登録販売者が店舗管理者になるには?条件を紹介

こんにちは、登録販売者転職のアポプラス登販ナビライターチームです。
登録販売者であれば、店舗管理者を目指している方も多いのではないでしょうか。店舗管理者になると、1人でOTC(一般用医薬品)の販売やカウンセリングができるようになるだけでなく、店舗運営の責任者になれるなど、医薬品販売の責任者としての職務をまっとうできます。
しかし、登録販売者から店舗管理者になるには一体どうしたらよいのか知らない人も多いでしょう。本記事では、登録販売者が店舗管理者になるための条件や、業務内容について解説します。さらに、店舗管理者になるメリットや求められるスキルについても解説しているため、管理者を目指している登録販売者の方はぜひ参考にしてください。
目次
- ・登録販売者とは
- ・登録販売者が店舗管理者になる条件
- ・管理者要件をクリアした後の手続き
- ・管理者要件が緩和されたことの影響
- ・店舗管理者の業務内容は?
- ・登録販売者が店舗管理者になるメリット
- ・店舗管理者になるとどのくらいの給料が期待される?
- ・店舗管理者として活躍するために求められるスキル
- ・まとめ|店舗管理者はスキルアップできるチャンス
登録販売者とは

登録販売者とは、OTC(一般用医薬品)の販売やカウンセリングをおこなうための資格で、店舗管理者を目指すなら必須の資格です。
昨今、薬剤師不足が叫ばれているなか、薬剤師に次ぐ薬のスペシャリストとして、登録販売者のニーズが高まっています。そのため、登録販売者の活躍の場は広がっており、注目度も高まっているのです。
登録販売者が目指す店舗管理者とは
「店舗管理者」はその名前の通り、薬局やドラッグストアの店舗責任者としての役割を果たす役職です。ドラッグストアでは最低一人の店舗管理者を設置することが義務付けられており、登録販売者資格を持つ人が実務経験を積み管理者要件を満たすことで、店舗管理者を務められるようになります。
登録販売者試験に合格しても、実務経験がなければ「研修中」という扱いとなり、薬剤師や管理者要件を満たした登録販売者のもとでしか医薬品を販売できません。一方で、実務経験を積んで管理者要件を満たすと、一人で医薬品を販売できるようになります。
管理者としての勤務実績があると、年収アップだけではなく自分自身のキャリアアップに直結するため、登録販売者ならぜひ店舗管理者を目指してみてはいかがでしょうか。
登録販売者が店舗管理者になる条件

店舗管理者になるにはどうすればよいのでしょうか。ここでは、店舗管理者になる条件について解説します。
管理者要件をクリアする
まずは管理者となるための条件をクリアしましょう。以前は、登録販売者試験に合格すると同時に店舗管理者の資格も取得できました。
しかし、2015年に登録販売者制度が改正されたことで、店舗管理者としての資格を得るための条件が別途設けられました。この条件は2015年以降も何度か改正を重ね、現在のものとなっています。
具体的な条件は以下の通りです。
- 過去5年間で、通算2年以上(1,920時間以上)の実務経験があること
- 過去5年間で、通算1年以上(1,920時間以上)の実務経験と継続的研修・追加的研修を修了していること
- 通算1年以上の実務経験があり、なおかつ過去に管理者として業務に従事した経験があること
「実務」とは、以下の3つにあたります。
- 一般従事者として薬剤師または登録販売者の管理および指導の下に実務に従事していること
- 登録販売者(研修中)として薬剤師または登録販売者の管理および指導の下に実務に従事していること
- 登録販売者として業務(店舗管理者または区域管理者としての業務を含む)に従事していること
1、2の場合、過去5年間の実務経験は、あくまでも「通算」であるため、連続していなくても構いません。たとえば、休職などで期間が開いてしまったり、他の薬局へ転職したりした場合でも、通算1年または2年以上あれば実務経験としてカウント可能です。
管理者要件に含まれている継続的研修・追加的研修は、アポプラス登販ナビでも実施しています。管理者を目指している方は以下のページから詳細をご確認ください。
以下のコラムでは、登録販売者の実務経験をどのように積めばよいかを紹介しているため、あわせてご覧ください。
登録販売者の実務経験はどこで積む?合格後のキャリア形成について紹介
必要書類を用意する
管理者になるための条件を満たしたら、必要書類を用意しましょう。管理者になるには、実務経験を証明する書類である「実務(業務)従事証明書」が必要です。
多くの場合、「実務(業務)従事証明書」は企業に伝えれば手配してもらえますが、万が一持参するようにいわれたら、各都道府県のホームページからダウンロードしましょう。もし、過去5年間に2つ以上の企業に勤務していた場合、企業ごとに証明書が必要になるため、注意してください。
「実務(業務)従事証明書」については以下の記事でも詳しく解説しているため、こちらもあわせてご参照ください。
登録販売者の業務従事証明書とは?実務従事証明書との違いや必要なケースを解説
管理者要件をクリアした後の手続き

「実務(業務)従事証明書」を発行してもらったら、勤務先企業に必要事項を記入してもらいましょう。そして、勤務簿の写しなどとあわせて都道府県へ届け出が完了すると、店舗管理者として働けます。手続き完了後、各書類は紛失しないよう、大切に保管してください。
管理者要件が緩和されたことの影響

2023年には登録販売者制度が改正され、店舗管理者になるための条件が緩和されました。これには、プラスの面もマイナスの面もあります。なぜなら、管理者要件を満たしやすくなった分、競争相手が増えるためです。
さらに、管理者要件として求められる実務経験の期間が短くなったことで、管理者になったあとに経験値や知識の不足を感じやすくなるというケースも出てきました。医薬品販売の経験が足りないまま管理者になってしまうと、一人で医薬品を販売する際にお客さまに適切な医薬品を提案できません。
上記のようなデメリットから、いざ店舗管理者になっても業務が辛くなり、途中で投げ出してしまうケースもあるため、注意が必要です。
管理者要件を満たすだけではなく、すすんでさまざまな業務に挑戦したり、わからない部分は積極的に質問をしたりすることで、店舗管理者として求められる知識や経験を確実に積み上げられるよう意識しましょう。
店舗管理者の業務内容は?

ここからは、店舗管理者がおこなう業務内容について解説します。店舗管理者の業務は、大きな責任が伴います。業務内容をよく理解し、本当に業務をこなせるか今一度よく考えましょう。
以下のコラムでも具体的な店舗管理者業務に触れていますので、あわせてご参照ください。
ドラッグストアでの店舗マネジメントはどうやる?登録販売者に聞く店舗管理者業務
医薬品販売
店舗管理者がおこなう業務内容の1つ目は、OTC(一般用医薬品)の販売です。OTC(一般用医薬品)は、「第一類医薬品」と「第二類医薬品」、「第三類医薬品」にわかれます。
「第一類医薬品」は、副作用や飲み合わせのリスクが高いことが多く、「第二類医薬品」と「第三類医薬品」は、「第一類医薬品」に比べ、副作用や飲み合わせのリスクは低めです。これらのなかで、登録販売者による販売もしくはカウンセリング業務ができるのは副作用のリスクが比較的低い「第二類医薬品」と「第三類医薬品」です。
ただし、登録販売者資格を取得するだけでは一人で販売、カウンセリングができません。一人で「第二類医薬品」と「第三類医薬品」の販売、カウンセリングをするには、管理者要件を満たして店舗管理者になることが必須です。
「第一類医薬品」に関しては、原則、薬剤師のみが扱えます。こう聞くと、店舗管理者の業務は容易に感じるかもしれません。しかし「第二類医薬品」と「第三類医薬品」は、OTC(一般用医薬品)全体の約9割を占めています。
そのため、店舗管理を担う登録販売者は、OTC(一般用医薬品)のほとんどを一人で販売できる資格があり、管理者としての業務は大きな責任が伴うのです。また、ドラッグストアやホームセンターで勤務する場合、OTC(一般用医薬品)だけではなく、医薬部外品や生活用品、食品など幅広いジャンルの販売業務もおこなうため、業務内容は多岐にわたります。
店舗運営に関連する業務
店舗管理者がおこなう業務内容2つ目は、店舗の運営です。従業員のシフト作成や売上管理、店舗の在庫管理など、人やお金、物の動きを客観的に把握しておかなくてはなりません。
たとえば、客層や来店のピーク時間、売上などのデータを元に、目標売上を設定したり、商品の仕入れや在庫を調整してロスを減らしたりするのも店舗管理者の大切な業務です。
また、シフトの作成や管理をしながら、人材育成をしたり、指導したりすることも店舗管理者の業務です。このように、お客さんと従業員双方にとってよりよい環境を作るのも店舗管理者の業務にあたります。
登録販売者が店舗管理者になるメリット

登録販売者が店舗管理者になることで、たくさんのメリットを享受できます。ここでは、主なメリットを3つ紹介します。
短期間でキャリアアップが見込める
店舗管理者になると、短期間でのキャリアアップも見込めるのがメリットです。仮に、フルタイムで働く登録販売者であった場合、1年以上勤務すると店舗管理者になる条件を満たせます。店舗管理者として店舗の運営に従事することは、社会的な信頼を高めてくれます。
なぜなら、店舗管理者は大きな責任を伴い、業務内容も幅広いためです。また、店舗管理者になると、店舗を統括する立場になるため、店舗全体の動きも客観的に把握できるようになるでしょう。
仕事へのモチベーションが高まる
店舗管理者になると、給与がアップしたり、責任感が養われたりすることで、仕事へのモチベーションが高まるでしょう。店舗管理者は基本給が高いだけではなく、別途手当がつくケースもあり、年収があがる傾向にあります。
年収アップは仕事のやりがいにも直結する重要な要素です。また、店舗管理者になることで、判断が自分の手に委ねられる機会が増えたり、新しい業務に携わる機会も増えたりするため、これらもモチベーションアップにつながるでしょう。
市場価値があがる
店舗管理者としての経験があると、市場価値が高まるのもメリットです。市場価値が高まると、転職活動の際に有利になるため、ぜひ経験を積んでおきましょう。OTC(一般用医薬品)を販売する店舗には、必ず店舗管理者が必要です。
そのため、もし転職したいと思った場合でも、店舗管理者の経験があれば、スムーズに次の仕事が見つかるでしょう。もちろん、登録販売者資格だけでも転職に有利ですが、店舗管理者の方がより需要が高いためおすすめです。店舗管理者としての実務経験は市場価値が高いため、役職としても一目置かれているのです。
店舗管理者になるとどのくらいの給料が期待される?

管理者要件を満たすと、登録販売者手当に加えて店舗管理者手当が支給されるケースが一般的です。金額は企業によって異なりますが、求人情報によると月5,000〜15,000円の企業が見られます。そのため、管理者要件を満たした登録販売者の年収は登録販売者資格のみの場合と比べて高くなると期待できます。
年収の増加は、やりがいやモチベーションアップにもつながるでしょう。ただし、年収の良し悪しは企業の売上業績にかかっています。自分自身のスキルアップはもちろん大切ですが、同じくらい企業選びも重要なのです。
店舗管理者として活躍するために求められるスキル

店舗管理者に就任し活躍するには、要件だけ満たせばよいというわけではありません。管理者としてのスキルも重要です。求められるスキルは以下の3つです。
- マネジメント能力
- 商品に関する知識やマーケティングに関する知識
- 各業務に役立つ資格取得
たとえ店舗管理者になる条件を満たしていても、スキルがなければ店舗管理者になれない可能性もあります。そのため、従業員を指導できるようなマネジメント能力を身につけたり、商品に関する知識やマーケティングに関する知識を深めたりするとスキルアップにつながり、おすすめです。
これらを身につけると、管理者になるための大きな一歩につながります。店舗管理者になれるかどうかは、本人の能力や知識にもかかっているため、事前にスキルアップをはかっておきましょう。
まとめ|店舗管理者はスキルアップできるチャンス
登録販売者が店舗管理者になるには、実務経験を積み、研修を受けることで管理者要件を満たしたのち、必要書類を用意して都道府県に届け出る必要があります。
できるだけ早く管理者要件を満たしたい方は、継続的研修・追加的研修を受講すると効率的です。継続的研修・追加的研修には以下のページから申し込めるため、ぜひご検討ください。
店舗管理者は登録販売者に比べ責任が伴うものの、仕事のモチベーションがアップしたり、市場価値があがったりと、やりがいがあります。現場で活躍するためにも、医薬品にまつわる知識やマネジメントスキルを身につけ、お客さまと従業員の双方に貢献できるような人材を目指しましょう。
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