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【現役ドラッグストア店長直伝】登録販売者が高単価の商品を販売するコツ<登録販売者のキャリア>

【現役ドラッグストア店長直伝】登録販売者が高単価の商品を販売するコツ<登録販売者のキャリア>

【現役ドラッグストア店長直伝】登録販売者が高単価の商品を販売するコツ<登録販売者のキャリア>

年間で様々な商品を推奨品として販売しなければいけないドラッグストア。
他の業態でも同じような推奨品は存在しますが、わたし達が取り扱う商品は医薬品というお客さまの身体に直接影響する商品です。
そんな中、会社から高額商品の販売を指示されているものの悩んだり実績が上がらない方も多いので今回は「高額商品販売」について考察してみましょう。

目次

お客さまの心理から考える

お客さまの心理から考える

お客さまに商品をお勧めするということは当然お客さまの立場に立って考える必要があります。
具体的にどうしたらいいのか、考えてみましょう。

安く高品質なものが求められる

皆さんも勤務から離れたら一消費者となるのでよくわかると思いますが、多くのお客さまが望まれるのは「低単価で高品質なもの」です。
ここでの販売側の選択肢はふたつです。

  • 低単価ご希望のお客さまに高単価商品をお勧めする
  • お客さまが低単価をご希望なら高単価商品はお勧めしない

要は販売できる確率は低くても大多数の低単価を好まれるお客さまに提案するか、販売できる確率が高い高単価に抵抗のないお客さまを探すか、ということです。
正解は店舗の客層にもよるので一概にはいえませんが、前者でしたら数が勝負となります。

客数が多い店舗は前者が有効なので接客の際に軽く話題にするだけでも累計での販売数が伸びます。ダメ元でも提案はおこないましょう。
思いがけないお客さまに販売できたり、拍子抜けするほどあっさり販売できた経験があるのではないでしょうか?

お客さまにとって未知の商品との出会いは登録販売者が大きな役割を担っているのです。

お客さまの予算を知る

ではどのようにお客さまの予算を推測するのでしょう。
もっとも確実なのは「予算はいくらですか?」と直接聞いてしまうことですが、なかなかできない方も多いはずです。

いくつか方法をあげておきましょう。

  • 低価格差のある商品を紹介する
    例えばNB商品とPB商品を合わせて紹介します。
    価格が高いNB商品を選ばれたら多少高価な商品を紹介しても問題ない可能性が高いです。
  • すでにカゴに入れている商品を確認する
    買い物カゴの中に価格差があり高価な商品が入っていた場合も同様です。
  • お客さまが最初に選んだ商品より高価格のものを話題に出す
    お客さまがこの時点で忌避感を出さなければかなり可能性があります。

最初はなかなか分からないでしょうし感覚が掴めない方も多いはずです。
近道となるような努力も必要となるので紹介しましょう。

接客メモを作成する

様々なお客さまの傾向をつかむためにも、登録販売者の日記ともいえる「接客ノート」を作成することを強くお勧めします。
以前、接客ノートに関するインタビューをお受けした時の記事もありますのでぜひご一読ください。

【現役登録販売者のリアルな接客ノートを大公開】接客力アップの秘訣とは

ここで接客のメモと合わせてお客さまの予算シミュレーションをしてみてください。
お客さまの予算を想定することは接客時にお客さまに「高額なものをお勧めしてくる」という悪印象を避けられますし、お客さまにとっても時短になります

また、登録販売者にとっても購入意欲のないお客さまに時間を割くことなく、次のお客さまに時間を使うことができるため、win-winでもあります。

登録販売者からのアプローチを工夫する

登録販売者からのアプローチを工夫する

ではお客さまの心理を把握した上で、登録販売者はお客さまにどう接したらよいのでしょう。
少しでもお客さまに満足して商品を購入していただくための方法を考えてみましょう。

薬機法を味方に付ける

販売する際、時に足かせとなってしまうのが「薬機法」ですよね。
POPを書く際に頭を悩ませる方も多いと思います。

ただこの薬機法は登録販売者にとって敵ではありません、味方です。
せっかく登録販売者の受験勉強で身についたのですから味方として活用しましょう。

もっとも分かりやすい例ではサプリメントや健康食品から医薬品へのスイッチがあげられます。
ここで「健康食品」と「医薬品」の違いを説明し、医薬品の優位性をアピールすることで商品と登録販売者本人の信頼度を上げることができます。

お客さまが健康食品を選ばれたとしても以下のようなアドバイスをすることで登録販売者としての信頼度をあげ、次回以降の接客に活かすことも可能です。

  • サプリメントの摂取タイミング(食前か食後か、朝か夜かなど)
  • 一日使用量の分割摂取方法(一日3粒なら1粒を3回に分ける)
  • 健康食品の重複によるデメリットの説明

一般に健康食品は効果を求める代わりにデメリットが軽視されやすいので、登録販売者として正しい情報を伝え信頼性を増すチャンスです。

知識と経験を使い分ける

わたし達登録販売者は知識を元に接客をおこないます。
しかしお客さまの中には「経験」や「評判」を基準に判断する方も多くいらっしゃいます。

この「知識」と「経験」を使い分けたりハイブリットにする必要があります。
登録販売者としての知識を元に、自身の経験や自分以外の経験談を紹介するのがお勧めです。

身近にいなかったらネットのポジティブな口コミや、芸能人のCMでもいいのでその商品のポジティブで主観的な印象を伝えましょう。

「当店の常連のお客さまも〇〇とおっしゃっていました!」
「リピーターの方が〇〇がよかったと言われていましたよ」

こうした口コミ的な一言で背中を押されるお客さまも多いのです。
もちろんもっとも説得力のある言葉は、登録販売者自身の「知識を元にした実体験」ですので実際に使ってみた感想を添えてみてください。

この時にもっとも意識するべきことは、お客さまに「わたしにピッタリだ」と思っていただくことです。
目の前のお客さまの悩みに対応できるよう、実体験のサンプルはひとつでも多く集めると結果として実績に大きく貢献します。

希少性の原理を利用する

「希少性の原理」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
または「希少性の法則」ともいわれますが、これは分かりやすくいえば「限定」という意味です。

わたしは店舗の従業員に推奨品を販売する切り口的な手法として使っています。
ここでの「限定」は限定品のことではなく、ふたつの意味で使っているので順に説明します。

タイミング的な希少性
主に季節性のある高額商品を販売する時に使えます。
例えば花粉症対策商品や紫外線対策商品ですね。

お客さまには「今このタイミングで使うならこの商品がもっとも効果的です」と伝えます。
実際は「お客さま、ちょうどいい時に来店されましたね! 今ならこの商品が本当に効果が出るんです、わたしは冗談抜きで人生変わりました(笑)」といった感じです。

フランクかつ科学的な内容で話すと堅苦しくありませんし、好印象が与えられます。

花粉症なら「この1週間が花粉シーズンを楽に過ごせるかどうかのタイミングなんです」
紫外線なら「実は来週が年間でもっとも紫外線が強いタイミングなんです」

他にも「この症状ならまだ初期ですね!よかった、この商品でちょうど対応できます!」
のような「今日、相談に来てよかった!」と思って頂けるテクニックです。

因みに本稿執筆時点でこの話術を使ってわたしの店舗は推奨品が全社中1位の実績です。

個人的な希少性
これはさらに高額の商品を紹介する時に使えます。
ある程度接客した後に「お伺いした内容ですと、お客さまにはこの商品がお勧めですね」「あまり紹介しない商品ですが、効果が出る方には本当に喜ばれています」と、個人限定のように案内するテクニックです。

いつも使っている商品の上位互換であったり、高額類似品を販売する時に効果を発揮します。
「アップセル」ともいわれますが、この時の金額差を追加効果として訴求すると効果的です。
「〇〇より〇〇EXの方が1日当たり10円高くなりますが、△△が追加されています」
「この成分を単独で摂ろうとするとこのサプリが必要なので、〇〇EXの方がお得ですね」

売場展開の裏技をこのあと紹介します。

お客さまの心理を使った販売方法を取り入れる

お客さまの心理を使った販売方法を取り入れる

様々な手法がありますがドラッグストアで行って効果があったテクニックを紹介します。
実際に従業員が実践して販売に繋げたものを紹介するので、ぜひ試してください。

多箇所展開をやめて接客に絞る

手間も減り確実に販売に繋げる手法として「定番売場のみの展開」をおこないます。
主に店舗独自で売場作成ができる会社に適しています。

高額の推奨品を大展開する指示が出ますが、個人的には効果があまり感じられません。
高いものを展開のみで販売するのは余程優れた売場作成を行わないといけないので、再現性が低いのです。

中途半端だったり稚拙に大展開をおこなうことでお客さまに「売りたい商品なんだ」と思わせてしまうデメリットも存在します。
どうせ高額商品をお勧めするのなら、定番売場のみの展開にするのもひとつの手です。
この時に先に説明した「個人的な希少性」を使います。

お客さまから見たら「わたしのために選んでくれた」という感覚になるので購入確率が上がります。
接客をおこないながら徐々に話を商品に近づけていき「お客さまへのとっておき」を紹介するテクニックです。

もうワンランク上のテクニックも存在します。

商品をレジ後ろに保管する

これも同じく「個人的な希少性」を使った販売方法ですが、店舗での展開とは別にレジ後ろに保管しておきます。
そして紹介する時に空箱ではなく「現物」をお客さまにお見せし、接客をおこないます。

ほとんどの店舗が高額商品を盗難対策で空箱展開を行っていますが、人間とは不思議なもので空箱展開にすると販売数が減ってしまうのです。

接客をおこない紹介する時に空箱だと断られてしまうこともありますが、ここで現物をお見せすると販売につながる確率が上がります。
データをとっている訳ではないのですが、体感として明らかに説得力が増します。

お客さまの立場から考えてみても「本物をわざわざ持ってきてくれた」という心理から購入につながっていると考えています。

プレッシャーをかけないようにする

ここまで様々な手法を紹介してきましたが、もっとも守らないといけないのが「薬機法」です。
決して効能効果以上のことを訴求してはいけないですし、サプリメント等に効能効果をうたってもいけません。

そしてお客さまにプレッシャーや圧力を与える接客もしてはいけません。
その時の実績になったとしても、そのお客さまは二度と店舗に来店されない可能性が大です。

お客さまにはあくまで「アドバイス」の体で接客をおこない、高額商品の知識を接客の武器として販売を行ってください。
ではお客さまにプレッシャーを与えない方法を紹介しておきます。

お客さまに話させる
登録販売者が理論武装をおこないお客さまを追い込んでも双方にとって損失しかありません。
お客さまに話していただきながら接客をおこなうことで販売側が発するプレッシャーから解放されます。

この場合は質問を問いかけでおこない、お客さまに返事をしていただく接客をしましょう。

「他に症状はありませんか?」
「いつから続いていますか?」
「ご家族に同じ症状の方はいますか?」

こうすることでヒアリングと同時に登録販売者が一方的に話してプレッシャーを与えるようなことが避けられます。

「最近流行っているんですよ、先ほども同じような症状のお客さまがいらっしゃいました」といった安心していただく話や「実はこの薬、明治時代から販売されているんですよ」といった雑学的な話題を緩衝材的に挟むのも有効です。

お客さまの心の障壁を取り払うテクニックは数多く存在します。
今回の記事を参考にして高額商品販売にチャレンジしてみてください!

ケイタ店長(登録販売者)

執筆者:ケイタ店長(登録販売者)
ドラッグストア勤務歴20年、一部上場企業2社で合計15年の店長経験を活かし、X(旧Twitter)などで登録販売者へのアドバイスや一般の方への生活改善情報の発信を行っている。X(旧Twitter)フォロワー数約5,000人。

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