だけでなく通常の接客でも必須ですが、まずはお客さまのお悩みを自分に置き換えてみましょう。

通常はお客さまからお聞きした症状を元に商品提案をおこないます。
しかし年末年始はイレギュラーなシチュエーションということをしっかりと把握したうえで接客をおこなう必要があります。

  • 特別なものを食べていないか?
  • 長距離移動で疲れが根本の原因ではないか?
  • 家族や親族に同じ症状の方はいないか?

自分が親族や友人と集まり体調不良となった時にどう接客をしてほしいか?
症状は目の前のお客さまだけとは限りません。

自身で分からなかったら家族や親族に置き換えて考えるか直接聞いてみてください。
過去にあったトラブルひとつでも聞くことができれば、そこから枝葉のように商品が紐づいてくるはずです。

例えば『過去に車で帰省中に酔ってしまい、帰省後も食欲が落ちて満喫できなかった』という話を聞いたとしたら

酔い止め
吐き気、めまい、予防など各種商品別の特徴をつかむ車酔いを予防する方法(炭酸飲料、カフェインなど)
食欲不振
胃の働きを活発にする成分を含む胃薬や、肝臓の働きを助ける成分を含む医薬品・健康食品など
滋養強壮剤
生薬由来の栄養剤で身体全体をケアする
医薬品以外
簡易トイレや飲料、菓子類(チョコレート・ガム・グミ)など

知識はひとつでなく、紐づけて把握することで拡がっていきます。
「Aが起こったらBになる⇒BといえばC...」といった連想ゲームでもいいのです。
ひとつでも多く関連商品を自身の頭の中で紐づけましょう。

年末年始のお客さまは緊急性が高かったり、それを予防しようと来店されている事が多いのです。
商品の発想はひとつでも多くあるべきです。

忘れがちですが、お客さまにとっての年末年始は自身や家族の「年末年始」に置き換えて考えて接客をおこなうことで顧客満足度を高めることができます。

一般的な需要をシミュレーションしてみよう

年末年始のお客さまは多忙で「症状を抑えたい」という方が多いので、その需要に応じる提案をしたいところです。
具体的には「即効性」を求めている可能性が高いので、いつもの接客時の考え方と変えていく必要があります。

いつもは整腸剤を勧めるが下痢止めを提案する

胃薬の中でもや胃粘膜局所麻酔剤を提案する

いつも使う鎮痛剤よりランクを上げたもの(アセトアミノフェンをイブプロフェンに、イブプロフェン150mgをイブプロフェン200mgに...など)をお勧めする

このようにお客さまがいつも使っている市販薬より効果が高いものを提案すると感謝されます。
必ず「今使っている薬は何か」という確認は忘れないようにしてください。

体調不良は緊急事態なのですが、年末年始はそもそもがイレギュラーな期間です。
わたし達もお客さまの状況に合わせて紹介する商品を変えていく必要があります。

もちろん、その際も持病や用途の確認は必須です。
先に書きましたが、その時のためにも少なくとも登録販売者は近隣医療機関と休日診療所の確認はしておきましょう。

年末需要に応える商品を選ぶコツ

お客さまの年末年始需要に応じるには症状の他に「行動」を考える必要があります。
「行動」とは、年末年始に伴うお客さまやご家族の行動です。

その症状が収まったあとの行動もお聞きし、アドバイスや商品提案をおこなってみるべきです。

  • 胃腸薬のご相談を受けたら、その後の食事を助けるためにも「消化酵素」の市販薬を紹介する
  • 帰省中のお客さまには帰路に就くまでの薬(大容量や酔い止め)なども提案する
  • 体調に応じて滋養強壮剤や栄養補助食品などの提案をする

先ほど「知識の紐付け」の話をしましたが、それに「行動」を加えると精度が高まります。
今の症状の緩和だけでなく「お客さまがこのあとどうするのか」という問題を加えることで、お客さまのこの後のお悩みを解決する商品の選択をすることができるのです。

お客さまの年末年始が無事に終わる手助けをする商品提案やアドバイスをしてみてください。
もしそのアドバイスがお客さまの心に当たらなくても、気遣いをしてくれた...という印象はお客さまの中に残ります。

このような心遣いをおこなうと、帰省中の「一見さん」がご家族に評判をお話してくれます。
「紐付け」て提案をおこなうと、店舗や登録販売者の評判も紐付いて口コミで拡がっていくのです。

年末年始商戦を乗り切るコツ

年末年始商戦を乗り切るコツ

年末年始のヤマを乗り切るのには体力や気力も必要です。
とくに登録販売者がダウンしてしまったら店舗の営業もままなりません。

ドラッグストア業界に入り約20年、つまり20回年末年始を無傷で乗り切った私の年末年始を乗り切る方法をお伝えします。

自身のメンテナンス

まずは当然ながら「自分の身体最優先」です。
ここではふたつのポイントを挙げておきます。

・生活のリズム
当然、生活リズムは崩さないようにしてください。
とくに早番と遅番の交代シフト制の方はいつも以上に規則的な生活にこだわるべきです。

睡眠時間は確実に同じ時間に固定し、その結果生まれた時間にプライベートを当てはめると結果的に生活の生産性は上がります。
少なくとも年末年始期間の睡眠時間は固定してください。

・商品の活用
お客さまにお勧めしている商品を自分でも使い、知識は実行しましょう。

知識だけで接客しているとどうしても穴や矛盾が生じます。
自身で実行してその体験談をお客さまにお伝えすれば、接客の信頼度やお客さま満足度は向上します。

知識だけで試した事がない...という方は社割、サンプル、登録販売者同士の割り勘などで商品を試してみてください。
とくに健康食品のサンプルはメーカーに依頼すると頂ける事が多いので、メーカーに依頼するよう店長にお願いするのも一手です。

スタッフ同士の助け合い

多忙と冷え込みなどでどうしても体調が思わしくない時は、スタッフ同士で助け合って休みましょう。
社員の方はパートさんの体調をよく見て、状況に応じて休ませたり早上がりなど考慮してください。

無理して勤務を続けてしまい、本格的に体調を崩してシフトに穴を開ける方が店舗や自身にとっては損害となります。
多忙な時ほどあらゆる手を使って体調を維持してください。無理は禁物です。

接客を楽しむ

体調だけでなくメンタル面でも不調になってしまう事もあります。
大量の納品と刻々と変わる会社や上司の指示、年間最大売上となる年末の目標などで押しつぶされそうな方も多いはずです。

私はそんな時こそ「接客を楽しむべき」と考えています。
お客さまのQOLを向上させ感謝されることに喜びを感じるのは、多忙な業務の中の一服の清涼剤です。

ここからは語弊があり怒られるかもしれませんが、お客さまとの接客で身体を休ませるのです。走りっぱなしでは肉体的に疲弊してしまいます。
限度はありますが、おそらく「接客が長い!」「接客回数が多い!」などと怒る店長はいません。

皆さんは登録販売者であり、接客こそが最大の存在意義です。
「接客できる」という武器をお客さまにも、売上にも、そして自身の身体にも使って年末年始を乗り越えてください。

最後に、今年一年お疲れさまでした!
来年もよろしくお願いします!

ケイタ店長(登録販売者)

執筆者:ケイタ店長(登録販売者)
ドラッグストア勤務歴20年、一部上場企業2社で合計15年の店長経験を活かし、Twitterなどで登録販売者へのアドバイスや一般の方への生活改善情報の発信を行っている。Twitterフォロワー数約5,000人。

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