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【現役ドラッグストア店長直伝】登録販売者がオーラルを極めるべき5つの理由<登録販売者のキャリア>

【現役ドラッグストア店長直伝】登録販売者がオーラルを極めるべき5つの理由<登録販売者のキャリア>

【現役ドラッグストア店長直伝】登録販売者がオーラルを極めるべき5つの理由<登録販売者のキャリア>

皆さん登録販売者として医薬品販売に尽力されていると思いますが、医薬品以外の担当を持たれている方も多いはずです。
今回は「オーラルケア部門」が登録販売者にとってもっとも重要視するべき部門である理由をお話しします。
オーラルケア部門を担当している方はもちろん、それ以上に担当していない方にもよく読んでいただきたい内容です。

目次

お客さまに対しての視点

お客さまに対しての視点

まずはお客さまに対してのメリット、つまり需要から考えてみましょう。
商売はまず消費者からの需要が命ですが、オーラルケアはこの点が超優秀なのです。

それはなぜか、主にふたつの視点から考察しましょう。

理由①「ターゲットが全年齢層」

まずオーラルケア商品はターゲットが全年齢層に渡ります。
歯の生え始めた赤ちゃんにとってももちろん重要ですし、歯をすべて失ってしまった高齢者も入れ歯ケア商品や人口唾液のような口腔湿潤ケアまで商品が揃っています。

オーラルケアのような、年齢による需要の差がない部門はあるでしょうか?
あっても洗剤や入浴用品のような一握りの部門だけです。

さらに、オーラルケア商品は基本「一人にひとつ」というものです。
歯磨き粉は共有する家庭もありますが、近年はそれも少なくなり家族でも個人でわけることが増えてきました。

オーラルケア商品は「家族全員が基本的に毎日複数回使用する消耗品」なのです。

すべての年齢の方にとって必要な商品、つまり来店されるお客さまがすべてターゲット・・・ともいえます。

そして年齢層が上がるにつれて単価が上がるのもオーラルケア部門の特徴です。
高機能歯ブラシや高機能歯みがき粉、入れ歯関連商品は高価格となります。

これから高齢化社会が進む日本では、オーラルケア商品は店舗の稼ぎ頭といっても過言ではありません。

更に健康志向の高まりに合わせて高価格商品も次々と発売されています。
オーラルケア商品の販売には追い風しか吹いていませんが、販売者側の知識を始めとした販売体制が整いきっていないため、わたし達登録販売者が率先して販売を牽引する必要があります。

理由②「季節性が全くない」

身体に使用する商品で、例えば先ほど挙げたボディーソープなどは季節性があります。
夏はクール系、冬は保湿系が人気、など季節によって売れるものが違うはずです。

オーラルケアを考えてみましょう、季節性はあるでしょうか?
夏になると需要が上がったり下がったり・・・というものはなく、オーラル部門に季節性は皆無です。

このため年間通して基本的に大幅な売場変更を施す必要はありません。
あるのは年末の歯ブラシ買い替え需要に対するアウト展開くらいでしょう。

ドラッグストアの閑散期とされる2月や11月にもしっかりとお客さまを店舗に引っ張り売上を支えてくれますよね。
基本的に需要の底が年間通して見当たらない、スランプ知らずの高アベレージヒッターが、オーラルケア部門なのです。

お客さまからの視点で考えると

お客さまの生活からの視点で考えると、毎日誰しもが必ず使うのはオーラルケアの他には「洗剤系」「入浴系」くらいです。
この中で明らかに個人使用に限定されるのが、オーラルケアです。

つまり家庭での消耗品でもっとも使用率が高く、店内の様々な部門の中でも来店動機が高くもっとも頻繁に消費をループするのが「オーラルケア部門」なのです。

毎月交換が推奨されている歯ブラシ、消耗スピードが高い歯みがき粉や洗口液・・・
家族単位で考えると消耗スピードは早く、家族全員分を買い替えるとなると来店頻度か買上げ点数のどちらかを増やすしかないのです。

どんな季節でもどんな状況でも買い控えが起きることはありません。
それは必要なのはもちろんのこと、価格の幅が広く選択の余地があることが挙げられます。

お客さまにとって自身の健康、香味、予算などの都合で商品を選ぶ楽しさや余地があるので「買い物」の楽しさを味合う売場でもあります。
つまり、ドラッグストアの店内部門でもっとも大切な部門のひとつといえます。

売上からの視点

売上からの視点

全年齢層から年間通して必要ということは、家族が増えるほど来店動機が増えます。
不足するたびに来店するわけにもいかないので、予備としてまとめ買いする方が多いのです。

これは店舗にとってメリットが非常に大きいのです。
では店舗の売上にどう貢献しているのか、考えてみましょう。

理由③「低単価から高単価まで選択肢が広い」

オーラルケア部門にあるのは「歯ブラシ」「歯みがき粉」「洗口液」「歯間ケア」「入れ歯ケア」などが挙げられます。

この中でもっとも低単価なものが「歯ブラシ」ですが、この歯ブラシも近年は高価格化が進み、広告の目玉として60円程度のものから、電動歯ブラシの替えブラシのように1,000円を超えるものまで販売されています。

同じ用途の商品で価格差が10倍20倍・・・という差がある部門も、ぱっと思いつかないですよね?

こうした視点で考えると、売上の底上げを狙うのならオーラルケア商品に注力するのは必須と考えます。
化粧品のような「接客や展開次第で高単価販売が狙える」というのもオーラルケア部門の特徴です。

ここで必要なのが知識なので登録販売者の出番です。
これは後述しましょう。

理由④「買い上げ点数が高くなる」

オーラルケアの特徴として「家族全員が一人1点では終わらない」というものがあります。

4人家族なら最少でも「歯ブラシ4本、歯みがき粉1本、合計5点」が必要です。
更にそれぞれ個人で歯磨き粉を別にしたり、洗口液や歯間フロスを使っていたら点数は増えるわけです。

レジ業務で「オーラルケア商品をこんなに購入されるのか・・・」と感じたことがあると思いますが、食品部門以外でオーラルケア部門ほど買上げ点数が高い部門はありません。
しっかりとした売場メンテナンスや展開を行えば、セルフ販売で回転率や買上げ点数は向上します。

回転率が高くなるということは、店頭欠品の対策が必要となります。
また、前出しなどの定番メンテナンスの必要性も上がってきます。

とくにフック陳列が多い歯ブラシの定番売場、陳列しにくい縦型歯みがき粉の定番などは前出しが不十分になりやすいため意識付けが必要です。
1日のうち数回のメンテナンス作業が必須ですし、店舗判断は難しいですが定番売場も主通路で露出を上げないといけません。

自店の定番が中通路にあるレイアウトだったら、可能なら売場の位置変更の提案をしてみるとよいかもしれません。

売上を上げるためには

オーラルケア部門は価格差があるとはいえ、低単価の商品も多いため一日単位で見ると欠品などのチャンスロスが売上に大きく影響しているようには見えません。
しかし商品特性上、お客さまへのイメージはかなり悪化するため来店頻度の低下に繋がりかねません。

オーラルケアは商品の大きさが小さくメンテナンス不足に陥りやすいため、重点的に前出しなどを日々おこなう必要があります。
単価は低いですが点数が多いため月間や年間トータルで考えるとボディーブローのように積み重なって大きな機会損失となります。

また、この後にお話しする知識不足による単価や点数の向上を後回しにすると店舗の成長も阻害される可能性もあります。
単価の低さや点数の多さを軽視せず、店舗従業員全体で意識する店舗は強くなります。

意識付けは登録販売者中心におこなうべきなので、考えていきましょう。

登録販売者としての学びの視点

登録販売者としての学びの視点

登録販売者としての出番はやはり接客です。
ところがオーラル部門の現状はあまり接客機会が多くありません。

お客さまがオーラルケアを消耗品として考えている・・・という面はありますが、今後の流れを予想するとオーラルケアの重要度は増しますので、わたし達登録販売者は知識を身につけておく必要があります。

理由⑤「ヘルス・ビューティに横展開で接客ができる」

オーラルケア部門の特徴として「ヘルス部門」「ビューティ部門」との親和性の高さがあります。
どちらの部門からもオーラルケア部門にお客さまを案内できますし、逆にオーラルケア部門からヘルス・ビューティ部門にお客さまを案内することも可能です。

例えばヘルス部門でしたら口腔内の痛みである「虫歯・口内炎・歯肉炎」から高機能歯みがき粉や専用歯ブラシを案内できます。
胃薬から「口臭ケア用品・舌ブラシ」
などへの案内も可能です。

ビューティ部門からはファンデーションの接客時に「美白歯みがき粉・ヤニ落とし」などの高価格歯みがき粉や歯ブラシ・舌ブラシなどが提案しやすいので、化粧品担当者(BA)に協力してもらうのもお勧めです。

もちろん上記の事例はオーラルケア部門からヘルス・ビューティ部門への案内も可能ですので、接客の際は積極的に提案してみましょう。

提案するためにもそれぞれの売場に関連付ける商品を陳列すると効果的です。

口内炎治療薬定番やリップ定番の医薬品コーナーに歯槽膿漏対応の治療薬を展開したり、その逆をおこなうのも効果的です。
「口内炎(ヘルス部門)」「口角炎(ビューティ部門)」「歯肉炎(オーラルケア部門)」の商品がすべて違う売場にあると認識しているお客さまはかなり少ないため、サービス向上の意味合いもあります。

各企業で様々な指示があると思いますが、できる範囲で薬機法に抵触しないよう注意し展開してみてください。

知識を身につけ高単価商品にチャレンジしてみよう

もちろん低価格帯の商品から高価格帯へのスイッチを忘れてはいけません。
お客さまのためにも店舗のためにも、より効果が高い高価格帯商品の提案は必須です。

接客をしているとお客さまの中には「なぜ高価格なのか」を充分理解されず使われている方もいらっしゃいます。
以下の点を確認して接客に活かしてください。

・高価格帯商品の効果の訴求ポイント

知覚過敏対策商品は訴求しやすくお勧めです。
鎮痛剤や鼻炎薬と同じで「今すぐ症状の対策をおこないたい」という需要があるためです。

また「高価格=高機能」というアピールをお客さまにとってもわかりやすい言葉でお勧めできるようにしておきましょう。

・医薬品タイプの訴求ポイント

医薬品タイプは「効能効果」をダイレクトに訴求できるため接客しやすいのがポイントです。とくに「歯槽膿漏」という症状にお勧めできるのは医薬品の特権です。
歯みがき粉や塗り薬を合わせて提案すると単価が上がりますし、専用歯ブラシや口内炎治療薬定番にある痛み止め塗り薬なども提案しやすくお勧めです。

ただ医薬品歯みがき粉は生薬の影響で独特の香味の場合がありますのでお客さまに一言添えてください。

・その他の役立つ知識
特殊な歯みがき粉をお求めのお客さまもいらっしゃいますので一例を挙げておきます。

  1. ①研磨剤フリー
    美白や入れ歯に使用するために研磨剤が入っていない歯みがき粉をご希望のお客さまには「ジェルタイプ」がお勧めです。
    他にも研磨剤フリーを大きく表示した商品も最近は多いので覚えておきましょう。
  2. ②フッ素フリー
    お子さまに使いたい、健康志向の高いお客さまがご希望になることがあります。
    主に「せっけん歯みがき」のような自然派の歯みがき粉がこれに当たります。
    科学的に考えればフッ素は必要なのでお客さまのご様子を伺いながら、フッ素の働きをアドバイスしてみてください。
  3. ③発泡剤フリー
    上に挙げたジェルタイプやせっけん歯みがきは発泡剤フリーですので覚えておきましょう。
    他にも医薬品タイプや薬用タイプなど発泡剤フリーのものは多いので確認しておきましょう。
    発泡剤フリーだと泡立たずにしっかりと長時間磨けるという利点があります。

ちなみに「薬用」は「医薬部外品」という意味です。
石けんやハンドクリームなどの「薬用」も「医薬部外品」です。

オーラルケアを武器にしよう

オーラルケアを武器にしよう

このようにオーラルケアは店舗、お客さまにとって非常に重要な部門となります。

・季節性がない

四季を通じてスランプも繁忙期もないため、安定した売上を上げることができる

・価格幅が広い

低単価から高単価までの幅が広いため、様々な需要に応えることができる

・他部門との関連が深い

ヘルスやビューティ部門との関連が深いため接客で販売が可能

そして登録販売者としてのスキルアップのための「接客力」を磨く場としても活用できます。
自身のスキルアップのために「ヘルス・ビューティ部門からの横展開」「高単価商品の提案」を行うことができれば、大きな武器となります。

スーパーなどの業態でもオーラル商品は販売していますが、接客はおこなっていないはずで、このオーラルケアの接客は医薬品を取り扱うことができるドラッグストアならではのものです。
それはつまり固定客化できる要素がある、ということです。

しかも高価格帯の商品は値崩れしていないので利益率も大きく、低価格商品を同額販売するより多くの利益を生み出し、お客さまの満足度も高くなります。

メンテナンス、ヘルス・ビューティ部門との連携、高価格帯販売をおこなって店舗の販売力の底上げをしましょう!

ケイタ店長(登録販売者)

執筆者:ケイタ店長(登録販売者)
ドラッグストア勤務歴20年、一部上場企業2社で合計15年の店長経験を活かし、X(旧Twitter)などで登録販売者へのアドバイスや一般の方への生活改善情報の発信を行っている。X(旧Twitter)フォロワー数約5,000人。

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