【登販向けに解説!】 ドラッグストアで生鮮食品に注力するメリットとは?
こんにちは、登録販売者転職のアポプラス登販ナビライターチームです。
近年、ドラッグストアで生鮮食品をよく見かけるようになってきたと感じている人も多いでしょう。生鮮食品はスーパーで購入することが多かった人でも、ドラッグストアで他の商品とまとめて生鮮食品を購入するようになったという人もいるのではないでしょうか。
本記事では、ドラッグストアで生鮮食品の取り扱いが増えてきている理由やお客さま視点のメリット、管理の注意点などを紹介します。
ドラッグストアで登録販売者として働く方の中で、店舗管理者としてキャリアを積みたいと考えている人は、店舗全体を管理するうえで生鮮食品の取り扱いについても把握しておくことが大切です。この記事を参考に、店舗管理者に必要な知識として生鮮食品の取り扱いや、登録販売者の関わり方について理解を深めましょう。
目次
- ・ドラッグストアの売上は食品が多くを占める
- ・ドラッグストアで生鮮食品の扱いが増えている理由
- ・【顧客視点】ドラッグストアで生鮮食品が買えるメリット
- ・登録販売者がチェックしたい食品売り場での注意点
- ・まとめ|生鮮食品はドラッグストアの新たな目玉
ドラッグストアの売上は食品が多くを占める
近年、ドラッグストアの売上構成を見てみると、食品の割合が大きくなっていることがわかります。
2023年のデータによると、食料品やビューティケア(化粧品・小物)などの項目が前年に比べて増加しており、全体の売上は前年対比8.2%の上昇を記録しています。中でも、食品の売上は12.3%増加と大きく伸びており、現在ドラッグストアのメインとなる売上要素です。
一方で、ヘルスケア用品や介護・ベビー用品など一部の項目は減少傾向にあります。ドラッグストアでの店舗管理者へのキャリアアップを視野に入れている方は、市場のトレンドを理解して食品の取り扱いを強化したり、売上拡大に向けた戦略を立てたりするスキルが求められるでしょう。
ドラッグストアで働く登録販売者が知っておきたいジャンル別売上ランキングは、下記記事にて紹介しています。
登録販売者必見!ドラッグストアのジャンル別売上ランキング【2023年最新】
ドラッグストアで生鮮食品の扱いが増えている理由
ドラッグストアといえば医薬品を販売するお店というイメージがある人も多いですが、実は近年食品の取り扱いも増えてきています。ここでは、ドラッグストアで生鮮食品の扱いが増えている理由を3つ紹介します。
集客の目玉が「食品」に変化
近年、ドラッグストアの集客の目玉が、安売りの日用雑貨から食品に変化してきています。食品は、スーパーのように月曜日はお肉の日、水曜日はお魚の日など、短いスパンで集客イベントを実施しやすく、目玉商品となり来店客数の増加につながりやすい商品です。
食品の取り扱い数を増やすと、ドラッグストアは地域の消費者を引きつけることにつながり、リピーター客の獲得が期待できるでしょう。店舗管理者は地域の動向を理解して、効果的な食品販促の戦略を立てる必要があります。
ターゲットの変化
ドラッグストア集客戦略の変化は、ターゲット層の移り変わりからも影響を受けています。少子高齢化社会により日本の人口が減少していく中では、新規のお客さまを増やすことよりも、短期間で繰り返し来店してくれるリピーターの獲得が重要です。
食品を中心とした集客キャンペーンや、来店頻度を高めるプロモーションを実施し、お客さまのリピート利用を促進します。店舗管理者は、ターゲット戦略の変化を把握し、お客さまの満足度を高めるための施策を店舗に取り入れる必要があります。
ワンストップショッピングへの対応
高齢化社会においては、多種多様な商品を1カ所で購入できるワンストップショッピングの店舗が求められる傾向があります。ドラッグストアで医薬品や日用品の販売以外に生鮮食品の取り扱いが増えているのは、このようなお客さまのニーズの変化が影響しているといえるでしょう。
例えば、処方箋の受け取りのために訪れたドラッグストアで食品や日用品も一緒に購入できれば、他の店舗を回る必要がなく便利です。ワンストップショッピングの体制を整えることは、高齢者をはじめとした幅広い層のお客さまを引きつけるために欠かせません。
【顧客視点】ドラッグストアで生鮮食品が買えるメリット
ここでは、ドラッグストアで生鮮食品が買えるメリットをお客さま視点で2つ紹介します。ドラッグストアで生鮮食品を購入できるようになれば、スーパーや他のお店をはしごする手間が減るとともに、スーパーよりもお得に商品を購入できる場合があります。
食材と日用品を一カ所で購入できて「タイパ」がよい
ドラッグストアで生鮮食品を取り扱っていれば、お客さまのタイムパフォーマンスが向上すると考えられます。食材や日用品を一度にまとめて購入できるため、買い物にかかる時間や手間を大幅に削減できるでしょう。
例えば、仕事帰りや家事の合間にドラッグストアに立ち寄って食材や日用品、医薬品など必要なものをすべて買いそろえられれば複数の店舗を回る必要がありません。高齢者や仕事が忙しい共働き世帯などにとって、買い物の効率があがることは大きなメリットといえるでしょう。
スーパーと比較して安価で食材が買える
ドラッグストアで生鮮食品を購入できるもう一つのメリットは、スーパーと比較して安価で購入できる可能性がある点です。
ドラッグストアは、特定の曜日や時間帯にあわせてセールやキャンペーンを定期的におこなっています。タイミングによっては、肉類や魚類、卵、野菜などの食材をスーパーよりもお得に購入できるでしょう。
なるべく日用品や食品にかける費用を節約したいと考えている人は多く、ドラッグストアのセールやキャンペーンによる安売りは、価格に敏感なお客さまを引きつける役割を担っています。
登録販売者がチェックしたい食品売り場での注意点
ここでは、ドラッグストアで働く登録販売者がチェックしておきたい食品売り場の注意点について紹介します。生鮮食品は主にスーパーで取り扱われている商品です。そのため、スーパーが長年培ってきた生鮮食品の販売ノウハウを取り入れるとともに、生鮮食品であることを意識した管理や発注をすることが大切です。
一方で、登録販売者のメインの業務はあくまでもOTC(一般用医薬品)の販売だということも忘れてはなりません。登録販売者として身につけたOTC(一般用医薬品)に関する知識や経験を活かし、さらなるキャリアアップを目指せるように、食品売り場との関わり方を考えていきましょう。
生鮮であることを意識した管理
ドラッグストアで生鮮食品を取り扱う際、とくに注意したいのが品質管理です。ドラッグストアで販売している他の商品とは異なり、生鮮食品は消費期限が短く、温度や湿度などの保管条件によって品質が大きく変わってしまうため、適切な温度管理や定期的な品質チェック業務が欠かせません。
また、商品の回転率を高め廃棄を削減するためには、鮮度の高い商品を優先的に販売する工夫も必要です。食品の陳列や補充の際は、衛生面にも十分配慮しましょう。
店舗管理者は、生鮮食品の特性をしっかりと理解し、適切な管理体制を整えることで、お客さまに安全かつ新鮮な商品を提供できる環境を維持することが大切です。生鮮食品の適切な管理が実施されれば、お客さまの信頼獲得にもつながり、リピーターの増加も期待できます。
発注量は適切におこなう
生鮮食品は消費期限が短いため、捌ききれない過剰な在庫を抱えてしまうと廃棄ロスにつながってしまいます。
そのため、生鮮食品売り場を管理するうえで、売れ残りがないよう発注量を適切にコントロールすることは、大変重要な業務の一つです。発注量を決める際は、過去の売上データや季節、イベントなどの情報を考慮し、需要に見合った数量を発注することが大切です。
また、発注を担当するスタッフは、売れ筋商品や需要の変動を敏感に察知して、発注数に反映させる能力が求められるでしょう。ドラッグストアの店舗管理者は、適切な発注をおこない商品の回転率をあげ、無駄な廃棄を減らす戦略を立てる必要があります。生鮮食品を適切に管理できればコストを抑えられ、店舗の収益向上に貢献できるでしょう。
スーパーのノウハウも取り入れる
生鮮食品売り場の運営を成功させるためには、スーパーのノウハウを取り入れることも大切です。スーパーは生鮮食品の取り扱い経験が豊富なため、陳列方法や商品回転率の管理、在庫管理、鮮度管理など、生鮮食品を取り扱ううえで学ぶべき点が多いといえます。
食品の陳列方法一つで売上が大きく変わる場合もあり、お客さまの購買意欲を引き出すレイアウトやディスプレイなどのテクニックを参考にするのがおすすめです。また、季節や時間帯にあわせたプロモーションやキャンペーンもスーパーの戦略やアイデアをチェックしてみましょう。
ドラッグストアの店舗管理者は、スーパーのノウハウを参考にして食品売り場の運営を効率的かつ適切におこない、集客力と売上の向上に努める必要があります。
実務経験としてカウントされない場合がある
登録販売者が管理者要件をクリアするには、実務経験を積む必要があります。実務経験を積むには、以下のような条件を満たしている職場で勤務しなければなりません。
- OTC(一般用医薬品)の取り扱いがある店舗
- 管理者要件を満たす登録販売者や薬剤師からの指導を受けられる環境
一方で、これらの条件を満たしている店舗で働いていても、食品売り場ばかりを担当してOTC(一般用医薬品)販売に関する業務から離れる時間が長くなると、実務経験としてカウントされない可能性があるため注意が必要です。実務経験とはOTC(一般用医薬品)販売の経験を証明するものであるためです。
また、すでに管理者要件を満たしている方でも、生鮮食品の販売に携わる時間が長くなると、OTC(一般用医薬品)販売に関する知識や経験を蓄積できず、キャリア形成の妨げとなってしまう可能性があります。
そのため、店舗管理者やさらなるキャリアアップを目指している登録販売者が食品売り場のあるドラッグストアで働く場合は、事前に事情を伝えてOTC(一般用医薬品)販売業務に積極的に携われるようにしてもらうのがよいでしょう。
まとめ|生鮮食品はドラッグストアの新たな目玉
現在、ドラッグストアで生鮮食品は、新たな目玉商品として注目されています。ドラッグストアが生鮮食品を販売することで、利用するお客さまは、日用品や医薬品とあわせて食品も購入できるようになり、買い物の場所を1カ所に集約できるメリットがあります。
登録販売者で店舗管理者を目指している方は、従来のOTC(一般用医薬品)に関する業務に加え、生鮮食品対応のノウハウも身につけておくとよいでしょう。
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